令和3年5月26日

参加メンバー

鷲尾副大臣発言

オンライン会議風景

 5月26日、日本時間午後9時から約1時間15分、カナダ政府が主催するWTO少数国グループ(「オタワ・グループ」会合)がオンライン形式で行われたところ、概要は以下のとおりです。外務省からは、鷲尾英一郎外務副大臣、経済産業省から長坂康正経済産業副大臣が参加しました。

  1. 今回の会合では、「貿易と保健/ワクチンへの公平なアクセス」を議題として、オタワ・グループが開始した「貿易と保健イニシアチブ」、ワクチンの生産能力の拡大、及びワクチンに関する知的財産等の課題について、参加閣僚及びオコンジョ=イウェアラWTO事務局長(Dr. Ngozi Okonjo-Iweala, Director-General of World Trade Organization)の間で活発な意見交換が行われました。
  2. 鷲尾外務副大臣からは、「貿易と保健イニシアチブ」への賛同国が増加していることを歓迎し、本イニシアチブは、年末の第12回WTO閣僚会議(MC12)における成果の主要な要素であると述べました。また、貿易と保健の取組みにおいては総合的な取組みが必要として、本イニシアチブに加え、オコンジョ=イウェアラ事務局長の下で製薬業界のとの対話を通じて探求する「第3の道」といった取組が必要であると指摘しました。さらに、日本はワクチンの公平なアクセス確保のためにCOVAXファシリティを支援しており、6月2日にGaviとCOVAXワクチン・サミットを共催することを紹介し、途上国を含む世界中にワクチンを届けていくという目標に向け、日本が積極的に貢献していくと述べました。また、ワクチンに関する知的財産の議論についても、WTOにおいて建設的に議論に参加していく旨述べました。
  3. さらに今次会合では、オタワ・グループとして、貿易と保健の取組を進めていく上では、他の加盟国や国際機関、製薬業者との連携が重要であることを強調し、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

[参考1]オタワ・グループ
(1)カナダ政府の呼びかけで発足した、WTO改革に関する有志国グループ。2018年10月に第1回閣僚級会合がオタワで開催されて以降、不定期に閣僚級会合を開催。
(2)参加メンバー(アルファベット順)
 オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、EU、日本、ケニア、韓国、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、シンガポール、スイス、英国、WTO事務局

[参考2]貿易と保健イニシアチブ
 新型コロナ感染症が拡大する中、各国が医薬品や医療用品への貿易制限措置を導入したことを踏まえ、新型コロナ、そして将来起こり得るパンデミックに備えるべく、輸出規制等の措置の要件や関税等の将来的なルール作りを目標として、オタワ・グループが開始したイニシアチブ。