令和3年4月30日

 今般、エネルギー憲章条約(ECT)の運営組織であるエネルギー憲章事務局の副事務局長の選出が行われ、4月29日、廣瀬敦子(ひろせあつこ)氏が日本人として初めて副事務局長に任命されました。

廣瀬氏は、国際農業開発基金(IFAD)やアジア開発銀行(ADB)等複数の国際機関において、長年マネージメント業務やエネルギー関連のプロジェクトに関与した経験を有しております。かかる豊富な経験等がエネルギー憲章条約の締約国及び署名国から高く評価され、最終候補に選ばれ全会一致で任命されました。

エネルギー憲章条約は、我が国のエネルギーの安定供給確保及び我が国企業の海外での投資環境の一層の改善を図る上で重要な法的基盤です。廣瀬氏が豊富な経験を生かしてECTの運営の強化に貢献することは、我が国のエネルギー安全保障を一層強化・推進する上でも、非常に重要な意義を有しています。政府としては、今後の廣瀬氏の活躍を大いに期待しております。

  • (1)エネルギー憲章条約(Energy Charter Treaty: ECT)は、エネルギー原料・産品の貿易・通過の自由化、エネルギー分野の投資の保護等を規定する多国間条約(1998年発効。日本は1995年に署名、2002年に発効。)。締約国は欧州を中心とした50か国及びEU・ユーラトム。条約は未締結だが署名を行い本条約の暫定適用がされている署名国は4か国。我が国は事務局への最大の分担金拠出国、かつ、ECTにおいて数少ないアジア地域の締約国。
  • (2)エネルギー憲章事務局はブリュッセルに所在するエネルギー憲章条約の運営組織。正規職員数は約15名。副事務局長ポストは事務局長の下で財務、運営等を担う幹部ポストであるが、長年空席が続いていたところ、事務局機能強化のため締約国の強い要望により、新たに副事務局長の選出が行われた。任期は本年夏頃から4年。
  • (3)今回の副事務局長ポストの選出にあたっては、ECTのウェブサイトにて公募された後、英国/ウクライナ、キルギス、ジョージア及び廣瀬氏の4名の候補者に絞られ、廣瀬氏が最終候補者1名に残り、エネルギー憲章会議の全会一致を得て任命された。