(令和3年6月11日(金曜日)13時11分 於:本省会見室)

G7サミット(ワクチン供与)

【NHK 山本記者】今日開幕するG7サミット、ワクチンのことなんですけれども、議長国の英国が来年中に、G7として10億回分のワクチン提供で合意できる見込みだと明らかにしましたけれども、現在そういう方向になっているんでしょうか、よろしくお願いします。

【茂木外務大臣】まさにコーンウォールでのサミット、これから始まりますので、そこの中では、新型コロナの感染症対策、そしてワクチンの供給における国際的な協力等々も当然話し合われると、こんなふうに思っております。
 結論がどうなるか、まさにこれから議論することでありますので、予断をもって申し上げることは控えたいと思いますけれど、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて、あらゆる国・地域において、安全性、有効性、品質が保証されたワクチンへの、公平なアクセスが確保されることが重要であると考えております。
 これは資金的な支援もありますし、また、ワクチンそのもの、現物の支援、こういったものもあると思っております。
 6月2日には、日本とGaviが共催して、COVAXワクチン・サミットを開催しましたが、そこで日本からCOVAXファシリティに対して、新たに8億ドルを拠出する、更に環境が整えば、しかるべき時期に、日本で製造するワクチンを3,000万回分を目途として、COVAX等を通じてマルチ、またバイで、各国・地域に対して供給を行っていく考えである、こういったことを表明いたしました。
 先週その第一弾として、台湾側からの依頼に応えて、我が国で製造したアストラゼネカ社のワクチンを124万回分、無償で台湾の人々にお届けをしたところであります。
 また昨日、英国のコーンウォールにおいて、バイデン大統領が、ワクチン5億回分を、世界の92の低・中所得国に供与していく方針を表明いたしました。日本としてこれを歓迎したいと思っております。
 それぞれの国がどういう直接供与ができるか、こういったものも含めて、最終的に議長国として、どういう表現で取りまとめるかということになってくるのではないかと思っておりますが、その上で、我が国のワクチンの供与につきましては、国内のワクチンの生産状況であったりとか、国際社会からの要請、また、各国・地域における感染状況やワクチンのニーズ等、様々な要素を勘案して検討していくこととしておりまして、ワクチンの供給先となる国・地域については、今相当たくさんの国から要請いただいています、よく調整していきたいと思っています。

G7サミット(日本の主要アジェンダ)

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 G7サミットの枠組みで日本はアジア唯一のメンバーですが、菅総理はどのような議題について議論をされるのでしょうか。また、特に中東地域が所在する西アジア地域を含むアジア地域情勢について、どのような議論をされる予定でしょうか。

【茂木外務大臣】今日から開催されます、英国コーンウォールでのG7サミットについて、議長国であります英国は、新型コロナからの回復、Building Back Better、そして途上国へのワクチンの供給、更には気候変動、女子教育、こういったグローバルな課題、中心的なテーマとする旨対外発表していると思っております。
 その上で、アジア唯一のG7メンバーであります我が国としては、これらの課題に加えまして、「自由で開かれたインド太平洋」の実現であったり、厳しさを増しております地域情勢など重要課題について、G7外相会合等における成果も踏まえつつ、ポスト・コロナの国際秩序の形成に向けて、G7の議論、主導していきたいと思っております。

ロシアによる日本漁船の臨検・連行

【テレビ朝日 佐藤記者】昨日、ロシアに連行されていた榮寶丸(えいほうまる)が解放されました。改めて、この解放に対する日本政府としての評価と、いまだロシア側としては、ロシアの排他的経済水域での違法操業が完全に立証されたというような主張をしておりますが、こうした主張に対して、日本政府の立場をお願いします。

【茂木外務大臣】今日の午前6時10分に、船体そして乗組員全員、14名、稚内の港に無事帰港しました。乗組員の皆さんも健康上問題ないと、このように聞いております。
 日本側としては、当時、当該漁船は日本のEEZ内で操業していたと認識をしておりまして、外交ルートを通じてロシア側関係当局に対して、威嚇射撃を含めロシア側によります、追跡・臨検・連行、そして留置は受け入れられないと、抗議をしたところであります。
 その上で、早朝、榮寶丸(えいほうまる)が帰港したことから、今後、本件事案に係る事実関係の詳細について、我が国関係当局が調査をしていくことになると考えております。

G7サミット(日韓首脳の接触)

【東亜日報 キム記者】G7と日韓関係について伺いたいです。G7首脳会談で菅総理と文在寅(ムン・ジェイン)大統領が一緒に出席されています。韓国側からは、日本との対話には常に開かれた立場だと強調し、非公式な接触はあり得る等の見方も示しています。こういう状況で、勿論予断ではないんですけれども、もし日韓首脳同士の非公式対話または会談が行われれば、どんな意味もしくは意義があるのか、大臣の見解をお聞きします。

【茂木外務大臣】今回のG7、今日から始まるわけでありますが、向こう時間の明日の午前中までは、G7での会合と、その後、韓国、そしてオーストラリア、さらには、インド、南アを含めアウトリーチ国も含めた議論が行われると承知いたしております。
 なかなか今回の日程を見て見ますと、フリンジ、空いている時間というのはかなり限られております。そういった中で、お互いの都合等々を考えて、どういったバイ会談等入れるか、それはまさに今後調整していくということで、今の時点で決まっているものはございません。

ロシアによる日本漁船の臨検・連行

【北海道新聞 古田記者】稚内の拿捕の関連でちょっと伺いますけれども、日露でお互いにEEZ内で操業していたという形で主張が食い違う中で、日本の漁船側が、罰金を支払ったということを明らかにしております。こうした対応は適切だったのかどうかということで、外務省の認識を改めてお聞かせください。

【茂木外務大臣】先ほど申し上げたように、本件事案に係る事実関係、詳細は、船も乗組員も帰ってきましたので、関係当局がまず調査をすることになると思います。

東京オリンピック・パラリンピック(外国要人との会談)

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に際して、様々な外交活動が展開されると思いますが、訪日を予定している外国要人との間での首脳会談の調整状況をお聞かせください。また、既に訪日が判明している外国要人もいましたらお教えください。

【茂木外務大臣】過去の、リオであったりとか、ロンドン、北京、こういうオリンピック大会の際にも、海外から多くの首脳を含めた海外要人と、オリンピックの機会に、それぞれの国を訪問しているということでありまして、今回、コロナ下での感染対策を万全にしながらのオリンピックということでありますが、各国からある程度の人数の要人の方がいらっしゃるのだろうと、そのように考えておりますが、現時点で、どういう会談を行うかということについては、まさに今後調整すると、こういうことになってくると考えています。