令和3年6月17日

 6月17日(現地時間16日)、ニューヨークにおいて、我が方、石兼公博国際連合日本政府代表部特命全権大使兼常駐代表と先方インガ・ロンダ・キング国際連合セントビンセント及びグレナディーン諸島政府代表部特命全権大使兼常駐代表(H.E. Ms. Inga Rhonda KING, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary, Permanent Representative of Saint Vincent and the Grenadines to the United Nations)との間で、供与額2億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

  1. セントビンセント及びグレナディーン諸島においては、病床や医療機材の不足・老朽化といった脆弱な保健・医療体制の中、新型コロナウイルスの感染者数拡大に加え、デング熱の流行や、今年4月に噴火したスフリエール火山被害の影響もあり、保健・医療体制の強化が急務となっています。本計画は、セントビンセント及びグレナディーン諸島に対し、保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。
  2. 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した国際社会全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。
  3. 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。さらには、この支援が、一人ひとりの健康の確保を含む人間の安全保障の確保に貢献するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。

 セントビンセント及びグレナディーン諸島は、面積約390平方キロメートル。人口約11.0万人(2019年、世界銀行)。人口1人当たり国民総所得(GNI)は7,460米ドル(2019年、世界銀行)。