文科省・新着情報

令和3年6月4日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

令和4年度大学入学者選抜実施要項、長岡技術科学大学及び「佐渡島の金山」への視察、在外教育施設未来戦略2030、NASAの金星探査計画、大学の人員・施設等を活用したワクチン接種について、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年6月4日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年6月4日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年6月4日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。遅くなっちゃってごめんなさい。
 冒頭3件です。令和4年度大学入学者選抜の基本的事項を定める実施要項につきまして、高校・大学関係団体の代表者等で構成される大学入学者選抜協議会において合意が得られたため、本日、各大学等に通知をしますので報告します。まず、大学入学共通テストについて、今年度は全国一斉の臨時休業が実施されていないことから、昨年度のような第2日程は設けませんが、感染症対策として、本試験の1月15日、16日の2週間後の1月29日、30日に追試験を設定しました。追試験の会場については、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ、今後決定することとしています。また、各大学の個別試験については、昨年度に引き続き、追試験の設定や、別日程での振替受験を可能とする措置を講ずることや、中止・延期等になった大会や資格・検定試験等に参加できなかったことをもって、受験生が不利益を被らないように、努力のプロセスを評価することなどについても要請することにしました。加えて、オンライン面接等に関して、高校関係者からの要望も踏まえ、通信環境の不具合や通信環境を整えることができない場合などは当日の試験時間の繰り下げなど、代替措置を講ずること、大学に連絡窓口を設け不測の事態に対応することなどの配慮事項等を明記するとともに、各大学の入学者選抜要項を公表する7月末以降は、受験生に不利益を与える恐れのある選抜方法等は変更は行わないことについて、各大学に対して要請することにしました。受験生の皆さんにおかれましては、新型コロナウイルスの感染症対策をとりながら日々努力されているところと思いますが、私としては受験生の皆さんが安心して試験に臨めるよう、昨年度と同様に、大学入試センターや関係団体等と緊密な連携を図りながら、しっかり準備を進めてまいりたいと考えているところです。
 2件目です。6月1日から2日まで、新潟県に出張し、長岡技術科学大学、世界遺産暫定一覧表記載資産の「佐渡島の金山」を訪問いたしました。ちょっと、国会日程等もありまして、ぎりぎりの調整の中で急遽出かけることになりましたので、事前のご案内については、コロナ禍も含め、差し控えさせていただいたことをご理解いただきたいと思います。長岡技術科学大学では、コロナ禍においても、現場での実習機会を確保するための取組や、高等専門学校及び企業等と連携した研究活動を継続するための取組について意見交換や視察を行いました。この視察等で確認できた学修機会の確保と感染対策の徹底を両立した事例は、withコロナ時代の優れた事例として参考にしていきたいと思います。「佐渡島の金山」では、「相川金銀山」や「きらりうむ佐渡」などを視察し、世界文化遺産への推薦を目指す関係自治体の取組等について意見交換を行いました。実際に現地を拝見して、江戸時代に大規模な金の採掘を手掘りで行った技術に深い感銘を受けました。本資産は、令和元年度の文化審議会の答申において有力な世界文化遺産推薦候補案件となり得るとされているところ、次の推薦候補選定について文化審議会への諮問を行うに当たっての必要な準備を行ってまいりたいと思っております。
 最後に、本年2月からですね、丹羽副大臣の下に設置しておりました在外の教育施設の今後の在り方に関する検討会において、昨日、会議報告として「在外教育施設未来戦略2030」が取りまとめられ、公表いたしました。本検討会においては、2030年における海外の子供に対する教育のあるべき姿の実現に向けた方策について、多くの関係者からのオンラインによるヒアリングに基づき検討を行ってまいりました。その結果、本戦略においては、在外教育施設へのニーズが多様化していることを踏まえ、「選ばれる在外教育施設づくり」を最優先課題に位置付けることとし、国内と同様、同等の教育環境整備と併せ、多様性に寄り添ったきめ細かな支援や特色を伸ばすための支援の充実に取り組むこととしました。具体的には、グローバル人材育成などに向けた先導的な特色ある研究開発の支援や「在外教育アドバイザー」による教育・運営に対する指導・支援、日本人学校に対する派遣教師の増やGIGAスクール構想を実現するための環境整備など、様々な支援方策を盛り込んだところです。文部科学省においては、海外に在留する子供の教育を受ける権利をより積極的に保障する観点からも、本戦略に基づき、在外教育施設の支援に全力で取り組んでまいります。なお、報告の詳細については、事務方にお尋ねいただければと思います。私からは以上です。

記者)
 おそらく日本時間で昨日になると思うんですけれども、NASAが、2028年から30年にも、金星探査機を2機打ち上げるという発表をしました。それに対する受け止めと、今後、日本も他国のように探査機の打ち上げの機会というのを増やしていく必要があると思うんですが、それに関してどのように思われているかということを教えてください。

大臣)
 昨日、NASAが金星の大気の成り立ちの解明や金星表面の地図作成などを目的とし2つの計画を発表したことは承知をしております。我が国の金星探査機「あかつき」も金星の大気の流れや組成などの解明に向けて観測を、現在、継続しているところでありますが、NASAの計画と併せて金星の謎解明への貢献を期待しています。我が国では、宇宙基本計画に基づき、宇宙開発利用を推進しており、文部科学省としては、「はやぶさ2」等で培われた世界最高水準の技術力を継承・発展させ、欧米と協力しつつ、火星衛星探査計画等の宇宙科学・探査を推進すること、また、H3ロケットや革新的な将来宇宙輸送システムの開発を進めるとともに、先進的衛星を開発することなどに力を入れていくことで、我が国のプレゼンスを発揮しながら、宇宙開発にしっかり取り組んでまいりたいと思います。

記者)
 大学でのワクチン接種についてお伺いします。先日、大臣が350という数字を発表されてから非常に世間の関心も高まっているところなんですけど、各大学で、こう、どこどこの大学で先行して調整してるとか各種報道も出ているんですが、状況が色々変わっている中ではあると思うんですけども、最新の検討・調整の状況を伺えればと思います。

大臣)
 新型コロナウイルスのコロナワクチン接種について、文科省としては、自治体における高齢者接種に一定の目途がついた段階で、大学等における教職員・学生への接種を拡大することが重要と常々考えてまいりました。そのため、文部科学省としても、大学を活用したワクチン接種に向け、関係省庁と調整を進めており、医療系人材と施設などをセットで提供が可能なパターンと、それから、大学の施設、体育館ですとか講堂ですとか大きな教室ですとか、こういったものの提供が可能なパターン、大きくは2つに分けて、まずはモデル事例を創出するべく、各大学と個別に、今、調整をしております。いくつかの大学において、自治体と連携し、教職員や学生等に対するワクチンの接種が具体化してきており、各大学で順次公表される予定もあると聞いています。本日、このような各大学の取組を支援するため、文科省内に高等教育局長をリーダーとする「大学等ワクチン接種加速化検討チーム」を設置することとしており、このチームにおいて、各大学と一体となり、各地域における大学等の教職員・学生、近隣の幼稚園や小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教職員等の接種が進められるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。また、海外に学位取得目的で留学する際にワクチン接種が求められる場合がございます。そのような場合の接種についても、併せて検討を進めてまいりたいと思います。現状はそんなところです。

記者)
 冒頭、発言があった佐渡金銀山への視察について伺います。改めて、この時期に視察をした狙いと、大臣の視察によってですね、地元は非常に期待が高まっているんですけれども、現時点での佐渡金銀山への評価についてお聞かせいただけますでしょうか。

大臣)
 「佐渡島の金山」に関しては、令和元年度の文化審議会の答申において、有力な世界文化遺産推薦候補案件となり得るとされております。現在推薦中の「北海道・北東北の縄文遺跡群」の登録が審議される世界遺産委員会の日程も近づいてきたことも踏まえ、次の推薦候補選定について文化審議会へ諮問を、私の名前で諮問しなきゃなりませんから、諮問を行う前にですね、現地を改めて視察をして現状を把握する必要があるというふうに考えてお邪魔をした次第でございます。地元の皆さん、本当に熱心に今日まで頑張ってきたことは敬意を表したいと思います。他方、フェリーでも2時間半片道かかりますしね、ジェットフォイルも決してお安い値段じゃないものですから、指定をされたとしたときにどうやって多くの皆さんに見ていただくかなど、色んな課題もあるというふうに思いますので、こういったことを県や市とでもですね、相談をしながら、いずれにしましても、手続きは粛々と進めていきたいと思っているところです。

記者)
 冒頭発言があった来年の共通テストの追試会場の件なのですけれども、まず、2週間後に設置するという意味は、今年は、コロナに仮にかかってしまった場合に2週間空いていれば追試を受けられるからという理由だったと思うんですけど、来年についても同様の理由ということなのか。あと、あの、会場については今後調整ということですけど、以前、全国高等学校長協会は全ての都道府県に追試会場を設置してほしいと要望をしてますけれども、全ての都道府県に設置するという可能性はあるのか、この2点についてお願いします。

大臣)
 来年の受験時期にコロナがどう収束しているかまだ先行きが見えないところがございますので、そういった意味では、2週間という日数がですね、仮に濃厚接触者などに指定された方に対してもチャンスを確保するという意味では必要な時間軸だという判断をしましたので、2週間後の追試験ということにさせてもらいました。去年は、第2日程という名前でしたけど、第2日程を全ての都道府県で会場を設置したのは、非常に皆さんも安心感があって高い評価をいただいたんですけれど、他方、受験生より現場の準備の人数の方が多かった試験会場などもありましたので、来年の場合は、あらかじめ一律に47都道府県全て設置しますよということではなくて、状況を見ながらですね、おっしゃるように、かつてのように東京と大阪の2会場ということをあらかじめ決定しているということではなくて、そこは柔軟に対応したいなと思っていますので。受験生、ニーズがあればですね、そこは、会場はできる限り近いところでというふうに考えています。これも、コロナの感染状況などとの関係もありますので、その辺、あの、全部負担をしながら、最終的には決めていきたいなと思っています。

記者)
 わいせつ教員対策の関係で伺いたいんですけれども、先月28日にわいせつ教員対策の新法が成立しました。この間、文部科学省の方で行ってきた官報検索情報ツールの延長とか、そういうものを補完する意味合いはあると思うんですが、まず、その点に関しての今後の期待とか受け止めを1点伺いたいのと、それと、再交付に当たっての基準ですとか審査の在り方に関しては、文部科学省の方で一定基準を設けるという規定になってるかと思うんですが、これはあの、再犯の恐れがあればとにかく渡したくないという思いはあると思うんですけれども、一方で、都道府県の教育委員会が裁量を持っているというのが、今回、色んな法制度の壁をクリアした点だと思いますので、裁量を持たせるというところも重要だと思うんですね。ここ、すごいジレンマがあると思うんですけど、ここをどう文部科学省としてクリアしていこうと考えているのか、ご意見をお聞かせください。

大臣)
 まず、子供を守り育てる立場にある教員が子供にわいせつな行為を行うことは断じてあってはならないことであり、文科省としても、この問題に対する実効的な対応を検討、また実行してきているところですが、この度、超党派の国会議員の皆様による「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が成立をし、さらに徹底した対応が可能になっていくことはですね、大いに期待をしたいなと思っています。で、あの、ご案内の通り、閣法でこの法律を出そうとしていましたけれど、今お話がありましたように、例えば憲法の職業選択の自由ですとか、あるいは我が国自ら行っている法制制度の在り方ですとか、こういったことを考えると、わいせつ教員だけなぜ免許の再交付ができないのかという壁にぶつかって、政府としての法律提案はできなかったんですけれども、その問題意識を共有していただいた議員の皆さんが、議員のアプローチでこのような法律を作っていただいたということに対しては感謝を申し上げたいと思います。他方、今ご指摘がありましたように、あくまで二度と教壇に立たせないというルールではなくて、立つ可能性もですね、担保したという点が、この法律の、ある意味認められた大きな要素だと思いますので、再交付に当たって、都道府県教職員免許状再授与審査会というものを作る予定でございまして。委員の選任者の例や具体的な審査のプロセス・観点なども含めて、これは、都道府県教育委員会とよく相談をしていきたいなと思うのです。というのは、議員立法で作った法律でありますし、各都道府県に、採用権者に権限が残される一方ですね、じゃあその、都道府県によって基準が違うと、例えばA県ではじかれた再交付申請者がB県では採用されるということになる可能性があります。また、あっても、法律上はいいわけですけれど、そこは、じゃあなぜA県は再交付を拒んだのか、B県はなぜ認めたのかということで新たな課題が生じる可能性がありますので、できることでしたら全国の都道府県教育委員会・連合会などと相談をし、例えば同じ基準でスクリーニングができるような仕組みというのを作って差し上げることがこういった二次的な混乱を防ぐことにもなるんじゃないかなと思っておりますので。この辺の制度設計は、ぜひ慎重に、また詳細に、文科省としても、地方自治体と連携をとりながらしっかり作り上げていきたいなと思っています。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

発信元サイトへ