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令和3年4月27日(火曜日)
教育、科学技術・学術、その他

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大学入試のあり方に関する検討会議、全国学力・学習状況調査、野口宇宙飛行士の帰還について、新型コロナウイルスと大学における対面・オンライン授業、統合イノベーション戦略推進会議、「与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチーム」について、GIGAスクール構想

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年4月27日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年4月27日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年4月27日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。私からは、今日は特別ございません。

記者)
 大学入試のあり方に関する検討会議の件でお尋ねします。議論は大詰めを迎えていると思いますが、過去2回の会議では、記述式の問題と英語の民間試験の活用について、2025年1月の共通テストへの導入というのは困難との意見が多かったと思います。大臣も同様の認識ということでよろしいかということと、また、いつまでの提言のとりまとめを求めているかということの2点をお願いします。

大臣)
 4月2日、それから4月20日、「大学入試のあり方に関する検討会議」において、座長代理より、これまで出された意見や実態調査の結果等を踏まえて、「記述式問題の出題のあり方について(案)」、また、「英語4技能の総合的育成・評価のあり方について(案)」という資料が提出され、議論がなされたと承知しております。会議において、記述式問題については、共通テストでの記述式導入に対して指摘された課題は容易に解決することは困難、また、個別入試における記述式出題の増加に努力していくことに大学界として合意すべき、英語資格・検定試験の活用については、共通テストの枠組での英語資格・検定試験の活用に対して指摘された課題を短期間で解決することは困難、また、個別入試において合理的な範囲で英語力を総合的に評価していくことについて緩やかに合意すべき、大学の取組を促すためにも、社会から求められる英語力を可視化したり、インセンティブを付与することが重要などの意見が複数出されたと聞いておりますが、これで会議として結論がまとまったということではなく、これらの意見を元に、提言に向けてさらに議論を詰めていく段階であると承知をしております。このため、現時点で私が同じ考えかと聞かれて、はい、そうです、というわけにもいきませんので、結論を示すような発言をすることは控えたいと思うのですけれども、新学習指導要領に対応した令和6年度実施の大学入試に係る予定の通知を、令和3年夏に行わなくてはなりませんので、そこから逆算すると、夏前には間に合うように結論を出さなくてはならないというふうにスケジュール感を持っているところです。この検討会議での結論も踏まえて、国民の皆さんが納得でき、受験生が安心して受験できるより良い制度を構築できるように尽力したいと考えているところです。

記者)
 いわゆる全国学力テストについてお尋ねしたいと思います。1か月後に迫っていると思うんですけども、緊急事態宣言が延長された場合に、中止ですとか抽出的な実施というのが選択肢にあるのかというのをお伺いしたいです。あと、大臣が、今まで悉皆調査の意義というのをずっと言及されてきたと思うんですけど、コロナ禍においては、まさに、悉皆ゆえにちょっと難しいというか、大変な部分もあるのかなと思ったんですが、この辺りの考えを改めて伺えますでしょうか。

大臣)
 全国学力・学習状況調査の実施については、昨年度は4月に全国的に学校の臨時休業措置がとられたことや、学校再開後、児童生徒が落ち着いた学校生活を取り戻すことを優先する必要があったことなどから、調査の実施を見送りました。今年度については、昨年度と異なり、全国的な臨時休業措置はとられておらず、感染症対策を徹底しつつ学校における教育活動が継続的に行われていること、また、コロナ禍における児童生徒の学力・学習状況を把握するという本調査の重要性等に鑑み、予定通りですね、5月27日(木曜日)に実施したいと考えております。なお、今年度は、調査日に調査を実施できない学校が事後的に調査を行う、「後日実施」の期間について、例年は2週間なのですけれども、今年は約1か月に延長して6月30日まで調査を受けることを可能としております。あの、言い換えますと、予定通りやりますし悉皆でやりますけれども、しかし、緊急事態宣言などで、それぞれ地域によって状況が違うことも考えられるので、自治体や学校の判断でやむを得ず27日に参加できない場合には、「後日実施」を使っていただきたいなと思っております。各自治体及び学校におかれましては、各学校の状況を踏まえつつ、「後日実施」の仕組みを活用していただいた上で調査を実施していただきたいと思っておりますし、また、悉皆で行う必要性については、今までも申し上げてきましたけども、全ての教育委員会や学校において、調査結果の活用を通じた教育政策や児童生徒一人一人への教育指導の改善・充実を図ることが目的であり、このため、悉皆で実施することが重要であると考えているところでございます。

記者)
 もうすぐJAXA宇宙飛行士の野口さんが地球に帰還予定ですが、大臣として受止めを教えてください。

大臣)
 無事、帰ってきてほしいです。野口聡一さん、宇宙飛行士が搭乗する米国のクルードラゴンの初号機が、日本時間の4月28日20時5分ということで公表させていただいているのですけれど、ちょっと天候が悪いので、今、NASAの方と最終調整をして、5月1日の6時55分に国際宇宙ステーションを離脱をして、翌2日の0時36分頃に帰還する予定で調整をしております。野口宇宙飛行士は、昨年11月より約半年間にわたりISSに滞在し、日本人として最多回数・最長となる船外活動や、iPS細胞を用いた立体臓器の創出に関する実験など、様々な科学実験を行うとともに、その様子や成果をSNS等を通じて国民の皆様に積極的に発信していただきました。昨日、野口さんと星出さんが並んでですね、ISSから国民の皆さんにメッセージを発していただいて、大変嬉しく、また、誇らしく思っているところです。このような野口宇宙飛行士の活躍が、我が国の宇宙開発利用の拡大や今後の国際宇宙探査の進展にしっかりとつながっていくことを期待しています。まずは、無事に帰還されることをお祈りしたいと思います。

記者)
 大学の対面授業・オンライン授業の授業形態に関してちょっと質問があるんですけれども。今年度の対面授業・オンライン授業の割合についても実施をたぶん予定されていたかと思うんですけれども、その進捗、まだ公表には至っていないと思うんですけれども、今年度、対面再開に向けて動いていた大学がどの程度あるというふうに把握していらっしゃるか。また、緊急事態宣言が出る中で切り替えているところも多いかと思われるんですが、その辺り、感触をどのように見てらっしゃるかということをお伺いしたいのが1点。あと、緊急事態宣言が出る中で、対象となっている地域で出されている要請内容について、大学側としては、対面授業の再開に向けて準備してきたかと思うんですけども、そこの中で判断の難しさを感じている大学も多くあるかと思うんですが、この辺りについてどうお考えかお伺いします。

大臣)
 現在、今年度の各大学の授業の実施方針を調査しているところであり、今回の調査では、学部や学年ごとに対面授業の割合が異なる場合には、それぞれの学部・学年の状況について回答を求めるなど、より精緻に実態を把握することとしております。昨年やった調査で、大学からざっくり3割とか4割とかってきたのですけれど、学生の皆さんから様々な違う意見が寄せられて、いやそれは何々学部の話であってうちの学部は全くゼロだというような問い合わせがあって、これどうなんだろうっていうことを学校に確認しましたらその通りだった実態がありましたので、今回は、学部・学年ごとに出していただくことにしました。調査結果は現在集計を進めているところであり、取りまとまり次第、公表したいと考えているんですが、現状としては、多くの大学の方針が対面授業を中心に切り替えられているものと承知しています。他方、現下の厳しい感染状況や自治体からの要請を踏まえ、年度当初は、対面授業を基本として授業を行う方針としていた大学においても、感染のまん延状況が厳しい関西地方の大学など、感染対策を徹底するためにオンライン授業の割合を拡大している例もあると承知をしております。文科省としては、そのような場合であっても、対面での指導が不可欠な実験ですとか実習などについては、慎重な感染対策を講じた上で対面授業を行う例もあり、状況に応じた工夫を講じることや、宣言の期間中、オンライン授業の割合が一時的に増加したとしてもですね、期間終了後は当初予定していた対面授業を適切に実施することなど、各大学には学生目線に立った配慮をお願いしたいと思っているところでございます。そもそも、大学の教室、授業の中でのクラスターなどの実態については報告を受けていなくて、大学の名前でクラスターとなっているのは、いわゆる部活動ですとか寮ですとか、あるいはいわゆる放課後のですね、様々な活動の中であるということなので、我々としては、できる限り、対面とオンラインをハイブリットで続けてほしいっていうことは年度当初から申し上げていましたけれども、しかし、今、緊急事態宣言が出て、それぞれの首長の皆さんからそれぞれの地域での目標というものを掲げられていますので、どちらを優先するということをですね、競うつもりはありませんので、そこは大学において適切に判断をしていただいたらよろしいんじゃないかと思っております。ただ、人流を抑えるという意味での、今回はオンラインへの移行ということであれば、人流を抑えた中で、感染拡大に配慮しながら一定の対面授業というものもできるのだろうというふうに思っておりますので、安易にオンラインにですね、易きに流れるっていうことは再び起きてはならないのではないかということを危惧しておりまして、先ほど申し上げましたように、期間が過ぎたら、元の目標に戻っていただくことも改めてお願いをしたいなと思っています。いずれにしましても、感染動向を注視しながらですね、各大学において、学修機会の確保と感染対策の徹底を両立をされ、学生に寄り添った対応が十分講じられるように、引き続き、必要な支援や助言を行ってまいりたいと思っています。

記者)
 大臣も早起きされて、今日は統合イノベーション推進会議が行われたと思うんですけど、ようやく正式にマテリアル革新力強化戦略が正式決定したと思います。この節目ということで、何かお言葉をいただければというふうに思います。

大臣)
 本日開催された統合イノベーション戦略推進会議で、「研究インテグリティの確保に係る対応方針」、また、「公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的考え方」、「マテリアル革新力強化戦略」を決定するとともに、「安全・安心に関するシンクタンク機能」に関する検討の進捗状況について報告がありました。官房長官からは、「研究インテグリティの確保に係る対応方針」に掲げられた取組みの実行、全ての公募型の研究資金の新規公募分における、研究データの管理・利活用体制の構築可能な仕組みの早急な導入、また、今ご指摘のあった「マテリアル革新力強化戦略」の着実な実施、そして、安全・安心に関するシンクタンク機能の早急な立ち上げに当たっての政府、府省の連携などについて指示がありました。文科省としては、世界秩序が大きく変化する中、科学技術・イノベーションの強化に向けて、引き続き、関係府省と連携しながら、各方針・戦略の実現や施策の検討に取り組んでまいりたいと思っています。

記者)
 わいせつ教員問題についてまず伺います。与党のワーキングチームが、今日、法案の条文を決めまして、明日にも野党に説明するというスケジュール建てになっています。改めて、この問題に対して、あと、与党の動きに対して、大臣のご所見をお願いします。あと、もう1点ですが、GIGAスクールに関して、先日の超党派議連の中で、学校やEdTechの事業者から、例えば端末の持ち帰りに関して、文科省の通知の中にある「自治体の実情に応じて」ですとか、「緊急時に備えて」といった文言を利用して実際に持ち帰らせない、その中で、理由として、例えば、これは市の備品であるので自宅に持ち帰らせることはできないですとか、あと、検索サイトや動画サイトへのアクセス制限をするとか、そういったような実情が色々報告されています。これについてのご所見と、文科省として、今後、対策又は通知の強化ですとか、そういったものをお考えなのかどうかというのをお教えていただければと思います。

大臣)
 子供たちを守り育てる立場にある教員が子供たちにわいせつな行為を行うことは断じてあってはならないことであり、このような思いをですね、国会議員の皆さまとも共有しているところと考えています。ご指摘の法案準備については、与党の皆さんや野党の皆さん、それぞれご議論を踏まえて立案されるものと承知しておりますので、その内容について、私が政府の立場でコメントすることは差し控えたいと思いますが、私自身、閣法でこの法案についてチャレンジをした経緯がありますので、政府として、立法が難しいということであれば、議員の皆さんが、違う知恵、違うアプローチでその取組をですね、同じ価値観で取り組んでいただけることは大いに賛成でありますので、ぜひ与野党で話合いをしていただいてですね、より良いものにブラッシュアップしていただいてご提出をされるんだとすれば、それは、ぜひ一議員としてはですね、しっかり見守っていきたいなと思っているところでございます。
 それからGIGAの件なのですけれど、1人1台端末、充実したICT環境は全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現する上で必要なものであり、リアルな体験を通じて学ぶことや教師が子供たちの様子を直接確認し指導することと併せて取り組むことが重要です。児童生徒の学びの保障の観点からも、端末を持ち帰り、自宅などでの学習においてICT端末を活用することは有効であると考えており、1人1台端末の本格運用に向けて、準備すべき事項や留意すべき事項を整理したチェックリスト、保護者等との間で確認・共有していくことが望ましいポイントなどを作成し、自治体をはじめとする学校設置者等に周知を行い、家庭への持ち帰りも含め端末を適切に活用するよう、現在、働きかけをしております。ただ、新学期が始まってまだ3週間なので、率直に申し上げて、各学校や自治体によって様子が違うと思うのですね。従前から一定程度の端末を持っていてそういったことにも慣れている学校と、今回初めて1人1台の環境が整ったということで、今申し上げたような色んな家庭等のルール作りなどを慎重に対応しているご家庭もあると思います。それから、学年によっても違って、例えば高学年でしたら持ち帰りをして直ちに様々な使い方もいいと思いますけれども、例えば低学年ですとルール作りからやっていかなきゃならないっていうこともあるので、今の段階で、私がですね、どんどん持ち帰ってくださいっていうことを国として各自治体ともう一度促すというよりは、今申し上げたようなことで、ルール作りを、家庭も含めてですね、しっかりやってもらわないと、実は報道でも触れていただきましたけど、先々週はですね、このタブレットが子供たちの視力にどう影響があるかということを心配して専門家の皆さんにアドバイザリーとして会議に入っていただきました。また、今年はいくつかの学校で少し経過をですね、チェックをしようということで、今週には、私、現場にも入って視察もしてこようと思っているんですけれども。こういった課題もありますので、いつも申し上げているように、理想の教育環境は整いつつありますけれども、しかし、運用面でこんなはずじゃなかったという様々な副作用が生じることは望ましいと思っておりませんので、そこは、スモールステップで進みたいという基本的な姿勢を自治体とも共有しながらですね、しっかりできるところはもう前に進んでもらっても結構ですけれども、今ご指摘のように、市のものだから持ち帰りさせないってのはちょっとニュアンスが若干違うのですけれど、しかし、持ち帰りまでのルール作りで、今、色々学内でも検討しているということであればそれはそれで尊重したいなと思っています。

(了)

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