厚労省・新着情報

日時

令和3年4月9日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第55回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、及び令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。副反応検討部会の長谷川委員から御欠席の連絡を受けております。また、副反応検討部会の伊藤委員から遅れての御出席となる連絡を受けております。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 また、本日は、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」の関係で、一般社団法人日本アレルギー学会より、理事の中村陽一参考人にお越しいただいております。
 また、健康局長の正林は、ほかの公務のため欠席しております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員、参考人の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社より50万円を超える受け取りはございませんでした。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。また、本日御出席の中村参考人はグラクソ・スミスクライン株式会社から50万円を越えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、続いて、事務局から、本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1から1-6、資料2、「一般社団法人日本アレルギー学会提出資料」、「宮川委員提出資料」、参考資料1から6になります。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について」でございます。まず、資料1-1から1-2について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 まず、資料1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
 今回の集計対象期間は、接種開始日である令和3年2月17日から4月4日の報告分までとなっております。
 2ページ目、マル1、週別報告件数の表の一番下の合計(2021年4月4日)の行をご覧ください。2月17日から4月4日までの推定接種者数は109万6698回、報告件数は1755件、報告頻度としましては0.16%となっております。うち重篤の報告件数は296件、報告頻度としましては0.03%。さらに、死亡報告数については5件報告されております。この死亡報告事例につきましては、後ほど資料1-3にて概要を御説明いたします。
 3ページ目のマル2、4ページ目のマル3は、先ほどの1755件の副反応疑いについて、報告医による因果関係の見解別に集計したものとなります。
 続きまして、5ページ目、マル4、副反応疑い報告の報告基準別報告件数をご覧ください。副反応疑い報告基準に定められた症状であるアナフィラキシーについて集計したものとなります。アナフィラキシー疑い事例につきましては、4月4日までに医療機関から350件の副反応疑い報告がされております。こちらの詳細については、資料1-5にて御説明いたします。
 以降、6ページ目から14ページまでは、4月4日までに報告された副反応疑い報告について、性別、年齢別、症状別、接種回数別に集計した表となります。
 15ページ、16ページ目が週別報告件数を図表化したもの、及び接種から発症までの日数別の報告件数となります。
 17ページ以降は、先ほどの副反応疑い報告につきましてラインリストでお示ししたものとなります。
 続きまして、資料1-2「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
 こちらについても、集計対象期間は2月17日から4月4日報告分までとなっております。
 2ページ目、マル1、週別報告件数の表の一番下、合計(2021年4月4日)の行をご覧ください。4月4日までの推計接種者数は、こちらも109万6698回で、報告件数については、こちらは重篤なものが報告対象となっておりますが、344件。報告頻度としましては0.03%となっております。死亡報告が2件となってございますが、こちらは医療機関から、これまでに報告があった2事例について、企業でも調査の上、報告されたものですので、新規事例の報告ではございません。
 以降の資料構成は、この報告件数に基づきまして、資料1-1と同様、マル2からマル6までの資料を作成しておりますので、説明は割愛させていただきます。
 ページを飛んでいただきまして、15ページ、3ポツ、製造販売業者からの副反応疑い報告症例一覧をご覧ください。報告症例の内容を横1行のラインリストでお示ししております。資料の右から4つ目のカラムに専門家の因果関係評価を記載してございます。
 35ページ目以降は、各事例の経過の概要をまとめておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 資料1-1、1-2の説明は、以上となります。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、資料の番号としては前後いたしますが、中村参考人が2時15分に退席する予定と伺っております。したがって、アナフィラキシーの事例の議論から始めたいと思います。
 まず、資料1-5について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-5「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された事例の概要」をご覧ください。
 まず初めに、資料の構成について御説明いたします。前回の部会におきましては、数百ページの資料を部会直前に委員に送付させていただきましたので、事前に内容を確認する時間が非常に短かったと御指摘いただいたところでございます。その際に事務局からは、前回の部会資料では181件のアナフィラキシーの概要を作成したため、送付が直前になってしまったこと、また、今回の部会では、対策を検討の上、十分な確認時間を確保できるようにした上で委員に資料を送付する旨、御説明しておりました。以上の経緯を踏まえまして、座長と相談させていただきまして、本日の資料1-5の形式としております。
 1ページから3ページまでが報告状況をまとめたものとなります。
 4ページ目以降では、これまでに医療機関からアナフィラキシーとして報告されました、取り下げられた事例も含めますと、355件を一覧表としてお示ししております。また、前回の合同部会までは各事例の概要を作成しておりましたが、今回からはこれに代わりまして、委員の先生方には報告書の写しを、個人情報をマスキングした上で事前に送付しております。一方、公開資料としましては、先ほど御説明しました資料1-2の中で順次経過の概要が公表されてまいりますので、そちらを参照していただきたいと考えております。
 以上の運用につきましては、今後、高齢者の接種が始まり、さらに接種数が増えていく予定ですので、随時見直すことも考えております。
 構成の説明が長くなりましたが、以降、内容について御説明したいと思います。
 1ページ目、1.報告状況でございます。令和3年2月17日から4月4日までに、副反応疑い報告において、医療機関から、取下げ例を除きますと、アナフィラキシーとして報告された事例は350件でございました。
 なお、上記に加えまして、4月5日から7日までに、医療機関からアナフィラキシーと報告された事例が31件ございます。
 2.専門家の評価でございます。令和3年2月17日から4月4日までに報告された350の事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、結果については表のとおりとなりました。
 概要につきましては、2ページ目の参考1をご覧いただければと思います。ブライトン分類レベル1~3の報告件数は、109万6698回接種につきまして79件、100万回当たりの報告件数としましては72件でございました。
 ブライトン分類レベル1~3の事例について、年齢別、性別で集計したものが参考2、アレルギーの既往の有無で集計したものが参考3でございます。
 資料1-5の説明は、以上となります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、本日、この会にお越しいただいております一般社団法人日本アレルギー学会の提出資料につきまして、中村参考人のほうから御説明をお願いいたします。中村先生、よろしくお願いいたします。
○中村参考人 よろしくお願いします。
 それでは、お手元の一般社団法人日本アレルギー学会提出資料でございますが、今回、私どもに依頼されましたのは35症例の評価です。アナフィラキシーとして評価された症例群の全体としての重症度の傾向はいかがなものかということです。
 まず、私どもアレルギー学会のことですけれども、アレルギー学会の中にアレルギー疾患対策委員会というものがもともとございます。これは、もちろんコロナワクチンよりずっと以前から機能しているわけですけれども、今回、その11名の委員において、この35例を評価してみました。アレルギー学会は独自のガイドラインを有しておりますけれども、基本的には、世界で使われておりますワールド・アラジー・オーガナイゼーション、すなわち世界アレルギー機関というもののガイドラインを参考に作成されたものであります。
 このガイドラインによる重症度分類で、今回の35症例を評価してみたわけですが、まず、グレード1、2、3と分類されますが、一番軽症のグレード1の評価が最も多かった事例は35例中16例でした。次に、中等症としてのグレード2の評価が最も多かった事例は10例でした。グレード3、すなわち重症が9例でした。なお、この最も多かった事例という回りくどい表現をしておりますけれども、これはなぜかと申しますと、11名の委員の中でも意見の食い違いが多少あったからです。すなわち、前述のように、全体としての重症度は、このグレード1の35例中16例ということで、一番多かったことになります。
 もちろん、アドレナリンを中心とする治療により、重症への進展を防ぐことができた症例が含まれている可能性はございます。すなわち、例でも軽症のうちに処置をしたために、軽症という判断のままに終わった症例はもちろんあるものと思われます。繰り返しますが、対策委員会委員による評価にかなりのばらつきがあったのは、ある委員は、各事例の報告内容をそのまま評価に用いたが、他の委員は、やや懐疑的な立場で評価したといったことが考えられます。例えば、「血圧は問題ないものの、末梢が冷たく、アナフィラキシーショックと考え」という報告もございました。また、他の事例では「急激なアナフィラキシー様症状が発現し」という文言だけの記載の事例もございました。
 これらは表現が曖昧ですので、ブライトン分類ではレベル4になり、アナフィラキシーとしての判断ができないことになりますが、重症度の判定は、これらの表現の受け取り方により、大きく異なっておりました。
 なお、今回の評価において、委員から、〇×や数字で表すような何らかのフォーマットを作成し、このアナフィラキシーと思われる症状を記載していただくことが望ましいのではないかという意見もございました。
 次に、もう一つの御依頼の、アナフィラキシーとして評価された症例群への臨床的対応は、アナフィラキシーで一番重要な治療法は、その場での緊急処置はアドレナリンの筋肉注射でございますが、このアドレナリン筋肉注射の使用に関しては、35例中20例で使用されていたわけです。この20例中、委員が使用は適切であったと考えたのが15例で、使用されなかった11例は、全て使用しなかったのは適切であったという判断でした。なお、4例では、アドレナリン使用の有無に関する記載がなかったので、判断できませんでした。
 このように、アドレナリンの使用に関する記載がやや不十分であったものの、使用された20例中15例が適切であった、使用されなかった11例は使用しなかったということは、その使用については、おおむね適切な対応がなされていたのではなかったかと推察されました。
 なお、これはコメントですけれども、世界的にも、アナフィラキシーガイドラインでは、一般的にその現場にいる医師がアナフィラキシーと判断した場合は、即座にアドレナリンの筋肉注射を実施するべきであり、適切な実施がなされなかったために致命的となるリスクは、過剰使用のリスクをはるかに上回る。すなわち、アナフィラキシーにおけるアドレナリン使用は「時期を逸するよりは、少しでも疑いがあれば使用に踏み切る」のが正しいということでよろしいのではないかという全体的な意見でありました。
 以上が概要でございます。
○森尾座長 中村先生、取りまとめ及びプレゼンテーション、どうもありがとうございました。後ほどまた質問させていただくと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料1-6について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 それでは、資料1-6「国内でのアナフィラキシーの発生状況について」、お示しさせていただきます。
 2ページ目をご覧ください。こちらは、参考といたしまして、前回の副反応部会までの国内でのアナフィラキシーの発生状況についてでございます。
 上段でございますけれども、前回の副反応部会の状況といたしましては、1つ目、副反応疑い報告制度におきまして、アナフィラキシーとして、接種開始から181件の御報告がありました。報告された事例は、医療処置が行われ、いずれも軽快または回復していることが確認されておりました。一方で、医療機関からの報告には「十分な情報が得られておらず、症例定義に合致すると判断できない」ブライトン分類4の報告や「アナフィラキシーではない」ブライトン分類5の報告も見られました。
 また、予防接種全体の流れといたしましては、被接種者及び接種会場や施設の拡大に向け、既に示しているアナフィラキシーへの対応が、現場で適切に実施されるよう、引き続き情報提供等を行うことが必要と考えられました。
 これを受けまして、下段の審議結果のまとめと課題となりますけれども、1つ目、国内報告件数は、海外報告件数との単純な比較は複数の理由から難しいと考えられるものの、引き続き透明性を持って公表するために、報告件数をそのまま公表する一方で、症例の詳細な情報を収集し、国際的な基準であるブライトン分類に基づいて評価を続けていくこととなりました。
 また、下の3つにつきましては、後ほどのスライドでも御紹介してまいりますけれども、まず、1つ目でございますが、報告書の記載様式につきましては、アナフィラキシー以外の病名で報告する際の記入手順を分かりやすく示すとともに、アナフィラキシーとして報告する際には、アナフィラキシーと診断した根拠となる臨床所見をできるだけ具体的に記載するようお示しすることといたしました。
 また、予診においてアレルギー疾患の既往歴や、アナフィラキシーを含む即時型のアレルギー反応の既往歴を確認することとしておりますが、こうした際の取扱いの考え方につきまして、予診を行う現場の医師等への普及のため、分かりやすい資料を提供することといたしました。
 また、アナフィラキシーの発症時に、必要な場合には、接種場所から体制の整った医療機関への搬送が円滑に行われるよう、改めて自治体や消防機関に、搬送体制の連携の考え方を示すことといたしました。
 続きまして、3ページ目をご覧ください。日本のアナフィラキシーの報告状況についてでございまして、こちらが今回、お示しするメインの御報告となります。前回と同じ構成となっておりますけれども、上段の表が医療機関からアナフィラキシーとして報告された件数についてでございます。下段がブライトン分類に基づき評価された件数でございます。先ほどの中村参考人の補足となりますけれども、最上段、2021年2月17日から3月11日、医療機関から18万1184回接種中35件がアナフィラキシーとして報告された件数。こちらの35件を、先ほど中村参考人に御評価いただいたという次第でございます。
 それぞれの表につきまして、最下段が今回の最新の情報となっております。上段の表の最下段でございますけれども、先ほどもお示しございましたけれども、約110万回接種中350件がアナフィラキシーとして報告されており、100万回接種当たりの報告件数としては319件となってございます。
 また、下段の表でございますけれども、最下段をご覧いただきまして、約110万回接種中79件が、ブライトン分類につき評価されている1から3の報告となっておりまして、こちらが100万回接種当たり72件といった状況となってございます。
 続きまして、4ページ目をご覧ください。こちらは、以前もお示ししました参考の海外のアナフィラキシーの報告状況についてでございますけれども、基本的には同じ状況でございますが、最下段の英国につきまして、ほぼ同じ傾向でございますけれども、1460万回接種中、100万回接種当たりの報告件数といたしましては17.7件ということで、海外の状況は大きな変化がないと承知しております。
 続きまして、5ページ目をご覧ください。こちらは、先ほど冒頭でも御紹介いたしましたけれども、副反応疑い報告書の記載方法についての周知でございます。最下段にございますように、3月30日付事務連絡で既に発出しているものでございます。現場の医師がより的確に副反応疑い報告をできるよう、分かりやすい手順を示してございます。やや小さい字となりまして、恐縮でございますけれども、黄色の左側の下のところに「*」がついてございますけれども、実際に現場の医師がアナフィラキシーの発症についてアナフィラキシーとして報告する場合には、本欄に、以下の事項について可能な限り記載してくださいということで、項目立ててお示ししてございます。
 また、右下の黄色いマル1の部分をご覧いただければと思いますけれども、こちらは、アナフィラキシーに該当しない症状(アナフィラキシーには至らないアレルギー反応を含む。)に関する副反応疑い報告をされる場合には、「2 その他の反応」のところに丸をつけていただきまして、上のほうのマル2に移りまして、「その他の反応」に丸をつけた場合には、報告する症状に応じまして、右側の赤囲みしております「a」から「x」に丸をつけてくださいとお示ししてございます。
 この中で、マル3、x a~w以外の場合には、1ページ目、左側に行きまして、2ページ目で「x」とつけた場合には、本欄に、具体的な症状名を記入してくださいということで手順をお示しさせていただきました。
 続きまして、6ページ目でございます。こちらも冒頭で御紹介申し上げましたけれども、予診における留意点の分かりやすい資料の提供ということでございまして、現場の予診を行う医師や、予診票の確認等に従事される職員の方々に予診時に参考にしていただけるよう、自治体向けに「新型コロナワクチン予診票の確認のポイント」ということでお示ししてございます。こちらも3月26日付の事務連絡として発出してございまして、その抜粋となっております。
 続きまして、7ページ目をご覧ください。こちらも前回御紹介させていただきました案が周知されましたということの御報告でございます。高齢者や基礎疾患を有する者への接種開始に向け、搬送体制の確保についての連携の考え方について、こちらも下段の令和3年3月31日付通知において周知してございます。
 8ページ目をご覧ください。こちらがまとめでございます。
 まず、最新のアナフィラキシーの報告状況の整理についてでございますけれども、副反応疑い報告制度におきまして、アナフィラキシーとして報告されたものが、接種開始後4月4日時点までに350件が報告されてございます。ブライトン分類に基づく評価におきまして、79件がアナフィラキシーと評価されてございます。報告内容について透明性をもって公表するため、報告件数をそのまま公表する一方で、正確な評価も重要であり、引き続き国際的な基準に基づく評価を行っております。
 海外との比較におきましては、被接種対象者の違い、あるいは報告制度の違い等の理由から、単純な比較が難しい状況にあると考えられております。その中でも、アナフィラキシーとして報告されたほぼ全ての例で軽快したことが判明してございます。
 続きまして、論点でございますけれども、2点設けさせていただきました。
 上記の状況を踏まえまして、1つ目でございますけれども、アナフィラキシーとして報告された事例におきましては、適切な治療等が行われ、ほぼ全ての例で軽快しており、重大な懸念は認められないという評価でよいかということにつきまして御審議いただければと思います。
 また、2つ目でございますけれども、接種後には、一定の頻度でアナフィラキシーが生ずることを前提とした上で、引き続き、これまでの対策を継続するとともに、国内外の報告を注視していくことでよいかといった内容で御審議いただければと思います。
 事務局からは、以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 事務局のほうから、新型コロナウイルスワクチンについて、これまでの副反応疑い報告の状況の説明があり、続いて、接種後にアナフィラキシーとして報告された事例から、それらを踏まえた対応について説明をいただきました。
 また、中村参考人からは、アレルギー学会としての御見解を頂戴いたしました。
 ワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された事例について、御質問、御意見、承りたいと思います。また、中村参考人に対する御質問も承りたいと思いますが、委員の皆さん、いかがでしょうか。
 濱田委員、どうぞ。
○濱田委員 中村先生にちょっと伺いたいのですが、アナフィラキシーを起こした方にアドレナリンを打つということですけれども、βブロッカーを使用している方も結構いらっしゃる。これからも増えると思うのですけれども、その場合は処置の仕方が異なると思います。どのような方法が今、一般的なのでしょうか。
○中村参考人 ありがとうございます。
 アドレナリンを筋肉注射すると思いますけれども、βブロッカーを使用されている方は効かない可能性もあると思いますので、その場合にはグルカゴンを使用したり、通常のルールに従って行われると思います。接種現場にグルカゴンが用意されているのかどうか、私はちょっと存じ上げませんが。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 中村先生、ありがとうございました。詳細に御検討いただいて、私どもとしては、今までのこの部会で議論してきた方向性と、ある程度同じ方向であるということで、私、ちょっと安心しました。
 それで、1つ御質問としては、今までは医療関係者に主に打った調査ですけれども、これから高齢者の接種が始まってまいります。その場合の何か注意点等ございましたら、教えていただけると助かります。
○中村参考人 ありがとうございます。
 高齢者に関する注意点といいますと、これはアレルギーとはまた別のハイリスクの方々を扱うことになると思いますけれども、アレルギーは年齢によって、そんなに偏ったものではございませんので、そこはアレルギー疾患としては、リスクに関して、高齢ということだけでは関わりはないと考えております。
○岡委員 そうしますと、同じような対応をすればよろしいだろうということで考えてよろしいでしょうか。
○中村参考人 はい。少し細かいことを申し上げれば、皆様御存じのように、コントロール不良のぜんそく、言い換えれば重症のぜんそくの方は、アナフィラキシーを起こしたときに重症化しやすい。すなわち、致命的となる方はぜんそく持ちの方が多いと言われていますから、そこは注意が必要であり、加えて重症ぜんそくは高齢者に比較的多いと言われておりますから、間接的にはそこが絡んでくる可能性はあります。
○岡委員 ありがとうございました。
○森尾座長 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 どうもありがとうございました。本当に分かりやすい御説明でした。
 1つお伺いしたいのは、今後、高齢者になってくると血圧の問題があると思うのですが、アドレナリンを打った後の問題というのは何かございますでしょうか。
○中村参考人 ありがとうございます。
 確かに血圧が200近いような状態だと、アドレナリンを打つのは躊躇すると思うのですけれども、その場合は、一般的なアナフィラキシーの救急の対処の仕方としては、アドレナリンの量を減らす。例えば、通常は0.3ミリを打つのですけれども、0.1~0.2にするとか。その代わり、それでアナフィラキシーに対する効果が悪ければ、もう一度15分後に追加するという工夫をすることになると思います。
 ただし、1つ言えることは、血圧が高いからといって打つのを躊躇するよりは、アナフィラキシーはその場で命に関わりますので、高血圧といえどもアドレナリン筋肉注射の絶対的禁忌にはならないということです。
○山縣委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ほかにいかがでしょうか。今回の取りまとめ及び報告事例について、何かございますでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 中村先生が今おっしゃってくださったこと、とても大事だと思ったのですけれども、接種医の先生に分かりやすい注意ポイントをまとめた資料をつくっていただくということは難しいでしょうかというのが1つと。
 もう一つは、前回も申し上げましたが、アナフィラキシーを報告してくださる先生にも使っていただけるような、ブライトン分類で幾つというレベルがすぐに分かるような、個票のような調査票をつくってみるというのはいかがでしょうか。
 以上2点について、よろしくお願いいたします。
○中村参考人 ありがとうございます。
 今回の件で、我々アレルギー学会の中の対策委員会の委員からもいろいろな意見が出まして、今おっしゃられたようなことがディスカッションされました。例えば、フローチャートみたいなものがあったら便利なのではないか。ただし、一般接種会場である体育館のようなところで打つ場合、クリニックで打つ場合、それから、大学病院や総合病院で打つ場合、それぞれ状況が異なるのではないか。
 例えば、クリニックですとスタッフが少ないために、あまりに詳細なものを作成してしまうと、逆に現場が混乱するのではないか。3つつくるか、それとも最低限のシンプルなフローにしてしまうか、その辺りは最終的に意見の一致を見ませんでした。必要ということであれば、ぜひ作成させていただきたいとは考えております。
 2つの質問の答えになりましたでしょうか。
○森尾座長 注意事項か何かの取りまとめをお願いできるかということだったと思いますが。多屋先生、アナフィラキシーに対する対応方法とか注意事項ということでしょうか。
○多屋委員 今、まさに中村先生がおっしゃってくださったような、βブロッカーを使っていらっしゃる方とか、高血圧で200ぐらいの方ですとか、アドレナリンの量は0.3を0.2にする。すごく大事なポイントが幾つもあったので、それを簡単にまとめたような資料があると、接種医の先生には役立つのではないかなと思った次第です。
○中村参考人 ありがとうございます。
 確かに現場では難しいこともあります。だからこそ、少しリスクの高い方は医療機関で、とは考えますが、あまりに多くの方が医療機関に走ってしまうと大変な混乱になると思いますので、その部分は行政の判断に委ねたいと思います。
○森尾座長 中村先生、どうもありがとうございました。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 これは、中村先生への質問とはいえ、厚労省への質問になるのかもしれませんが、各施設がこのワクチン接種においてアドレナリンを準備する。これまで余り準備していなかったところも準備するというときに、品薄になるということはないのでしょうか。アドレナリンの供給量というのは、十分大丈夫なものなのでしょうか。
○中村参考人 ありがとうございます。
 さすがにそれはないと考えますけれども、一度に何百人も何千人も使用せざるを得ない状況になるとは思いませんので。数本を置いておくということで大丈夫だと思うのですけれども、さすがにアナフィラキシーとは縁遠い専門領域のクリニックにそれを依頼するのは、無理があるかもしれません。
○森尾座長 事務局、どうぞ。
○事務局 事務局でございます。
 アドレナリン製剤の供給については、こちらのほうでも注意深く確認しております。1点、メーカーから提供いただいている部分は、できるだけ集団接種会場のほうで御利用いただけるようにということで、配布についても国から事務連絡を出しております。また、シリンジ製剤であるとかバイアル製剤を医療機関では主に活用いただくようにということもお願いしておりまして、全体としては足りていると認識しておりますけれども、そういった製剤ごとの扱う場所にも気を配りながら、しっかりと配置されるようにということでお願いしているところです。
○倉根委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ほかにいかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 すみません、もう一つ伺いたいのは、今回の今までのデータで100万人に70人ぐらいの方がブライトン分類3以上のアナフィラキシーを起こしているわけですね。当初、このワクチン、100万人に5人ぐらいのアナフィラキシーだろうということで始めたのに比べると、ある意味高いことは高いのですけれども、例えばワクチン以外の造影剤とか、そういったものと比べて、先生はこの頻度をどのようにお考えになるのか。
 というのは、JAMAの論文が、資料にもたしか4ページに載っていて、JAMAがアメリカでやった医療従事者を対象とした調査では、100万人に247件発生しているのですね。その考察で、ほかの医薬品と比べて、それほど高くないという考察がされているのですが、先生の観点から、ワクチンあるいはほかの医薬品との比較で見て、この頻度はいかがお考えになるかをちょっと伺いたいのですけれども。
○中村参考人 ありがとうございます。
 皆様御存じのように、インフルエンザワクチンなど、通常のワクチンは、そんなにアナフィラキシーの頻度が高いものではなかった。欧米のデータを見てもそう高くなかったのに、我が国では大体1桁多いようです。その理由はわかりませんが、可能性としましては、人種の違いで高いことは1つあり得る。
 それから、ファイザーのものはポリエチレングリコールが原因として知られておりますが、日本人にポリエチレングリコールのアレルギー患者さんが潜在的に少し多くおられる可能性ですね。
 もう一つは、レポートでどこまで判断できるか。すなわち、かなり主観的な、ブライトン分類4に当たると思いますが、少し多めに迷走神経反射とか心因性の症状を取り上げてしまった。この3つの可能性があると思います。
 一番興味があるのは、先ほど申し上げたポリエチレングリコールアレルギーが本当にいるのだろうか。これは、従来余り知られていない領域でしたから、できれば調べてみたいなと思っているところではあります。
○濱田委員 すみません、非常に基本的なことで申し訳ない。造影剤アレルギーというのは、100万人に何件ぐらい出るものですか。
○中村参考人 造影剤アレルギーは、抗生物質と同じぐらい多いですから、通常のワクチンの50倍から100倍ぐらいいてもおかしくないと思います。造影剤アレルギーは、日常茶飯事です。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 ほかにはいかがでしょうか。
 伊藤清美先生、どうぞ。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 今のお話とも少し関連するのですけれども、例えば資料1-6の3ページで、ブライトン分類1から3に限定した表をつくっていただいているのですけれども、先ほどの中村先生のお話でも、例えば急激なアナフィラキシー様症状が発現したという記載だとブライトン分類4になるということで、それ以外の記載が余りない場合にはそうなってしまうということで、ブライトン分類4というものが、今、集計上、かなり多いわけですけれども、その中に実際はブライトン分類1から3に相当するようなものも含まれるとしますと、集計の仕方といいますか、表示の仕方かもしれないですが、この1から3だけのもので海外と比較するというのは、少し危険なのかなと思いました。
 いろいろな書類を用意していただいて、この後、ブライトン分類4というのは減ってくるのかもしれないと思うのですが、提示の仕方というのは、少し気をつけたほうがいいのかなと思いました。
○森尾座長 ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 今回、すごくしっかりした疑い報告書のドラフトをつくっていただいて、すごく具体性が増したなと思って拝見していたのですけれども、そこで報告回数が1報、2報、3報以降というのがあるのですけれども、これは決まった期間で、1回目報告した方は、必ず何日後に来てくださいとか、そういうシステマチックな管理になっているのでしょうか。それとも、もう治ったから行っていなくて、そのまま分からなくなってしまうみたいな感じになるのですか。その辺のフォローアップがどこまでできるのかなというところです。副反応がどのぐらい続くかというところも、結構重要なポイントだと思いますので、もしそういう想定があらかじめあるのであれば、ちょっとお聞かせ願えないでしょうか。お願いします。
○森尾座長 佐藤委員、アナフィラキシーについてということでよろしいですか。
○佐藤委員 これはアナフィラキシーに限ってですか。最後のところに、報告回数、1報、2報、3報と書いてあるのですけれどもね。
○森尾座長 どこの部分か情報をシェアし切れておらず、申し訳ありません。
○佐藤委員 資料1-6の5ページ目の一番下の報告回数というのがあるのですけれどもね。
○森尾座長 分かりました。これは、全てについてですね。フォローアップ体制がどうなっているかということですね。
○佐藤委員 はい。軽快とか回復ということがちゃんと確認されているならいいと思うのですけれどもね。
○森尾座長 これは、厚労省の方がかなり苦労されていると思います。
○佐藤委員 副反応がどういう症状が出るか分からない状況にあって、どこまでフォローアップするかなというところと、割と定期的に見るようなことを想定されているのかな。
○森尾座長 ありがとうございます。
 回答をスタンバイされているようです。どうぞお願いします。
○事務局 事務局から御説明いたします。
 まず、この1報、2報、3報がアナフィラキシーにのみ適用されるかということですけれども、先ほど座長から御説明があったとおり、これは副反応疑い全てのものに対して報告する様式ですので、必ずしもアナフィラキシーだけではないというのが1つ目の回答となります。
 2つ目ですが、1報、2報、3報に機械的に報告するタイミングが決まっているかということですが、これは決まっているものではなくて、状況に変化がありましたら随時御報告いただくというものとなります。また、事務局のほうでも内容は確認しておりまして、もし懸念があるようなものがありましたら、そちらへ問合せ等もしております。そういった状況になります。
○佐藤委員 分かりました。では、何か気になることがあれば、ちゃんと追跡できる体制になっているという理解でいいわけですね。
○事務局 そのとおりです。
 あと、アナフィラキシーに対して少しだけコメントさせていただきますと、通常、医療機関報告において、何らかの1報後、何らかの区切りと言うときに続報が来ることになっております。今回、アナフィラキシーに関しては、ほぼ全て軽快と言ったのは、未回復とされていた事例について、我々のほうから全て電話して調べた結果ということでございます。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。了解です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。事務局も大分苦労されていると思います。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 個人的には、中村参考人から御提出していただいた資料の中で、アナフィラキシーとして評価された症例群への臨床的な対応という記載がございまして、世界的にも、ガイドライン的には、現場の医師がアナフィラキシーと判断した場合には、アドレナリン筋注を実施すべきであり、適切な実施がなされなかったために致命的となるリスクは、過剰使用のリスクよりもはるかに大きいということで、こういう疑いがあれば使用に踏み切るというスタイルがよいのかなということを、また改めて感じた次第です。すみません、私の勝手なコメントでございます。どうもありがとうございました。
 先ほど、アナフィラキシーの議論に関連しまして、事務局からの説明の中で、今回のアナフィラキシーの会議資料の構成を見直したという説明がございました。
 そこで、1点お諮りしたいことがございます。アナフィラキシーのブライトン分類の評価ということで大分議論いただきましたけれども、医療機関からの報告内容に基づいて実施するとともに、皆様、御存じのように、同時に、企業からも医療機関への詳細な調査の後に、同一症例の報告が上がってきているという状況でございます。したがって、ブライトン分類の評価も、同一症例について二度されているということになります。
 医療機関からの報告のほうが早くなるということでありまして、そのために現在は医療機関の報告に対してもブライトン分類の評価を実施していただいておりますけれども、本来であれば、詳細な情報が付与された企業からの報告内容に基づいて評価が行われるのが、より適切ではないかと考えます。
 企業からのアナフィラキシー事例の報告も、資料1-2に基づくと、既に約200件がなされている状況だと理解しております。全体の傾向の把握が現時点では可能になっているということを踏まえますと、今後のブライトン分類の評価は、より詳細なデータがある状況の中での企業からの報告に絞って実施するというのも一つの方向かと考えましたが、この点につきまして、委員の先生方から御意見を頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 私もこの会議に参加させていただいて、現在のところ、医療関係者については、ある程度アナフィラキシーとして報告される例の傾向というのは把握できてきたのかなと考えております。今日、中村先生のほうからも、この部会として、今まで発信してきたメッセージについて、方向性として大きな問題の御指摘はなかったのかなと思っていますので、そういう意味で、少し安心したところになります。
 今後大事になってくるのは、これから接種者がさらに増えてくる中で、非医療者が徐々に入ってくるということで、そういう中での傾向というものを注視していかないといけないと思います。ただ、報告数がさらに増えてくる中で、より均一な情報を得るという意味では、企業からの報告ということを使っていくほうが現実的なのかなと思っております。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 ほかの委員の皆様から、いかがでしょうか。
 本当にこれから数がどんどん増えていく状況かと思います。方向性について、よろしいですか。幾つか課題があると思うのですが、よろしければ、今後、企業の報告に基づいてブライトン分類を行うというふうにさせていただきたいと思いますけれども、具体的にいつから実施するのかということにつきましては、今後の接種数の推移とか企業報告の状況を踏まえてということで、事務局のほうで検討していただきたいと思いますけれども、そういう方向でよろしいでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 企業報告というのは、恐らく医療機関報告が企業さんに提供されて、企業さんが医療機関にまたお問い合わせに行って、出てくる資料だと思っています。ですので、企業さんに医療関係者の方が回答してくれなければ、これは成り立たないことだと思うのですけれども、問い合わせた医療機関の先生が、企業さんにブライトン分類に基づいて、どこに当たるかという情報を事細かに報告してくれるということになるのでしょうか。そこが今まで結構難しくて情報が不足していたということも多かったと思うのですけれども、それについては大丈夫でしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 その件につきましては、御指摘のとおり、まずは医療機関報告が上がってきた後、その医療機関報告を基に企業が問合せに入ります。企業は、もともと、そのときにおいてブライトン分類とかも含めて聴き取りをしますので、より詳細になるということが想定されます。ただ、先生御指摘のとおり、ほとんど変わらなかったという場合も実際あることはあると思うのですが、資料1-2の後ろのほうについている、物すごく細かい字があるものを見ていただければわかりますが、かなり詳しく、それなりにグローバルスタンダードに合わせた形になって上がってくると思っております。
○森尾座長 多屋先生、よろしいでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございます。必要な事項を調査していただけるのであれば大丈夫だと思うのですけれども、医療機関のほうもお忙しいそうで、なかなか回答していただきにくいのかなと思ったので、コメントさせていただきました。
 ありがとうございます。
○森尾座長 多屋委員、方向性については、よろしいでしょうか。
○多屋委員 はい、大丈夫です。
○森尾座長 それでは、そういう形でまとめさせていただいて、時期につきましては、もうちょっと検討させていただくことにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、アナフィラキシーにつきましての議論は、以上となります。
 中村先生におかれましては、本日は本当に貴重な意見をいただきまして、また質疑応答にも御対応いただきまして、どうもありがとうございました。2時15分までということでございますけれども、これ以降の議論につきましては、先生の御意見を求める予定はありませんが、まだいていただいても、途中で御退席されても差し支えありません。お任せいたしたいと思います。いずれにいたしても、本日はどうもありがとうございました。お礼を申し上げます。
○中村参考人 それでは、失礼ですけれども、ここで退席させていただきます。ありがとうございました。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、「ワクチン接種後の死亡として報告された事例」についての議論に移ります。資料1-3について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-3「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」をご覧ください。
 1.報告状況でございます。令和3年2月17日から4月4日までに、副反応疑い報告において、医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例は5件でございました。上記に加えまして、令和3年4月5日から4月7日までに、医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例が1件ございました。つきましては、前回合同部会以降、4事例が新たに報告されたという状況でございます。
 2.専門家の評価でございます。この6事例を対象に専門家の評価を実施してございます。結果は、いずれもγ(情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの)と評価されております。
 2ページ目でございます。6事例を一覧としたものとなります。No.1と2が前回までに本合同部会で報告していたものでございまして、3から6が今回初めて御報告する事例となります。
 3ページ目以降に各事例の概要をおまとめしております。事例1に追加情報はありませんので、割愛いたします。
 5ページ目をご覧いただければと思います。事例2でございます。26歳女性の事例でございました。
 6ページ目の一番上の部分でございます。企業からの調査・報告内容に基づき4月9日に追記した内容としましては、患者の家族の意向もありまして、剖検は実施されなかったことが確認されたと報告されてございます。
 続きまして、その少し下、事例3をご覧いただければと思います。72歳、女性の事例となります。
 (3)基礎疾患等としましては、肝臓病(C型肝炎)、脂質異常症、虫垂炎が報告されてございます。
 (4)症状の概要でございます。接種日時が3月24日15時30分頃、発生日時が27日23時30分頃。死因は、脳出血と報告されてございます。
 概要でございます。令和3年3月24日ワクチン接種。3月27日21時就寝、23時30分頭痛・吐き気を訴え、呂律障害を認め、救急要請。24時42分病院着。CTで脳出血を認め、脳出血と診断されたと報告されてございます。手術・延命処置を希望されず、経過観察となりまして、3月29日10時52分にお亡くなりになられたという状況となってございます。その他、臨床検査値の報告もなされております。
 (5)ワクチン接種との因果関係につきましては、報告医療機関の評価では、ワクチン接種と直接の関係はないものと推察される、臨床検査値では、凝固系異常は認めない、と報告されてございます。
 (6)専門家の因果関係評価は、γでございます。
 続きまして、8ページ目をご覧ください。事例4、65歳の男性の事例でございます。
 (3)基礎疾患等は、報告書上は不明ということになります。
 (4)症状の概要でございます。接種日時、3月9日12時頃。発生日時は、3月28日頃と推定されてございます。死因は、急性心不全として報告されてございます。
 概要につきましては、3月27日出勤し仕事場を出た午後6時半が最終生存確認。3月28、29日と無断欠勤されましたので、3月29日、勤務先から連絡を受けた警察署員が訪問しまして死亡者を発見したという状況でございます。3月20日に死体検案が行われまして、直腸温、硬直などの死後変化により、3月28日死亡と推定されたと報告されてございます。死亡者は、新型コロナワクチン接種後約20日経過していましたが、その間アレルギー反応、頭痛などの症状はなかった、急性心不全が直接の死因とされた、と報告されてございます。
 (5)ワクチン接種との因果関係につきましては、報告者の意見としましては、今回の急性心不全と新型コロナワクチン接種との関連はないと判断したと報告されてございます。
 (6)専門家の因果関係評価では、γとされております。
 続きまして、9ページ目をご覧ください。事例5、62歳男性の事例でございます。
 (4)症状の概要でございます。接種日時、4月1日14時半頃、発生日時は4月2日の午前中、時間は不明と報告されてございます。死因は、溺死でございます。
 家族の話では、接種日の朝から体調は悪そうで、横になっていることが多かったとのことです。4月2日、出勤前に入浴しまして、時間が長いために家族が見に行った結果、発見されたとされております。接種2回目の予診票には、当日の体調不良についての記載はなく、病名の記載はないものの、血液をさらさらにする薬の内服があることと、「処方医から予防接種を受けて良いと言われている」にチェックがあったと報告されてございます。4月2日、自宅浴槽内で溺死した状態で発見。救急隊到着するも、既に救命不明な状態だったと報告されてございます。
 少し飛びまして、承諾解剖が実施されておりまして、咽頭腫脹などのアナフィラキシーと思われるような所見はなく、原因不明の溺死と判断されたと報告されました。
 (5)ワクチン接種との因果関係につきましては、報告者意見としましては、抗血栓薬内服による治療歴があり、基礎疾患による影響も考えられるため、ワクチンとの因果関係は不明であると報告されてございます。
 (6)専門家の因果関係の評価では、γ。剖検の結果、溺死の原因は不明とされており、基礎疾患やワクチン接種と死亡の因果関係も不明であると評価されてございます。
 10ページ目、事例6でございます。69歳、女性の事例でございます。
 (3)基礎疾患等は、なしと報告されております。
 (4)症状の概要でございます。接種日時、3月17日14時頃。発生日時は、3月26日午前6時頃。死因は、脳出血と報告されてございます。
 概要でございます。少し飛んでいただきまして、臨床経過は、次のとおり報告されてございます。3月26日、患者が出勤しなかったため、家族が患者の自宅を訪れまして亡くなられていることが発見されたという状況で、剖検が行われまして、死因は脳出血であることが判明したと報告されてございます。
 ワクチン接種との因果関係につきましては、報告者の意見では、評価不能とされております。
 (6)専門家の因果関係評価では、γ。剖検の結果、脳出血で死亡したとされておりますが、その病態を検討できる詳細な内容は得られていない、目立った基礎疾患やワクチン以外の医薬品投与はなかったようだが、年齢を考慮すると、脳出血のリスク因子の存在を否定するには情報が不足している、と報告がございました。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございました。
 引き続きまして、資料1-4について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 資料1-4でございますけれども、「国内での死亡例の発生状況について」ということでまとめさせていただきました。
 2ページ目でございますけれども、こちらは先ほどの資料1-3の別紙1に近いものでございますけれども、死亡として報告された事例につきまして、まとめさせていただきました。下記の表は、事務局に報告が参りました順で整理した表でございますけれども、予防接種開始後から前回の審議会までに集計された時点では、副反応疑い報告において、死亡として報告された事例は2件でございました。その後、今回の審議会までに、死亡として報告された事例は6件。内訳といたしましては、報告された死因は出血性脳卒中が4件、急性心不全が1件、溺死が1件でございました。
 下の表にお示ししてございますけれども、右から3列目になりますけれども、死亡までの期間として、接種日から発生日までの期間をお示ししてございます。また、右から2つ目に、報告された死因ということで記載してございます。また、一番右側には、診断根拠ということで、こちらに整理させていただいておりますので、ご覧いただければと思います。
 続きまして、3ページ目でございますけれども、国内外の死亡例の報告状況について、参考としてお示しさせていただきます。今回の審議会までに、死亡として報告された事例は6件でございまして、100万人接種当たりに換算いたしますと6.6件、100万回接種当たりに換算いたしますと5.5件ということでございまして、下にお示ししておりますとおり、各国におきまして、接種回数に基づいての評価、あるいは接種人数についての評価ということで両方がございましたので、両者を明示させていただいておる次第でございます。
 最上段、日本に関しましては、今、申し上げましたとおり、100万人接種当たり6.6件、100万回接種当たり5.5件。
 米国におきましては、2つ資料がございまして、上段が12月14日から今年の1月13日まで、接種回数ベースの報告として、100万回接種当たりで8.2件。下段が集計期間が12月14日から2月16日までにおきまして、こちらが100万人接種当たりの報告件数ということで、18件といった報告となっております。
 最下段、英国からの報告となりますけれども、こちらが100万回接種当たりでございますけれども、26.2件という報告がございまして、こちら、参考となればと思いまして、例示させていただきました。
 以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 ただいままでの事務局からの死亡例についての説明でございますが、委員の皆様から何か御質問、御意見あれば承りたいと思います。いかがでしょうか。
 お願いいたします。
○山縣委員 この死亡例に関しての報告については、医師の判断で報告するかどうかということが決められているという理解でよろしいでしょうか。その場合に、接種から何日後までといったものは、今、設定されていないということでしたでしょうか。質問です。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
 御指摘のとおり、報告するかどうかというのは医師の先生の御判断でございまして、報告するような疑いがあるかどうかというふうに判断いただいていると思います。
 また、期間については、一律に区切るものではございませんので、ワクチンとの関係が否定できないと判断された場合は、報告いただいているという状況になります。
○山縣委員 ありがとうございます。
 今後、高齢者の場合に、その辺りのところの判断を含めて、何らかの基準があったほうがいいような気もするのですが、いかがでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
 事務局、お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 現在どうなっているかということについては、今、担当から申し上げたとおりでございます。どの病気であればワクチンとの因果関係があるとか、そういうことが明確に分かっているものについては、接種後何日以内とか何時間以内ということを明確に規定しやすいわけでございますけれども、そういったものがまだ分かっていなかったり、あるいはそもそも因果関係があるかどうかが分かっていないものについて、一律の時間を設定するということがこれまで難しかったために、今のような予防接種との関連性が高いと医師が認める期間に発生した場合に、報告の対象とすることでやってきたということでございます。
 期間があったほうがいいということも、もちろんそういう観点もあると思いますけれども、現実に期間を設定し得るかということも含めて御意見いただきながら、いい方法があるかどうかということについて、一緒に悩んでいきたいというか、考えていきたいということだと思います。
○山縣委員 事情は十分に理解した上での話であり、それぞれの先生方の御見識とか、そういうところが重要になってくるのかなという気は、改めていたしました。
 もう一点、よろしいでしょうか。
○森尾座長 どうぞ、お願いいたします。
○山縣委員 そうは言っても、死亡例というのは非常に重要な問題ですので、情報が不足しているというのはとても残念なことだと思います。お亡くなりになった後の病理解剖などに関しての御協力を得て、原因を明らかにしていくということが必要じゃないかと思います。今回もされていない症例があります。その辺りのところは、何か発信していく必要はないのでしょうか。したほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 我々も、できる限り情報を入手しようと思いまして、まだ死亡例はそれほど件数が多くないということも含めて、一個一個、ヒアリングしていただいたという経緯もございます。その中で先生方に聞くと、解剖については、御家族、御遺族の御了解ということも含めての対応と言うこともあります。また、先生方は因果関係不明と報告されてきたわけですけれども、その報告された先生の、どこまで関連性があるかというお気持ちも含めて、いろいろ話をした結果、なかなか強制はできないという状況になっているというのも事実でございまして、何かお知恵がいただければ考えたいと思うのですが、我々としては、現状、そういう状況だということでございます。
○山縣委員 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。強制するとか、そういうことでは全くなくて、原因をはっきりさせるためには、こういう情報が必要なので、御協力をお願いできるという、ある種の啓発というか、そういうことかなと思っております。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 2つお伺いしたいのですけれども、1つは、先ほどの山縣先生のお話とも関係するのですが、症例4、急性心不全で亡くなったというケースで、資料1-3の8ページの(5)を見ますと、ワクチン接種との因果関係(報告者の評価)というところで、関連なしと書いてあって、報告者の意見として関連はないと判断したとあります。急性心不全とワクチン接種の関連はない。急性心不全が直接死因というのは、その上に書いてありまして、これがどうして報告されてきたのか、報告者の判断として関連がないということで、ちょっと分からなくなってしまったのですが。それが1つです。
○事務局 私も、一例一例、全て詳細を把握しているわけではないのですけれども、報告された先生として、こういう副反応についての話題性が非常にあるということも含めて、報告されたのかなと思いますが、すみません、どうしてかと言われると、そこまで把握していないというのが現状でございます。
○伊藤(清)委員 そういうものも含めて、この数に入れていくことがいいのかどうかというか、難しいところかなと思いましたので。
○事務局 御指摘のとおりだと思います。ただ、我々としましては、できる限り、来たものはしっかり公表するというスタンスであるのも事実であります。その場合においては、この事例を含めて、因果関係ありのα、β、γを評価した上で、それを踏まえた上でモニターしていくということで考えていきたいなと思っております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございました。
○森尾座長 宮川委員から追加のコメントがあります。
○宮川委員 臨床医としては、直接因果関係はどうなのかなと首を傾げることがあっても、このような時期なので、漏らさず挙げてきたというのが実情ではなかろうかと思います。しかしながら、実際には、今まで決められていなかったということは、決められないくらい難しい問題だったと解釈すべきでしょう。
 これが難しいところなのですが、現場感覚で見たら、今の限界ではなかろうかと思います。しかしながら、これを今後どのくらいの日数で見るのかというのは、非常に難しい問題だろうと思います。
 例えばワクチンを接種して、第1回の報告は接種1回目から2回目の直前であれば出してもらい、第2回目の報告は接種2回目が終わって3周目に出してもらう。接種後21日プラス21日、6週間で42日間と一応区切って、報告してくださいというお勧めしか、現場にはできないのではなかろうかと思います。
 以上です。
○森尾座長 コメント、ありがとうございました。
 伊藤委員がもう一つ質問があるようです。続いて、倉根委員に行きますので、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 資料1-4の3ページ目に海外のデータがあるのですけれども、米国で、上の欄が8.2件、下の欄が18.0件ということで、回数当たりと人数当たりで違うのかもしれないのですが、期間が遅いほうがかなり増えているような印象があるのですけれども、例えば2回目接種のほうが死亡は多いとか、そんな傾向があるのでしょうか。
○森尾座長 事務局、何か資料とかデータとか、ありますでしょうか。
○事務局 すみません、今、手元にないものですから、ちょっとお時間いただければと思います。
○森尾座長 後ほど回答ということになります。よろしいでしょうか。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 では、倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 資料1-3の2ページですけれども、全部γ、評価できないということで出てきているのですが、これは、専門家の先生というのは3人でしたか。あるいは、これは1人の先生の御判断になるのでしょうか。あるいは、3人いて、その先生方の御意見をサマライズしたものということになりますでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 お答えいたします。
 評価に係る専門家につきましては、2人で評価しておりまして、もし意見が割れるということですと、さらにもう1人追加しまして、3人の意見を踏まえて決定するという状況でございます。
○倉根委員 そうすると、このγは、お二人の専門家の先生が同意見であったということですね。
○森尾座長 同意見でγとなったということでよろしいですね。
○医薬品安全対策第二部長 今、説明させていただいたように、2名で一致している、または2名で一致しない場合には、もう1名追加しまして、3名で多数決というか、一致した数が多いところで記載させていただいているということになります。
○倉根委員 そういうことですか。分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかには、いかがでしょうか。
 そのほか、国内の死亡例の発生状況につきまして、御質問や御意見等あれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 お願いします。
○山縣委員 最初、三、四例出たときに脳血管疾患が多くて、ちょっとどうなのかなと思ったのですが、現在、6例で脳血管が4例ということになりますか。この頻度に関して、まだ人数が少ないので、評価は難しいと思うのですが、この辺りのことはどういうふうに評価すればいいのかということについては、いかがでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。期間の短い中、そして例が少ないところの評価が難しいという中で、どう捉えていくかということでございますけれども、事務局から何かコメントとかありましたら、お願いできればと思います。
○事務局 事務局でございます。ありがとうございます。
 参考の資料といたしまして、資料の6ページ目に載せさせていただいておりますけれども、予防接種における副反応の発生リスクの評価方法についてという資料をご覧いただければと思います。御指摘のように、現時点では報告例が少ない、また報告について評価する期間が非常に限られているといったところ。あとは、日本のこの制度自体の限界等々がございますので、その限界を踏まえた上での資料となりますけれども、ご覧いただければと思います。
 まず、副反応の発生リスクの評価方法についてでございますけれども、今ございましたように、副反応発生リスクの評価に当たりましては、ワクチン接種群のみについての評価ではなくて、対象としてワクチン非接種群での発症頻度との比較が必要であると考えております。そうした中で、新型コロナワクチン接種の有無によらず、各死因に基づく死亡というものは、一方で毎年、一定数が報告されてございます。
 実際のところ、繰り返しになりますけれども、現時点での精緻な評価は難しい状況という前提におきまして、現在の日本で得られるデータに基づき、速やかに出血性脳卒中の発生リスクを比較する方法としましては、ワクチン接種群の出血性脳卒中による死亡頻度と、新型コロナワクチン接種開始前、例えば令和2年以前の出血性脳卒中による死亡者の頻度を比較する方法が考えられてございます。
 参考といたしまして、前回の審議会でも少しコメントいたしましたけれども、米国での報告によりますと、接種群と非接種群を比較した際に、出血性脳卒中の発症頻度には差があるとはされていないというところは、承知している次第でございます。
 こういった見地に基づきまして、7ページ目ですけれども、参考といたしまして、日本における死因別死亡者数の統計をお示ししてございます。こちらは、人口動態統計と申しまして、例としまして、令和元年、すなわちワクチン接種開始前の1年間の全年齢における総死亡者のリストに関しまして、まとめた表でございます。
 総死亡者数は、一番上段にございますけれども、138万1093人の方がお亡くなりになられてございます。このうち、今、山縣委員から御指摘のございました出血性脳卒中という観点では、表3段目、4段目にございます、くも膜下出血、脳内出血をまとめた概念でございまして、その死亡者数は、赤字でお示ししております2つの数値を合計いたしました4万4507人でございました。
 こちらを基に、8ページ目をご覧ください。出血性脳卒中による死亡者数につきまして、こちらが現時点でできる比較といったところで、あくまで御参考として御理解いただきたいのでございますけれども、出血性脳卒中による死亡発生頻度の比較ということで、丸のところでございますけれども、ワクチン接種後の副反応疑い報告に基づく1人1日当たりの死亡の頻度と、死亡届に基づく1人1日当たりの死亡頻度の比較をしてございます。具体的に申し上げますと、出血性脳卒中による死亡の、100万人・day当たりの発生率ということで、総発生件数を人数×観察期間というもので割った数値でございます。
 上段の四角に囲ってございますのが、ワクチン接種群の出血性脳卒中による死亡の報告の発生率、下段にございますのが、一般人口での出血性脳卒中の発生率となってございます。上段でございますけれども、ワクチン接種の延べ人数×観察期間を分母といたしまして、分子に出血性脳卒中による死亡者の報告数ということで、この観察期間という考え方が、現時点での手元に来るデータで非常に限界があるところでございます。
 下の※印をご覧いただきたいのですけれども、ワクチン接種群において、接種後に副反応を疑う事象が生じた際に報告が行われる期間は、先ほどの御議論もありましたとおり、まさに医師の判断によりますけれども、ここでは、例えば接種から1か月以内に事象が生じた場合に報告されると仮定いたしまして、観察期間を30日として算出したというのが上段の四角囲みでございます。
 さらに、仮定により結果が異なることに注意が必要でございまして、例えば観察期間を9日間とした場合には、また別の数値となっております。この9日間という数字の根拠を下の注にお示ししてございますけれども、今回の死亡の報告例4例のうち、接種後、最も経過してから死亡した例が9日ということでございまして、9日という数値を出してございます。
 あくまで参考でございますけれども、観察期間を仮に30日と仮定した場合、一番右側の数字でございますけれども、ワクチン接種群の出血性脳卒中による死亡の報告の発生率は0.12件/100万人・day。9日間と設定しましたところ、真ん中にございますけれども、0.41件/100万人・dayとなります。
 一方で、こちらは精緻な比較とはなりませんけれども、現在、手元にある比較としてできます、一般人口での出血性脳卒中の発生率は、真ん中の式をご覧いただきたいのですけれども、令和元年度の総人口×年間の日数を分母といたしまして、出血性脳卒中による年間の死亡者数というものを分子に置きましたところ、こちらが0.97件/100万人・dayということを御参考としていただければというところでございます。
 数値の出典等につきましては、下に記載してございますので、御参考にしていただければと思います。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
○山縣委員 山縣です。
 詳細な御回答ありがとうございます。大変重要で、ただ、一般の人が解釈するには、これは結構難しいものだと思います。と言いますのも、死亡率、この場合、致死率ですが、そういったものを見るときに人年法というものを使って、分母が人×時間で、分子は人であるということを含めて、つまり、観察期間というものが非常に重要になってくる。
 それから、よく出ている人口動態統計は、1年間というものを想定して見ているものだったりするわけですから、今回の場合は、接種してから何日間で、ほかの人たちも含めて、どれだけ追跡できてということを見ていかなければいけないので、単純に、特に何回打って、何人亡くなったというのは全くナンセンスで、人は一度しか死亡イベントがありませんので、人を分母に置くべきだと思うのです。そういうことを含めて、こういう数字をいかに解釈できるかということも、何らかの形で資料なり広報というか、メディアの方に向けて発信しておいたほうがいいかなと思いました。
 以上です。
○森尾座長 御意見ありがとうございました。本当に山縣委員が御指摘のように、観察期間が長いと分かりやすい。分母のところがまだ不安定な状況でございますので、この辺についても、これからいろいろな副反応が出てきたときに重要なことになると思いますので、考えていくことではないかと思っております。ありがとうございます。
 石井委員から手が挙がっております。よろしくお願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。
 今、山縣先生がおっしゃったように、単純な比較というのは今回できないように思いますが、せっかくの新型コロナワクチンを投与した人のデータですので、4月26日から高齢者に投与することが始まりますので、この少ない、限界のあるデータの中からも、何に注意したらいいのかとか、少なくとも何が導き出せるのかという視点を我々自身も持っていかなければいけないと思いますし、詳細な資料をお持ちの場合は、そこから高齢者はこういうことに気をつけたほうがいいとか、例えば溺死のケースがありましたけれども、投与された後、高齢者はお風呂をどういうふうに注意するとか、そういったことができればいいのかなと、私自身、思いました。
 ただ、これだけの例ですので、今、簡単に申し上げることはできませんが、せっかくのデータを利用するというスタンスに我々自身が立ったほうがいいように思います。
 以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。高齢者への注意事項というのは、本当に大きな課題だと思います。これは、いろいろな知恵やデータを集めながらということと理解しております。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 佐藤委員、手を挙げていただいていますでしょうか。
○佐藤委員 挙げていないのですけれども、では、ちょっと。
 すごく難しいなと思って、私のような素人には、8ページ目の計算が本当に分からないなと思って見ていました。延べ人数は、1回を1人で、2回を2人と数えるのかなとか、本当に難しいと思いながら見ていまして、これを単純に比べるのは本当に難しいなというのが素人の私の感想ですね。でも、統計的に調べるしかないということなのでしょうね。
 だから、今までの詳細な因果関係の報告とか、α、β、γという報告を、恐らく病理で剖検のデータとかで見ていただいているのだと思いますけれども、確定的なことは、原因究明まではそこからできないとなると、数字を集めてくるしか、もう手がないのだなと思って見ていたので、ここは本当に重要だなと思っていたので、これからもいろいろ勉強しながら、一番いいというか、分かりやすいというか、正確性ですね。精度の高い数字をきちんと出していかないと、多分、この辺りが非常に今、皆さん関心のあるところだと思いますので、ぜひ一緒に勉強させていただけたらと思いました。
 すみません、ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 事務局、お願いします。
○事務局 先ほど伊藤委員から御質問あった件について、調べさせていただきました。この資料1-4の3ページ目の米国CDCからの報告で、12月14日から1月13日が113件/1300万回接種で、12月14日から2月16日で511件/2800万人接種ということでありまして、1回接種、2回接種、どっちなのかという御質問がありましたけれども、原資料が一番右の列にありまして、それの資料を調べましたが、特に1回接種何回とか2回接種何回という記載はございませんでした。
 ただ、一般的に見ると、恐らく最初の1か月ですので、1回接種が多いのだろうということは推定されますけれども、もともと米国は医療従事者と高齢者に対して接種しておりましたので、そのバックグラウンドも含めて評価しないといけないということもありまして、今この段階で、一律、2回が危ないとか、そういうことは、ちょっと申し訳ありませんが、考察できないのかなというのが正直なところだと思っております。
 以上です。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 御質問した後に、また考えていたのですが、例えばワクチンの種類が違うということはあるのですか。途中から別の会社のワクチンが接種されたということもあり得る。それも合わせた統計になっているのでしょうか。
○事務局 その件につきましては、この資料の中にありますように、ファイザーの製品だということを確認したております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。ありがとうございました。御議論、感謝いたします。
 それでは、ちょっとお時間いただきますけれども、これまで議論した内容を取りまとめさせていただきたいと思います。これまで確認できた内容として、アナフィラキシーについてと死亡事例についてということで、まとめさせていただきます。
 まず、その前に、副反応疑い報告の状況でございますけれども、期間中の報告の総数は、医療機関からの報告に基づけば、0.16%でございました。
 アナフィラキシーの報告状況を整理いたしますと、接種開始から4月4日までには350件の報告がございました。うち、ブライトン分類レベル1から3に分類されたものは79件でありました。透明性をもって公表するために、報告件数はそのまま公表する一方、正確な評価も非常に重要でありまして、引き続き、国際的な基準に基づく評価が行われていると判断いたします。海外との比較においては、被接種対象者の違いや報告制度の違い等、そのほかの理由もあるかもしれませんが、複数の理由から、単純な比較はまだ難しい状況にあると考えられます。
 アナフィラキシーとして報告されたほぼ全ての症例で軽快したことが確認されている。これは、ちょっと補足いたしますと、350例中349人で確認されておりまして、残りの1名についても、アレルギー症状としては軽快しているということを事務局のほうから伺っております。
 また、日本アレルギー学会より、アナリストとして評価された症例群の臨床的観点から検討していただき、全体としての重症度は低かったこと、また、その治療に関しても、適切な対応がなされていたのではないかという評価を頂戴いたしました。
 以上のことから、アナフィラキシーとして報告された事例においては、適切な治療が行われており、ほぼ全ての例で軽快しており、重大な懸念は認められないという評価でよいのではないかということでございます。
 また、接種後には、一定の頻度でアナフィラキシーが生ずることを前提とした上で、引き続き、これまでの対策を継続するとともに、国内外の報告を注視していくことでよいのではないかということでございます。
 今後、企業報告によってブライトン分類を行うこととさせていただく予定でございますけれども、具体的にいつから実施するかなどについては、今後の接種数の推移と企業報告の状況も踏まえて、事務局において検討させていただくこととしたいと思います。
 続いて、死亡事例についてであります。死亡事例の報告状況を整理いたしますと、接種開始から4月7日までに6件の報告、内訳としましては、出血性脳卒中が4件、急性心不全が1件、溺水が1件あり、いずれも現時点では情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係が評価できないと考えられます。
 また、国内外の死亡例の報告状況については、現時点では、日本の報告頻度が高いという状況にはない。脳卒中についても、同様と考えられます。
 以上のことから、現時点で得られた情報から因果関係は評価できないが、偶発事象の可能性もあり、ワクチンとの直接的な関連性を示す事実はない。また、現時点では、ワクチン接種によるメリットはリスクを上回ることから、ワクチン接種に対する考え方を変える状況にはないと考えられる。しかし、引き続き注視していく必要があるという形でまとめさせていただきました。
 このような形で、委員の皆様、よろしいでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 アナフィラキシーの件ですけれども、今までは医療機関対象者をほとんど医療機関の中で接種していた結果ではないかと思います。ですから、アナフィラキシーが起きてもすぐに対処することで、軽症で済んだということのデータであって、今後、これが高齢者施設で引き続きやるというのは、より注意してやらなければいけないということを加えないと、正しいメッセージにならないのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
 今、引き続き、これまでの対策を継続すると書かせていただいておりますけれども、これは医療機関で行われたような形を踏襲しつつ、アナフィラキシーにはしっかりと対応してくださいというメッセージとはならないでしょうか。より一層のという書き方も、なかなか難しい感じがいたします。
 永井委員からも手が挙がっていますけれども、これに関してでしょうか。
○永井委員 アレルギーのことなので、ちょっとずれますけれども、よろしいですか。
○森尾座長 では、次にさせていただきたいと思います。
○永井委員 はい。
○森尾座長 今まで医療機関で行ってきたような対策というのは、先ほど、日本アレルギー学会からの御提言にもあったように、いち早く察知して、いち早く対応していただく。アナフィラキシーと思えば処置していただくということかと存じます。そういう形のメッセージではいかがでしょうか。
 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 恐らく今、座長に御発言いただいた部分は、事務局提出資料の中で、これまでの対策を継続するといった文言があったからだと思うのですけれども、前回御議論いただいたときに、これから高齢者への接種が始まるということを見通して、例えば医療機関の中で処置することの対策だけではなくて、救急搬送をもっと円滑にするための周知をしていくといったことについても提示させていただいて、今回までの間に通知を出させていただくといった対応を取らせていただいております。
 ですので、医療機関でやっていたものと同じ対策というものを、これまでの対策と、事務局としては思っていたわけではなくて、高齢者の接種が始まることを見通して、前回、前々回に御議論いただいた対策をしっかりやっていくという趣旨で、事務局としての資料は書かせていただいたつもりでございます。
○森尾座長 言葉を若干変えさせていただいたほうがよろしいということですか。
○事務局 御指摘いただいた趣旨というか、気持ちとしては、何ら変わっていないつもりなのですけれども、そこが分かりにくいということであれば、座長のほうでまとめていただければと思います。
○森尾座長 ありがとうございます。
 そうしたら、こちらにつきましては、一般の医療機関を離れたところで行うときに、こういう体制をということも今まで議論してきましたので、そういう内容も踏まえて対策を行ってくださいというメッセージを込めた文章でということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。事務局と相談して、まとめさせていただけたらと思います。
 お願いします。
○濱田委員 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○宮川委員 宮川ですけれども、高齢者施設においても、接種を行うのは医療者ですから、そのようなチームに特段の注意というよりは、当たり前のように予防接種に対しては慎重に行うということと了解しています。その辺のところは、念を押すというよりは、しっかりと対策を取ってほしいというメッセージを出せば、よろしいのではないかなと思います。思っている以上に現場は慎重に対応しています。相当気を使って、対策を取っているところだろうと思います。
○森尾座長 それは、恐らく別の形でしっかり徹底していくということでしょうか。
 濱田委員、どうもありがとうございました。
 それでは、永井委員、お願いいたします。
○永井委員 ありがとうございます。
 委員限りの資料があったと思いますが、それの話をしてもよろしいですか。
○森尾座長 どうぞお願いします。
○永井委員 今回、すごくたくさんの資料が直前に届きましたので、余り詳しく見る時間がなかったのですが、死亡例ももちろん大事ですが、一番皆さんが心配しているのはアレルギーのことだと思うのですね。ふだんのアレルギーの症状と、このワクチンでどのぐらいアレルギーが出るのかということの評価を、何%まで出るとか、どの程度のアレルギーの人が、どのぐらいの症状が出るのかというのを、できたらまとめていただいたほうが、皆さん、一番そこを心配していると思うので、そういうデータを提供していただくとありがたいかなと思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。これは、恐らく長期的な課題になるのかなという気がして、データはしっかり集積して、何か解析できるものがあれば、ぜひ提供すべき内容かなと思います。非常に貴重な視点だと思います。ありがとうございます。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 事務局、お願いします。
○事務局 すみません、先ほど座長から、アナフィラキシーのところについて、事務局と相談しますとおっしゃっていただきましたけれども、もし可能であれば、議事録にも残したいと思いますので、御提案しますけれども、これまでの対策を継続するということの資料1-6の論点のところで、当方から書かせていただいた文章を座長に読んでいただいたのだと思いますけれども、書かせていただいた趣旨としては、これまで当部会で議論してきた対策をしっかりと実施するという意味で書かせていただいたつもりですので、もしそういったことでよければ、そういうふうに座長からも言っていただけるといいますか、この部会で御了解いただけるとありがたいと思います。
○森尾座長 濱田委員、よろしいでしょうか。これまで当部会で議論してきた対策を継続するということで、これは恐らくいろいろな意味で包括的な対策だと思いますけれどもね。
○濱田委員 それでいいです。ただ、今までの結果というのは、あくまでも医療機関の中で行われたものがほとんどであるということですね。ほぼ全ての例で軽快しており、重大な懸念は認められないという評価でいいと思うのですけれども、これは医療機関の中で行われたものであるということは、議事録に残しておけばいいのではないでしょうか。どうぞお進めください。
○森尾座長 ありがとうございます。先生の御意見は、議事録で残ると思います。ありがとうございます。
 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと取りまとめをさせていただきますが、今回報告のあった具体的な事例を踏まえまして、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見はございますでしょうか。
 それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認めらないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、資料2に移りたいと思います。次の議題は「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)健康観察日誌集計の中間報告(3)」についてでございます。伊藤委員のほうから説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。時間も限られておりますので、早速説明させていただきたいと思います。
 2枚めくっていただきまして、4ページが全体の先行接種被接種者の人口統計学的な特性で、5ページ目に2回目接種された1万9482例の人口統計学的特性を示しています。前回の報告より、随分増えました。6日までの入力データから判断しますと、98.4%の方が2回目も接種されていたということです。
 多屋先生から前回御質問がありましたが、1回目接種後30分以内に異常を認めた人が88人おりました。そのうち、2回目に接種されなかった人は12人だけでした。2回目接種をした1万9482人のうち、30分以内に異常を認めた人が76人いらっしゃいました、2回目接種と1回目接種で両方同じように症状があった人は15人だけで、1回目接種で異常があったのだけれども、2回目接種で特に異常がなかった人は61人でした。
 1回目と2回目の両方に症状があった人は15人ですけれども、半分ぐらいはじんましん様の症状でした。全く別の症状が出ている人もいて、症状に再現性があるということではなかったと認識しております。これが前回の質問への答えですで。
 6ページ目が発熱の頻度ですが、2回目接種の翌日に発熱頻度が高いことがわかりますが、2回目接種1万2649人のうち解熱剤を使ったのは1538人でした。解熱鎮痛剤の内訳は、アセトアミノフェンが85.2%、ロキソプロフェンが12.9%、その他が1.9%という状況でした。ですから、2回目接種のときには1割強の人が解熱鎮痛剤を使っていました。2日後に中等度の痛みがある、要するに鎮痛剤を使わないといけないほどの痛みの方が25.6%でしたから、それよりは解熱鎮痛剤をお使いになられた頻度は低かったと思っています。
 8ページ目から先は、前回の2回目接種が約4000人であったのが約1万6000人という4倍の数字になっていますので、少しデータの確度が高くなっているのと同時に、後で申し上げますが、若い人が増えてきましたので、頻度としては、前回提示させていただいた頻度よりも高くなっています。
 もう一つ、事務局から御質問いただいておりましたので、回答させていただきたいと思います。後で65歳以上の頻度を出すのですけれども、65歳以上の人で38度以上の熱が出た人は18人おりまして、18人のうちの17人は翌日です。2日以上、38度以上の熱が出た人は、479人の中のお一人だけです。ですので、熱を出される人というのは、せいぜい1日、続いても翌々日までに解熱されていました。
 接種部位反応に関しては、前回説明させていただいているので省略します。11ページをご覧いただきますと、ここから先が前回、口頭で申し上げたことです。発熱の頻度ですけれども、1回目でも、20代、30代の人はある程度発熱するのですけれども、2回目接種に至っては、20代の女性については2人に1人は熱が出ています。それに対して、60代、70代にではご覧のとおりで頻度が低くなります、今回、高齢者の接種が始まりますので、65歳以上で集計しておりますがが、65歳以上ですと1割程度で、頻度が大変違います。
 と同時に、ご覧いただいて分かるとおりですけれども、女性の頻度がどの年代においても確実に高い。これは、全ての副反応について、同じことが言えますので、若い女性に副反応が最も出ることが分かってきています。
 接種部位の疼痛とか全身倦怠感、頭痛、全てにおいて押しなべて同様の傾向です。接種部位の疼痛に関しては、年齢が高くなっても8割程度に痛みが出てくるという意味では、痛みについては著しい違いがないのですけれども、全身倦怠感、頭痛に関しても、女性、若い人というのは高い状況です。
 15ページは、前回のリバイスで数が増えていることだけです、基本的に48時間程度たってしまえば、主立った副反応に関しては消えるのですけれども、少なくともこれら結果を見る限り、2回目接種の翌日に関しては、多分仕事をするのは難しいというのが、結論としても分かるところです。
 続いて、16ページ、17ページ、18ページが副反応疑い報告として、PMDAに報告したものです。
 副反応疑いの6、三叉神経の障害に関しては、昨日、報告をいただきました。未回復なのですけれども、ステロイドの減量中ということで、まだ症状としては残っているということです。
 それから、副反応疑いの14については、3月24日に退院後、自宅療養を経て、4月5日から勤務されていると聞いております。
 副反応の22、4報で未回復ですが、引き続き情報の収集に努めていきたい。これは、発熱が長期化しております。
 これらの安全性情報については、まとまった段階で効果安全性評価委員会で評価していただく予定にしています。
 重篤な有害事象、副反応疑いの報告については、以上です。今回、一生懸命まとめてみましたのは、19ページになりますが、経過観察日誌の自由記載欄です。毎日、5か所、自由記載欄を設けております。そのデータを手作業でMedDRAコーディングいたしました。コホート調査に関連する3社から、ワクチン治験のときに使ったMedDRAコードを資料としていただいて、それを参考に自分でコード化した結果です。1回目と2回目を合わせて1万2000ぐらい項目欄がありまして、これは機械集計できませんので、元のデータは、1週間前のデータです。他のデータはおとといのデータですが、これはそうではないことを御了解いただければと思います。結果として分かってきたことが2点あります。
 2回目接種翌日の勤務は、控えるように勧告しておりましたけれども、予定休暇の人を除いても、病休者が6%に見られております。
 もう一つは、自分でコード化したので、分かったのですけれども、腋窩痛、リンパ節痛。それから、リンパ節症と書いてあるのは、無痛性の腋窩のリンパ節の腫大が主なものですが、コード上は3つに分かれておりますが、3つ合わせると約2%。100人に2人ぐらいは、腋窩のリンパ節の痛みとか腫れを自覚している状況だということが分かりました。ですので、2回目接種後には、全身のリンパ節が反応しているということです。
 こういったデータを全部まとめて、以前のインフルエンザワクチンや海外の試験と比較した表が21ページです。前回は4千人のデータでしたけれども、接種開始早期は医者が多くて、後半は比較的若い女性、看護師の方が多かったものですから、前回説明させていただいたとおりで、副反応の頻度が、前回提出させていただいているデータよりも頻度が高くなっております。これは、年齢分布の違いということで御理解いただければと思います。
 最後のページにまとめを書いておりますが、今、申し述べたとおりです。今後、高齢者接種に向けて、高齢者のデータについても取りまとめています。
 発熱する場合は、翌日が多くて、接種3日後にはほとんど治っているので、今後、高齢者とか一般の方々にどんな説明をするのかということですが、東京医療センターの先行接種モデルの中にも書きましたけれども、2日ぐらいは様子を見ていただいて、それ以上熱が出るようだったら医療機関を受診する。解熱剤に関しては、医療従事者も1割を超える人たちが使っておりますので、同じように御用意いただくのがよいのではないか。高齢の方では、発熱の頻度は1割程度で、著しく高いわけではないので、必要度は高くないかもしれないことが分かってきています。
 あとは、免疫活性化作用が大変強いワクチンだと思いますが、リンパ節が腫れたりすると、皆さん、びっくりされると思いますので、そういうこともあるのだということについてもお伝えすることが必要なのではないかと思います。
 報告は、以上です。
○森尾座長 伊藤先生、お取りまとめ、そして大変貴重なデータの提供、ありがとうございました。
 委員の皆様から、御質問、コメント等、承りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 伊藤先生、ありがとうございます。
 確認ですが、腋窩リンパ節は、接種した側のということでよろしいのですか。
○伊藤(澄)委員 主には接種した側と認識しておりますが、記載では接種側かどうか確実に書かれているわけではなかったので集計上は確認できておりません。同時に、首のリンパ節の腫れも自覚されている方もいらっしゃいましたので、そういう点では、全身のリンパ節というか、近傍のリンパ節も活性化されているという認識をして、MedDRAコーディングしていました。
○倉根委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ほかにいかがでしょうか。
 山縣委員、お願いします。
○山縣委員 本当に貴重なデータをありがとうございます。
 地域の医療機関で接種がどんどん進んでいって、こういうデータを各医療機関でなるほどなと思ってご覧になっているのだろうと思いますが、2回目の接種に関して、発熱というところが圧倒的にぐんと増えていて、ほかのところは大体同じぐらいの感じなのですけれども、それというのは、他の2回打つワクチンでもあるようなことなのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 インフルエンザと鳥インフルエンザのワクチンしかやってないのですが、鶏卵のH5N1の鳥インフルエンザワクチンでは、2回目のほうが副反応は低いです。それに対して、令和2年度やりましたAS-03アジュバントが入っているH7N9ワクチンに関しては、2回目のほうが高いです。ですから、ワクチンごとに違いがあると認識しております。今後、日本に入ってくることが予想されているAZのものに関しては、2回目のほうが副反応は低いという話も聞いておりますので、ワクチンごとに違いがあると考えたほうがいいのではないかと思っております。
○山縣委員 ありがとうございます。
○濱田委員 追加で、大人で破傷風を打ちますと、2回目のほうが腫れたり、副反応が出ますね。だから、似たようなものなのではないかなと思いました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、舟越委員、次いで佐藤委員に移ります。
○舟越委員 伊藤先生、本当に貴重な研究、ありがとうございました。
 事務局への話にもなるかもしれないですが、こちらの先行接種に関する日誌に対して、各医療現場でこの中間報告、非常に皆さん、活用しているようです。具体的には、1回目接種の段階から、医療従事者でも、医師、看護師で部門別で集中的に接種しようとするところに、副反応の熱発が非常に多く出そうだということで、勤務を分散しよう。実際に、それで2回目の接種のときに、このような形で、前回の3月26日のように、4000名規模でも3割程度の熱発が出るということで、勤務調整したうえでそこに対する傷病扱いでの有休でしっかり休ませて、仕事としては回っている施設がある。今回の中間報告で段階的に出していただいていることで活用されている施設は、よく耳にしております。
 ただ、これから住民接種、高齢者の接種にいくに当たって、医療機関でしたので、勤務管理側が配慮・調整を非常にされている傾向が見られましたが、住民接種になってきますと、これからワクチン接種をして、企業母体側が任意接種に対する勤務の配慮ということを、通知とか何かを出されているかというのは、ここで言うことではないのですが、どこかで出す予定があるのかなと。逆に、この最終報告が出る段階では、もう住民接種が始まっていると思うので、その辺の部分というのは、早めに何か具体的なものが出されるのかなというのが1つです。
 2つ目は、これだけ熱発が出るということに対して、リスクコミュニケーションの部分として、免疫、抗体がつくから、そういったものがあると、ちょっと語弊があるかもしれないですが、実際にネガティブキャンペーンにならないような形で何かそういったものを付与していったほうがいいのかなということは、現場の職員、また医療従事者から幾つか声が挙がっているところです。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 伊藤委員に答えていただくにはちょっと。
○伊藤(澄)委員 僕が答えられる案件かなと。
 今、舟越委員からおっしゃられた、現場で活用していただけているというのは、大変ありがたいことだと思っております。こういった情報に関しては、今日、聞いていただいているマスメディアの方も含めて、上手にお伝えいただいて、現場に混乱がないようなリスクコミュニケーションをしていただけると、大変ありがたいと思っています。
 そういう意味で、これだけ医療現場で初めから熱が出るということが分かっていても、6%の人は勤務を休まなければいけなくなっているということは、相当重たいと感じています。そういうことも踏まえて、現場が困らないような形で、接種スケジュールを組んでいただきたいと思っています。
 今後、一般接種、特に若い、働かれている方に対する接種については、十分にこの結果を御利用いただきたいと切に思うところです。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 それでは、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 リンパ節が腫れたり、熱が出て休まなければというところで、そこは先生方がおっしゃるようなリスクの部分だと思うのですけれども、それを上回るベネフィットがあるからこそ接種するということで、すごく激しいというか、免疫反応が起こって、抗体がたくさんできてくれるといいなと思って聞いていたのですけれどもね。
 これは事務局への質問になってしまうかもしれないのですけれども、ベネフィットの部分として、抗体価のモニターというか、トレースというのは、どうなっているのでしょうか。ここまでやったので、すごく増えるとか、どのぐらいの期間大丈夫だという。これだけ貴重なデータを今から取っていますので、それを有効に使うのであれば、サンプルがあるのであれば、そういうところも併せてやることで、今後、様々な種類のモダリティーが違うワクチンが出てきますから、そういうところは結構重要な比較ポイントになってくるのではないかと思って伺いましたけれども、その辺は今、どうなっているのでしょうか。ちょっと教えていただけないでしょうか。
○森尾座長 国主導の臨床試験などがあるかどうかということの質問かなと思いました。これは、各施設では、定期的に採血して検討する。うちの大学もそうですけれども、抗体価測定などをやるような形になっていますけれども、事務局、お願いします。
○事務局 まず、抗体価については、承認の前に治験において国内外で測定されているということが前提になっておりまして、その結果については、添付文書にも書いてありますし、厚労省のホームページにおいても、抗体価がどれだけ上がったということについて、できるだけ分かりやすくお示しさせていただいております。持続期間については、時間の経過が必要になりますので、企業でもその後のフォローアップの測定等を計画していただいていると聞いております。
 したがって、これからいろいろな現場で抗体価を計ってみようという取組が行われると思いますし、再現をしようとする研究も行われると思いますけれども、抗体価については、人数をそれほど増やすこと自体に意味があるわけではないと思いますので、企業が出している結果、そして、今後いろいろなところで出てくる研究結果というものを利用していくことになると思います。
○佐藤委員 市販後調査のような形ですね。だから、結構長期的なモニターを続けていただくような働きかけということですね。
○事務局 企業の治験の対象者について、さらに続いているということです。
○佐藤委員 分かりました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 伊藤委員、お願いします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
 伊藤先生、非常に貴重なデータをありがとうございました。特に、高齢者では副反応が少なそうという傾向で、これから高齢者から接種を始めるに当たって、かなりスムーズに促進されるようなデータなのではないかと思いました。
 ちょっと細かいことでお伺いしたかったのですが、先ほど解熱鎮痛薬の使用について、アセトアミノフェンが八十何%とかで、ロキソプロフェンが12%、割合を話していただいたのですが、これはその接種したところでたまたま用意されていたものというか、特に使い分けということが考慮されているわけではないのでしょうか。伊藤先生に伺うのがいいか分からないですけれども、もし何か。
○伊藤(澄)委員 例えば、東京医療センターの先行接種モデルでは、熱が出ることが予想されたので、初めから解熱鎮痛薬、アセトアミノフェンを渡しておこうという対応をしています。ですから、それに引っ張られてアセトアミノフェンということになっている可能性は、相当程度高いと思っています。海外も同じように、アセトアミノフェンが解熱鎮痛薬として一般的に使われています。特定の商品を推奨するとか、そういう形ではありません。調べてみて意外と少なかったのは、イブプロフェン、ブルフェンみたいな製剤が1.9%以下でしたから、アスピリンとかも含めて、低かったので、少しびっくりしております。
○伊藤(清)委員 特にどの薬が推奨されるということは。
○伊藤(澄)委員 ありません。ないと思っています。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○森尾座長 それでは、時間もありますので、石井委員を最後にさせていただきたいと思います。
○石井委員 ありがとうございます。2つございます。
 1つは、今の解熱鎮痛薬のことでございますが、先生の医療機関で用意されたということと、グローバルスタンダードが恐らくアセトアミノフェンになっているということだと思います。今後一般化していく場合、医療機関で配らない限り、OTC薬では単独のアセトアミノフェンは、今、あまり売っていない状況だと思います。少しずつ何かしら別の成分が入っているのがOTC薬の特徴でございますので、厚生労働省側から、こんな薬を使っていいですよという情報をお出しになるのが一番いいかなと思います。
 もう一点ですが、これは私、本当に不勉強で申し訳ないのですが、発熱した人は、確実に抗体がつきやすいとか言えるのでしょうか。よく薬の評価をするとき、例えば抗がん剤は副作用が出たら、がんに良く効いているみたいな言い方をしますけれども、そういったことは言われていることなのでしょうか。一般的なことでも結構でございますので、どうなのでしょう。この辺も不勉強で申し訳ございません。
○伊藤(澄)委員 一般的には、副反応が出ている人は免疫の反応が出ているので、抗体が高いことが多いと思っております。ただ、1対1対応するのかと言われると、そこまでではないというデータも持っておりますので、トレンドとしてはイエスですが、1対1対応かと言われたら、そこまではっきりしてはいないというのが、多分回答になるのではないかと思います。
○石井委員 ありがとうございました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 座長の仕切りが悪くて、時間が押してしまいました。伊藤先生、本当にありがとうございました。ぜひ、この資料を活用させていただきたいと思います。
 それでは、最後になりますが、「その他」といたしまして、宮川委員から資料を提供していただいております。宮川委員から御説明をお願いいたします。
○宮川委員 お時間のないところ、申し訳ありません。
 予診票の予診票という言い方ですけれども、プレ予診票というものの提示です。「安心して正しくワクチンを接種するために」ということで、これは接種券と、あらかじめ渡されている予診票と、これを一緒に持っていくということで、集団接種を行うときの目詰まりを防ぐという意味があります。あらかじめかかりつけ医に書いていただくことで、予診のところで目詰まりが少なくなるのではないかと考えます。
 さらに、先ほど話題になりましたアレルギーのこと、重症ぜんそくのことがありました。かかりつけ医や専門医にあらかじめ聞きに行って、接種妥当かどうかを見ていただくことが重要です。
 それから、いつも服用している薬、お薬手帳、お薬が分かるコピーとか、それらを接種時に持っていくということが非常に重要なことも書きました。
 それから、血圧のことです。診察室血圧もしくは家庭血圧、そして脈拍数が整であるのか不整であるのかも含めて記入して持っていくということが非常に重要であろうかなという思いで作りました。
 1つ目と2つ目のものが若干違います。2つ目のものは、基礎疾患がある方はそこに基礎疾患を羅列しております。それをチェックしていただくことをお勧めしています。
 それから、先ほどお話があったように、薬の内容の中では、βブロッカーを含めて、神経を使うことがありますので、ぜひそれをチェックしていただいて集団接種に行っていただきたいと思います。
 実際に地域において接種要注意者に関しては、集団接種に行かないで、ある程度大きな病院での個別接種をお勧めするとか、あなたはこのくらいの時期にこういうところに行きましょうと、しっかりと御説明していくことが必要ではなかろうかという思いがあり、このような形でプレ予診票を作成してみました。
 そして、一番下のところでございますけれども、医療機関が2つ書いてございます。これは、かかりつけ医と、かかりつけ医が連携している病院の主治医、両方でダブルチェックしていただくとか、集団接種であれ、個別接種であれ、どちらにしてもリスクコミュニケーションがしっかり取れることが非常に大事だと思っております。
 これは、何よりも血管迷走神経反射をなるべく少なくしたい、混乱を少なくしようということが大事です。安心して受けてくださいねというメッセージとともに、接種現場で過度な心配をすることによっての血管迷走神経反射を含めて、過大ないろいろな反応を起こさないようにすることが非常に重要ではなかろうかと思い、ここに書かせていただきました。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 ただいま宮川委員から御説明、御提示いただきました資料、そして取組について、何か御質問とか御意見ありましたら、承りたいと思います。いかがでしょうか。
 岡委員、お願いします。
○岡委員 こういう貴重な資料、ありがとうございます。患者さんの立場からすると、御心配で、かかりつけの先生に聞きたいなということがきっとあると思いますので、こういうのを利用していただいたらいいのかなと思うのですけれども、逆に、集団接種する側として、例えば何か病気でかかっている。そうすると、この予診票を持ってこないと打てませんみたいな感じになるのも気づまりかなと思いますので、その辺りはいかがでしょうか。
○宮川委員 まず、予診票だけ持ってこられて、接種医自身が戸惑ってしまうことや、時間が15分あるいは20分と時間のみがかかってしまうほうが怖いのかなと思って作成しました。かかりつけ医の先生にちゃんと了承を得てきましたという言葉を添えていくことができれば、多分問題ないのではなかろうかと思います。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 これをかかりつけの方とか、状況によっては医師会などを通じてですけれども、御活用いただくということでよろしいのかなと承りました。貴重な資料、どうもありがとうございました。
 そのほか、全体を通じまして、何か御質問や御意見ありましたら、承りたいと思います。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 先ほどのアレルギー学会の中村先生が言われていたのですけれども、これから高齢者施設とか高齢者の接種が始まるわけです。そういった接種場所にグルカゴンが用意されているのか。厚労省が作られた手引きを見ても、グルカゴンという文字は出てこないですね。ボスミンとかは書いてある。これをちゃんと書いておかないと、ある程度の頻度でアナフィラキシーが出るわけで、βブロッカーを飲んでいらっしゃる方はかなり多いですよ。ですから、その辺はちゃんと書かれたものを出したほうが、先ほど言われたように、今までと同じようにアナフィラキシーに対応していただくためには必要じゃないかと思います。
○森尾座長 ありがとうございます。
 こちらでも議論していたのですけれども、宮川委員からコメントをお願いします。
○宮川委員 実際にグルカゴンは保険適応ではないので、医療機関でそろえておくということはありません。ですから、そういうことであれば、別途用意していくことも必要ですが、βブロッカーを含めて、そういうことが心配である場合には、備えている医療機関をお勧めするという形で、プレ予診票をつくったのはそういうことです。
 しかしながら、先生も御存じのとおり、抗生物質をはじめとしてあらゆる薬剤に、アナフィラキシーのリスクが今まで多くありました。そのようにアナフィラキシーに関しては本当にたくさんあるにもかかわらず、野放図にしていたというのが臨床現場だろうと思います。それを今回のワクチンにおいて、多くの方がアナフィラキシーに関して非常に慎重にというか、当たり前に自覚し対応するという形になってきています。そういう意味では、ボスミンを打つということも当たり前に備えなければいけないことも理解されてきました。
 そして、今、濱田委員もおっしゃるように、グルカゴンに対しては、しかるべきところには備えることが必要であるということをしっかりと自覚していくことが、これからの予防接種体制において重要なことなのかなということだろうと思います。
当たり前のことを医療体制、接種体制においては、作り上げることが重要だろうと思います。グルカゴンに関しては、接種現場に全て備えているというのは、現状では必要ないと思います。搬送先の救急体制の中で配慮されれば問題ないと考えます。
○濱田委員 すみません、βブロッカー投与者にはアトロピンでもたしかよかったように思います。いずれにしましても、多屋先生が先ほど言われたように、何か起きたときのマニュアルをちゃんとつくっておく必要が、それも早急につくらないといけないのではないかと思うのですけれども、その辺を御検討いただきたいと思います。
 どうもありがとうございます。
○宮川委員 ボスミンを打つというタイミングは、躊躇せずに、ためらうことなく、まず打つということが大切です。βブロッカーの場合には効きが悪くなるということで、グルカゴンのことは考えずに、2回目の接種の段階で同時に、救急搬送も含めて後方支援をお願いするという形が好ましてと思います。そこで先ほど話題にあったような連携というものが非常に重要であろうと考えています。
○森尾座長 濱田先生、ありがとうございます。アレルギー学会の手順とかについて、何らかの形で示したいと承っておりまして、これは救急領域の先生方とかは、一番よくご覧になっていて、そういうところとすり合わせをしながら、何かどこかで発信していただけたらと思っております。非常に貴重な意見、ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、遅くなりましたけれども、本日の議事は以上で終了させていただきます。
 事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。本日も活発な御議論、どうもありがとうございました。閉会といたします。
 

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