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令和3年6月25日(金曜日)
教育、その他

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G20教育大臣会合、日本体育大学大学拠点接種会場の視察、新型コロナワクチンの大学拠点接種、大学入試のあり方に関する検討会議

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年6月25日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年6月25日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年6月25日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私からは2件です。今週火曜日にですね、ハイブリッド形式により開催されたG20の教育大臣会合に出席をいたしました。この会合は、G20議長国のイタリアの呼びかけにより、ブレンド型教育、また、教育における貧困などについて各国が議論し、その知見を共有するために開催されたものです。私からは、まず、ESDについてその意義や国際的な連携・協働を呼びかけるとともに、対面教育の重要性や、オンライン教育では代替できない学校の意義を強調しつつ、1人1台端末を活用した新しい学びなど学校におけるICT活用にかかる我が国の取組について紹介しました。また、人的交流の順次再開に向け、日本人留学生向けのワクチン接種証明書の発行について紹介し、各国等と知見を共有しました。さらに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の安全・安心な開催に向けて、万全な感染症対策を講じ、準備を進めている旨を説明しました。文部科学省としても、引き続き、教育分野におけるG20関係国・機関との連携・協力を進めてまいりたいと思います。
 もう1点ですが、昨日、日本体育大学の大学拠点接種会場を視察してまいりました。日本体育大学におかれましては、視察の受入れに感謝申し上げたいと思います。今回の視察では、理事長と学長から、大学拠点接種の現状のご説明をいただくとともに、接種会場を拝見しました。日本体育大学は、教職員・学生に加え留学を予定する他大学の学生や近隣の住民、特に桜新町の商店街の皆さんに、接種対象としており、文部科学省が目指す大学拠点接種を具現化していただいていると考えています。接種会場では、実際に現場の方々にもお話を伺うなど、大変有意義な視察となりました。文科省としては、引き続き、各大学等が自大学のみならず、近隣の教育関係者等にも接種を行なう拠点となるよう、各大学等と一体となって大学拠点接種の取組を進めてまいりたいと思います。なお、大学拠点接種については、昨日の12時まで、文科省に対して363大学から相談が来ており、そのうち288大学が既に申請を行なったと聞いております。さらにこのうち、今週から接種を開始したのは、本日開始する大学も含め29大学となっており、このほか、来週から接種開始の目途が立っているのは現時点で40大学ということになります。今後とも、文科省としては、大学拠点接種について、各大学等と一体となって取り組んでまいりたいと思います。私からは以上です。

記者)
 ワクチン接種で1問お伺いします。河野大臣が、23日の夜に記者会見を開いて、モデルナのワクチンの配送が追い付かないということで大規模接種や職域接種の新規の受付を止めるという発表をされました。別の、大学拠点接種は別の概念ということは承知しておりますけども、モデルナのワクチンということでですね、大学の方の接種にこの影響はないのかと、あるとすれば今後の対応策どう取られるのか、お伺いできればと思います。

大臣)
 文科省としては、このコロナ禍において、通常であれば行なうことができた学習活動を十分に行なうことができなかった大学生等が、ワクチン接種を希望する場合には、可能な限り夏休みが終了するまでに接種を行なうことができるようにすることが重要と考えております。その実現のため、大学拠点接種に関しては、他の職域接種とは異なり、各大学等が大学拠点接種の実施を検討する段階で、まずは文部科学省に対して相談をしていただき、自大学の教職員・学生等へのワクチン接種のほか、近隣の教育機関を含めた学生・教職員等への接種などの当該地域における貢献の取組を検討しているかを文科省において確認をした上で、各大学等から厚生労働省に対して申請いただくという手続を採ってまいりました。先日、河野大臣が発表されたように、職域接種については、本日の17時で厚労省の職域接種会場申請サイトへの新規の申請を一時休止をするということでありますけれども、大学拠点接種については、現在、文科省にご相談いただいている案件の中には、接種を希望する近隣大学等とのマッチングが完了していないものですとか、あるいは当該地域において、ワクチン接種を希望する大学生等に対して接種を行なうことができる大学が申請を終えていないものがあります。文科省としては、引き続き、各大学等から相談内容や地域の状況の精査を行いながら、ワクチン接種を希望する一人でも多くの大学生等にワクチンを届けることができるように、ワクチンの供給量を踏まえつつ、関係省庁と調整を行ってまいりたいと思っています。

記者)
 そうしますと、大学拠点接種に関してのワクチンの供給不安ですとか、あるいは今後止めるといったことは生じないという理解でよろしいんでしょうか。

大臣)
 政府全体で、今、職域でモデルナのワクチンを利用しているんですけれど、期待した以上に職域の会場の手も挙がりましたし、大学接種についても順調に進んでいるという状況にありますので、総体数のワクチンから逆算していくと、これ以上、今の段階で広げると日程通りの供給ができなくなるのではないかということ、多分、心配されての対応だと思うんです。したがって、我々としては、大学は、職域の、普通の接種とは違うんだっていうことを政府内でも皆さんからご理解をいただいてやってきましたので、冒頭、私が申し上げた、今、相談している、申請しているこういう大学については、できる限り可能なように、配慮ができるようにですね、努力していきたいと思います。で、同時に、大学側も予定数を言っても、全ての学生が100%接種するわけじゃないので、そこは誤差が出てくると思うので、こういったことを少し丁寧に計算しながらですね、効率的にワクチンが配給できるようにですね、それはそれで、文科省は文科省で、自分たちの範囲は全部自分たちでやるんだっていうんじゃなくて、ここは政府全体で協力しながらやっていきたいと思うんですけれど、要は、大学で準備してきた人たちが、そういうことが不可能になるんじゃないかっていうことを、多分、心配して聞いていただいているのだと思うので、そこは心配のないように、対応をしっかりいきたいと思います。

記者)
 私は、火曜日に開かれた大学入試のあり方の検討会議について伺いたいと思います。この会議の中で、英語4技能試験と記述式問題については、いずれも実現困難であると言わざるをえないという提言案が示されました。学習指導要領で目指している学力の3要素を多面的・総合的に評価するために記述式問題と英語の4技能を共通テストに導入するというのは、ずっとこの10年間ぐらいやってきた高大接続改革の大きな柱だったと思うんです。少し大仰な聞き方になってしまうかもしれませんけども、高大接続改革そのものにですね、2つの4技能試験と記述式問題を見送ってしまうことがどのような影響を与えることになるのか、受止めとご所見をお聞かせください。

大臣)
 22日に開催された「大学入試のあり方に関する検討会議」において、座長及び座長代理より、記述式問題の出題や英語資格・検定試験の活用については、大学入学共通テストやその枠組ではなく、各大学の個別試験や総合型・学校推薦型選抜で推進すべきとの「提言原案」が示され、活発なご議論をいただきました。審議を通じて、記述式問題の出題や総合的な英語力の育成・評価のあり方について、多くの委員の皆様の間で一定の方向性がまとまりつつあるのではないかと思いますが、座長・座長代理が22日の会議で出された様々な意見を踏まえて更に案を修正し、次回の会議において、最終的なまとめに向けた議論をする予定と承知しています。いずれにしましても、検討会議においては、国民の皆さんが納得でき、受験生が安心して受験できる、より良い制度を構築できる結論を導いてまいりたいと考えておりまして、文科省としても、提言を踏まえ、本年夏頃に行なう令和6年度の実施、大学入試に係る予定の通知・公表に間に合うように整理をしていきたいと思います。したがって、仮にですね、最終答申で英語の4技能や記述式を共通テストの枠内で行なうことをやめるということになれば、じゃあ、大学、今までのようなですね、高校での学びをきちんとする評価ができなくなるのかっていうご指摘は全く違いまして、今申し上げたように、各大学が、そこはやっぱり時間をかけてきちんと見て差し上げる。英語4技能の大切さっていうのは、これは変わりませんし、しっかり勉強してもらうし、それを共通テストのみで評価するのではなくて、個別の試験で各大学がきちんと評価していくっていうことになれば、その高校での学びは何ら変わらないと思いますし、記述式も、極めて短い短文を共通テストに紐付けるよりは、各大学が個別試験やあるいはもっとAOや推薦入試の場合は時間があるわけですから、そういうところできちんと評価するってことの必要性は、今、会議の中で皆さん共有しているところなので、共通テストと一緒にやるっていうことが難しいっていうところまでは議論は詰まっていますけれど、これは要らないのだと、10年間議論してきたことは全く水泡に消えるんだということじゃなくて、この大切さをどう試験に、それぞれの大学がきちんと連結をしていくかっていうことを模索しているっていう最終段階だと承知しています。

記者)
 1つフォローさせてください。検討会議の席上で、大臣ご自身、何度か指摘されてますけど、個別の大学によって対応できる力を持ってるところ、できないところ、かなり、はっきりあって、そこを、なんで自分の大学で、きちんとできる能力を磨かないのかということを、大臣、何度かご指摘になったと思うので、私も全くその通りだと思うんですけども、しかしながら現実問題として、自分の大学の中で十分英語の4技能試験とか記述式問題を出せない、それを評価できない大学があるという事実もあると思うんですけれども、ここの部分をどのように取り組んでいきたいとお考えでしょうか。

大臣)
 直接のコメントは避けたいと思うのですけれど、少子化の中でですね、これもう18歳人口がどんどん減っているわけです。その中で大学は毎年増えているわけです。定数割ってしまっている大学というのは数多くございます。そういう中で、各大学がその存在感をきちんと示すということであれば、今、ご指摘のようにですね、1年の1回の入試問題が作れない、1年に1回の採点ができない大学が存在していくことが本当にこの国の高等教育のあり方としていいのかということは、これはもう、大学関係者と一緒に考えていかなければならないことなんじゃないですかね。だから、物理的にできないんだと言って開き直る学校があれば、それはそういう大学なんじゃないですか。それは、受験生がそういう評価をするんじゃないですかね。私、今回コロナ禍での対応というのを公表して、随分、公表するなと言われましたけれど、公表したことで、受験生はその選択の幅が広がったという評価をいただいていると思います。結果として、言うならば、受験倍率が変わって人気ランキングがどんどん変わってきたというのはそこにもあるんじゃないかと思うので。私は、やっぱりそれぞれの大学がですね、一定の努力はするべきだと思います。最初からできないんだじゃなくて、さっき申し上げたように、秋口に推薦入試などで採る場合に、時間いっぱいあるわけですから。ですから、それは、論文きちんと読み込むと。問題を作れない、作りたくないなんていう大学がもし存在するとすれば、そのことの方が私は問題だと思いますので、ここは、高等教育の充実と一緒にですね、これからの大学のあり方っていうのをまさに考えていただく大きなきっかけにしていきたいと思っています。

記者)
 先ほどの大規模接種について、1つ確認させてください。こちら、河野大臣、一昨日、モデルナに関しては企業、大学で3,300万回申請があったので、ちょっと供給上回るんじゃないかということで一時停止されたと思うんですけれども、先ほどの大臣の発言というのは、つまり、これまでに申請のご相談や希望があった大学についてはある程度把握されているので、その3,300万回に入っているので、供給に対しての影響、いきなり枯渇とか休止と言うことはないよということでよろしいんでしょうか。それと、あとあの、今日午後5時の時点で、厚労省のホームページっていうのは大学含めて一時停止すると思うんですけれども、そうすると、大学は全く考えていないことはないと思うですけれども、そういったことで申請できなくなるのか、文科省としては、6月上旬に、350大学が希望してるっていう全体の数を持ってらっしゃったと思うので、そこから積算されてるのかなと思うんですけどその辺り教えてください。

大臣)
 今朝、冒頭申し上げた、現段階での学校数、363大学から相談が来ていて、288大学は申請を行っておりますので、まず、この288大学のオーダーには、しっかり応えていける環境にあると思っています。じゃあ、今日の5時までに間に合わなかった大学があった場合に、そこはもう、1回ストップするのかといえば、手続上は1回ストップしたいと思います。それはさっき申し上げたように、モデルナの方の総数に限界がありますので、そこは、混乱を避けるために、一度、厚労省としての申請はもうできなくなるわけです。ただ、文科省としては、相談は引き続きやっていきたいと思っていまして、それは、さっき申し上げたように、いわゆる大学拠点の接種というのは、職域接種の一環という見方もあると同時にですね、我々はそうじゃないんだっていうのをずっと言ってきましたので、そのことを河野大臣も政府全体も理解しておりますので、3,300の枠の外で仮にバッファがあったとすればですね、そういったものも有効に活用をさせていただくことによって、できるだけ要望に応えていきたいと思うんです。実は、河野さんと今朝打ち合わせしたのは、地域貢献ということで、ご近所の人とかもできるだけ受け入れてくれってことを言ってきて、現に始まっているんですけれど、ご近所の人は、逆に各自治体が65歳以下の接種が始まりましたので、そこで頑張らなくてもいいかなと。それよりも、学校関係者・教育関係者に特化してもらった方が、大学の拠点接種の意義が発揮できるんじゃないかってことで、この辺も、我々も見直すべき点があれば見直しながらですね、さっき申し上げたように、全ての学生さんが100%接種するわけじゃないので、そこは、もしかすると、例えば1割とか2割とか、接種は滞る可能性がもし見えたとしたら、そこはスライドしながらですね、何とかこの学校の皆さんが接種をしたいという要望にはしっかり応えていきたいなっていうふうに思っています。

(了)

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