(令和3年6月18日(金曜日)10時45分 於:本省会見室)

冒頭発言

通常国会閉会

【茂木外務大臣】一昨日、通常国会の方、閉会ということになりました。通常国会、第3次補正の審議から始まりまして、令和3年度予算、過去最大となります106兆6,097億円、この令和3年度予算も年度内に成立を見ることができました。
 この国会に提出をしました閣法、継続案件も含めますと、64本のうち62本が成立をいたしました。成立率96.8%ということでありまして、過去5年の通常国会では最も高くなっております。
 外務省関係でも、ホストネーションサポートに係ります特別協定改正議定書であったり、更にはRCEP協定を始め12本の法案、条約、全て成立をさせることができました。
 実り多い国会になったと思っております。ご協力に感謝いたします。私(大臣)から以上です。

香港「リンゴ日報」幹部の逮捕

【朝日新聞 佐藤記者】昨日、中国政府に批判的な香港の新聞「リンゴ日報」を発行するメディアグループの幹部5人が、国家安全維持法違反の疑いで警察に逮捕されましたけれども、香港での報道の自由、更に脅かされる事態というふうに考えられますけれども、大臣の受け止めと、今後の日本政府の対応をお聞かせいただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】昨今の香港情勢については、我が国の認識、これまでも繰り返しお伝えしてきておりますが、ご指摘の件を含めて、これまで一連の事案が、香港が享受してきた民主的、安定的な発展の基礎となります言論の自由や、報道の自由にもたらす影響等について、重大な懸念を強めております。
 香港は、我が国にとって緊密な経済関係及び人的交流を有する極めて重要なパートナーでありまして、「一国二制度」の下において、自由で開かれた体制が維持をされ、民主的、安定的に発展していくことが重要である、これが我が国の一貫した立場であります。
 先日のG7サミットにおいても、香港について、英中共同声明及び香港基本法に明記された香港における人権、自由及び高度の自治の尊重を求めることが首脳コミュニケに明記をされたところでありまして、引き続き、国際社会が緊密に連携して、中国側に強く働きかけていくことが重要であると思っておりまして、我が国としても、これまでもそういった働きかけを直接に中国に対しても行っておりますが、今後も適切に対応していきたいと思っております。

北朝鮮の対米方針

【NHK 山本記者】北朝鮮について伺います。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記ですけれども、朝鮮労働党の中央委員会総会に出席をして、米国との関係について、「対話にも対決にも準備しなければならない」と述べたと伝えられていますけれども、対話と対決、両方に言及していますが、どのように評価をしていらっしゃるか、また日米韓、日韓で今後どのように対処していく方針でしょうか。

【茂木外務大臣】特段、驚く発言ということではないですが、今回の金正恩委員長の発言を含めて、北朝鮮をめぐる動向については、平素から重大な関心を持って、情報収集であったりとか分析を行っておりまして、本件についても、様々な情報に接しているところであります。
 北朝鮮として、米国の政策レビューについて話を聞くと、こういうことに対して回答がない、こういう状況でありますが、我々としては、米国の政策レビューの結果を踏まえて、北朝鮮政策を進めていくに当たって、引き続き、日米、日米韓で緊密に連携していくことが重要でありまして、先日のG7外相会談の際にも、日米韓の外相会談を行ったところでありまして、引き続き、必要な情報の収集分析、全力を挙げていきたいと思っております。

大統領選後の対イラン外交政策

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 中東情勢についてお伺いします。近くイランの大統領選が行われます。通常、日本政府は他国の選挙についてコメントしないことは承知していますが、イランに対する日本の中長期的な外交政策についてお聞かせください。特に、イエメンとサウジアラビアとの間の越境攻撃の件も含めお聞かせください。

【茂木外務大臣】もちろんイランに限らず、各国での選挙結果等について、コメントすることは控えたいと思いますが、日本としても、イランの大統領選挙、注視をしておりまして、どの候補が当選するにしても、日本とイランの二国間関係の一層の強化に努めるとともに、イランとの伝統的な友好関係を活かして、今、お話にありましたような、近隣国との武力衝突と、こういったことも起こってきたわけでありまして、中東地域の緊張緩和、そして情勢の安定化に向けた積極的な外交努力を継続をしていきたいと思っております。
 もう一つ、イランについては核問題があるわけでありまして、現在、イランの核問題をめぐって、ウィーンにおいて関係国の間で対話が行われ、そして、米国とイラン双方が核合意履行への復帰に向けた進展が行われているところでありまして、米国とイラン双方の核合意履行への復帰に向けた進展を期待をし、協議の行方、注視をしているところであります。