農林水産省・新着情報

野上農林水産大臣記者会見概要

日時 令和3年6月8日(火曜日)9時31分~9時39分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 梅雨期における大雨被害及び害虫被害への対策等について
  • 新型コロナウイルスワクチンの職域接種について
  • 不漁問題について

 

記者

  梅雨時期になってきましたが、この時期、例年、大雨などによって農作物に大きな被害が出ています。そのほか、稲を食べる害虫の飛来による被害も、近年厳しさを増しているようですが、農水省として、既に梅雨入りした西日本でですね、まず、大きな被害というのを確認しているものがあるか、教えてください。また、今年はどのような対策を進めていくのでしょうか。よろしくお願いします。

大臣

  まず、梅雨期及び台風期を迎えるに当たりまして、防災体制の一層の強化を図っているところでありますが、災害が発生しないことを祈っておりますが、不幸にして発生をしてしまう災害による被害を最小限に抑えるためにはですね、やはり、過去の災害の教訓から学んで、事前の備えをしっかりと徹底していく必要があるというふうに思います。まずは、農業者の皆様が、ビニールハウスなどの園芸施設の被害の程度に応じて補償する園芸施設共済をはじめとした農業共済ですとか、あるいは自然災害による収入減少や価格低下などを広く補償する収入保険等に加入をしてですね、自然災害に備えていただくことが重要であると考えておりますが、その上で、農林水産省といたしましては、事前の備えとして、自然災害等の農業経営のリスクに備えるための、農業用ハウスの補強、また、低コスト耐候性ハウスの導入、事業継続計画の普及などに努めているほか、「国土強靱化基本計画」等を踏まえた、農業水利施設等の豪雨・地震対策、また、防災重点農業用ため池の改修・統廃合等のですね、ハード対策と、ハザードマップの作成等のソフト対策を適切に組み合わせた対策などを推進しているところであります。これまでも、大規模な自然災害が発生をした際にはですね、それぞれの被害状況を踏まえて、個別災害ごとにどのような支援が必要かを判断しながら、機動的に対応してきておりまして、今後も、災害が発生した場合の対応について、万全を期してまいりたいと思います。また、水稲を枯らすトビイロウンカの話でございますが、ほ場でですね、増殖をして、例年6月から7月にですね、中国大陸から気流に乗って飛来をするわけですが、飛来をして、このほ場で増殖をしてですね、イネの株元を吸汁することによって、吸うことによってですね、ひどい場合は坪枯れなどを引き起こす害虫でありまして、昨年度は東海以西を中心に発生が多く、被害が発生をいたしました。本年は、九州地方で例年より20日程度梅雨入りが早いなどですね、飛来に好適な条件が早くから整っていたこともありまして、これまでに静岡県、奈良県、大阪府、和歌山県、徳島県、福岡県、佐賀県、宮崎県の8府県で、例年より早い時期での飛来が確認された旨の情報が公表されております。今後、本虫のですね、増殖に好適な高温少雨の気候条件となれば、昨年同様に発生の拡大が懸念されますので、農林水産省としましては、5月28日に都道府県に対しまして、通知を発出しまして、トビイロウンカの発生状況の的確な把握及び農業者に対する情報発信、また、効果の高い防除対策の実施など、防除の徹底について周知を行ったところであります。引き続き、昨年度通知をしました防除対策が生産現場で適時適切に取り組まれるようにですね、都道府県と連携をして、防除指導の徹底を図ってまいりたいと思います。また、今期、梅雨入りした西日本でですね、大きな被害というものは、まだ報告をされているところではありません。

記者

  職域接種について伺います。今月21日に向けて、各企業や団体で準備が進んでいるかと思うんですけれども、食品を管轄する農水省では、今、どのような呼びかけや取組を行っているのでしょうか。

大臣

  新型コロナウイルスのワクチン接種に関する地域の負担を軽減をしてですね、接種の加速化を図っていくために、6月21日から、企業や大学において職域接種を開始することが可能となっておりまして、本日から企業や大学などからの申請の受付が開始をされると承知をいたしております。農林水産省としましても、これまで、関係業界団体等の意向把握を行うとともに、具体的な相談等にも応じてきているところでありますが、4日の金曜日には、相談窓口を設置をしまして、当省のホームページにて公表しておりまして、本日から開始された申請等に関する関係業界団体等からの御相談もですね、当省でお受けをして、サポートしてまいります。国民の皆様に安全で有効な新型コロナワクチンを一日でも早くお届けするためにですね、関係業界における職域接種の推進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

記者

  大臣御自身のことについてお伺いしたいんですけども、同じく職域接種についてなんですが、大臣自体が、今後ですね、ワクチンの接種加速に向けて、何か旗振り役になるような取組など、何か御予定されていることございましたら、お伺いしたいんですけれども。

大臣

  農林水産省としては、今、関係団体の把握を行って、具体的な相談にも応じてきているところでありますので、接種が進むようにですね、全力を尽くしていきたいというふうに思います。

記者

  金曜日に不漁問題についてブリーフィングが行われ、検討会も取りまとめられたと思うんですけれども、農水省として、他の省庁だとか外部の民間の団体などと連携して、これから対策をとる予定がありましたら教えてください。

大臣

  近年ですね、これまでにもあった短期的な不漁とは異なる状況が生まれている中でですね、こうした状況の変化は、地球温暖化ですとか、あるいは海洋環境変化等に起因すると見られておりまして、このような状況の把握はですね、今、水研機構等と連携して行うこととしております。また、漁業分野におきまして、この地球温暖化の進行を緩和するためには、国土交通省や、また環境省など関連省庁と連携をしてですね、CO2の削減や脱炭素化を進めていくことが重要であると考えております。お話のあった検討会の取りまとめでありますが、短期的には、ICTや漁業予測の活用などによってですね、燃油の使用量の削減を図るとともに、中長期的にはですね、将来の漁船の電化等の研究・社会実装等を目指すことが記載をされております。これらの方向性については、水産基本計画の検討に生かすほかですね、「みどりの食料システム戦略」の一環としてもですね、取り組んでまいりたいと考えております。

報道官

  他に御質問ございますでしょうか。よろしいですか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上

 

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