厚労省・新着情報

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和3年3月8日(月)13:00~14:21

場所

オンライン会議

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:座長)
  大久保 一郎
 ◎加藤 久和
  黒田 祥子
  酒井 正
  高橋 陽子
  津谷 典子
  樋田 勉
  永井 暁子
  野口 晴子
  原 ひろみ
  康永 秀生
 
構成員以外の関係者
  西郷 浩 (早稲田大学政治経済学術院教授)
  廣松 毅 (情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科客員教授)
 
事務局
  鈴木政策統括官
  村山政策立案審議官
  武藤参事官(企画調整担当)
  細井世帯統計室長
  瀧原雇用・賃金福祉統計室長
  奥垣統計企画調整室長
  大野審査解析室長
  仲津留人口動態・保健社会統計室長
  角井賃金福祉統計室長
  渡保健統計室長
  小西国立社会保障・人口問題研究所企画部長

議題

1 構成員の改選に伴う座長の互選及び座長代理の指名について
2 「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表の検討状況等について
3 国民生活基礎調査の改善に関するワーキンググループ報告書(案)について
4 患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループの検討状況について(報告)
5 患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループの要綱改正について
6 毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループの設置について
7 その他
 

議事

 

○武藤参事官(企画調整担当)
定刻になりましたので、ただいまから「第21回厚生労働統計の整備に関する検討会」を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして誠にありがとうございます。私は、政策統括官付参事官の武藤でございます。本日は、昨年11月の委員の改選後、初めての開催となりますことから、座長が選出されるまでの間、司会を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
本日の出席状況でございますが、長島委員が御欠席でございます。また、本日は審議協力として西郷先生、廣松先生に御出席いただいております。
審議に入る前に、本検討会の委員の御就任について報告いたします。参考資料「厚生労働統計の整備に関する検討会開催要綱」の構成員名簿を御覧ください。昨年10月の任期満了をもって、阿部委員、大江委員、玄田委員が退任され、新たに酒井委員、高橋委員、康永委員に御就任いただいているところです。各委員の御紹介につきましては、名簿をもって御紹介に代えさせていただきますが、引き続き、本検討会の審議への御協力につきまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
また、新たに事務局メンバーで変更のあった者について御紹介いたします。政策立案総括審議官の村山でございます。統計企画調整室長の奥垣でございます。統計管理官の仲津留でございます。世帯統計室長の細井でございます。賃金福祉統計室長の角井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、検討会の開催に当たりまして、政策統括官の鈴木から御挨拶を申し上げます。

○鈴木政策統括官
政策統括官の鈴木でございます。委員改選後初めての検討会でございますので、開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。近年、政府統計、とりわけ厚生労働統計をめぐる環境が大きく変化してきております。1つには、統計改革の推進でございまして、もう1つは、昨年来の新型コロナウイルス感染症の影響も含めました社会的構造の変化でございます。
政府統計におきましては、統計改革によるガバナンスの確保が急務でございましたけれども、それと並行いたしまして、個別の統計について、社会の変化に対応して不断にその在り方を見直しまして、統計精度の確保を図ることも重要な課題であると考えております。このようなことから、本日の会議では、国民生活基礎調査及び患者調査の両調査のワーキンググループでの検討結果の報告に加えまして、毎月勤労統計調査のワーキンググループを新たに設置することなどにつきまして、御議論を頂きたいと考えてございます。
委員の皆様方におかれましては、厚生労働統計に関しまして専門的な見地から御議論、御助言いただきますよう、是非よろしくお願いいたしまして、開催の挨拶に代えさせていただきたいと思います。

○武藤参事官(企画調整担当)
カメラ撮りはここまでとさせていただきます。それでは、本日1つ目の議事でございます「構成員の改選に伴う座長の互選及び座長代理の指名について」、事務局より御説明申し上げます。

○奥垣統計企画調整室長
統計企画調整室長の奥垣です。よろしくお願いいたします。検討会の設置要綱に書いてあるとおり、座長に関しましては互選となっておりますので、どなたか自薦又は推選を頂ければ幸いでございます。

○津谷委員
よろしいでしょうか。津谷でございます。厚生労働統計全般に広い知見をお持ちの加藤久和先生が適任だと思います。加藤先生を推薦いたします。

○武藤参事官(企画調整担当)
はい。ただいま、津谷委員から加藤委員という推薦があったところですが、委員の皆様方いかがでしょうか。

(異議なし)

○武藤参事官(企画調整担当)
はい、ありがとうございます。座長の選出について御賛同いただきましたので、本検討会の座長は加藤委員にお願い申し上げます。それでは、以後の進行につきましては、加藤座長にお願いいたします。

○加藤座長
座長に御指名いただきました加藤です。厚労省さんの所管される統計は、国民生活にとって非常に貴重なものばかりだと思っております。その意味では、整備検の持つ使命は大変重要なものと感じております。どうぞ皆様、何とぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事を進めてまいりたいと思います。先ほど、事務局より御説明のとおり、引き続き座長代理の指名に移らせていただきます。座長代理につきましては、座長である私が指名させていただけるということでございますので、樋田委員にお願いしたいと考えますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

○加藤座長
ありがとうございます。それでは、座長代理につきましては、樋田先生にお願いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは続きまして、議題2「「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表の検討状況等について」に移らせていただきます。それでは、事務局より御説明をお願いいたします。

○奥垣統計企画調整室長
資料1「公的統計の整備に関する基本的な計画の別表の検討状況等」を御説明いたします。まず、公的統計の整備に関する基本的な計画ですが、本計画は公的統計の整備に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、統計法に基づき策定されたものです。こちらの資料は、昨年6月に閣議決定により改定された計画の別表である、今後の5年間に講ずる具体的施策のうち、厚生労働省に関する事項を抜粋したものに、右の欄に今年度末の進捗状況を記載したものです。本日の検討会においては、この進捗状況について御説明させていただきまして、総務省への報告を前に、委員の皆様より専門的な見地からの御意見、御助言を賜りたいと存じます。
具体的な中身の御説明に入ります。本年度に実施したことを中心に、ポイントを絞って御説明いたします。
初めに、毎月勤労統計調査です。資料1の1ページ目の右端の検討状況又は進捗状況等の欄を御覧ください。1つ目のフレームであるローテーション・サンプリングの全面移行に関しては、令和4年1月の全面移行に向けて、現在対応をしているところです。また、今後の予定ですが、先ほどありましたように、更なる精度向上を目指し、この検討会の下にワーキンググループを立ち上げる予定です。ワーキンググループに関しては、この後に御議論していただきます。2つ目のフレームである標本抽出方法や復元方法の検討に関しては、令和元年6月分調査から全数調査を実施するとともに、復元に必要なデータ等が存在しなかった期間の結果については、時系列比較のための推計値を作成し公表したところです。
3ページを御覧ください。次に、国民生活基礎調査についてです。国民生活基礎調査は、本検討会の下のワーキンググループで本調査の見直しについて御議論いただいているところです。本日の午前中、ワーキンググループを開催しましたので、その結果については、本日の検討会で御報告させていただきます。ここでは、その報告を除く主な取組について御説明いたします。1つ目のフレームである回収率の向上方策の取組に関しては、令和2年調査では、全面的に郵送回収の導入を行うことを予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から調査を中止したため、令和3年調査から全国的な効果の検証を行う予定です。2つ目のフレームの調査方法の改善に関しては、令和3年の調査から、実務説明用動画DVDの作成やコールセンターの設置、令和4年調査からオンライン回収の導入に取り組むところです。最後のフレームの情報提供の充実に関しては、令和元年調査結果の世帯票について、地域ブロック別及び市郡別での回収率を公開いたしました。
1ページおめくりください。次に、人口動態調査です。1つ目のフレームでは、外国人が一定規模以上居住する市区町村別の外国人集計に関しては、見直し案の意見募集を踏まえ調査計画に反映し、令和3年に公表する令和2年人口動態統計(確定数)から適用いたします。3つ目のフレームであるオンライン報告システムの機能追加に関しては、更なる作成事務の効率化を図るため、調査票の送信漏れ防止等の改修を行いました。
5ページを御覧ください。賃金構造基本統計調査です。1つ目のフレームである毎月勤労統計調査との比較に関しては、同一事業所の個票を用いた比較の方法について検討を行っています。また、非回答の事業所に関する対応として、本調査の改善に関するワーキンググループにおける検討や統計委員会での審議を踏まえ、令和2年調査から、母集団となる事業所数に対して、有効回答事業所数の割合の逆数を乗ずる推計方法に変更します。2つ目のフレームである匿名データの提供につきましては、現在、匿名データ作成方法ワーキンググループや匿名データ有識者会議にて検討を行っており、厚生労働省もメンバーとして参加しています。3つ目のフレームである調査の各種改善に関しては、令和2年調査から郵送調査を基本としつつも、オンライン調査の実施や審査業務等の一部民間委託と調査対象職種の見直しや学歴区分の細分化、報告者が希望する場合には労働者個人に関する調査事項に関し、事業所内の全労働者について回答ができるような変更を実施したところです。
6ページを御覧ください。最後に、社会保障費用統計についてです。2つ目のフレームにある国際基準に準拠した地方公共団体の社会保障支出の総合的な把握に関しては、主要な事業は、総務省からの提供により決算値の計上が可能となりましたが、地方単独事業として実施している公営住宅家賃対策補助や災害救助費等につきましては把握されていないため、総務省へのヒアリングを行うなど情報収集・検討を進めてきました。事務局からの説明は以上です。

○加藤座長
ありがとうございました。ただいまの御説明について、御質問も含めて委員の皆様から御発言いただければと思います。ミュートを外して御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。特に御意見、コメント等はございませんでしょうか。それでは、以上とさせていただきます。ありがとうございます。
続きまして、議事3「国民生活基礎調査の改善に関するワーキンググループ報告書(案)について」です。ワーキンググループの主査も務めさせていただいている私から、ワーキンググループ全体について総括した後、事務局から報告書の概要について説明をお願いいたします。
国民生活基礎調査の改善に関するワーキンググループにおける検討状況について、総括的に御報告させていただきます。当ワーキンググループについては、令和元年6月21日の第1回会合を皮切りに、本日午前中に行われた第6回会合まで、約2年間にわたり検討を進めてまいりました。国民生活基礎調査については、近年、国民のプライバシー意識の高まり等により調査協力が得にくくなるなどして、回収率が低下傾向にあり、特に都市部の若年の単独世帯において捕捉率が低く、本調査結果が母集団情報である国勢調査結果と比べ、かい離が生じている状況にあります。
このような状況を踏まえ、統計委員会からは、非標本誤差の縮小等に向けた取組として、オンライン調査の導入、推計方法の見直しの検討について指摘されており、当ワーキンググループでは、この2つの課題を中心に議論を行ってまいりました。
報告書の内容につきましては、この後、世帯統計室の細井室長より御説明があると思いますが、オンライン調査の導入に当たっては、5種類ある調査票の再編や調査時期・調査系統など、調査そのものを抜本的に見直すことも検討しましたが、調査票の再編に伴い、調査事項を大幅に削減することは公的統計として品質の低下につながること、また、調査そのものを抜本的に見直すとなると、相当の期間を要するため、令和4年からのオンライン調査の導入は実質困難、つまり時間的制約の問題もあり、現行の調査方法を基本としつつオンライン化を図るとの結論に至りました。
なお、本日の会合では、同時配布方式を採用する場合、オンラインと紙による回答の違いなどについても留意するような御意見がございました。
推計方法の見直しに関しましては、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」を用いて、世帯構造と世帯主の年齢階級によるきめ細かな層別の拡大乗数を作成する新たな推計方法の検証・検討を行いました。世帯票は国勢調査結果とのかい離が縮小し、健康票及び介護票は現行の推計結果と大きな変化が生じないことから、新たな推計方法を採用することは検討の余地があるものの、コロナ禍において推計方法を見直した場合、調査結果が推計方法の見直しによる影響を受けたものか、それとも新型コロナウイルス感染症による影響を受けたものなのか判別できなくなるおそれ等があるため、新たな推計方法を採用する時期は慎重な判断が必要との結論に至り、また、所得票及び介護票は、推計結果が正しいと評価できる指標が存在しないため、推計方法の良否の判断が難しく、ブートストラップ法による検証においても、新たな推計方法の優位性は確認することができなかったため、現行の推計方法を変えてまで新たな推計方法を採用する積極的根拠は得られなかったという結論に至りました。
国民生活基礎調査は、厚生労働行政の企画及び立案の基礎資料を得ることを目的として、世帯属性を経済面、健康面を含め、網羅的に捕捉する大変重要な基幹統計調査です。当ワーキンググループ報告書で取りまとめた内容が実行されることにより、非標本誤差の縮小が図られ、公的統計として品質が向上することを期待するとともに、厚生労働省におかれましては、今回の改善にとどまることなく、不断の改善を続けることにより、公的統計としての更なる品質の向上に取り組んでいただきたいと思います。
今回のワーキンググループの検討に当たり、構成員の先生方にはそれぞれ専門家としての見知から精力的に御議論いただいたことを感謝申し上げます。また、早稲田大学の西郷先生、横浜市立大学の土屋先生、埼玉県庁の家田主査と川村主事、千葉県庁の大岩班長にも、審議協力者として貴重な御意見を頂いたことに感謝申し上げます。併せて申し添えさせていただきます。私からの報告は以上です。

○細井世帯統計室長
世帯統計室の細井でございます。続いて、ただいま加藤主査から御説明のあった報告書の内容について御説明いたします。資料2の9ページの目次を御覧ください。本報告書は4部構成で作成させていただきました。巻末に参考資料として、本ワーキンググループの設置要綱、開催実績などを掲載しております。
ローマ数字1「はじめに」では、国民生活基礎調査の目的をはじめ、ワーキングの設置経緯などを記載しております。次に、本ワーキンググループで御議論いただいた大きな柱の、2「オンライン調査の導入について」、3「推計方法の見直しについて」において、検証・検討に用いた資料を含めて整理させていただき、4「まとめ」において、今回のワーキングにおける検証・検討の結果を記載しております。
ページに沿って説明させていただきますが、11ページの「はじめに」については、今の説明と重複しますので省略させていただきます。
12ページ、「オンライン調査の導入について」の御説明です。検討の背景と課題についてです。オンライン調査の導入については、政府全般において基本的な方針として、その推進が進められておりますが、国民生活基礎調査においては、世帯属性を経済面、健康面を含め網羅的に幅広く把握しておりまして、3年に一度の大規模調査年においては、5種類の調査票を用いて、6月には、世帯票、健康票、介護票を保健所経由で、7月には、所得票、貯蓄票を福祉事務所経由により実施しております。このような調査方法や調査事項のボリュームなどの調査の特殊性から、容易にオンライン化になじむとは言い難い面もございまして、これまでオンライン調査の導入の実現には至らなかったということがございます。今回は、2019年の調査計画の答申課題を受けて、オンライン調査の導入について御検討いただきました。
検討の方向としては、「現行の調査方法を基本としつつオンライン化を図るのか」、それとも、「5種類ある調査票の再編、調査時期・調査系統の一元化など、抜本的に調査方法を見直した上でオンライン化を図るべきか」について、13ページ、14ページにあるとおり、調査票の再編、調査時期・調査系統の一元化や2つの調査方法の比較を整理した上で、検討いただきました。
その検討のまとめを15ページに記載しております。15ページを御覧ください。オンライン調査の導入に当たって、5種類ある調査票の再編、調査時期・調査系統の一元化など、抜本的に見直した場合、調査票の再編に伴う調査事項を削減することは、多くの時系列情報が失われて、厚生労働行政における政策上の重要なトレンド等が観察できなくなるおそれがあるということ、そして、調査計画の大幅な見直しに伴う各種手続や調整、更には政省令の改正も必要となるため、オンライン調査の導入までに相当の期間が見込まれるというデメリットがございます。
このことを踏まえますと、導入に当たって留意すべき点としては、国民の重要な情報基盤となっている公的統計について、調査事項の削減による時系列情報の欠落などは、公的統計の品質の低下を招くものとなることから、2022年調査からの導入には、現行の調査方法を基本としつつオンライン化を図るべきであるという点、また、システム構築に当たっては、コスト意識を念頭に置いて既存の政府統計共同利用システムを活用すべき点、更に、本来であれば試験調査を経て課題解消などをしてから導入すべきでありましたが、予算や時間的な制約があり実施できなかった中で、2022年調査からの導入に踏み切るためには、本調査の特殊性やオンライン調査の導入による予見できないリスクも想定されるために、一部の調査地区から先行的に実施すべきである点、また、調査の実施方式として、紙の調査票とオンライン回答用IDの配布については、本調査が6月、7月に調査を実施するスケジュールとなっているために、実査期間を十分に確保する必要性があることや、調査事務負担を極力抑えることからも、同時配布方式とすべきである点。このような点をまとめております。
さらに16ページには、オンライン調査の実施に当たって考慮すべき点として、5点まとめております。1つ目は、電子調査票開発は、報告者負担を考慮した設計とすべき点、2つ目は、調査関係機関と報告者双方の負担軽減を十分に検討し、地方公共団体の協力を頂けるように丁寧な説明を行うべき点、3つ目は、報告者や調査票に対してアンケートを実施して課題を把握すべき点、4つ目は、オンラインと紙調査票の両方の回答があった場合にどちらを有効とするのかの判断基準を作成すべき点、5つ目は、同時配布方式は回収率が低下するというような研究もあることからモニタリングをすべき点。このような点をまとめております。
17、18ページには、参考として政府統計共同利用システムの概要と、オンライン調査の実施手順を掲載しておりますが、御説明は省略させていただきます。
19ページを御覧ください。こちらからが、「推計方法の見直しについて」です。まず、背景と課題です。答申課題とともに、前研究会である「国民生活基礎調査の非標本誤差の縮小に向けた研究会」で検討した国勢調査を利用した推計方法と、採用できなかった問題点を整理しております。
20ページを御覧ください。そこで、前研究会で課題があった国勢調査の結果に代わるベンチマークがないかを検討したところ、国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」と、同じく都道府県別推計が類似したベンチマークとして候補に挙がりました。前研究会の課題が解消されることが期待されることから、加藤主査から御説明がありましたように、本ワーキングでは、これらのベンチマークを利用して、世帯構造と世帯主の年齢階級によるきめ細かな層別拡大乗数を作成する新たな推計方法の検証・検討を行うことといたしました。
21ページを御覧ください。推計方法の見直しにかかる検討として、ここでは「日本の世帯数の将来推計」の特徴と新推計に当たっての課題を整理するとともに、その課題について、御覧のように、都道府県別推計値がない年次における層別推計世帯数の算出方法、指定都市別の層別推計世帯数の算出方法、また、次ページですが、国民生活基礎調査の表章に必要な世帯構造区分等の推計世帯数の算出方法、世帯主の年齢階級「不詳」の推計世帯数の算出方法について整理した内容を記載しました。
その整理を踏まえて、新たな推計方法として考えたものが、23ページの新推計1というものです。推計方法については、23ページ、24ページに掲載したとおりで、25ページにあるように、新推計1による集計結果と国勢調査等の比較も行いました。
その結果、26ページにまとめたように、現行推計と比較して、新推計1では、世帯票の多くの項目が国勢調査に近付きましたが、仕事の有無、雇用形態についてはかい離が残ることが確認できました。一方で、世帯票における父子世帯が国勢調査に比べて過大推計となることや、所得票、貯蓄票において、現行推計と比べて新推計1は平均所得が大きく減少するなどの変化が見られ、所得票では世帯票のように真の値とみなせる国勢調査のような指標がないために、推計方法の良否を判断することができないという課題が残りました。
27ページを御覧ください。新推計1において、父子世帯が過大推計となる課題が残ったわけですが、その原因を検討したところ、父子世帯の推計に用いた拡大乗数が原因ではないかと考えられ、図表3-5にあるような、ひとり親と未婚の子の世帯の拡大乗数の作成区分を整理して検証したものが新推計2というものです。
28ページを御覧ください。新推計2においても、新推計1と国勢調査との比較を行ったところ、新推計1に見られた世帯票の父子世帯の過大推計の改善や父子世帯以外の新推計2と新推計1の差はほぼ見られず、また、現行推計と比較すると、新推計1と同様に、所得が大きく減少することなどの変化が確認できました。一方で、新推計1と同じく、所得票に対する評価方法がないことや層別のウエイトにばらつきがあり、特に所得票、貯蓄票についての推定精度の低下の原因になり得るなどの課題が残りました。
29ページを御覧ください。新推計2における課題を踏まえて、所得票、貯蓄票にポイントを絞って、29ページに記載している推計方法のとおり、調整係数を別の方法で作成する方法として検証しましたのが、新推計3というものです。
30ページを御覧ください。新推計3についても、新推計2と現行推計との比較を行いました。その結果、新推計2と比較すると、平成26年所得が増加するなど変化が確認されましたが、一方で新推計1、新推計2と同様に、所得票に対する評価方法がなく、採用すべきか判断できない課題が残りました。
31ページを御覧ください。所得票における新推計2や新推計3をどのように評価するかという課題について、推計値を評価することができる指標がないために、これに代わり、推計値の直接の指標とはなりませんが、ブートストラップ法による評価を行いました。その結果、分散の大きさの観点からは新推計2が優れている一方で、ブートストラップ平均所得と元の標本の平均所得や平均二乗誤差から見える安定性の観点からは、新推計3や現行推計が優れていると評価できる点、また、新推計2や新推計3の平均所得が現行推計方法のものと比べ変化したことから、過去の調査結果と比べる等の継続性の観点からは現行推計が優れていると評価できる点があり、ブートストラップ法による検証からは、新推計2又は新推計3のいずれかの方法を採用するべきという積極的な根拠が得られなかったという結論に至っています。
32ページを御覧ください。推計方法の見直しにかかるまとめを記載しています。(1)の各票の確認結果については、これまでの御説明と重複するところがありますので、省略させていただきます。(2)では、推計方法の見直しに当たって考慮すべき点をまとめています。第一として、本調査の結果は、政策判断をする際の指標として活用されていることから、遡及改定も含めて推計方法の見直しの時期を検討していく必要がある点。第二として、新型コロナウイルス感染症が世帯の経済状況や個人の健康状態などに影響を与えていると推察できることから、こうした状況下で推計方法を見直すと当該調査結果と過去の調査結果の間の変化が、推計方法の見直しによるものなのか、新型コロナによる影響なのかが判別できなくなるので、十分考慮する必要がある点。第三として、オンライン調査による影響が新型コロナ同様に、どのように調査結果に影響を与えているかの判別ができなくなるおそれがあるということから、こうした点も十分考慮する必要がある点、以上の3点をまとめています。(3)の結論については、最後の報告書のまとめで御説明しますので、省略いたします。
34ページから106ページについては、今回の推計方法の検討で用いた資料を掲載しています。内容の御説明は省略させていただきます。
続きまして、107ページを御覧ください。こちらでは、本ワーキングにおいて検証・検討を頂いた統計委員会答申の課題であるオンライン調査の導入及び推計方法の見直しについてまとめさせていただいています。こちらについては、内容を読み上げさせていただきます。
(1)オンライン調査の導入。現行の5種類ある調査票の再編や調査時期・調査系統の一元化など抜本的に調査方法を見直した場合、調査事項の大幅な削減によって多くの時系列情報が失われ、厚生労働行政における政策上の重要なトレンド等の観察ができなくなるおそれがあること、また、調査計画の大幅な見直しに伴う各種手続や省内関係部局・調査関係機関等との調整等、オンライン調査の導入までに相当の期間を要することが見込まれることから、まずは、現行の調査方法を基本としつつオンライン化を図るべきである。なお、オンライン調査における予見できない要素によるリスクも考えられるため、令和4年調査は、一部の調査地区から先行的に実施すべきである。また、調査の実施方式については、実査期間を十分に確保する必要があるオンライン回答先行方式を適用するのは困難であるため、同時配布方式にすべきである。
(2)推計方法の見直し。世帯票、健康票及び介護票の推計方法の見直しについては、新推計2は新たな推計方法として有力ではあるが、採用する時期については慎重に検討していく必要があり、新型コロナウイルス感染症やオンライン調査の導入の影響等も考慮する必要がある。所得票及び貯蓄票については、現時点で新推計2又は新推計3を現行の推計方法に変えて採用する積極的な根拠がなく、現行の推計方法を継続することが妥当であると考えられる。一方で、新推計2及び新推計3については、課題が解決できれば新たな推計方法として採用できる可能性もあり、引き続き検討を行っていくことが必要であると考えられる。また、所得票における評価方法を確立することは、今後の重要な検討課題である。
このように報告書をまとめさせていただきました。私からの御説明は、以上です。

○加藤座長
細井室長、ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について御質問も含めて、委員の皆様、何かありますか。ミュートを外して御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
特に御質問等がないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、本検討会として、ワーキンググループの報告書を御了承とさせていただきたいと思います。なお、このワーキンググループの報告書を踏まえた形で、令和4年の調査計画案が総務省への申請手続を進められるということです。ワーキンググループの各委員におかれましては、6回にわたる精力的な御審議を経て、報告書をおまとめいただき、どうもありがとうございました。
それでは続きまして、議事4「患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループの検討状況について(報告)」です。ワーキンググループの主査を務めていただいている大久保先生から、ワーキンググループの検討状況について御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○大久保委員
大久保です。それでは、私から御報告させていただきます。資料3を御覧ください。通し番号では113になりますが、2ページ目を御覧ください。患者調査の概要についてです。本ワーキンググループでは、患者調査の表章事項である平均診療間隔と総患者数について検討しています。患者調査は、全国の医療施設を利用する患者を対象とした抽出調査であり、3年周期で実施しています。入院患者、そして外来患者については、10月中の調査日一日に受診した患者について把握しています。主な表章事項としては、推計患者数、総患者数、受療率などです。
3ページ目の主な表章事項、利活用の状況を御覧ください。このページには、行政における主な利活用状況がまとめられています。示されているように、推計患者数や受療率が多く活用されているようです。本ワーキンググループで検討している総患者数は、推計患者数とは別に推計している指標であり、直接的に政策立案に活用されているというより、疾病構造の全体像を把握するための基礎資料といった使われ方をされているようです。
4ページ目、「平均診療間隔」と「総患者数」の見直しについてです。このページから、今回の具体的な検討内容をお示しするものです。平均診療間隔及びそれを使用して算出している指標である総患者数を集計・公表していますが、現行の平均診療間隔は前回診療日から調査日までの日数が31日以上のものを除外して計算しています。これは、診療間隔が長いデータは、再来ではなく初診とみなすほうが適当であるという考え方に基づくものです。しかし、背景の変化にありますように、高齢化による疾病構造の変化、医療技術の向上による診療内容の変化、薬剤投与期間に係る規制の原則撤廃などにより、診療間隔が徐々に長期化してきています。その結果として、平均診療間隔と総患者数が実体より過小評価となっているのではないか、平均診療間隔の算出に当たり算出対象の範囲を見直す必要があるのではないかという問題が指摘されています。そこで、本ワーキンググループにおいて、これらについて検討を行うこととしました。
5ページ目、ワーキングにおける検討事項及びスケジュールです。(1)に記載していますように、平均診療間隔及び総患者数の算出方法を検討事項としています。主な論点は2つあります。1つ目が、平均診療間隔の算定上限に関して見直すことでよいか。2つ目が、見直す場合には上限を設けることでよいか、また、設ける上限は何日程度が適当かということです。(2)はスケジュールですが、全体で2回程度開催して、2021年度夏頃までに結論を得ることを目標としたいと考えています。開催要綱では、令和3年3月までに検討を行うとされていましたが、新型コロナ感染症対応などの理由により、開催時期の見直しをするつもりです。これについては、後の議題で事務局から説明があると聞いています。第2回のワーキングは、今年の夏頃に開催して議論の取りまとめをします。また、ワーキングの結論を反映した令和2年の調査結果の公表は、令和4年の6月下旬を予定しているとのことです。
6ページ、「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法についてを御覧ください。このワーキンググループでは、藤田医科大学医学部の橋本教授に研究内容を御発表いただきました。それによりますと、現行の算出方法の課題については、診療間隔の分布や平均診療間隔の推移を分析したところ、診療間隔の長期化傾向が明らかに見受けられました。また、新たな推計方法の検討についてですが、診療間隔の分布は4週、8週、そして12・13週に山があること、多くの傷病で再来患者の累積割合は、診療間隔13週時点で95%程度又はそれ以上となるなどの特徴が挙げられました。なお、傷病によって程度は異なるものの、平均診療間隔の算出の上限日数を91日以下、13週以下とした場合、総患者数は、現行の算出方法の約1.65倍の増加と推計されました。
この橋本先生の御発表を踏まえて議論を行ったところ、平均診療間隔の算定上限を見直すことが適当であること、そして、新たな算定上限は91日とするのが適当ではないかとの方向を得ることができました。第2回ワーキングでは、この第1回のワーキングでの議論を受けて、算定上限を変更した場合の試算結果を事務局に示していただき、引き続き検討を行う予定としています。以上が私からの報告となります。よろしくお願いいたします。

○加藤座長
大久保先生、どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御報告について、御質問があればお受けしたいと思います。委員の先生方、ミュートを外して御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○西郷早稲田大学政治経済学術院教授
すみません、西郷です。委員ではないのですが、オブザーバーとして質問させていただいてよろしいでしょうか。

○加藤座長
西郷先生、よろしくお願いいたします。

○西郷早稲田大学政治経済学術院教授
御報告どうもありがとうございます。私は、医学についての専門知識がないので、逆に素人として質問させていただきたいのですが、私の印象では、確かに分布の状況やそういうテクニカルな問題もさることながら、そもそも診療間隔と言ったときに何を測るべきなのかという、何をパラメータと見るべきなのか、何を推定の対象のパラメータと見るべきなのかというところの整理も、同時に必要なのかなと感じました。御報告の中で、例えば診療の観察期間というものをもうちょっと長めに取ると分布がこんなふうに変わるというようなこと、橋本先生の御報告にもそういうものがあったとは伺ったのですが、そもそも何を測るべきかという、そもそも論のレベルでの議論というものがあったとしたら教えていただきたいというのが質問の内容です。

○大久保委員
まず、私から今の御質問について回答させていただきます。そもそも何を測るかという議論はされませんでした。この検討会が、初めから診療間隔をどう取っていくのかというところから始まっていましたので、先生がおっしゃるように、本来であればそういったところからスタートすべきかもしれませんが、一応ワーキングでの課題としては診療間隔というところがありましたので、先生の御指摘されていることは今のところ議論されていませんが、2回目のワーキングがありますので、先生からこういった御意見があったことはお伝えして、場合によってはその議論をさせていただきたいと思います。以上です。

○西郷早稲田大学政治経済学術院教授
西郷ですが、御回答どうもありがとうございます。先ほど言いましたように、私は専門知識がない状態でしゃべっていますので、私が申し上げたことを議論すべきかどうかということまで含めて、次回の検討の際に御議論いただければと思います。どうもありがとうございます。

○加藤座長
ありがとうございます。津谷先生、どうぞ。

○津谷委員
一言申し上げます。これについてもワーキンググループで御検討いただくということで、これがワーキンググループのミッションのひとつとしてふさわしいかどうかということがあるかと思いますが、私も医療の専門家ではありませんので、純粋なる興味というか好奇心からお伺いします。現行方式の上限31日から91日と上限を約3倍にしたら、当然のことながら平均診療間隔や総患者数の推計値は、大きく上がるわけです。総患者数では約1.65倍ぐらいになるのではないかということが、先ほどの大久保先生の御説明にありましたが、これだけ大きな違いが出たときに、実際の厚生行政にどのようなインプリケーションがあるのでしょうか。どのような影響が政策実施上、そして社会全体にあるのかということについてお教えいただくと大変参考になります。よろしくお願いいたします。

○大久保委員
ありがとうございます。確かに、総患者数の指標を行政でどのような形で活用しているかという点については、直接受療率などと比べると、それほど行政上は余り使用されていないと報告を受けていますが、研究者の視点からいうと、いきなり患者数が1.6倍、1.7倍になるというのは、やはり過去のトレンドなどからいろいろなことを今まで研究してきた人にとってはすごく大きな変化になりますので、その辺は研究する上で十分注意しなければいけないかなと思っています。追加で事務局からいいですか。

○渡保健統計室長
事務局でございます。御質問ありがとうございます。最初に御説明を大久保先生からしていただいたとおり、政策上多く利用されているのは、推計患者数や受療率です。総患者数は、公衆衛生上ある疾患がどのくらい、というところで使われている部分があるというところですが、そもそも患者調査は、10月のある一日を基準にやっている調査ですので、元々そのような制約もある中で、患者数をどう捉えるかというのは、それぞれ使用者の方々がどういう調査がいいかということを研究して使われていると思っています。その中で、患者調査で表章する総患者数が今回大きく増えるというところなのですが、そこは丁寧に説明をしていきたいと思っています。あまりお答えになっていないかもしれませんが、以上です。

○津谷委員
津谷です。御説明ありがとうございます。少し付け加えさせていただきます。従来の現行方式である上限31日を91日にするということについて、これから更に検討されて決定されると思うのですが、その結果出てきた数値をどのように取り扱われるのでしょうか。先ほどから総患者数についてのお話が中心になっていますが、平均診療間隔も相当延びるのではないかと思います。いずれにしても、新しい推計方法を採用されることは必要かつ適切なことだと思いますが、統計の時系列性の維持を考えると、現行方式による推計値も示される必要があるのではないでしょうか。つまり、しばらくは旧方式と新方式の両方を用いた2つの情報を提示されるつもりはおありでしょうか。そうしていただければよいと個人的には思います。以上です。

○渡保健統計室長
事務局です。まず次回、令和2年の調査結果については、今回ワーキングのほうで決めていただいて、新しい推計方式でということになりましたら、そちらで集計するほかに、参考として従前の方式による集計も出すことを考えています。ただ、それをいつまでやるかについては、同じ総患者数なり平均診療間隔なりを名乗るものが2種類出ることがずっと続くというのはいかがかと考えているところもありますので、御意見を伺いながら考えていきたいと思っています。

○津谷委員
分かりました。結構だと思います。

○加藤座長
ありがとうございました。ほかに御意見や御質問はありますか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
議事4は御了解いただけたということで、続きまして、議事5の「患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループの要綱改正について」です。事務局より御説明をお願いいたします。

○奥垣統計企画調整室長
事務局でございます。資料4、患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループについてを御覧ください。先ほど大久保先生からも御説明がありましたように、本ワーキンググループに関しましては、令和3年3月まで、今年度いっぱいまでを検討期間として検討会に報告とすることとしていましたが、新型コロナウイルス等の関係のために若干遅れていますので、2にありますように、本ワーキンググループは令和4年3月までに検討を行い、検討結果を検討会に報告するということで、一年間後ろ倒しの形で要綱を改正させていただければと思っています。事務局からの説明は以上です。

○加藤座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について、御質問を含めて、委員の皆様、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは続きまして、議事6の「毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループの設置について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○瀧原統計管理官
雇用賃金福祉統計室統計管理官の瀧原と申します。資料5の「毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループの設置について」を御説明させていただきます。
まず、概要です。毎月勤労統計調査は、平成30年1月にローテーションサンプリングを導入いたしました。その後、平成31年1月に不適切事案の対応等をいたしまして、その対応等の中で随時見直し等を進めてきましたが、引き続き検討する課題があるということでございます。特に直近のものとしましては、令和4年1月分調査におきまして、毎月勤労統計調査の場合、調査結果を復元する母集団労働者数というのを推計しているのですが、毎月勤労統計の場合には、経済センサスが全数調査、悉皆調査ということで、日本国内において行っているものをベンチマークとして行いますので、これに基づいて更新することを予定しているのですが、今般、経済センサスの調査方法が若干例年と違っておりまして、そのことについての実際のベンチマークの方向を検討する必要があるということです。それに含めまして、毎月勤労統計は、昨今、統計委員会等でいろいろ取り上げられる中で、検討すべき課題を御指摘いただいておりますので、その他の課題等も含めて、専門的見地を頂く中で、厚生労働省としてしっかり検討していきたいと考えております。
その上で、本日のこの厚生労働統計の整備に関する検討会の下に、「毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループ」を設置させていただいて、見直し等を進めていきたいと考えております。これが、今般お諮りするものの詳細でございます。
※2の所ですが、実際に使うセンサスの問題ですと、令和元年の経済センサス基礎調査をベンチマークの1つとして使うのですが、これの調査期間が一時点ではなく、約数箇月にわたってやるということもありまして、そのような場合のベンチマークの母集団労働者数の捉え方というものも検討する必要があるというところです。
それから、※3にありますように、その他の課題については、この母集団労働者数の推計につきまして、こういうベンチマークの経済センサスを使いつつ、毎月の調査結果と雇用保険データなどを使って、母集団労働者数を毎月延ばしていくということで使っておりますが、その精度を少しなりとも高めていく方法を、より検討をしていきたいという課題もありますので、この辺りも検討していきたいと考えております。
具体的な検討内容についてです。ただいま申し上げましたベンチマーク方式の手法について、まずその検討を行った上で、その他の課題についても検討していきたいと考えております。
スケジュールとしましては、令和3年度に入りましてからワーキンググループを置く形にさせていただいて、2か月に1回程度の頻度で開催したいと思っております。繰り返しになりますが、ベンチマークの更新を行った上でその他の課題も検討していくということで、検討結果については、この整備に関する検討会、整備検のほうに御報告をさせていただきたいと思っております。
次の2枚目は、ワーキンググループの具体的な設置にかかるものです。これは、他のワーキンググループと同じような形式を取っております。1番の構成員については、これから検討させていただきたいと考えておりますので、メンバーについては今時点では検討中とさせていただきたいと思っております。
検討の期間ですが、当面は令和4年3月までに検討を行って、そのことを検討会に報告するとさせていただきたいと思っております。ただ、現実的には毎勤の検討課題については、いろいろ難しい課題等もあり、少し時間をかけてじっくり行う必要があるかと思っておりますので、令和4年3月以降も続けて検討していくことにできればと、今の時点では考えております。以上、私からの説明とさせていただきます。よろしく御審議をお願いいたします。

○加藤座長
ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして御質問を含め、委員の皆様、何かございますでしょうか。ミュートを解除して御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。
特に御意見等がないということかと思いますので、つきましては、毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループを置くことについては、了承とさせていただければと思います。また、ワーキンググループの構成員と主査については、参考資料にありますように、本検討会開催要綱に基づき、座長である私が指名させていただけるということでございます。今後、事務局とも相談して、人選を進めさせていただければと思います。どうもありがとうございました。
それでは最後に、議事7として「その他」となっておりますが、事務局から何かありますでしょうか。

○武藤参事官(企画調整担当)
事務局からは特段ございません。

○加藤座長
それでは、本日予定しておりました議題は以上となりますが、ここまで全体を通して御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

○廣松情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科客員教授
私も、西郷さんと同じオブザーバーという立場での発言で申し訳ないのですが、今日、国民生活基礎調査、それから患者調査に対して入念に御検討いただき感謝したいと思います。結論について異議はありません。ただ、全体を通じてちょっと気になったのは、このコロナ禍の状況下で、保健所経由の統計の収集というか、整備という点に関してどういう状況なのか、ちょっと教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○武藤参事官(企画調整担当)
廣松先生、どうもありがとうございます。おっしゃるとおり、保健所経由の統計調査に関しては、今回のコロナのようなことがありますと、保健所業務が大変忙しくなってまいりますので、その中で統計をどうしていくかというのは検討すべき課題だと私どもも認識しております。
一応、私どもとしましては、今ちょうど行っているところなのですが、内部で整理できることを一旦整理いたしまして、来年度以降については、主には自治体、保健所の関係者の方となると思いますが、関係者の皆様の意見も聞きながら、どういうことを考えていったらいいかというのを踏まえて考えていきたいと思っております。具体的にどうこうするということは今の段階ではなかなか申し上げられませんが、一応そのような段取りで考えている状況です。

○廣松情報セキュリティ大学院大学情報セキュリティ研究科客員教授
どうもありがとうございました。何とぞ、統計調査に尽大な影響が及ばないように、御努力いただければと思います。以上です。

○加藤座長
廣松先生、ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

○西郷早稲田大学政治経済学術院教授
すみません。先ほどの私の発言に関して、大久保先生に申し上げたことが、ちょっと私の表現が拙くて、うまく伝わっていなかったと思いました。私の質問の内容は、津谷先生の御質問の内容に近くて、母数、何を測るべきパラメータとすべきなのかといったときに、私は平均診療間隔以外のものまで含めて検討してくださいというふうに、多分先ほど申し上げた際にはそのように伝わってしまったと思うのですけれども、私が申し上げたかったのは、そういう広い問題ではなくて、津谷先生が御指摘になっていた「平均診療間隔」といったときに、今までは31日未満の人というのは含めていなかったけれども、それが含まれるような形で検討するようになった、それは、最初の説明では、31日よりも長い場合には初診とみなすべきだという考え方から、そういう整理が行われていたということなのですが、今の状況では必ずしもそういう区切り方というのは適切ではない、その適切ではないという判断が、対象とすべき母集団の定義の変更に当たるというふうに私には受け取れたので、先ほどのような質問をさせていただきました。
ですので、私の質問の内容は津谷先生がなさった質問に限りなく近く、平均診療間隔以外のものについてまで検討してほしいということを申し上げたわけではないので、その点だけ、先ほどの私の発言を訂正させていただきます。以上です。

○大久保委員
了解しました。ありがとうございます。

○加藤座長
西郷先生、ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。特に御発言がないようですので、それでは、ここまでとさせていただければと思います。本日の議題はここで終了となります。
それでは、事務局のほうへお返しいたします。よろしくお願いいたします。

○武藤参事官(企画調整担当)
皆様、本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。これをもちまして、第21回厚生労働統計の整備に関する検討会を閉会させていただきます。ありがとうございました。

(了)

照会先

政策統括官付参事官付統計企画調整室

電話:03-5253-1111(内線7373)

発信元サイトへ