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令和3年7月2日

自然環境

IPBES総会第8回会合の結果について

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第8回会合が令和3年6月14日(月)~同年6月24日(木)にオンラインで開催されました。本会合では、「生物多様性、水、食料及び健康の間の相互関係に関するテーマ別評価」及び「生物多様性の損失の根本的要因、変革の決定要因及び生物多様性2050ビジョン達成のためのオプションに関するテーマ別評価」のスコーピング文書が採択されました。なお、令和3年5月21日付け報道発表でご案内したとおり、環境省主催の結果報告会を令和3年7月6日(火)に開催します。

1.会合の概要
(1) 名称
日本語 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第8回会合
英語  The eighth session of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services (IPBES) Plenary
(2) 期間 令和3年6月14日(月)~同年6月24日(木)
(3) 形態 オンライン(非公開)
(4) 参加者 IPBES参加各国の政府、国連環境計画などの関連国際機関など
(5) 公式ウェブサイト
https://ipbes.net/event/ipbes-8-plenary

2.主な成果
(1)「生物多様性、水、食料及び健康の間の相互関係に関するテーマ別評価(ネクサス・アセスメント)」及び「生物多様性の損失の根本的要因、変革の決定要因及び生物多様性の2050ビジョン達成のためのオプションに関するテーマ別評価(社会変革アセスメント)」のスコーピング文書の採択
 両アセスメントの内容や方法論についてまとめられたスコーピング文書が採択されました。ネクサス・アセスメントでは、生物多様性、気候変動、エネルギーの生産・供給・消費を含む適応・緩和策(生物多様性関連のものに限る。)、水、食料、及び健康の相互関連性について分析し、また社会変革アセスメントでは、社会変革(Transformative change)の決定要因について、特定のセクターに着目した分析ではなく、心理、行動、文化、政治、政策等の様々な観点からセクター横断的に分析をすることになりました。そして、双方の関連性及び補完性を踏まえ、連携しながら3年間かけてアセスメントを実施し、生物多様性の2050ビジョン「自然との共生」達成やポスト2020生物多様性枠組等に係る政策決定における知識強化に貢献していくこととなりました。

(2)第2期作業計画2019-2030の実施事項
 上記(1)の2つのアセスメントの開始の他、現在進行中の第2期作業計画2019-2030での実施事項として、IPBESと気候変動に関する政府間パネル(IPCC)との連携について引き続き検討すること、能力開発に関するタスクフォース、知識・データ及び先住民と地域社会の知識体系に関するタスクフォース、政策支援ツールと方法論及びシナリオ・モデルに関するタスクフォースの2021-2022年の暫定作業計画を承認すること等が決定されました。

(3)2021-2023年予算
 2021年予算は、第7回総会(2019年)で決定された8,721,810米ドルが、新型コロナウイルスの影響を受けた会合のオンライン開催等により見直され、5,674,428米ドルと決定されました。また、2022年予算は9,882,675米ドル、2023年の見込予算は9,860,670米ドルとそれぞれ決定されました。さらに、今後のIPBESの作業の効率及び効果の改善に向けて、各種オンライン会合やオンライン形式の作業から得られた教訓を点検すること等も決定されました。

(4)今後の総会
 第9回総会は、2022年に行うものの、その時期、開催地及び態様は、関連会合のスケジュールも考慮して、今後決定されることになりました。また、第10回総会は米国が2023年にホストすることが決定されました。

3.環境省主催結果報告会
(1) 概要
【日時】令和3年7月6日(火)13:30~14:30
【形態】オンライン(Zoom webinarによるオンライン配信)
【主催】環境省
【内容】
1) IPBES総会第8回会合結果概要(環境省)
2) 政策支援及び第2期作業計画に関する専門家所見(香坂先生)
3) 学際的専門家パネルとしての所見(橋本先生)
4) IPBES総会第8回会合に関する専門家所見(白山先生)
5) 侵略的外来種評価の進捗報告(IPBES侵略的外来種評価技術支援機関)
【報告者】 (敬称略、発表順)
・ 中澤 圭一  環境省自然環境局 生物多様性戦略推進室長
・ 香坂 玲   名古屋大学大学院 環境学研究科 教授
・ 橋本 禅   東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授
・ 白山 義久  京都大学 名誉教授
・ 守分 紀子  IPBES侵略的外来種評価技術支援機関 ヘッド

(2) 参加申込要領
 5月21日付け報道発表で御案内したとおり、参加を御希望の方は、7月2日(金)中に、以下のURLからお申し込みください(定員800名に達し次第締め切らせていただきます。)。Zoom webinarの視聴用URLはお申し込みいただいた方に個別にお知らせいたします。報道関係者の方は所属先の分類で「メディア」と選択し、「取材を希望する」にチェックを入れてお申し込みください。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_ABstA8SxTAu_gtBcBELOXA

<参考>
● 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム
(Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services:IPBES(イプベス))
◆ 生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして2012年4月に設立された政府間組織
◆ 2021年3月31日現在、137カ国が参加
◆ 科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能が活動の柱
◆ これまでに以下の評価報告書を作成
・ 生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論に関する評価報告書
・ 花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するテーマ別評価報告書
・ 生物多様性及び生態系サービスに関する地域・準地域別評価報告書
・ 土地劣化と再生に関するテーマ別評価報告書
・ 生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書
◆ 参考情報
IPBES webサイト
https://www.ipbes.net/
環境省webサイト
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/international/ipbes/index.html

関連情報

過去の報道発表資料

令和3年5月21日
IPBES総会第8回会合の開催について

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8275
室長 中澤 圭一 (内線 6480)
室長補佐 大澤 隆文 (内線 6484)
専門官 竹原 真理 (内線 6663)

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