令和3年5月29日

 5月24日から28日まで、サイバーセキュリティに関する第6会期国連政府専門家会合(the Group of Governmental Experts (GGE) )最終会合が行われ、サイバー空間における責任ある国家の行動に関する報告書が採択されました(我が国からは、赤堀毅国連・サイバー政策担当大使(総合外交政策局審議官)他がオンラインで出席しました)。

  1. 本報告書は、サイバー空間における脅威認識、規範、国際法の具体的適用、信頼醸成、能力構築などについて、国連事務総長の委託を受けた25名の政府専門家の共通認識を示すものです。我が国からは、赤堀大使が政府専門家の一人として会合に参加し、その他の専門家と緊密に連携しながら、報告書の作成に積極的に関与してきました。
  2. 今回の報告書では、国連憲章を含む既存の国際法がサイバー空間に適用されることが再確認され、我が国として重視してきた国際人道法の適用の明記や、国連憲章で認められた国家固有の権利の確認など、国際法のサイバー空間への具体的な適用について議論が進展しました。また、自国領域の使用、人権の尊重、重要インフラの保護、ICTサプライチェーン等の国家の行動規範についても追加的な理解が深まりました。
  3. 今回合意が成立した最終報告書については、本年の国連総会(第76回国連総会)に提出される見通しです。
  4. 外務省としても、引き続き、サイバー空間の安全を確保していくため、様々な分野において取組を進めていく考えです。

(参考1)サイバーセキュリティに関する第6会期国連政府専門家会合(GGE)

 2018年12月、第73回国連総会決議(A/RES/73/266)に基づき、国際安全保障の文脈におけるサイバー空間での責任ある国家の行動の進展に関して25か国からの専門家(25名)による専門的な議論の場として、国連の下に立ち上がった会合。GGEは過去5会期にわたり実施されている。今会期においては、2019年12月に第1回会合を開催し、全部で4回の本会合を経て本年の国連総会(第76回国連総会)において報告書を提出することとなっている。

第1会期:
2004から2005年 15か国の専門家がメンバー
第2会期:
2009から2010年 15か国の専門家がメンバー
第3会期:
2012から2013年 15か国の専門家がメンバー(我が国から参加)
第4会期:
2014から2015年 20か国の専門家がメンバー(我が国から参加)
第5会期:
2016から2017年 25か国の専門家がメンバー(我が国から参加)
第6会期:
2019から2021年 25か国の専門家がメンバー(我が国から参加)

(参考2)