農林水産省・新着情報

野上農林水産大臣記者会見概要

日時 令和3年4月23日(金曜日)9時30分~9時40分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 緊急事態宣言の発令による農林水産分野への影響等について
  • 温室効果ガスの削減目標について
  • 防疫指針・飼養衛生管理基準の見直し等について

 

記者

  新型コロナウイルスの緊急事態宣言の4都府県への発令がですね、本日の夕方にも正式に決まる見通しです。期間について、25日から5月11日までということで、大型連休中も実施期間中に含まれるということなんですけども、これで3度目となる緊急事態宣言に伴う農林水産業への影響とですね、あと、農林水産省としての対処方針についてお聞かせください。併せてですね、Go To Eat事業についての今後の対応についても、お聞かせいただければと思います。以上です。

大臣

  今、お話ありましたとおり、新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都、大阪府、京都府及び兵庫県の4都府県に対しまして、緊急事態宣言を発出する方向で調整されており、本日中の決定に向けた手続が速やかに進められるものと承知をしております。農林水産業、食品産業への影響につきましては、これまでも、感染拡大に伴って、昨年2月以降の学校の休校ですとか、飲食店の営業自粛、イベントの自粛などによりまして、また、4月の緊急事態宣言の発令により、農林水産物の需要の減少や価格の下落など、大きな影響が生じました。また、昨年5月に緊急事態宣言が全面解除されてからは、学校給食や飲食店の再開などによりまして、全体として回復傾向にありましたが、本年1月、緊急事態宣言の再発令によりまして、飲食店の時短営業要請等によりまして、外食向けの食材の需要が減少して、一部の品目で価格が下落をいたしました。今回のですね、緊急事態宣言発令による影響については、現時点では見通せませんが、農林水産業や食品産業の状況を注視しつつ、必要に応じて、昨年度の補正予算や本年度予算で講じている支援策をですね、着実に、適切に実施をしてまいりたいというふうに思います。
  Go To Eat事業でありますが、都道府県が、地域の感染状況を踏まえて、飲食店の営業時間の短縮要請等とあわせて、食事券の販売一時停止等を判断しておりますが、この結果、現時点でも、東京都、大阪府、京都府、兵庫県などを含む多くの都道府県で、既に飲食店の営業時間の短縮要請とあわせて、食事券の販売一時停止等がされています。農林水産省としては、都道府県がですね、このコロナ対策の基本的対処方針の内容も踏まえながら、感染状況を見極めつつ、こうした対応が進められるようにですね、引き続き、緊密に連携をしてまいりたいと考えております。

記者

  昨日、気候変動サミットにあわせて、首相が2013年度比で温室効果ガスの削減目標を46%まで引き上げると表明されました。農林水産省としての削減目標や今後の取組の考え方について教えてください。

大臣

  昨日の地球温暖化対策本部におきまして、総理から、2030年度に温室効果ガスを、2013年度から46パーセント削減することを目指すこと、また、各閣僚におきましては、目標の達成に向けまして、施策の具体化に向けた検討を加速することについて、御発言があったところであります。農林水産業は、森林及び木材・農地・海洋が吸収源となる重要な産業でありまして、カーボンニュートラルの実現に貢献できる産業であります。また、今、食料・農林水産業の生産力向上と、持続性の両立をイノベーションで実現するための新たな施策方針としまして、「みどりの食料システム戦略」の検討を進めておりまして、来月策定の予定であります。農林水産省としては、総理の御発言を踏まえまして、関係府省と緊密に連携をしながらですね、森林吸収源対策をはじめ、脱炭素社会の実現に資する取組をですね、最大限進めてまいりたいと思います。2030年度の農林水産分野の削減目標についても、環境省はじめ、各省庁と連携しながらですね、検討を進めてまいりたいと考えております。

記者

  昨日、都道府県の家畜衛生担当者を集めた会議でですね、大臣、家畜の防疫指針ですとか、飼養衛生管理基準の見直し等にですね、言及されました。その意図や背景みたいなものを、あれば教えてください。また、防衛省の方から、自衛隊の災害派遣要請について、殺処分等にですね、改善の要求があったというふうにお話されました。どのようなことを求められているのかと、その対策についても教えてください。

大臣

  まず、防疫指針の件でありますが、今シーズンはですね、高病原性鳥インフルエンザの発生事例においては、複数の大規模農場での発生ですとか、あるいは限られた地域での続発事例が確認をされておりました。また、豚熱につきましては、ワクチン接種農場でも発生が確認されているという状況であります。そのため、発生予防の徹底とですね、まん延防止措置の迅速化を図るために、昨今の発生事例と現行の規定についての課題や問題点を明らかにして、その検証を行う必要があると考えておりまして、事務方にその旨を指示するとともにですね、必要であれば、防疫指針や飼養衛生管理基準の見直しを行うことといたしました。
  また、防衛省の件でありますが、昨年11月以降に発生した高病原性鳥インフルエンザ、これ、52事例のうち39事例、また、豚熱では、昨年9月以降に発生した9事例のうち6事例については、各県から自衛隊への災害派遣要請がされておりまして、自衛隊の御協力には私からも感謝を申し上げたいと思っております。疾病発生時には、防衛省を含むですね、関係省庁と連携して対応しておりまして、防衛省からは、迅速かつ円滑に作業を進めるためにも、県の防疫計画や体制の充実・改善が必要であるとの意見をいただいております。農林水産省としても、自衛隊の御協力を得るためにもですね、都道府県には、家畜衛生部局や関係団体を中心にしまして、全庁的・全県的なですね、防疫体制を構築することが重要であると考えております。防疫指針では、都道府県、生産者団体の関係者が一体となって、防疫対応を実行するために実践的な防疫演習を実施することとしておりますが、特に家きんについてはですね、大規模農場での鳥インフルエンザの発生を受けまして、昨年12月には、各都道府県で緊急的に机上防疫演習を実施をして、防疫体制について、適切に見直してもらいました。引き続き、都道府県にはですね、自らの都道府県内の畜産業は自分たちで守るという強い覚悟の下で、引き続き、家畜伝染病のまん延防止に万全を期していただきたいと考えております。

記者

  先ほどもありました、温室効果ガスの削減目標の引き上げについてですけれども、農水省、既に太陽光パネルの農地への設置で、荒廃農地を対象にですね、規制緩和を決めてると思うんですけれども、こういった取組が更に必要になるとお考えでしょうか。その際、優良農地の確保、両立が課題となると思うんですが、そこの点も含めてお考えをお聞かせください。

大臣

  農林水産省ではですね、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」をですね、今、検討を進めておりまして、来月策定の予定であります。この戦略では、例えば農林水産業のですね、CO2のゼロエミッション化の実現ですとか、あるいは化石燃料を使用しない園芸施設への完全移行ですとか、あるいはエリートツリー等のですね、林業用苗木の利用拡大ですとか、あるいは農山漁村に適した地産地消型エネルギーシステムの構築等ですね、温暖化対策でも意欲的な目標を掲げて、今、検討を進めているところであります。太陽光エネルギーの導入等々についてもですね、当然、優良農地を確保しつつ、また、そのような利用も進めていくということで、様々な検討を進めているところであります。

報道官

  他にございますでしょうか。よろしいですか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上

 

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