厚労省・新着情報

日時

令和3年4月23日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第56回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第2回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 また、健康局長の正林が、ほかの公務のため欠席となっております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、まず、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして御報告をお願いします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 次に、事務局から、本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-5、資料2、参考資料1から2になります。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」、まずは、資料1-1-1から1-4について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 まず、資料1-1、1-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
 資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
 今回の集計対象期間は、接種開始日である令和3年2月17日から4月18日報告分までとなっております。
 2ページ目、マル1、週別報告件数の表の一番下の合計(2021年4月18日)の行をご覧ください。2月17日から4月18日までの推定接種者数は193万111回、副反応疑い報告件数としましては3298件、報告頻度としましては0.17%となっております。うち重篤の報告件数は417件、報告頻度としましては0.02%。さらに、死亡報告数につきましては10件報告されております。この死亡報告事例につきましては、後ほど資料1-3にて概要を御説明いたします。
 3ページ目、マル2、4ページ目のマル3は、先ほどの3298件の副反応疑いについて、報告医による因果関係の見解別に集計したものとなります。
 続きまして、5ページ目、マル4、副反応疑い報告の報告基準別報告件数をご覧ください。副反応疑い報告基準に定められた症状であるアナフィラキシーについて集計したものとなります。アナフィラキシー疑い事例につきましては、4月18日までに医療機関から492件が報告されております。詳細は、資料1-4にて後ほど御説明いたします。
 以降、6ページ目から14ページ目までは、4月18日までに報告された副反応疑い報告について、性別、年齢別、症状別、接種回数別に集計した表となります。
 飛びまして、16ページをご覧ください。マル9、ロット別報告件数の表になります。今回、新たに追加した表となります。ロット別に推定接種者数、副反応疑い報告数、うち重篤の報告件数、うち死亡の報告件数、またアナフィラキシーの報告数を集計したものとなります。
 17ページ、18ページ目は、週別報告件数を図表化したもの、及び接種から発症までの日数別の報告件数をまとめたものとなります。
 19ページ目以降は、ラインリストとなります。
 続きまして、資料1-1-2「資料の訂正」をご覧ください。前回の合同部会資料の1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」の訂正の報告となります。
 2ページ目をご覧ください。マル1、週別報告件数の表の一番下の合計(2021年4月4日)の行をご覧ください。1764件などのセルを黄色で塗っておりますが、前回の合同部会では1755件として報告しておりました。今般、医療機関から症状の程度が重くないと報告されていた9件につきまして集計漏れがあることが判明しておりますので、修正しております。訂正箇所につきましては、以降のページでも黄色に塗ってお示ししております。
 資料1-1と併せて御報告させていただきました。
 続きまして、資料1-2-1「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。こちらも、集計対象期間は2月17日から4月18日報告分となっております。
 2ページ目、マル1、週別報告件数の表の一番下、合計(2021年4月18日)の行でございます。4月18日までの推計接種者数は193万111回。報告件数については、こちらは重篤なものが報告対象でございますが、777件。報告頻度としましては、0.04%となっております。死亡報告が7件となっておりますが、既に医療機関から報告があった事例について、企業でも調査の上、報告されたものですので、新たな事例の報告というわけではございません。
 以降のページにつきましては、この報告件数に基づいて、資料1-1-1と同様に週別等の集計を行うとともに、ラインリストをお示ししております。
 また、前回までのこの資料の最後には、各症例の経過の記載も含めておりましたが、ページ数が多くなってまいりましたので、資料1-2-2という形で独立させております。
 続きまして、資料1-3「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」をご覧ください。
 「1.報告状況」でございます。前回の合同部会(4月9日)以降、副反応疑い報告において、医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに4件あり、接種開始以降、4月18日までに報告された死亡事例は計10件となってございます。
 「2.専門家の評価」でございます。この事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、結果は、いずれもγ(情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの)と評価されてございます。
 2ページ目、3ページ目は、事例を一覧表としたものとなります。No.7から10が今回初めて御報告する事例となります。各事例につきましては、4ページ目以降で御説明させていただきます。
 まず、これまでに報告しておりました6事例につきまして、更新情報を御紹介させていただきます。
 7ページ目の一番上、「(医療機関・企業からの報告・調査内容に基づき4月23日追記)」と記載した部分をご覧ください。事例2についての追加情報となります。新たに接種時間や、ほかのワクチンの接種歴、併用薬の有無、新型コロナ感染症に対する試験結果が報告されておりますので、追記しております。
 続きまして、8ページ目の一番下の4月23日追記の部分をご覧ください。事例3で追加報告された内容としましては、救急隊の現場到着時の検査結果や、病院到着時の身体所見が新たに報告されたため、追記しております。
 続きまして、11ページ目の中ごろの4月23日追記の部分をご覧ください。事例5について、溺死として報告されていた事例でございますが、剖検の結果が追加で報告されておりますので、追記しております。
 ページを飛んでいただきまして、13ページ、中段、事例7でございます。以降が、新たに御報告する事例となります。
 まず、事例7、51歳、男性の事例となります。
 (3)基礎疾患等は、なしと報告されております。
 (4)症状の概要ですが、接種日時は3月25日午前11時39分頃、発生日時は4月8日の午前0時過ぎ。死因等としましては、心室細動が考えられると報告されております。
 概要でございます。令和3年4月8日午前0時過ぎ、就寝中に呼吸停止状態で発見された。心肺蘇生法が開始されるとともに、接種医療機関とは別の医療機関へ搬送されました。心肺蘇生法は続けられましたが、お亡くなりになったと。家族からの情報によりますと、死因は心室細動であったと報告されてございます。
 (5)、報告者の評価でございます。ワクチン接種との因果関係は、評価不能。他要因の可能性の有無は、不明と報告されております。
 (6)専門家の因果関係評価は、γと評価されております。
 続きまして、事例8、73歳、男性の事例となります。
 (3)基礎疾患等としましては、慢性腎不全、血液透析、シャント閉塞、カテーテル留置が報告されております。
 (4)症状の概要です。接種日時は、4月5日午後3時頃、発生日時は、4月13日時間不明。死因等としましては、敗血症や化膿性脊椎炎として報告されております。
 概要です。慢性腎不全のため他院にて令和2年10月20日より血液透析導入となり、その後シャント閉塞を来し、令和3年1月18日に長期留置カテーテル挿入術が施行されていました。4月3日夜に38度の発熱と腰痛が出現していたが、4月5日には解熱していたため、予定されていた2回目のワクチン接種に来院され、ワクチンが接種されております。しかし、同日夜間より38.4度の発熱を認め、翌日当院発熱外来を受診。来院時の血液検査では、白血球数とCRPの上昇が認められ、精査加療目的で入院。カテーテルによる感染症と、MRIで化膿性脊椎炎を認め、抗生剤投与により保存的治療を行いましたが、敗血症となり、第8病日にお亡くなりになったと報告されております。
 (5)、報告者の評価では、本疾患とコロナワクチン接種との因果関係は不明であること。予防接種以外の要因の可能性としましては、慢性腎不全で透析中の患者であり、長期留置カテーテル感染による化膿性脊椎炎が考えられると報告されております。
 (6)、専門家の因果関係評価では、γとされております。
 続いて、事例9、37歳、男性の事例になります。
 基礎疾患等としましては、花粉症が、また1回目のワクチン接種後、皮疹等のアレルギー症状はなかったと報告されております。
 (4)症状の概要でございます。接種日時は、4月5日午後6時頃、発生日時は4月8日の朝。死因等としては、心肺停止として報告されております。
 概要でございます。4月5日午後6時頃、2回目のワクチン接種。15分安静の後、帰宅。4月8日朝、心肺停止の状態で発見されました。接種後37度台の発熱があったこと。また、家族、同僚によると、不整脈があったとのことで、令和2年8月4日に実施された職場内の健康診断の総合判定においては、「3 精密検査を要する コメント:心電図(saddle back型ST上昇)異常を認めます。専門医受診を」とされていたと報告されております。
 (5)、報告者の評価としましては、ワクチンとの因果関係は今のところ不明。他要因の可能性としては、不整脈が考えられると報告されております。
 (6)専門家の因果関係評価では、γとされております。
 最後に、事例10、102歳、女性の事例でございます。
 基礎疾患等としては、誤嚥性肺炎、慢性心不全が、また、服用中の薬剤として、4種類ほど報告されております。
 (4)症状の概要でございます。接種日時は、4月12日午後2時40分頃。発生日時は、4月16日午前6時51分頃。死因は、誤嚥性肺炎、気管支ぜんそく、心不全として報告されております。
 概要でございます。4月2日、37.3度の発熱があり、CT画像で誤嚥性肺炎の診断あり。抗菌剤で加療。4月12日に本剤を接種。4月13日午後9時頃に口腔内に喀痰の貯留があり、吸引。呻吟あるも喘鳴なし。4月14日、呼びかけに反応がありました。午後6時40分、努力呼吸、呻吟・喘鳴あり、SpO2 75%と低下し、気管支拡張剤、ステロイド、カテコールアミン等投与するも薬効なく、4月15日血圧低下、徐脈となり、4月16日午前6時51分、死亡が確認されたと報告されております。
 (5)、報告者の評価としましては、ワクチンとの因果関係は評価不能。他要因の可能性としては、気管支ぜんそく、心不全と報告されております。
 (6)専門家の評価では、因果関係評価はγ。コメントとしましては、高齢であることに加え、もともと全身状態が余りよくなかった可能性がある。基礎疾患の経過に関する詳細な情報が不足しており、ワクチン接種と死亡との因果関係は評価できないとされております。
 資料1-3の説明は、以上です。
 続きまして、資料1-4「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された事例の概要」をご覧ください。
 1ページ目、「1.報告状況」でございます。前回の合同部会以降、副反応疑い報告において、医療機関からアナフィラキシーとして報告された事例が新たに142件あり、令和3年2月17日から4月18日までに報告されたアナフィラキシー事例は、計492件となりました。
 なお、上記に加えまして、4月19日から4月21日までに、医療機関からは、新たに45件報告されております。
 「2.専門家の評価」です。令和3年2月17日から4月18日までに報告された492例を対象に専門家の評価を実施し、結果については、表のとおりとなりました。
 概要につきましては、2ページ目の参考1をご覧ください。ブライトン分類レベル1~3の報告件数は、193万111回接種につきまして88件、100万回当たりの報告件数では46件でございました。
 ブライトン分類レベル1~3の事例について、年齢別、性別で集計したものが参考2、アレルギーの既往別で集計したものが参考3でございます。
 資料1-1-1から1-4までの説明は、以上となります。
○岡座長 それでは、引き続き、1-5について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 今回、資料1-5といたしましては、副反応疑い報告に基づきまして、死亡として報告された事例、及びアナフィラキシーとして報告された事例、両者をまとめて資料として上げさせていただいております。
 おめくりいただきまして、2ページ目でございますけれども、こちらは死亡として報告された事例につきまして、先ほどの資料1-3とリンクしているところでございますけれども、予防接種開始後から前回の審議会までに集計された4月4日までに、副反応疑い報告において死亡として報告された事例は6件でございました。今回審議会(4月18日時点、61日間)におきまして、死亡として報告された事例は4件追加がございまして、10件(出血性脳卒中4件、心不全2件等)でございました。
 表としてお示ししておりますのは、資料1-3のまとめの状況でございますけれども、7から10番目が今回追加された4名となっております。症状の概要等、診断根拠等としてまとめさせていただいております。
 続きまして、3ページ目でございますけれども、国内外の死亡例の最新の報告状況について、まとめさせていただいております。今回の審議会までに、先ほどもお示ししたとおり、死亡として報告された事例は10件ございまして、日本におきましては、100万人接種当たりといたしますと8.3件、100万回接種当たりですと5.2件といった状況でございます。
 また、海外の情報につきましては、最新版をこの2週間、アップデートしておりまして、米国に関しましては、この2週間でアップデートがございませんでしたので、前回と同様でございますけれども、上段が100万回接種当たり8.2件、下段の米国100万人接種当たり18.0件といった報告がなされてございます。
 また、英国に関しましては、この2週間でアップデートがございまして、最新のデータをお示ししておりまして、100万回接種当たり19.2件といった状況でございました。
 続きまして、4ページ目でございますけれども、死亡例の報告状況についてのまとめのスライドとなります。
 副反応疑い報告制度におきまして、死亡例として報告されたものが10件ございました。
 報告された症状等は、出血性脳卒中4件、心不全2件等でございました。
 報告内容につきましては、透明性をもって公表するため、個人情報につながる情報を除き、報告情報を可能な限り公表するとともに、併せて専門委員による評価も行ってございます。
 専門委員による評価は、10件中10件、いずれもワクチンと症状名との因果関係が評価できないものとされております。
 こうした点を踏まえまして、死亡例に関する論点といたしまして、まずは死亡例の報告に関して、現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないかという点で御論議いただければと思います。
 続きまして、5ページ目、アナフィラキシーに関してございます。こちらも前回の資料と同様の構成でございますけれども、上段の表にお示ししてございますのが、医療機関からアナフィラキシーとして報告された件数、下段がブライトン分類に基づき評価された件数でございます。それぞれの表の中段が前回までの集計分、最下段が最新のバージョンとなってございまして、上段、医療機関からの報告としましては、100万回接種当たり255件、ブライトン分類に基づいて評価を行いましたところ、100万回接種当たり46件といった状況になっております。
 続きまして、6ページ目、参考として、海外の最新のアナフィラキシーの報告状況についてでございます。こちらも以前からお示ししてございますとおり、被接種対象者の違いや報告制度の違い等ございますので、あくまで参考となるものでございます。まず、上段は米国でございますが、こちらはこの2週間で特にアップデートはございませんで、前回と同様の内容となっております。最下段の英国につきましては、若干アップデートがございまして、100万回接種当たり15.4件といった状況となってございます。大きな変更はないと認識しております。
 7ページ目、まとめのスライドとなりますけれども、アナフィラキシーについてでございます。
 副反応疑い報告制度におきまして、アナフィラキシーとして報告されたものが、接種開始から492件報告されてございます。
 ブライトン分類に基づく評価におきまして、88件がブライトン分類1~3に該当していると評価されております。
 報告内容につきましては、透明性をもって公表するため、報告件数をそのまま公表する一方で、正確な評価も重要であり、引き続きブライトン分類に基づく評価を行ってございます。
 また、海外との比較におきましては、被接種対象者の違い、あるいは報告制度の違い等の理由から、単純な比較が難しい状況にあると考えられますが、本邦におきましても、接種後には一定の頻度でアナフィラキシーが生ずるといった状況を認識しながら進めていくことが重要と考えております。
 アナフィラキシーとして報告されたほとんどの例で軽快したことが判明してございます。
 こうしたことを踏まえまして、論点といたしましては、アナフィラキシーとして報告された事例に関しまして、現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないかということで、まず御論議いただきます。
 その上で、論点のまとめといたしまして、副反応疑い報告の状況に鑑み、引き続き接種を継続することでよいかといった内容で御審議いただければと思います。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいま事務局から、新型コロナワクチンについて、これまでの副反応疑い報告の状況について御説明いただきました。
 論点として2つありますので、まず死亡報告のほうから進めたいと思います。ワクチン接種後の死亡として報告された事例に関して、御意見、御質問等ございましたら、委員の方、発言ください。よろしくお願いいたします。
 山縣先生、お願いします。
○山縣委員 ありがとうございます。
 これまで、6例までのときに、脳血管疾患がどうも気になっていたのですが、追加の新たな死亡例に関しては、それがなくて、前回も評価できないということでありましたが、必ずしも今回のことで脳血管疾患がということは、まだ結論が出ないということでよろしいでしょうか。
○岡座長 いかがでしょうか。何か事務局のほうでございますか。
○事務局 事務局でございます。山縣先生、ありがとうございます。
 御指摘のとおり、我々として認識しておる情報としましては、この2週間でも追加で出血性脳卒中による死亡の例は確認されていないと認識してございます。
○山縣委員 ありがとうございます。
○岡座長 そうしましたら、引き続き調査していくということでいきたいと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 資料1-3にロット番号が書いてあるのですけれども、1つのロットのサイズはどのくらいなのでしょうか。これを見ますと、特にあるロットでというのはないと思えるのですが、特に特定のロットでの集積というのはないという理解でよろしいですか。
○岡座長 お願いします。
○事務局 すみません、資料1-1-1の16ページ目をご覧いただければと思います。ロット別の報告件数の部分です。今回、新たに追加したものとして、先ほど御説明させていただいたものでして、現在のロットとしましては5つ、EP2163からER7449までが供給されているという状況でございます。あくまでも供給レベルで、実際接種されたものとの若干の差はあると思いますが、例えばEP2163の死亡報告数が2件、EP9605が4件、ER2659が2件となっておりますので、特定のロットについて、何か集積があるという状況ではないかなと考えております。
○倉根委員 ありがとうございました。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 死亡例10番につきまして。102歳という高齢者で、接種する10日ぐらい前に肺炎を発病されていた方が亡くなっているというケースですけれども、もともとこうした御高齢の方にはフレイルと呼ばれる寝たきりの方が多いわけです。そうした場合、接種後に体調が悪くなる方が多いということが言われています。それプラス、今回、肺炎を起こして、接種時に治っているのかどうか不明ですが、そういうダブルでリスクが重なったために、このような状況を生じた可能性もあると思います。
 ということで、御高齢の方であって、さらにそのときの状態が余りよろしくない場合には、たとえば今回の方のように肺炎を起こした直後である場合には、接種を延期するというメッセージを本部会から出してもいいかなと思います。まだ1例だけですので、今回、そこまで言うことはできないかもしれませんが、今後、我々も注視していく必要があると思っております。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 今の点、大事な点かと思いますけれども、何か御意見、ほかの委員の方からございましたら。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 私もそれに賛成です。数回前の副反応検討部会でも申し上げたとおり、基礎疾患のある方に、これからも接種が始まっていきますし、高齢者も増えていきます。調子が悪いときは、延期する。そして、基礎疾患が今、悪くなっている傾向にあるときは少し延期する。体調がよいときに受けるというのがワクチンの基本だと思いますので、そこは確実に守っていただきたいなと、私も賛成です。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。
 両委員のおっしゃることは、非常に当然でございます。前提として社会情勢というか、ワクチンの供給情勢の問題があります。特に高齢者や高齢施設において、せっかく回ってきたワクチンをそのまま打たないでという形になると、供給の絶対量として少ないものですから、どうしても施設や高齢者というのは焦って打ちぎみになってしまいます。そこが非常に怖いのです。ですから、両委員が言ったことは非常に正しいので、抑制的というわけじゃなくて、正しく打てるまで待つということが大切ではないでしょうか。
 今後、ワクチンの供給量もだんだん増えてきて潤沢になってくることは将来見えてくるわけですので、そこまで様子を見られるというような落ち着いた接種環境というか、体制を組んでいくということは、地方自治体も含めて、それから施設に対してでもメッセージを送っていったほうがよろしいのではないかなと思います。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。あるいは、事務局のほうで何かございますか。よろしいですか。
 今の点につきましては、この部会で以前も御議論していただいて、高齢者や基礎疾患を有する方については、諸外国でも有益性がリスクを上回るということで接種しているわけですけれども、それについては、接種を進めるべきだろう。一方で、体調が悪いときには、慎重に予防接種の適否を判断しましょうというのは、前にもこの部会でも御議論いただいた点かと思いますけれども、今の宮川委員のお話ですと、判断がなかなか難しい状況もあるという御指摘だったかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 そうしますと、先ほどの資料1-5で、論点として、今回の死亡例の報告に関して、現時点でワクチンの接種体制に影響を与えるような何らかのメッセージを出すかどうか、あるいは引き続き、もう少し見ながら出していくのか、その辺りについては何か御意見ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 宮川委員、よろしくお願いします。
○宮川委員 接種に当たっては、かかりつけ医等を含めて、事前にしっかりと相談するということが大事です。それから、高齢施設には、そこに配置医がおるわけですけれども、その方に対してしっかり相談することを徹底しなければなりません。現場の人間たちがそのように対処するということは、当たり前のことなのですけれども、現場にメッセージ引き続き出し続けていくことが必要ではなかろうかと思います。
○岡座長 宮川委員が今おっしゃったのは、以前も出しているようなメッセージを引き続き出していくという御意見でよろしいですか。ありがとうございます。
 そうしましたら、その点については、今後、この部会では、こういう資料を出していただきながら、既に一度、そういう指摘をしておりますけれども、引き続き、その点については、注意しながら進めていきたいということかと思います。よろしいでしょうか。
 倉根委員、よろしくお願いいたします。
○倉根委員 今のところ、私も同感です。今、ワクチンが十分供給されていない状況の中で、特にせっかくワクチンを打つチャンスが来たということで、ひょっとすると接種者の方も、少し無理をしてといいますか、体調が少しよくないのだけれども、今日は何とか打ちたいという気持ちが出てくる方もおられるかもしれません。もちろん医療接種者側の考えもそうですけれども、接種される側の皆様にもそのことが十分伝わるように、体調が悪いときには、よくなるまで待つというオプションを取っていただけるというメッセージが必要なのではないかと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 山縣先生、お願いします。
○山縣委員 私も全くです。そのときの基準が、それぞれの担当の主治医の先生に分かりやすいような形で、今後も示していくことが必要だと思いますし、あと、ここの事案でないことは分かって、あえてなのですが、認知症の方の場合に、同意を本人ができないけれども、例えば施設の中で、そういう方にも接種したほうがいいというときに、その判断をどういうふうにしていくのかということに関して、現場で混乱がないように、成年後見人が保護者になることはできるということまで、私も理解しているのですが、それ以外のときに本人の同意がないと本当にできないのかということについても、現場が混乱しないようにしていく必要があると思います。
 以上です。
○岡座長 大事な点、御意見ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 すみません、細かいことを教えていただきたいのですけれども、ワンバイアルで今、日本で5回打てるということだったと思うのですけれども、注射等の工夫があって6回型というのを造られてやっておられるともきいております。ワクチンの数が非常に足りないというお話が出ていましたけれども、実際、補欠みたいな方がいらっしゃるのですか。凍結融解とかは絶対無理なので、どうされているのかと思って、分かる範囲で教えていただければと思います。
○岡座長 宮川委員、もし御経験があれば、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。
 おっしゃるとおり、補欠というわけではありませんけれども、近くに医療従事者等を含めて、接種対象になる方がいらっしゃれば、緊急に電話をかけて、いかがでしょうかということで対応しています。余らないように、しっかりとした体制は現場では組んでおります。以前あったような、打たないで破棄するということがないようにという通達は出されておりますので、御懸念の点は確かにあるのですけれども、無駄がないようにしております。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、いただいた御意見の中で言いますと、今回、10番目の御高齢の方のような、現場では非常に難しい御判断だったと思うのですけれども、そういったような場合に、例えばかかりつけ医の御意見、それから、周りの十分な情報を集めた上で、例えば、もし延期できるような状況であれば、延期するといった選択肢も含めて検討するような注意喚起みたいなものを、今後、この部会でも考えていきたいと思います。
 ただ、一方で、御指摘がありましたように、今、ワクチンがなかなか手に入らないという状況下で接種しているという状況もあるようでございますので、その中で焦って打たないでいいような環境に早くなってもらえばいいと思いますけれども、そういう現場の事情も酌みながら情報発信していく必要があるのかなと思っております。
 あと、いただいた御意見の中で言いますと、同意を得るようなところについても、副反応等が関係してきますので、現場での混乱がないような方法を示していくことが必要だという御指摘だったかと思います。そういった点について、また事務局のほうでも御検討いただければと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、次は、ワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告した事例に関して、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 前回までの会議の数字と大きな変化は、頻度等も含めて余りないのかなと思いますし、いかがでしょうか。
 伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 先ほどもちょっと話題になりましたロットのところです。資料1-1-1の16ページにロットごとの表があるのですけれども、死亡は非常に数が少ないのですが、全体の副反応の数とかアナフィラキシーの数を見ますと、何となく2番目のロットが多い傾向があるような気がするのですが、先ほどおっしゃいましたように、推定接種者数で実際に全て打たれていないかもしれないということではあったかと思うのですが、これは特に差がないと見るのでしょうか。あるいは、何か原因というか、考えられるようなことがあるのでしょうか。
○岡座長 事務局では、どのようにお考えでしょうか。
○事務局 恐らくですが、今、委員より御指摘いただいたようなことかなと思っておりまして、例えばEP2163とかEP9605というのは、かなり初期の段階から打たれていたものでして、供給数と接種者数がかなり近いような形になっているのかなと思っております。逆に、以降のほうになってきますと、供給はされておりますが、これから接種されていくということになりますので、ここでの頻度は参考扱いかなと考えております。
○伊藤(清)委員 上から順番に使われているロットということなのですね。
○事務局 並べ替えているかどうかまでは、今、定かではないですが、少なくとも初めのEP2163や9605というのは、かなり初めから打たれていたロットになります。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 すみません、もう一つよろしいでしょうか。
○岡座長 どうぞ。
○伊藤(清)委員 資料1-4の1ページ、ブライトン分類レベルの1~5までの内訳があるのですけれども、前回も同じようなことだったのですが、ブライトン分類4というものが、今回割合的にかなり増えているかなという印象がちょっとありまして、書類をいろいろ整備していただいて、なるべく情報を提供していただくことで、ブライトン分類4が減っていく傾向になるのかなと思っていたのですが、書類が変わってから、まだそれほど日にちがたっていない。この後、もう少ししますと効果が出てくると期待されるのでしょうか。
 4が増えてきますと、前回のお話にもありましたように、アナフィラキシーという一言ですと4になってしまうとか。実は、ブライトン分類1~3に含まれるものも4に含まれている可能性があるのか、こういう表を見たときにそういう情報が必要かなと思いましたので、少し気になるのですけれども、いかがでしょうか。
○岡座長 何か事務局のほうでいかがですか。
○事務局 これまでもブライトン分類4をなくそうという努力はしているわけですけれども、現時点で特にそこに対しての進捗というか、目に見える成果が出されている状況ではございません。アナフィラキシーについては、いろいろな注目を浴びたということもあって、多くの報告を受けているという感じもいたします。まだ分析し切れていないというのが現状であります。
○伊藤(清)委員 書類が変わってから、まだそんなに日数がたたないのでしたか。
○事務局 前回の部会のときに御審議いただいて、報告を行う際の記載要領の変更なども行い、2週間たったということでありますけれども、現時点においては、それでまだ目に見えるほどの効果が上がっていないという現状です。
 それから、もともと医療機関において接種されていたのが、高齢者に移ってきたということも、一定程度、影響はあるかもしれません。
○伊藤(清)委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 そうしましたら、舟越委員、さっき手が挙がっていましたでしょうか。お願いします。
○舟越委員 ありがとうございます。
 今回のアナフィラキシーに関する論点に対しては、異議・異論はありません。引き続き、接種を継続することで問題ないと思っています。
 先ほど伊藤委員や倉根委員からありました資料のロットの部分ですが、前回も申し上げましたが、データロックを通して評価するなどの予定はあるのでしょうか。
○事務局 先生、それはデータをロットごとにまとめて評価するということでしょうか。
○舟越委員 先ほどの副反応の頻度を含めて、傾向を、V-SYSの問題から、医療従事者の場合は、実施しているわけではないので推計になるのはしようがないと思うのですが、今後どこかでロット間の評価というのはされる予定はあるのでしょうか。
○事務局 先ほどお示ししました資料にありますように、接種数が推定値になっているということはどうしても避けられないのですけれども、時間が経過してくればこなれてくるというか、ロット間の評価もより詳細にできてくると思いますので、それはもちろん評価させていただきたい。
 あと、何か問題があった場合は、そのロットが海外でどれぐらい使われているか、その際の有害事象の頻度ということについて、企業に聞くということも含めてやっていきたいと思っております。
○事務局 すみません、1点補足させていただきますと、資料1-1-1の16ページにロット別の報告件数をまとめておりまして、その中では、アナフィラキシーの報告件数というものを記載しております。今、議論があったとおり、あくまでも供給ベースで、実接種数で見ているわけではございませんので、ここでの頻度というのが今の段階では参考になるかなと考えております。
○舟越委員 ありがとうございます。
 もう一点なのですが、このアナフィラキシーのことで、これから医療従事者以外の接種が始まっていくところですが、前回も話題になりましたが、4月15日にワクチンの手引きが改訂されていると思いますが、逆に日本アレルギー学会のほうでは、βブロッカーを飲んでいる患者さんの場合は、救急カートにアドレナリン、グルカゴンを配置しておくことが望ましいということが書かれております。
 ただ、厚労省の手引きのほうはアドレナリンしか書かれていませんので、その辺を現場でどのように保管するかとか、冷所品なのでどうするか、適応の問題等の話も出ておりますので、そういったところを、前回も発言しておりますが、現場に伝わるような形で情報をまとめて出していただけるとありがたいと思います。
 以上です。
○岡座長 今の点については、いかがでしょうか。事務局のほうで何かございますか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 委員の御指摘の点、大変重要な点と思っておりまして、実はアレルギー学会の中村参考人と前回、いろいろ御議論いただきました中で、その御議論もございました。ただ、お時間も限られておりましたので、前回、御審議の中でそこまで結論が出なかったと思うのですけれども、アレルギー学会と引き続き情報交換させていただいております。先日、ミーティングを開いたばかりでございますので、アレルギー学会からの正式なコメントではないのですけれどもね。
 確かにグルカゴンというのが望ましいけれども、現実的には、まずアドレナリンを打つ。アドレナリンを打った上で救急搬送するといったところが現実的なことであろうというコメントはちょっといただいておりますので、そうしたメッセージをアレルギー学会のほうからの正式のコメントとして承っていけるのかなというところで調整していきたいと考えております。なので、我々としましては、そういった中で、円滑な搬送体制の確保についての取組といったことを前回も御紹介させていただきましたけれども、実際にアナフィラキシーを発症してアドレナリンを打った後の救急体制を整備するというところで引き続き取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。
○舟越委員 よく分かりました。アドレナリンを打って無効だった場合に救急搬送して、その後の対応でグルカゴン等、そういった処置するという流れになるということですね。
○事務局 ありがとうございます。
 先日、宮川委員のほうからも御紹介ありましたけれども、全てのところでグルカゴンを取りそろえるということが難しくて、まず現実に根差したところで、アドレナリンを間違いなく打つといったところがあるかと思います。
 あと、アナフィラキシーを起こした方にその場でアドレナリンを打って、そのままそこで観察するということは現実的にないかと思いますので、救急体制の整った病院に搬送するというところにシフトしていくことが重要なのではないかなと考えておる次第でございます。
○岡座長 何か宮川委員から追加の御発言ございますでしょうか。
○宮川委員 今の議論は非常に大事なところで、まずちゅうちょなく、速やかにアドレナリンを打って、その様子を観察するというところまでは当たり前のところです。それで、実際に顕著な改善が認められなかったら、2回目もあくまでも打つという体制を取りながら、救急搬送を速やかにすることが肝要です。
 それから、グルカゴンで様子を見るというのは、接種会場や個別接種の場所では望まれないということは、病院の救急担当の方々に確認いたしました。アドレナリンで適切な処置をして、なるべく早く救急搬送していただきたいというのが現場の願いだということですので、接種現場でグルカゴン対処するという時間的な猶予をつくらないほうが、救急現場としては好ましいだろうということが言えます。これは救急病院などの後方支援体制の中でグルカゴンを用意していただくことで十分だということです。そこでは、日常治療の中でβブロッカーを使っていたのか、ほかの何を使っていたのかということも判断しながら、救急時の薬剤の選択を行っていくことだと思います。
 ですから、接種現場ではアドレナリン筋注を速やかに行うということを徹底することのほうが重要ではなかろうかと考えます。そして、後方支援として速やかに搬送するということを徹底することが大事ではなかろうかと思います。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○舟越委員 よく分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 そうしましたら、長谷川委員、お願いします。
○長谷川委員 感染研の長谷川です。
 アナフィラキシーに関しまして、100万人当たりの数が大幅に減少してきているわけですけれども、ここの原因というのは、医療従事者から接種対象が高齢者に移ってきたということになるのでしょうか。そういった場合、190万人の高齢者と医療従事者の割合というものは、どれぐらいなのかというのが1点。
 2点目は、2回目の接種でも結構な頻度で起こっていると思うのですけれども、こういったことは、海外でも2回目の接種でアナフィラキシーが起こっているという報告はあるのでしょうか。
 最後の点は、国内でのアナフィラキシーの方たちは、60%でアレルギー歴がないと出ていて、海外だと80%以上の方にアレルギー歴があるから、アレルギー歴のある人は気をつけてくださいということだと思うのですけれども、むしろアレルギー歴のない人のほうが国内では多いとなると、これは何か理由が考えられるかどうかというところをちょっと教えていただきたいと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。3点御質問いただいて、事務局のほうでいかがでしょうか。
○事務局 まず、1つ目、193万111回の内訳でございますが、医療従事者等が191万6742で、高齢者がこの時点の数では1万3369となっております。ただ、医療従事者等の中には65歳以上の方もいらっしゃると思いますので、実際にはもう少し高齢者の人数が入っているものと思います。
○長谷川委員 そうすると、100万人当たりの発症が減ってきているというのは、高齢者が含まれてきたからという理由ではないということですか。1回目と2回目はどれぐらいの割合になりますでしょうか。
○事務局 まず、1つ目のお話しをしますと、高齢者の影響はまだ大きくないのではないかというのは、恐らくそうかなと思っております。
 それで、2つ目の御質問としまして、1回目と2回目ですが、1回目は121万1715回で、2回目が71万8396回です。
○長谷川委員 分かりました。では、そちらの影響が大きいと考えてよろしいでしょうか。
○事務局 2回目接種のときに、1回目にアナフィラキシーになった方は除外されますので、一定程度減っていくということは、海外でもそういう傾向が見られています。一方で、2回目からアナフィラキシーを起こす方がいらっしゃるのも事実であります。
 ただ、今回の件に関して言うと、確かに減ってきてはいるのですけれども、そもそも分母と分子の大きさがすごく違うので、それが理由かどうかと言われると、どうしても確率論的な問題も一定程度残って、ばらつきの可能性も十分あるということは補足させていただきたいと思います。
○岡座長 森尾委員、何か御発言ございますか。
○森尾委員 資料1-4の1ページ目を見ていただきますと、1回目接種のブライトン分類1~3のアナフィラキシーの方が81件でしょうか。2回目接種の1~3が7件なので、1回目と2回目の接種が121万人、72万人と考えると、2回目の接種で減っていると。それは、事務局がおっしゃったように、1回目のアナフィラキシーの方が回避されているからという推測じゃないかと思います。
○岡座長 ありがとうございます。
 長谷川委員からの海外での2回目接種の人数、あるいは国内でアレルギー歴のある方が少ないのではないかという御指摘については、いかがでしょうか。
○事務局 海外の2回目接種の率については、たしか2回ほど前のこの部会でCDCのデータを出しているかと思います。それは、確かに2回目のほうが少ないという結果になっていたと思いますが、その率までは申し訳ありません、手元に持ってございません。
 あと、アレルギーの既往歴の有無についてでありますけれども、確かに既往歴のない方も結構な数いらっしゃいます。それは確かにそういうことだと思うのですが、これが日本独特かどうかと言われると、何ともそこは判断つかないところであります。ただ、前回、アレルギー学会の先生方の御意見として、そもそも報告件数が日本は結構多いというのは、ちゃんと報告していただいているという事実があるのだと思います。それで、アレルギー学会の先生方からも軽症の方が多いという評価をいただきましたので、かなり軽症の方も入っているし、しっかり報告していただいた結果、こういうことになったのかなという想像はいたしております。
○岡座長 森尾委員、何かございますか。
○森尾委員 この点、たしか前回か何かに質問させていただいたと記憶しています。アレルギーの既往の有無は、アナフィラキシー及び薬剤アレルギーの既往歴を集計と書いてありますので、いわゆるアレルギーの方、ぜんそくとか食物アレルギーの方というのは、ここに含まれていないという御回答をいただいたと私は記憶しておりますが、事務局、いかがでしょうか。
○事務局 御指摘のとおりでして、定義の問題があると思っております。ここでのアレルギーの既往歴は、あくまでもアナフィラキシーと薬剤アレルギーというものに注目して集計しておりますので、取り方によってはまた比率が変わってくるかなと思います。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 山縣委員、お願いします。
○山縣委員 ありがとうございます。
 詳細な資料をつくっていただいて、ありがとうございます、資料1-1-1に様々なデータが載っていて、例えば、1回目と2回目の接種別のアナフィラキシー、副反応疑い、重篤な報告数がわかるのですが、一方で、6ページ目の性別、7ページ目の年齢別の報告件数に性別・年齢別の接種者数があると、今後、高齢者の接種になったときにどの程度出るかというのが、これまで伊藤先生のコホートの中で年齢別の副反応の割合が出ているのですが、ここでも実数だけではなくて、どれくらいの割合で出るのかというのが分かるといいのではないかと思いました。どこかにその資料があるのでしたか。
○岡座長 それは取れているのでしたか。では、事務局。
○事務局 事務局でございます。
 こちらは、データが順次上がってくるというところがございまして、だんだん時期がたってきますと、トータルとして、どのような年齢層で、どの程度の数が打たれたかということがそろってくるかと思うのです。
○事務局 幾つかの方法で接種者数を取らせていただいているのですけれども、医療従事者の接種において、V-SYSで各医療機関から接種者の合計の数を取ったデータについては、年齢の情報が含まれておりません。ですので、現在ある医療従事者については、年齢ごとの接種者数、あるいは男女別の接種者数を調べることは困難です。高齢者接種が始まって以降については、新しいシステムでそういったものが取られていっていると思いますので、まだどうなるか分かりませんけれども、提供できる可能性はあるかも分からない。
○山縣委員 ありがとうございました。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 そうしますと、アナフィラキシーに関して言いますと、ブライトン分類4とされているケースの詳細がもう少し分かっていくようにとのご指摘がありましたが、今後、製造販売業者からのデータ等も上がってくると思いますので、その辺りでもう少し減るような努力が引き続き必要だということかと思います。
 あるいは、グルカゴンの使用については、アレルギー学会から最終的に御報告もいただけるということで、誤解のないようにしていきたいということがあると思います。
 そして、今後、年齢別・性別のデータも得られるのではないかという点は、また事務局のほうで御尽力いただければと思います。
 最後のアナフィラキシーのまとめとして、現時点でこの接種に関して方針を変える必要はないということで、引き続き、こういう形で情報を収集していくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしますと、そのほかの副反応疑い報告の状況に関して、質問、御意見等ございますでしょうか。いかがでしょうか。あの資料は、かなり細かい資料になってしまうのですけれども、いかがでしょうか。
 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 ちょっと確認だけお願いしていいですか。ディープフリーザーで半年はもつという話なのですけれども、時期的に複数のロットが出回るという状況なのですか。それとも、時期的に、この時期はこのロット、この時期はこのロットという感じで打っていくような感じなのですか。
○岡座長 何かその点、いかがでしょうか。事務局。
○事務局 最初の時期は、接種者が比較的少しずつ始まっていきましたので、先ほども御指摘ありましたけれども、1つ目のロット、2つ目のロットというのは、時期がある程度見えたと思いますけれども、今後は供給量が非常に多くなっていきますので、同じ時期に複数というか、多数のロットが出回るようになっていくと思います。
○佐藤委員 すみません、ちょっと聞こえなかったので,もう一度お願いします。
○事務局 もう一度お話しさせていただきます。先ほど、ロットの表をご覧いただいたときに、最初の2つのロットの接種者数が多いのをご覧いただいたと思いますけれども、最初、接種者数が少なかった時期には、このロットがこの時期に接種されているというのが比較的見えやすかった時期がありますけれども、今後は供給量・接種者数がどんどん増えていきますので、同時期に多数のロットが出回るというふうに、今以上になっていくと予想しています。
○佐藤委員 そうなのですね。1ロット、80万回分ぐらいという感じで国内に入ってきますけれども、それが1ロットのマキシマムな人数という理解でいいでしょうか。接種される方が増えるのに合わせてロットも増えていくという感覚でいいでしょうか。
○事務局 そうですね。例えば、2週間で前回分で1万6000箱とか、そういう供給量を5月になると見込んでいますので、そうするとロットの数がかなりたくさんになると思います。
○佐藤委員 分かりました。そうすると、データの集計を調節していくのが大変になってしまうなと思いました。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 副反応とは直接関係しないのですけれども、高齢者への接種が始まりまして、当然、2回、同じ医療機関で打つものと考えていたのですけれども、実際の予約システムの話を聞くと、市町村によっては、1回目と2回目で全く別の医療機関で接種しなければならないという市町村もあるようなのですが、1回目に副反応が出て、2回目の接種を迷っている方、あるいは副反応を追うという意味では、2回とも同じ医療機関で接種できるように、市町村に多少指導していただければと思うのですけれども、その辺、いかがでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがですか。
○事務局 ありがとうございます。
 原則としては、同じ医療機関で打っていただくことが多いと思っておりますし、安全性でそういうお話しをしてきているつもりですけれども、そうでない例もあるというお話かと思います。今の時点でどう評価していい情報か、ちょっと分からないので、実態も確認してみたいと思います。
○柿崎委員 予約システムの関係で、全く別の医療機関になってしまうということで、かかりつけ医の先生方が、高齢者の方の接種などでかなり懸念されていて、そういうお話をかかりつけ医の先生から伺ったので、よろしくお願いします。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、時間もありますので、ここでこれまでの議論をまとめさせていただきたいと思います。
 まず、副反応疑い報告の状況でございますけれども、この期間中の副反応疑いの報告の総数自体は、医療機関からの報告によれば0.17%ということで、大きな変動はないのかなということだと思います。
 それから、死亡事例の報告状況を整理しますと、前回の合同会議から今回までに、新たに4件の報告、心室細動、敗血症・化膿性脊椎炎、心肺停止、誤嚥性肺炎等。この方は御高齢だったわけですけれども、があり、接種開始以降、計10件となっております。現時点では、情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないということになるかと思います。
 以上のことから、現時点で得られた情報から因果関係は評価できないが、偶発事象の可能性もあり、ワクチンとの直接的な関連性を示す事実はない。また、ワクチン接種によるメリットはリスクを上回ることから、ワクチン接種に対する考え方を変える状況にはなく、現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 ただ、今日いただいた御意見の中で、御高齢の方は、ある意味では重症化のリスクが最も高い方々で、また基礎疾患をお持ちの方もいらっしゃるわけですけれども、ぜひかかりつけ医、あるいは高齢者施設だったら、そこの担当の先生にしっかりと情報を集めていただいて御判断いただき、体調不良のときに延期する等の対応も十分考えていただくということについて、御意見がありました。そうした点については、引き続き、この部会としても検討していきたいということになろうかと思います。
 そして、今後、高齢者ヘの接種が増えることを考えますと、偶発的な事例も含めて、死亡報告が増加することも想定されますので、引き続き注視が必要である。こういった形で、死亡事例に対してはまとめさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか。
 続きまして、アナフィラキシーについてですけれども、アナフィラキシーの報告状況を整理しますと、接種開始から4月18日までに492件の報告があり、そのうちブライトン分類レベル1~3に分類されたものは88件でした。透明性をもって公表するため、報告件数をそのまま公表する一方、正確な評価も重要であり、引き続き国際的な基準に基づく評価を行っていくことになります。
 海外との比較においては、被接種対象者の違い、報告制度の違い等、複数の理由から単純な比較が難しい状況にあると考えられます。
 アナフィラキシーとして報告されたほぼ全ての症例で軽快したことが確認されております。
 以上の点から、アナフィラキシーとして報告された事例については、発生動向に大きな変化はなく、かつ、適切な治療が行われ、ほぼ全ての例で軽快していることから、引き続き、現時点でのワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないという評価でよいのではないかと考えます。
 また、接種後には、一定の頻度でアナフィラキシーが生ずることを前提とした上で、引き続き、これまでの対策を継続するとともに、国内外の報告を注視していくことでよろしいかと考えております。
 そういったような結論でよろしいでしょうか。いかがでしょうか。適切な治療をしていただいて、ほぼ全ての患者さんで軽快しているという報告をいただいておりますので、こちらとしては、注意喚起をしながら見守っていくということをしたいと思います。
 そのほか、何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 では、こういう形でまとめさせていただきます。
 以上、今回報告のあった具体的な事例を踏まえて、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて御意見はございますでしょうか。こちらのほうでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告について、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいかと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 そうしましたら、引き続き、今の接種体制を続けていくということでよろしいという結論にさせていただきます。
 そうしましたら、議題2のほうですけれども、「新型コロナワクチンの先行接種者健康調査について」ということで、伊藤委員に御尽力いただいておりますけれども、伊藤委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 資料2の「健康観察日誌集計の中間報告」、4回目になりましたけれども、御報告させていただきたいと思います。
 2枚めくっていただきますと、被接種者数の推移(累計)の紙がございます。今まで1万9808例で報告させていただいておりましたが、PMDAに報告してきた副反応疑いの報告対象の方から、4月8日に同意撤回されたという報告が4月16日にございました。その内容を確認させていただいたところ、今までの報告内容を削除することを希望されていることを19日に事務局で確認いたしましたので、以後の報告から、本症例については削除させていただきたいということでございます。
 なお、併せまして、今までの同意撤回状況を報告させていただきますが、2件ございました。この症例以外に2件ございまして、お一人は、2回目の接種を希望されない。もう一例は、妊娠されたということの理由ですが、既存データの使用は了解されておりますので、それまでの間のデータに関しては入っているので、都合1万9807例ということでございます。
 1枚めくっていただきますと、1例減らした形での人口統計学的特性でございます。今回から、各自治体にこの資料を配布していただけるということもあって、もう一つは、モノクロで印刷したときに大変見にくいということで、今回からモノクロで提示させていただいておりますので、それについても御了解いただければと思います。
 5ページ目が2回目の接種者数でございますが、4月21日現在で書かせていただいているところですが、4月21日までに2回目接種された方が1万9579例、全体の98.8%。ほとんどの方が2回目を接種されております。ところが、2回目接種が4月上旬の方もいらっしゃいましたので、最終的にこの研究グループとしての取りまとめが接種から28日後ですので、5月の中旬頃にそういった方の接種歴も含めての最終的なまとめになるのかなと思っているところでございます。98.8%の方が2回目を接種されたということでございます。
 1枚おめくりいただきますと、6ページ目です。基本的に前回のスライドと変わってございませんが、2回目接種後の接種翌日は36%の方が7度5分以上の発熱。全体として見ますと、38%の方が発熱しているというデータについては、これは変わりがございません。
 もう1枚めくっていただいて、接種部位反応のその日ごとのデータ、8ページ目、9ページ目ですが、1回目接種が1万9173名、2回目接種後の日誌の回収ができているのが1万7376名、全体の87.7%で、9割近くの方のデータですので、ほぼ数値的にはこれで固まってきていると御理解いただいて見ていただければと思います。
 9ページ目の接種部位反応で、疼痛、痛みが出ておりますけれども、88.3%の方が接種翌日には痛いという状況が、こういう形で固定しているところでございます。
 10ページ目が全身反応ですが、1回目、2回目、ご覧いただきますと、2回目の全身倦怠感と呼ばれている倦怠感については、6割を超える方が2回目接種後には出ているということがお分かりになろうかと思いますが、接種翌々日で3割ぐらい、もう1日たつと、ほぼ問題にならない程度になっているということがお分かりいただけようかと思います。
 年代別の違いに関して、前回提示させていただいているとおりで、11ページ目ですけれども、65歳以上は頻度が明らかに低くなっているということです。これは、70代までということで表記させていただいておりますが、80歳代の方もいらっしゃいますが、人数が少ないので、グラフとしては表記していないということで御理解いただければと思います。65歳以上と、全体の中には80歳代以降の人も入っておりますので、その旨、御理解いただければと思います。
 12ページ目が接種部位の疼痛ですけれども、これは発熱などに比べると、年代が上がっても、痛みに関してはある一定程度残るというのは、ご覧いただいてお分かりになるとおりでございまして、13ページの全身倦怠感をご覧いただきますと、年齢が高くなると倦怠感は頻度が低くなってくるということだと思います。
 優先接種が始まった65歳以上では、幸い頻度が低いのですけれども、発熱の頻度も低いので、自覚症状をお感じにならないというわけでもないのかな。だから、発熱の頻度は著しく低くなりますが、全身倦怠感はある程度残っているということで、3分の1程度の方は自覚されているということでございます。高齢者の接種が始まっておりますので、こういったデータを皆さんにお伝えできればいいなと思って、65歳以上という形で工夫しております。
 14ページが頭痛でございますが、全身倦怠感とほぼ同じような動きをしているというところで、15ページです。これはご覧いただいて分かるとおりで、当初、海外の治験データを見ますと、通常のワクチンよりももう少し長くなるのではないかと憂慮して、9日、10日目という形で少し長めに取ってみたのですけれども、副反応として1週間以上続いている方はないということで、被接種者の方には面倒な調査を1週間超えてしていただきましたけれども、当初のものは杞憂に終わったというところでございます。
 16ページがPMDAのほうに報告させていただいております副反応疑い報告でございます。先ほど説明させていただいたとおりで、1例削除しております。現在は、接種から随分時間がたっておりますので、全て軽快以上になったということで報告させていただいているところでございます。
 17ページ、18ページは、因果関係を問わず、SAEと言われているものを集めております。こちらのほうで、SAE7、8、9というのは、主治医は因果関係がないと判断されておりましたものでございます。副反応疑いとして報告されているものは、PMDAの報告と同様のものが入ってきているというところでございます。
 一方で、先ほどの16ページの副反応疑いで入院されたりしていないものに関しては、SAEの番号がついていないということで御理解いただければと思います。
 18ページは、前回までは1例入っていたのが1例削除しているところでございます。幸い、全ての因果関係、SAEも含めてですけれども、軽快以上になっておりますので、後遺障害として残っているものはないというところでございます。
 19ページです。これは、健康観察日誌の自由記載欄のものでございます。これだけ目で確認してMedDRAのコーディングをしておりますので、2回目接種のところが1万6907名と、数字が違っているのはそういうところで、獲得データが少しずれているところでございます。前回同様ですけれども、病休者、この先行接種においては、接種翌日はもしかすると仕事にならないかもしれないから、勤務は加減してくださいねと申し述べておりましたけれども、それでも6.5%の方が病休になられているところでございます。この病休の中には、半日とか何時間というものも全部病休でカウントしておりますので、1日お休みになられた方ではないと理解していただければと思います。
 腋窩痛を含むリンパ節腫脹に関しては2.3%でした。現在のところ、終了報告が7138例来ておりますが、PMSに関しては、1年後までのADEをフォローするというPMSの同意ですが、こちらのコホート調査のほうで取る限り、6051例が同意で、1087例はPMSのほうに同意されないという形の報告が来ております。まだ7000例ですので、全体としてどうなるのかというのは、また御報告する機会があろうかと思います。
 このうち3例の方がCOVID-19に感染されております。7135例については、COVIDの感染はないと報告されております。SAE報告の中に1例ございますので、現在のところ、7000例の中で4例の方がCOVIDに感染されているという状況でございます。これについては、引き続き、また御報告する機会があろうかと思いますが、ワクチンを接種されても、必ずしもCOVIDに感染しないというわけではないというのが現状でございます。これがいつ感染したのかについては、イエスかノーで聞いておりますので、ワクチン接種何日後に感染されたということについては、データとしては取れておりませんので、その旨は御承知おきいただければと思います。
 それから、発熱とか全身倦怠感とか頭痛とか、様々な理由でNSAIDsをお使いになられておりまして、前回御報告させていただいておりますが、アセトアミノフェンが1163人、85%と大変多く、ロキソプロフェンが13.2%、バファリンが1.3%、イブプロフェンが0.6%という状況でした。それ以外のものに関しては、全部拾い切れているかどうか分からないのですが、検索をかけてもほとんど出てきておりませんので、多分これで全てなのかなと思っているところでございます。
 全体として、ほかのワクチンと比較して、海外試験との比較表については、数字をリバイスしたものを21ページ目に挙げているところでございます。これは、前回から説明させていただいている数字のリバイスだけでございます。
 全体として報告させていただいているところは以上のところで、最後のページにまとめを書いておりますが、とりわけ高齢者接種が始まっておりますので、1つは、年齢ごとに副反応の頻度が随分違ってきているということと。65歳以上の511例での発熱が9%、全身倦怠感が38%、頭痛が20%であったのですけれども、接種部位の疼痛については80%ということで、痛みがある。医療従事者の人たち、JCHO、NHO、JOHASの人たちの協力のデータがございますので、こういったことも含めて情報発信していただければと思う。
 と同時に、通常のワクチン接種と違って、腋窩のリンパ節の腫大とか腕が上がらない、痛いというのが随分目立って出ておりますし、ワクチン接種後、蕁麻疹が起きている方が0.3%ございます。この蕁麻疹の頻度と、蕁麻疹が出て具合が悪くなるというと、アナフィラキシーの疑いと紛らわしいところが発生するのだろうなと思っております。通常のワクチン接種よりも、インフルエンザワクチンなどに比べても出てくるということを含めて、情報発信ができていくといいなと思っているところでございます。
 報告は、以上でございます。
○岡座長 伊藤先生、貴重な御報告ありがとうございました。
 何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 伊藤先生、どうもありがとうございます。長谷川でございます。
 21枚目のスライドでインフルエンザワクチンとの比較がありますけれども、ここで使われているHIN1pdmのインフルエンザワクチン不活化ワクチンと書いてありますけれども、これは輸入されたものですか。それとも。
○伊藤(澄)委員 あの当時、2009年のときに国内で造りましたワクチンです。そのときのものですので、最終的にこれは4価の形で現行使われるような状況になっているものの、1価の単価のものがこんな状況でございました。
○長谷川委員 ということは、たんぱく量も15マイクログラムで非常に少ない量のもので、これぐらいの副反応が出ているということですか。
○伊藤(澄)委員 そのとおりでございます。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 先に柿崎委員のほうから手が挙がっていたでしょうか。お願いします。
○柿崎委員 詳細な解析ありがとうございます。非常に貴重なコホートだと思うのですが、COVIDを発症された方が何名かいらっしゃいますけれども、そういった方々がワクチンを接種してどのぐらいで発症したかというデータを後からでも取るといったことはできないのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 この研究班としてはデータが取り切れてしまっているので、再度調査するということは余り考えてございません。もし調査しなければいけないとすると、その項目の倫理審査のところからやり直しをしないといけないと思っておりますが、もしかすると企業のほうの調査の中で詳細なものが製造販売後調査の中で取られていく可能性はあろうかと思ってはおります。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○岡座長 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 非常に有効なデータ、どうもありがとうございます。
 すみません、非常に基本的なことで申し訳ないですけれども、6番のスライドで、発熱1回目、2回目で通期というのは、この期間中、どこかで1回でも出れば、これに入るわけですか。
○伊藤(澄)委員 そのとおりです。
○濱田委員 ということで、さっき先生言われたように、熱の出ている方は、8日見ると38%ということになるわけですね。
○伊藤(澄)委員 はい。具体的に一番多いのが、1日目の夜に熱が出て、2日目には下がってしまう人も入ってくるので、こういう取扱いになります。
○濱田委員 分かりました。最大で何日ぐらい出ている方がいらっしゃるのですか。それは分からない。
○伊藤(澄)委員 Day4をご覧いただくと分かるとおり、ほとんどの方が3日目には下がっていると認識しております。翌々日は微熱が出ている方もいます。
○濱田委員 もう一点だけ。先生、先ほど4例発病されて詳細は不明ということなのですが、1回目の接種後なのか、2回目の接種後なのかも分からないですか。
○伊藤(澄)委員 SAEで出ている方は打ってから6日後ですので、もともとワクチンが効いてこない時期です。後の方については、いつの時期かというのは、最終報告書の終了報告の中でCOVID-19に感染したという報告を受けておりますので、どの方がCOVID-19に感染されたかというのは、匿名化された番号で分かるので、物理的に調べることは、医療機関に帰ればもちろん可能ではあります。ただ、それをやっていいかどうかというと、倫理指針上は手続を踏まないと難しいという認識をしております。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○岡座長 続きまして、石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。
 私も2つあって、1つは、今の4例の方のことなのですけれども、変異型に感染などの情報について、今すぐ分からなくても追える可能性がありますか。
 もう一つは、解熱剤をお飲みになったときに、たしかこの研究では、先生方はアセトアミノフェンをお配りになったとおっしゃっていましたが、複数の薬物名が挙がっているのは、それは被接種者御自身が御用意されたのか、つまり買ったということなのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 研究班として配っているものではございません。医療機関において、例えば隣にあります東京医療センターでは、アセトアミノフェンを配っておりますが、ほかのところで配っているものではございません。御自分でお使いになられたのがそういう状況だったということと。
 それから、医療機関には、ワクチン接種に当たっての注意事項とか、副反応とかを考えながら、円滑に接種をするにはどうするのがいいのかというガイドラインのようなものは配布しておりますので、その中に記載したものがアセトアミノフェンだったというところがあって、海外もお使いになられていますので、それが随分引っ張っているなという印象は持っております。実際お使いになられている薬の中で、市販薬だとイブプロフェンとか、そういうものが相当多いはずなのが、こんなに少ないとは正直思っておりませんでした。
 何のために使用したのか、一部、日誌の中に記載がある方もいらっしゃいましたけれども、熱の方もいらっしゃいますし、頭痛のためにとか、様々な理由でお使いになられていますので、どのような理由でお使いになられたのかというのは、特定するのは難しいかなと思っております。
○石井委員 すみません、最初のほうの質問で、後からCOVIDにかかられた4名の方の変異株の可能性は。
○伊藤(澄)委員 すみません、もしどうしても調べろということを前提にするのであれば、手続上、その調査をしていいかという同意説明文書をもう一回つくり直して、その方々にお尋ねして、同意を得て報告するという手順を踏む必要があるとは思っております。
○石井委員 もちろんそうでございますけれども、この状態なので確認させていただきました。
○伊藤(澄)委員 変異株なのか、今の段階では分かりません。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 この変異株にかかった方が同じ医療機関で確認されたのかという情報も、今は出せない感じですか。それも分からない。
○伊藤(澄)委員 同じ医療機関と申しますと。
○佐藤委員 接種をしたのにかかった方がいらっしゃる医療機関が、同じなのかどうか。どこまで教えていただけるのか。どこまで聞いていいのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 実は、どの日誌の方が感染したのかまで分かります。ですから、医療機関も分かりますし、そこから医療施設に帰れば特定もされております。
○佐藤委員 それはばらばらの医療機関ということでしょうか。
○伊藤(澄)委員 4施設ともばらばらです。クラスターではございません。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 舟越委員、手が挙がっていましたでしょうか。お願いします。
○舟越委員 ありがとうございます。
 伊藤先生、ありがとうございました。2月の本会で、もともとアレルギーの既往がある人は30分待機とか、あと、過去、このワクチンじゃなくても、迷走神経反射みたいな既往がある人も30分ぐらい待機になっているのですけれども、さっきのラインリストの中で、幾つか迷走神経反射で非重篤ということで詳細なSAEはなしという形を拝見しましたが、実際には30分以内の反応だったのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 すみません、迷走神経反射はどこか探してみれば出てくると思いますが、余り問題が発生しなかったと思っております。ただ、医療機関からPMDAへ報告するということでありましたので、ここに載せているところでございます。前回、多分お話しさせていただいていると思いますが、接種後30分以内に迷走神経反射も含めて具合が悪くなられた方が70名から80名ぐらいいらっしゃいまして、その中の10名弱ぐらいが迷走神経反射として報告を受けている。ですので、迷走神経反射としては、今回の先行接種で医療従事者を対象にしたものでは、そのぐらいの頻度で起きていると思っております。
○舟越委員 ありがとうございます。今後、集団接種会場を含めて、30分以内が適切だということをお答えいただけましたので、ありがとうございました。
○岡座長 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 伊藤先生、ありがとうございます。
 最後のまとめのところで、今回、2回目の接種後は、勤務は控えるように勧告していたということがあったと思うのですが、これまでの結果で、これから接種される前の話は今までも議論しているのですが、打った後、例えば当日、翌日、二、三日、気をつけておくということなどのメッセージとしてありますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 再三お話しをさせていただいた、翌日、若い人に関しては、多分仕事にはなりません。それは間違いなくて、年齢とともにですけれども、50歳以下の方は、翌日はお休みになることを前提にされたほうがいいと思います。
 もう一つ、疼痛についてですけれども、自分で打ってみて思いますけれども、3日ぐらいは痛いです。だから、打ってから何日かは、ゴルフに行かれるのはやめたほうがいいのではないかと思います。ちょうど昔やった五十肩と同じような状況になりましたから、それはそういうものだということは承知された上でされたらいかがかなと。
 それから、全部コーディングしましたけれども、いろいろな副反応が出ます。とりわけリンパ節が腫れて、わきが痛いとか、そけいまで腫れる人もいますので、そういうものが腫れると、多分相当びっくりされるので、そういうことがあるということは皆さん承知されて接種していただきたいと思いますし、初めからそういうものがあるのだと知っていればびっくりされないでしょうけれども、そうじゃなくて、首が急に腫れたとか、とんでもない病気になったのではないかと心配されるのではないかと思っておりますので、とりわけそれに関しては頻度も高かったので、強調させていただいているところではございます。
 もう一点ですが、自分が内科医で高齢者をたくさん見ているせいもあるのですけれども、高齢者は熱中症も含めてですけれども、センサーの部分が鈍くなっておりますので、御自分の調子が悪くなっているということを自覚されないままに、具合が一気に悪くなる方がいるのではないか。それを大変気にしております。とりわけ、高齢者で食事量が落ちるとか、ちょっと具合が悪いということが体調を崩すきっかけになることを大変恐れております。そういうことも含めて、ワクチン接種後、翌日については、周りの方々が十分注意していただけると、不幸なことにならなくてもいいのではないかと思っております。
○山縣委員 伊藤先生、ありがとうございます。ゴルフの件は、まさに後輩から聞かれて、できないのではないかと言っておきましたけれどもね。ただ、今の高齢者に対するメッセージとか、それから、いろいろなところに出てくるから、それにびっくりしないようにというメッセージは、本当に重要だと思いました。
 どうもありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 伊藤先生、貴重なデータを本当にありがとうございます。
 何回か前にもお伺いしたかもしれないのですけれども、いろいろな治療中の疾患とか既往歴も調べていただいていまして、そういう基礎疾患ごとの副反応の頻度ですとか、そういうことというのは、今後、何か統計とか取っていただけるのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 御指摘いただいておりますので、今回、いろいろなデータをつくっておりますが、まずは数を増やしてアップデートするほうが先だと思っていますので、おとといの朝、データベースから抜いたデータをできるだけフレッシュな形でつくっております。
 その後、バッチファイルはつくっておりますが、加筆するのが結構大変は大変で、2日かけてこの程度しか進みませんで、御指摘いただいている点に関しては、もう少しデータがロックされた段階で精査にいこうかと思っております。まだ、統計ソフトに入れてロジスティックレギュレーションをかけるところまで至っておりませんので、それは今後の課題だと思っております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。今後、基礎疾患のある方に接種が始まってきますと、そういった情報がまた必要かなと思いました。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 この伊藤先生のデータで、私も自分たちの病院の接種スケジュールをがらっと変えました。翌日、勤務を休めるような体制でどうやって打つかということで、全国にこの情報を発信していただけるということで、大変感謝申し上げるとともに、部会としての役割があればということで、また事務局のほうでもお考えいただければと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 そのほか、全体を通じて、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 伊藤先生、本当にありがとうございます。とても貴重な資料だと思いますし、これからの接種に役立つと思います。
 先生の御発表で、発熱が35%ぐらいあるということだったのですけれども、前半の副反応疑い報告で、例えば1-1-1の資料の95~96ページを見ていただきますと、発熱だけという方が数十人単位で御報告いただいているのですね。なので、熱が出るということは、ある意味あり得る反応だということで、それはびっくりして副反応疑い報告までに至らなくてもよいのかなと、今の御発表も聞いて思ったのですけれども、そういう考えはいかがなものでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 ここでチェックボックスを取らなかった、例えば日誌に書かれているのは、悪寒とか戦慄とか、それから意外と多かったのは消化器症状とか、たくさん出ておりまして、それについて、すみません、報告を飛ばしておりましたけれども、そういった、1日インフルエンザにかかったような症状が出るということも併せて考えていただいて、それは出るので、その程度によって問題がなければ報告は必要ないのではないかとしていかないと、PMDAに上がる報告も量が多いのと。それから、これはいいのではないか、必要ないのではないかということで上がっていないものと混在する。
 私どもの日誌の中のデータでも、発熱というのを書いていただくので上げておりますが、発熱のところにチェックボックスがついていて、かつ、日誌の自由記載欄にも発熱と書いてあるから、発熱としてカウントしております。これは、製薬企業のほうにも確認したのですけれども、自由記載欄とそれがあったときに、片方にあれば片方を消すのかというと、消さないということだったので、基本的に治験と同じ取扱いで、この資料についてはつくっておりますので、発熱が一覧の中に入ってきていると御理解いただければと思います。
 疼痛に関しても同様でございますので、疼痛の痛い頻度、筋肉痛とか、頻度として3%とか、それぐらい書いてありますけれども、それは日誌の中で、とても痛くて、体が動かせないぐらい痛かったとか、そういう特記すべきというか、被接種者の思いがここに数字として入っていますので、重複しているものには、そういう理解をしていただければと思うところでございます。
○多屋委員 ありがとうございます。
○岡座長 確かに、これだけの頻度で起きてきますので、それを今後、全部報告してくることになりますと、ちょっと大変かと思いますので、また、その点も事務局のほうで御検討ください。
 そのほか、全体を通じて何かございますか。
 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 厚労省のほうにお願いしたいのですけれども、先ほどの高齢者の接種の場合、状態が悪ければ、なるべく延期していただきたいと願っています。焦って、その日でなければならないという思いや、貴重なワクチンだという思いから、体調が悪いのに無謀に受けてしまうということはなるべく避けたほうが望ましいと思います。そのときに、1回目より2回目のほうがいろいろ問題は起こってくる可能性があります。想定ですが、2回目の時期として、多分5月の後半とか6月には、ワクチンも潤沢に出てくるだろうということを予測して、例えばぴったり3週間後でなくてもいいということの問題です。延期して打つときはなるべく速やかにと書いてあるわけですけれども、どの辺まで許容するのかということを現場では心配しています。
 私も分かっていて言っているのですが、このぐらい空けても大丈夫だということをメッセージとしてしっかり出していくことが重要なのではないかと思います。なるべく速やかにというのは分かるのですけれども、どこまでぐらいは考えて良いのか、かかりつけ医の主治医の先生とよく話し合ってねという文言で、現場への周知を何かうまく進められればいいのかなと思うのですが、その辺のところは公にはできないのでしょうか。
 そういうメッセージを、なるべく速やかにという形の中に気持ちとして入り込めればいいなと思います。私たち医療者はそういうメッセージをしっかりと出していくことが重要なのかなと思って、全く意見でも質問でもないのですがお話ししました。それは報道の中に、3週間じゃなければ駄目だ。速やかにというのはどのぐらいなのだということが、いろいろなことが出てくるものですから、それを憂いてとおります。
 今、多屋委員がおっしゃったように、接種後に様々なことが起こってくるので、痛みだろうが、倦怠感だろうが、このワクチンに対しては、ある程度の反応は当たり前なのだということを周知していかなければと思います。それは感染に備えて、体が一生懸命反応しているのだということを優しく、うまく伝えられたらいいなと考えます。伊藤先生が一生懸命お纏めいただいたデータから見てとれる、そういうメッセージもうまく情報発信出来たらいいなと、実施医家として思った次第でございます。
 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。高齢者に関する注意、また副反応に関して、どういうふうに情報発信していくかということについての貴重な御意見をありがとうございました。
 事務局、お願いします。
○事務局 接種間隔の件での情報提供についてだけ、ちょっとお答えさせていただきます。厚労省で新型コロナワクチンQ&Aというページを設けております。3週間を超えた場合、どのぐらいずれても大丈夫ですかというQを設けさせていただいております。
 それへのお答えとしては、1回目の接種から3週間を超えた場合、できるだけ早く2回目の接種を受けてくださいということなのですけれども、その後に、なお、3週間を超えても、接種を1回目からやり直す必要はありません。接種間隔が3週間を超えた場合の効果は十分に検証されていませんが、WHO、米国や、EUの一部の国では、3週間を超えた場合でも、1回目から6週間後までに2回目を接種することを目安として示していますので、こうした目安も参考になると考えられますと書かせていただいております。今日は、いろいろな方が聞いてくださっているので、あえて読み上げさせていただきましたけれども、こういったことも参考にしていただければと思います。
○岡座長 ありがとうございました。
 そのほか、全体を通じて、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 本日の議事は、以上とさせていただきます。
 そのほか、事務局のほうからございますか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡座長 本日は、どうもありがとうございました。活発な御議論いただき、感謝申し上げます。これで終わりにいたしたいと思います。

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