令和3年6月18日(金)

 今朝の閣議におきまして,法務省案件として,主意書に対する答弁書が2件ありました。
 法務省関連の新型コロナウイルス感染症の感染状況について申し上げます。
 6月11日(金曜日)の会見後から昨日までの間に,職員については,3つの官署・施設で計3名の感染が判明しました。
 また,被収容者については,東京拘置所で1名の感染が判明しております。
 詳細は既に公表されたとおりでございます。

ミャンマー代表のサッカー選手の帰国拒否に関する質疑について

【記者】
 サッカーワールドカップ予選のために来日していたミャンマー代表の選手が,生命の危険を理由に帰国を取りやめました。月内にも難民認定を申請するとしています。
 今回の事案の事実関係をどのように把握しているか,また,どのように対応する方針かお聞かせください。

【大臣】
 報道につきましては承知しているところでございますが,個々人の出入国・在留や難民認定に係る手続につきましては,お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で申し上げれば,現在のミャンマー情勢は,いまだ不透明でございまして,本邦に在留するミャンマー人の方々の中には,帰国することに不安を抱いている方が少なからずいらっしゃると考えております。
 そうした観点から,先般5月28日に,出入国在留管理庁におきまして,現に日本に滞在するミャンマー人で,ミャンマーにおける情勢不安を理由に在留を希望する方につきましては,緊急避難措置として,在留や就労を認めることとしたものでございます。
 また,一般論で申し上げれば,我が国におきましては,難民認定申請がなされた場合は,申請者ごとにその申請内容を審査した上で,難民条約の定義に基づきまして,難民と認定すべき者を適切に認定することとしているところでございます。
 御質問のサッカー選手につきましては,個別の事案のためお答えは差し控えるところでございますが,今般のミャンマーにおける情勢の変化などを踏まえまして,ミャンマー人の方々に対しましては,適切に対応してまいりたいと考えております。

ミャンマー人に対する難民認定に関する質疑について

【記者】
 難民認定の関係ですけれど,昨年確か600人以上が不服申立てをしましたが,ミャンマーの方の認定はゼロという結果が出ていたと思います。
 今回の事案を踏まえて,積極的な難民認定をミャンマー国の方に対しては考えていくという方向性なのか,お聞かせください。

【大臣】
 先ほど申し上げたとおりでございます。我が国におきまして難民認定申請がなされた場合につきましては,申請者ごとに,その申請内容を審査した上で,難民条約の定義に基づきまして,難民と認定すべき者を適切に認定することとしているところでございます。
 ミャンマーの情勢につきましては,いまだ不透明なところでございまして,本邦に在留するミャンマー人の方々の中には,帰国することに不安を抱いていらっしゃる方が少なからずいると考えております。
 先般5月28日,現に日本に滞在するミャンマー人の方で,情勢不安を理由に在留を希望する方については,緊急避難措置としての在留・就労を認めることとしたものでございます。
 適切に対応してまいりたいと考えております。

仮放免者に対する健康保険の適用に関する質疑について

【記者】
 仮放免の方への保険適用に関してお聞きします。
 6月4日に外国人支援団体の北関東医療相談会が会見をされまして,ステージ3の卵巣がんにかかった仮放免の南アジア出身の46歳女性が,国民健康保険に入っていないことで,手術を受けることが困難になっているということが伝えられました。
 幸いこの会見を機に寄付が集まり,彼女の場合は,当面の手術の見込みが立ったのですが,がん治療は手術後も抗がん剤治療を繰り返す必要があり,入院の長期化による高額の医療費が予想されております。
 病院側は,在留許可さえ出れば,莫大な医療費負担を患者が負わずに済み命を救えると,在留許可をまず得てほしいと女性側に求めております。今多くの仮放免の方たちが増えている状況だと思うのですが,彼・彼女たちには,大臣も御存じのとおり生活保障は一切なく,保険にも入れない,また,口座も持てないため携帯さえ持てないという最低限の命を守る権利も保障されていないような状況です。
 在留特別許可の有無にかかわらず,健康保険をあらゆる仮放免者に出していく,命を守っていく必要があるのではないかと思いますが,この点に関して,大臣の見解をお願いいたします。

【大臣】
 ただ今御質問をいただきました個別事案に関する件でございますが,個別事案ということでお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論ということでございますけれども,重篤な疾病にり患している者に対する在留特別許可の許否の判断につきましては,この当該疾病にり患した状況を十分に踏まえまして,個別の事案ごとに,諸般の事情を総合的に勘案して,適切に判断しているということでございます。そうした方針の中で,それぞれの対応をさせていただいているところと承知をしております。

【記者】
 いわゆる重篤な場合などは疾病状況に応じて判断ということですが,例えば毎日新聞で報じられました死後に在留カードが届いたというカメルーン人女性のように,入管の施設や仮放免後に適切に治療を受けられないまま,全身にがんが転移するなどして亡くなっている人たちというのが,取材していても一定数いらっしゃいます。
 この対応がそもそもかなり遅かったのではないかという点と,それから先ほどの回答でお答えいただいていないと思うので,仮放免に際して,この命を守るための健康保険証の発行,これを在留特別許可の有無いかんにかかわらず,まず出すべきではないか。そうであれば,この亡くなったカメルーン人女性のような方たちを救うことができたのではないかと思います。この点に関して大臣の見解をお願いいたします。

【大臣】
 我が国の在留資格制度でありますが,本邦で行おうとする活動,個々の事情に応じまして,適切な在留資格を付与するということでございます。
 それに応じまして社会保障制度が適用される,あるいはされないということになるところでございます。個々の外国人の方々の置かれた状況に十分配慮しながら,適切に対応してまいりたいと思っております。
 重篤な疾病にり患している方に対しての大変切実な状況ということについては,それぞれの個別ケースにおきまして適切に判断をしてまいりたいと考えております。

入管職員への新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に関する質疑について

【記者】
 新型コロナウイルスのワクチン接種に関してお聞きします。
 空港等で働く入国審査官等の入管職員は感染のリスクが高いと思われますが,こうした職員へのワクチン接種についての現状と今後の対応方針を教えてください。

【大臣】
 新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種については,今国民の皆様に幅広く接種をしていただいているところでありますが,政府におきましては,国家公務員につきましても,接種の必要性が高い職員に対して職域接種を行うべく準備を進めているところでございます。空港等で働く入国審査官等につきましても,その対象とされているものと承知しているところでございます。
 現在,関係省庁との調整を進めており,まずは,成田空港及び羽田空港の水際対策要員等を対象に,6月21日の週からワクチン接種を始められるよう準備を進めているものと承知をしております。

(以上)