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労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

日時

令和3年3月24日(水) 13:00~15:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール15E
(東京都千代田区内幸町1-3-1)

出席者

専門家委員
岩城穣委員、戎野淑子委員、川人博委員、木下潮音委員、黒田兼一委員、堤明純委員、中窪裕也委員、宮本俊明委員
当事者代表委員
工藤祥子委員、髙橋幸美委員、寺西笑子委員、渡辺しのぶ委員
労働者代表委員
仁平章委員、則松佳子委員、八野正一委員
使用者代表委員
佐久間一浩委員、鈴木重也委員、湊元良明委員、山鼻恵子委員

議題

(1)過労死等の防止のための対策に関する大綱(素案)について
 

議事

議事内容
○中窪会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第19回「過労死等防止対策推進協議会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多用中のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
なお、本日は、御都合により、北野委員が御欠席でございます。
また、八野委員におかれましては、所用により、14時半に退出されるということを伺っております。
本日も、新型コロナウイルス感染症対策として、座席の間隔を空けさせていただいております。また、一部の委員については、オンラインで参加いただいております。オンラインで御参加いただいている委員におかれましては、もし何かありました場合にはチャット機能で事務局に御連絡をいただければと思います。
それでは、カメラの撮影につきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○中窪会長 本日は、会場にお越しの委員につきましてはタブレット、オンライン参加の委員につきましては事前にお送りした資料により、御議論いただくこととしております。タブレットの操作が分からない場合には、随時職員をお呼びください。
それでは、お手元の議事次第に沿って進めてまいります。
本日の議題は、1つでありまして、「過労死等の防止のための対策に関する大綱(素案)について」でございます。
前回の協議会において、今後の過労死等防止対策についてそれぞれの立場から様々な御意見を賜りました。また、後で意見書も幾つかいただいております。その中で、新型コロナウイルス感染症への対応や働き方の変化などの状況を踏まえ、過労死等防止対策の課題や施策を盛り込んでいき、大綱における数値目標の内容等についても様々な御意見をいただいたところでありますが、少なくとも、この大綱について基本的な枠組みは維持することを前提にそれを発展していく形で見直しを行っていくという方向性については、認識が共有化されたところでございます。
本日は、事務局において過労死等の防止のための対策に関する大綱の見直し案の骨子とそれを肉づけした素案を準備していただきましたので、事務局から御説明いただいて、その後、議論の時間を設けたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いします。
○小島企画官 厚生労働省、小島と申します。
お手元の資料に沿いまして、説明申し上げます。通し番号のページ数でお示しいたします。
7ページを御覧ください。資料2「過労死等の防止のための対策に関する大綱新旧対照表」、大綱の素案です。これまでの協議会における各委員からの御意見や御助言並びに委員から提出されました意見書の内容等を踏まえまして、関係省を含め、各担当課との調整の上、全体を整理しております。現行の大綱を右側、大綱の見直しの素案につきまして左側としまして、新旧対照表の形で示しており、修正箇所は赤字で表記しています。主な修正点を説明申し上げます。「第1 はじめに」の「1 これまでの取組」から、8ページの「2 現状と課題」、9ページ、10ページ、11ページ、12ページ、13ページの「ウ.地方公務員の公務災害の状況」までは、時点修正や各調査等の最新の数値で整理しているものでございますので、説明は割愛させていただきます。
14ページ、「(8)課題」となります。14ページから15ページにかけまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、医療従事者等の一部で過重労働が明らかになっていること、相談窓口には職場の人間関係の悪化あるいは雇用や収入面の不安などの相談が寄せられていること、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の働き方としてテレワークや副業・兼業やフリーランス等の多様な働き方における労働環境の状況を把握する必要があること、DX、IoT、AI等の先端技術の進展に伴う影響にも目を向ける必要があること、新型コロナウイルス感染症の対応や働き方の変化による過労死等の発生を防止する必要があること、このような課題を整理しております。
16ページになります。職場でのハラスメント防止に向けた取組について、いわゆるカスタマーハラスメントに関する取組を行うことが望ましいこと、また、企業の規模にかかわらず過労死等防止対策が実施されるよう取組を進める必要があることを追記しています。続きまして、「第2 過労死等の防止のための対策の基本的考え方」です。これまでの6年間の調査研究が一巡したことから、その結果等を踏まえて、PDCAサイクルを通じて、調査研究、啓発、相談体制、民間団体の活動支援、及び、労働行政機関等における対策に反映させて、今後3年間における過労死等防止対策を着実に推進させることが必要であることを追記しております。
17ページ、「1 調査研究の基本的考え方」でございます。中段になります。新型コロナウイルス感染症の影響下における労働時間等の状況把握、テレワーク等のオンライン活用における影響、先端技術の進展に伴う影響にも目を向けて対応する必要があることを追記しております。
18ページ、上段になります。ここでは、音楽や映画、演劇等の芸術・芸能分野を例示しておりますが、長時間労働の実態があるとの指摘がある業態等につきましては調査研究の対象に追加していく必要があるといったことを整理しております。「2 啓発の基本的考え方」、「(1)国民に対する啓発」でございます。啓発活動につきましては、講演会やセミナー、シンポジウムへの参加促進、また、各種メディアやSNS等を利用して広く周知が必要であるといったことを追記しております。
19ページ、「(2)教育活動を通じた啓発」です。より多くの学生・生徒が過労死等の労働問題等の重要性について理解を深めることができるよう、具体的な改善策を講じていくことが必要であることを追記しております。
20ページの上段になります。「(3)職場の関係者に対する啓発」、過労死等を発生させた事業場に対しては監督指導等を実施し、当該疾病の原因究明、再発防止対策の徹底を指導することを追記しております。「3 相談体制の整備等の基本的考え方」としまして、20ページの下段になりますが、令和2年版白書において、精神障害の発病から短期間で自殺につながった事案が多いと報告がされていることから、適切に相談体制をつなぐこととしまして、21ページの上段になりますが、特に相談体制の整備が求められる小規模事業場の相談支援を行う地域産業保健センター等の充実・強化、あるいは、同センターを広く周知することが必要であることを整理しております。中段には、遺児たちの健全な成長をサポートするために必要な相談対応が必要であることを追記しています。
22ページ、「第3 過労死等防止対策の数値目標」につきましては、一時的に削除しておりますが、第5に移動しております。後ほど御説明申し上げます。
23ページ、「第3 国が取り組む重点対策」、大企業に比べて取組が進んでいないとされます中小規模の事業場の取組を向上させるため必要な支援等を実施することや、取り組むべき対策については調査研究等の成果等を踏まえPDCAサイクルを通じて検討を実施していくことを整理しております。「1 労働行政機関等における対策」です。国家公務員並びに地方公務員につきましては、これまで過労死等防止対策の書きぶりが若干弱いのではないかという御意見がありましたので、23ページの「(1)長時間労働の削減に向けた取組の徹底」、24ページの「(2)過重労働による健康障害の防止対策」、25ページの「(3)メンタルヘルス対策・ハラスメント防止対策」のそれぞれの取組について整理させていただきました。
26ページ、「2 調査研究等」。
27ページ、「(4)過労死等防止対策支援ツールの開発等」です。過労死等の事案の分析、疫学研究等、これまでの研究成果を基に、事業場における過労死等防止対策の定着を支援するツールの開発等のための研究を行うことを追記しています。
28ページ、「3 啓発」。
29ページ、「(3)長時間労働の削減のための周知・啓発の実施」です。中段になります。36協定の締結当事者の要件についての周知・啓発や、時間外労働の限度を超える時間外労働等が可能な場合においても労働者の健康及び福祉を確保する措置の実施あるいは時間外・休日労働時間の短縮について指導を行うことを追記しています。
30ページ、「(5)勤務間インターバル制度の導入促進」です。勤務間インターバル制度について、導入・運用マニュアルの周知を行うことや、導入に当たっては職種・業種等の特性を踏まえた効果的な取組の推進が必要であることに留意することを追記しております。
31ページ、「(7)メンタルヘルス対策に関する周知・啓発の実施」です。ストレスチェック制度の効果検証を実施することを追記しています。
32ページになります。「(8)職場のハラスメントの予防・解決のための周知・啓発の実施」でございます。事業場指導の際に厚生労働省で作成したハラスメント防止対策パンフレットを活用すること、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め集中的な周知・啓発を行うこと、いわゆるカスタマーハラスメント対策としてカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを策定し周知を行うこと、テレワーク等のオンラインを利用した場合におけるハラスメントについても留意する必要があること、実態調査結果を参考に必要なハラスメント防止対策の推進を図ることを追記しています。
33ページ、「(9)ウィズコロナ・ポストコロナの時代におけるテレワーク等の新しい働き方への対応」です。テレワークにつきましては、ガイドラインやチェックリストの周知、メンタルヘルス対策の手引き等の作成、導入にかかる経費助成等の支援を推進すること、副業・兼業につきましては、ガイドラインの周知、取り組む企業に対する助成金等の支援を推進すること、フリーランスにつきましては、関係省庁で策定するガイドラインを周知することなどを追記しております。「(10)商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進」でございます。国や地方公共団体等の行政機関との取引の中には長時間労働につながっている場合もあるという声を踏まえまして、中小企業者に関する国等の契約の基本方針の内容について遵守徹底を図ることを追記しています。
34ページ、業種等の各分野においては、法改正や各対策による取組を推進しているところでございますが、「ア.トラック運送業」につきましては、ポータルサイト等による各種ガイドラインの情報発信を行い取組の浸透を図ること、「イ.教職員」につきましては、改正給特法等に基づき学校における働き方改革の様々な取組を推進すること。
35ページ、「ウ.医療従事者」につきましては、検討会における中間取りまとめも踏まえ、労働時間短縮及び健康確保対策の適切な実施に向けた取組を進めていくことを記載しております。なお、現在、医療法改正法案が国会で審議中のため、今後の審議状況を踏まえまして内容を整理することとしております。
36ページ、「エ.情報通信業」は、対象地域を選定した上で、関係者の協議により取引環境の改善を推進するモデルを形成し、他地域への普及・促進を図ることとしております。
37ページ、「オ.建設業」につきましては、ガイドラインや工期に関する基準の周知に取り組むこととしております。
38ページ、「カ.その他」、メディア業界につきましては、若年労働者の職場環境の整備をしていくための取組を推進する必要があることを記載しております。「(11)若年労働者、高年齢労働者、障害者である労働者等への取組の推進」です。
39ページ、「ア.若年労働者への取組」としまして、若年労働者の過労死等の防止のためには、企業文化や職場風土を見直していく企業側の取組も重要でありますことから、シンポジウムや事業主・労務担当者等も対象とした過重労働防止対策に関するセミナーを開催すること、また、事業場と労働者の家族が連携した若年労働者に対するメンタルヘルスケアの取組事例等の周知を行うことを追記しています。
40ページでございます。「(12)公務員に対する周知・啓発等の実施」、地方公務員につきましては、適切な勤務時間管理、時間外勤務の上限規制制度の適正な運用を徹底すること、また、地方公共団体における取組の好事例等の情報提供を行うことを追記しております。「4 相談体制の整備等」、「(1)労働条件や健康管理等に関する相談窓口の設置」です。労働条件や健康管理等に関する相談につきまして、新型コロナ感染症に関する相談状況にも留意しつつ、SNS等を活用した相談体制の整備を図ること、ハラスメント悩み相談室において労働者等からの相談対応を行うこと、また、フリーランス向けにワンストップの相談窓口の整備を図ることを追記しています。
41ページ、「(4)公務員に対する相談体制の整備等」です。こちらは、地方公務員のメンタルヘルス等の相談につきまして、災害等の非常事態時における一層の活用のほか、関係団体が実施する各種相談事業の活用を働きかけることを追記しております。「(5)過労死の遺族・遺児のための相談対応」としまして、過労死遺児の健全な成長をサポートするために必要な相談対応を行うことを追記しています。
42ページ、「第4 国以外の主体が取り組む重点対策」。
44ページ、「2 事業主等」、ハラスメントに関する法整備により、事業主は職場におけるハラスメントについて雇用管理上必要な措置を講じなければならないことが義務化されていることにつきまして追記しております。
45ページになります。「第5 過労死等防止対策の数値目標」としまして、こちらに移動しておりますが、第1から第4までに掲げられた過労死等防止対策等の趣旨を踏まえまして、将来的に過労死ゼロを目指し、それぞれの機関が取り組む重点対策と密接に関係づける整理としてこの位置に移動しております。なお、修正箇所がこれでは分かりづらいので、後ほど資料1により御説明申し上げます。
46ページ、「第6 推進上の留意事項」に関しましては、変更点はございません。
資料のページが戻って恐縮ですが、1ページ、資料1を御覧ください。「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の見直し案の骨子です。こちらは、これまで説明した大綱見直し案の骨子となりまして、ウィズコロナ・ポストコロナの働き方への対応や先端技術の進展による影響等の課題を整理し、過労死等防止対策を推進するためのポイントをまとめているものです。
2ページになります。数値目標の見直した点です。修正点は、赤字で表記しています。1、労働時間につきましては、令和2年度までに週労働時間40時間以上の雇用者のうち週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%未満とするとしております。特に長時間労働が懸念されますいわゆる正社員につきまして労働時間の削減の取組が推進されるよう、ここに重点を置くこととして修正しております。2の勤務間インターバル制度につきましては、(1)制度を知らなかった企業割合を令和7年度までに5%未満とする、(2)令和7年度までに勤務間インターバル制度を導入している企業割合を15%以上とすると修正しております。なお、効果的に制度導入を進めるために、「特に、勤務間インターバル制度の導入率が低い中小企業への導入に向けた取組を推進する」という文言を追記しております。3、令和7年度までに年次有給休暇の取得率を70%以上にするということで、ここはパーセンテージとしては現状維持としております。メンタルヘルス対策関係の数値目標、4~6におきましては、備考欄にも書いてありますとおり、第13次労働災害防止計画に位置づけられている目標であるため、現時点では現状維持としまして、第14次労働災害防止計画において新たな数値目標が設定された場合には、その目標の達成に向けた取組を推進することとしております。
大綱の見直し素案に関する説明は、以上となります。
どうぞよろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、大綱見直し案全体について御意見をいただきたいと思いますが、その際には、見直し案のこの部分の記載をこのように修正または追記したほうがいいと具体的なお考えをお示しいただければありがたく思います。
皆様の御意見をお願いしたいのですが、八野委員が途中退室されるということですので、最初に八野委員からお願いしたいと思います。
○八野委員 御配慮いただきまして、ありがとうございます。
労働側、UAゼンセンの八野と申します。よろしくお願いいたします。
まず、現行の大綱に基づき様々な取組は進められてきましたが、過労死等は高止まりの状態にあり、法の理念である「過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現」を目指すためには、新しい大綱ができてからの3年間が非常に重要な時期であるという現状認識を、協議会の委員全員で統一して持つことができれば、と思っています。
その上で、具体的な意見を述べたいと思います。
資料2、33ページで、3点申し上げます。
「(9)ウィズコロナ・ポストコロナの時代におけるテレワーク等の新しい働き方への対応」でございますが、フリーランスへの取組としてガイドラインの周知の記載がありますけれども、現在策定中のガイドラインは従来の経済または労働法の適用関係を整理したものにすぎないという認識を持っています。このガイドラインだけでは、多くのフリーランスをはじめとする曖昧な雇用で働く者が、適切な保護が受けられていない現状の改善にはなりません。前回の協議会でも、そういった保護を受けられない曖昧な雇用で働く者をどう守っていくのかという趣旨での発言が多くの委員から出たと理解しています。そうした観点からすると、ガイドラインの周知と今まで行われてきた調査研究の実施だけでは、前回の委員からの意見を反映した内容としては不足しているのではないかと捉えております。
次に、テレワークや副業・兼業などの柔軟な働き方について、労働者からのニーズがある一方で、連合が実施した調査などによりますと、どうしても長時間労働になりやすいという課題があります。したがって、テレワークや副業・兼業などといった柔軟な働き方においては、長時間労働になりやすいおそれがあることから、事業主による労働時間等の把握・管理を徹底することが必要である旨を記載すべきであると考えております。
次に、同じページの「(10)商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進」でございます。国や地方公共団体等の行政機関との取引の中における長時間労働の課題について、対策が中小企業に限った記載となっておりますが、私どもが聞いているところでは、大企業においても同様の課題があるとのことでございますので、大企業も含めた課題として記載すべきであろうと考えております。
次に、32ページ、カスタマーハラスメント関連について、意見を述べたいと思います。
遺族の方々、弁護士の先生などから、カスタマーハラスメントについての御意見を出していただいたことに、感謝を申し上げたいと思います。ここで注意して頂きたいのは、サービス産業として、クレームがいけないと言っているのではありません。例えば、サービスや商品に対するクレームは、当該企業が、よりよい商品、より新しいサービスの提供へと生かすることができます。ここで言っているのは、悪質なクレームが非常に多くなってきているということでございます。介護現場、または、ドラッグストアや食品スーパーを含めた小売業など、対顧客業務を行っているサービス産業全体に言えることでございます。例えば、UAゼンセンが実施した調査によると、「直近2年間であなたは迷惑行為の被害に遭ったことがありますか」という質問に対し、約6割超が被害を受けたと回答しています。今回、新型コロナウイルス感染症拡大下ではどうだったかというと、この短期間の間に、4割の方が被害を受けているということでございます。企業における、迷惑行為への対策の実施状況については、特に対策がなされていないところが45%、マニュアルの整備においては26%しかまだできていない状況です。また、迷惑行為への対応に関する教育は18%、被害者のケアについては8.1%の企業でしか行われていないという実態が私どもの調査で出明らかになっています。そうしますと、16ページに、顧客からの著しい迷惑行為に関しても取り組むことが「望ましい」となっておりますが、これは取り組むことが「必要である」ということになると思います。また、32ページの中段、「さらに」から4行ほどの記載について、厚生労働省においても、企業向けのカスタマーハラスメント対策マニュアルを来年度策定し、周知に取り組むことになると聞いております。そうした取り組みの実施とともに、事業主は、労働者への安全配慮義務の視点から、カスタマーハラスメントに対する企業の姿勢を明確にし、企業として対応することが必要であるということを加筆すべきではないかと思います。なお、この下段部分に、「加えて」ということでILO190号条約に関する記述がありますが、190号条約にはカスタマーハラスメントも含まれています。そういった視点から考えると、顧客等に直接対応するサービス産業に従事する労働者の命と健康を守る観点から、カスタマーハラスメントへの対応の判断基準を示すための具体的な検討が必要であることを、より踏み込んで書いていただきたいと思っております。
以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
ほかの委員の方から、御意見はいかがでしょうか。
岩城委員、お願いいたします。
○岩城委員
今回、大綱素案をまとめていただいて、大変ありがたく思っております。
本日、委員提出資料4として配付されておりますが、遺族委員4人と、川人、黒田、私の7人の連名で、2021年3月1日付で意見書を提出させていただいたところ、短期間であったにもかかわらず、よく御検討いただき、相当部分を今回の大綱素案に取り入れていただいたということで、最初に厚く御礼を申し上げたいと思います。これ以外に、黒田委員、遺族委員、川人委員からも意見書や資料が出ておりますが、これらをまとめる形でこの7人の意見書をお出ししております。
その上で、私から以下の2点について意見と要望を申し上げます。
1点目は、前回の協議会でも申し上げた、昨年来のコロナ禍もあって急速に広がりつつあるリモートワーク(テレワーク)、ダブルワーク(副業・兼業)、形式上雇用によらない働き方による過労死等の防止という点であります。コロナ禍自体もあと数年続くと言われておりますし、たとえ終息したとしても、もともとこれらは政府が推奨してきた政策でもあるので、今後も広がっていくものと思われます。これらの働き方の最大の問題は、先ほど八野委員もおっしゃられましたが、労働時間管理が極めて不十分で長時間労働をもたらしがちだということであります。リモートワークは深夜や休日まで働いても正しい労働時間を申告しにくい。ダブルワークでは、複数の事業場で働くため、労働時間の合計が容易に過労死ラインを超えてしまう。形式上雇用によらない働き方では、仕事を断れない、期限に間に合わせる必要がある、低賃金・低報酬ゆえに生活のために無理をせざるを得ないといった事情で労働時間が長時間化し、過労死、精神障害、自殺が増えていく。また、過労死等が起こっても労働時間の立証が難しいために労災認定がなされない、雇用によらない働き方の場合はそもそも労災補償さえ受けられないといったことが考えられます。そこで、これらの新しい働き方による過労死等の防止を大綱全体を貫く柱の一つとして位置づけ、労働行政機関の取組、調査研究、啓発、相談体制の整備の全てにわたって、これらの働き方も対象に加えていくことが必要ではないかと思います。その点、今回の素案では、第1の2、「(8)課題」で、これらの多様な働き方における労働環境の状況把握の必要があるとされ、また、第2の「1 調査研究等の基本的考え方」、第3の3の「(8)職場のハラスメントの予防・解決のための周知・啓発の実施」、同じく「(9)ウィズコロナ・ポストコロナの時代におけるテレワーク等の新しい働き方への対応」、第3の「4 相談体制の整備等」の中でフリーランス向けのワンストップの相談窓口の整備等の記述がなされております。これらは大変歓迎するところですが、これ以外にも、例えば、第3の1の「(1)長時間労働の削減に向けた取組の徹底」の中でもこれらの働き方に応じた労働時間の適正把握について言及する、また、第3の2の「(3)過労死等の労働・社会分野の調査・分析」の中でもこれらの働き方による労働時間やストレスの実態についての情報の収集と分析を行うといった記述の追加が必要ではないかと思います。
2点目に、4つの過労死等の防止対策の検証とフィードバック、各対策間の相互補完、労働行政機関による対策への反映という点であります。この点は、私どもの7人意見書、本日提出資料4の121ページで申し上げたことを今回の素案の16ページで取り入れていただいておりますが、要は、労働行政機関による対策や、調査研究、啓発、相談体制の整備を、「漫然と」と言ってはあれですけれども、ばらばらに行っていくのではなく、それぞれの対策の実効性や成果を検証してフィードバックしていくこと、及び、各対策間で他の対策で得られた成果を取り入れて補完し合っていくことが重要ではないかということであります。例えば、(1)令和2年度版白書において、調査研究の結果、精神障害の発病から短期間で自殺に至った事案が多かったことが判明したということで、このことが今回の素案の20ページから21ページに記載されていますけれども、これを速やかに職場の関係者に対する啓発や相談体制の整備や、労働行政機関における過重労働による健康障害の防止対策に生かしていくことが必要ではないかと思います。また、(2)今、各種の電話やメールでの相談への対応が厚生労働省でなされておりますけれども、それらの相談の傾向を分析して調査研究の取組に生かしていくことも必要ではないかと思います。(3)更に、長時間労働による過労死を出したりハラスメントによる自殺者を出したりした企業の経営幹部や人事・労務担当者に、過労死等防止対策シンポジウムへの参加や過労死遺族・弁護士による企業内研修を行うように指導することも重要です。毎回たくさん企業の関係者の方に全国のシンポジウムに来ていただいておりますが、肝腎の過労死やハラスメントによる自殺者などを出したところがどれだけ来ているのかということであります。そういった点で、そういったところにはシンポジウムやそういった研修に参加してもらうという形で有機的に連携をしていけないかということであります。
このような連携については、もちろんこの協議会もそのような場ですし、3年に1回の大綱の改定自身がそういう場なのですけれども、日常的に、この4つの防止対策、労働行政機関の対策が有機的に連携をしていくことが必要ではないかということであります。このように、それぞれの過労死防止対策を深化・発展させていくと同時に、各対策間で相互に活用・補完し合うことを追求していくことによって、全体としての過労死防止対策を総合的・効果的に進めていくことが重要だと考える次第であります。
以上です。
ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
そのほかの委員から、御意見はいかがでしょうか。
寺西委員、お願いいたします。
○寺西委員 過労死家族会の寺西です。
当てていただいて、ありがとうございます。
また、新大綱の素案に私たちの要望を反映していただいて、誠にありがとうございます。
私から、4点の意見を述べます。
1点目は、数値目標について、この数値目標達成の目的は将来的に過労死をゼロにすることを目指すためという大変重要な数値目標であるため、これまで達成していないということで、これまでの課題を分析するために、例えば、対策のロードマップのようなものを作成して、着実に到達できるように取組を強化していただきたいと思います。特にインターバル制度の導入については、拘束時間の長い仕事、また、残業が常態化している職場、交代制や不規則勤務の業種の職場は導入が必要と考えますので、これまでの調査研究のデータを対策に生かしていただきたいと思っております。また、数値目標の項目や独自に過労死防止策を積極的に取り組んでいる事業場があれば、例えば、全ての6項目の取組をされているところはポイント的に何か反映したり、過労死防止宣言とか、そうした方法を取ってみてはいかがでしょうか。
2点目は、啓発について、19ページの「(3)職場の関係者に対する啓発」です。岩城先生も先ほどおっしゃったので少し重複しますが、過労死等の被災者を出した企業の事業主、経営幹部、管理者、労働組合、また、労働者などへ、遺族が登壇するセミナーの開催をしていただきたい、または、11月の啓発シンポジウムに参加することを義務づけていただきたいです。もしかすると労働局や労基署の啓発セミナーを実施されているかもしれませんが、私どもは、過労死等を二度と繰り返さないためにも、遺族や被災当事者の生の声を心で受け止めていただく機会を求めています。
3点目は、資料2の44ページ、「(1)経営者幹部等の取組」です。委員提出資料4、通し番号129で私どもの要望を書いていますが、「(1)経営幹部等の取組」の最初の記述として、「多くの過労死・過労疾病の裁判例においては、法人として安全配慮義務違反・不法行為が指摘されているだけでなく、法人の役員・管理職・上司などの個人責任も認定されている。企業の最高責任者や経営幹部は、このことを十分に認識し」、「このうちハラスメントについては、厚労省の調査によれば、パワハラを受けたと感じた者のうち約4割が「何もしなかった」と答え、その理由として最も多いのが「何をしても解決にならないと思ったから」、「職務上不利益が生じると思ったから」と答えていることを十分に踏まえることが重要である」ということです。本文の4行目が入りまして、その後に、「さらに、過労死等が発生した場合には、当該労働者やその遺族らに対し、過労死等の発生に至った経緯や労働時間等について誠実に説明するとともに、その原因の究明、再発防止対策の徹底に取り組む」ということで、また3行の本文が続きますが、その「徹底に努める」の後に「事業場でこの情報を共有すること」の記述を盛り込んでいただくことを望みます。
最後に、今後について、私たちはかけがえのない大切な家族を働き過ぎで亡くしました。その経験から学んだ教訓を過労死防止に生かしたいと思って意見を述べています。毎日過労死が発生しているところです。今にも倒れそうな労働者も大勢います。その人たちの命を守るためにも、時間がありません。待ったなしの喫緊の対策が必要と考えます。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ、この早期の実現に向けて、国を挙げて本気を出していただきたいと思っています。また、外国人労働者が多数雇用されていることで、その中で過労死等を被災されていることもニュースで伺っています。そのためにも、私からの問題提起として、労働時間に関するILO条約に批准すること。労働者保護に関わる重要な条約が多くありますが、日本は批准しているものが本当に少ないです。この新大綱の素案の中にも190号のハラスメント条約などが未批准であるとありますので、先進国として批准するよう求めます。36協定の特別条項があるために、ダブルスタンダードになって、間違った使い方をされている企業が多くあります。また、労働者もあまりそこは理解していない人たちも多いのです。こうしたことを、今後の大きな問題として私から問題提起をさせていただきました。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
工藤委員、お願いいたします。
○工藤委員 ありがとうございます。
このたび、大綱案を拝読させていただきまして、7人の委員の意見書からたくさん取り入れていただきまして、ありがとうございます。
また、国家・地方公務員に関する記述も大変多くなっていることに心より御礼を申し上げます。
さらに防止対策を進めるために、意見を2点述べさせていただきたいと思います。
まず、1点目ですが、大綱には防止対策に大変重要な数値目標として6点挙げられておりまして、いずれも毎年のその目標ごとの進捗状況が発表されていますけれども、ここに国家・地方公務員の数値目標と統計がありません。私どもがシンポジウムで参加した一般の方などから公務員の統計がないことを指摘されることとかもありますし、逆に、過労死等防止対策には労災事案だけが対象なのかと思われる方もいらっしゃることも事実です。統計がないものもあるかもしれませんが、各省庁や地方公共団体で、勤務実態調査、在庁時間の調査、ストレスチェックの実施状況の調査、有給取得率の調査なども行われているかと思いますし、報道でも長時間労働の数字なども出ておりますので、ぜひその統計を進捗状況に反映させて、きちんと大綱に数値目標を出していただきたいと思います。また、統計がないものに関しても、例えば、ここに書かれている6点はいずれも過労死等を防止するために大変重要なもので、特に勤務間インターバル制度は長時間労働を抑制して過労死等防止のために大変重要で、この協議会でも毎回議論されていますが、これを知っている公務員の方は民間労働者の方よりもとても少ないと思います。ぜひ国家・地方公務員にも周知・啓発をしていただくとともに、統計に数値目標を設定して載せていただきたいと思います。そういうことを進めるのが過労死等防止対策推進法の下では大変重要なことで、公務員の過労死等の防止の意識も高まって対策も進むのではないかと考えております。
もう一点、公務員に関する相談体制の整備等について、93ページを読んで、公務員にもたくさん整備がされているということが分かりました。しかし、特に私が相談を多く受ける末端の役所の職員の方や教職員の方は、これだけの相談窓口があることを御存じなくて悩んでいらっしゃる方がたくさんいます。もし相談を気軽にできていれば助かる命やメンタルがたくさんありますので、末端まで行き届くような、例えば、相談窓口の一覧表を作成して配布したり提示したりなど、具体的に目に見える形で周知・啓発をぜひ進めていただきたいと思います。
以上になります。
ありがとうございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
高橋委員、お願いいたします。
○高橋委員 ありがとうございます。
高橋幸美です。
私は、過労自殺に追い込まれた新入社員の親として意見を述べさせていただきます。
1つ目は、30ページ、勤務間インターバル制度の導入の重要性についてです。この会議でも度々皆さんが口をそろえておっしゃっておりますが、娘は広告代理店に入社してわずか9か月で亡くなりました。毎週納期の水曜日の前日には朝4時まで仕事をした後、普通に9時に出勤しました。53時間連続勤務の後、8時間後に出勤していました。7日間連続深夜勤務もありました。最低でも11時間の勤務間インターバル制度が導入され、守られていたら、娘は助かったのではないかと私は思います。私たちが出した意見書では、大企業・公務員のインターバル導入の目標を100%、中小企業を50%としましたが、過労死・過労自殺の多くの事例で長時間労働の連続勤務が行われています。重点業務になっている、運送業、教職員、医療従事者、IT業界、建設業、メディア業界にこそ、過労死のみならず、対策として、交通事故、医療事故、労災事故を防ぐためにも、インターバル制度の導入が必要であると考えます。また、長時間労働が原因で過労死を出した事業場にこそ再発防止のためにインターバル制度導入の義務化を講じてもらいたいと思います。この2つを大綱へ反映していただけたらと思います。
2つ目は、38ページの若年労働者への取組についてです。改定案には、長時間労働を是認するような企業文化や職場風土を見直していく企業側の取組が重要であり、事業主に向けてシンポジウムやセミナーを開催するなどの記載を設けてくださっており、これは大変ありがたいことだと思っております。若年労働者への特別な配慮は本当に重要です。白書では、メディア業界では精神障害事案の多くが若い人の事例であると報告があります。先日も、大手メーカーで新入社員の過労自殺が報告されました。この会社では、2016年にも新入社員の自殺があり、数年間で5人の自殺者を出しています。別のメーカーでも、働き方改革施行後の2019年、システムエンジニアの若者が業務が集中して亡くなっています。若い人が長時間労働やハラスメントで亡くなっていること、同じ企業で労基法違反や過労死を繰り返していることに対して、危機感を持って、過労死を出した企業に対して、指導の強化、労基署での再発防止の講習を行うなど、対策を講じる必要があると思います。これらも大綱に反映させていただければと思います。
3つ目は、44ページの労働組合についてです。娘も、労働組合に入っていたのです。組合は長時間労働やハラスメントの相談やサポートを重点に掲げておりましたが、残念ながら娘は亡くなってしまいました。労働組合は本来組合員や社会から過労死防止においても期待される役割にもかかわらず、役割が果たされず、過労死が繰り返されている現状があります。どうか組合員を過労死から守る取組を今後さらに行っていくことをお願いいたします。不幸にも病気や死亡に至った場合には、労災の調査や申請に協力するなど労働者や遺族に寄り添っていただくようお願いするとともに、大綱にも踏み込んだ記載をお願いしたいと思います。
最後に、先日、自殺事案の半数が発病から死亡までの日数が29日以下であるというショッキングな報告がありました。先ほど何人かの委員の方もおっしゃいましたが、このことを、相談対策の箇所だけではなく、冒頭の「2 現状と課題」に記載していただきたいと思います。娘も、業務の急激な増加から亡くなるまで3か月もありませんでした。本当に病気になってしまったら、相談に行く間もなく、自分も気づかないうちに死亡に至ってしまうのです。娘の事例は5年前の第7回の協議会で川人先生や寺西さんから意見をしてくださっていますが、その後の取組では現在まで過労死を防止できていないということです。私が強調したいのは、労働環境の改善が急務であるということです。数値目標の設定も低過ぎると思います。労基法や防止法に触れるために大綱に対策が反映できないならば、今後、法改正も視野に入れて過労死防止の具体策を講じていただきたいと思います。
私からは、以上です。
ありがとうございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 東京過労死を考える家族の会の渡辺と申します。
御指名いただきまして、ありがとうございます。
私たちが出しました意見書について、今回の素案で大分取り入れていただいておりまして、本当にありがとうございます。私たちは大事な人を過労死で亡くしたという経験の中でこの意見を出しておりますので、ぜひ反映させていただきたいと思います。
特に私は全国の過労死で親を亡くした遺児の交流会を担当しておりまして、交流会についても、国で子供たちの心のケアがとても大事だという認識を持っていただいておりまして、今年度につきましても、コロナの中で開催が危ぶまれる中、何とかしてやってあげたいという思いで、最後の最後まで企画をしていただいたことに本当に感謝をしております。残念ながら今年度は緊急事態宣言が出てしまいまして開催することはできませんでしたけれども、皆さんの温かいお気持ちは本当にありがたく思います。
もう一つ、遺児交流会とは別に、子供たち、親たちの支援のために相談体制を整えてほしいという意見を出させていただいたのですけれども、それについても素案に入れていただきまして、本当にありがとうございます。未来を担う子供たちの心のケアについて、多くの皆さんに関心を持っていただくこと、国で支援をしていただくことは、この国の将来にもつながっていくと思います。本当にありがとうございました。
私からは、細かいことで何点かお願いしたいと思います。
まず、今回の資料の12ページ、「ア.労災補償の状況」の上から3行目で、脳・心臓疾患の申請件数が「700件台後半から900件台前半で推移しており」とあるのですけれども、過去、平成26年からは増加しております。その前はもう少し高いところがあったので「推移」しているという表現でもよかったと思うのですけれども、今回は平成30年からの改正になりますので、「推移」しているというよりは「増加」という表現にしていただけると、過労死の申請者が増えていることが分かると思いますので、可能でしたらよろしくお願いいたします。
16ページ、赤いところで、上から10行目辺りなのですけれども、先ほどUAゼンセンの八野委員からも出ておりましたが、カスタマーハラスメントのことです。「顧客等からの著しい迷惑行為に関しても取組を行うことが望ましい」とありますが、私どもの会員でも、ひどいハラスメントを受けてメンタル疾患になってしまって、その後、職場復帰ができないでいらっしゃる方がいます。そういう実態もありますので、「望ましい」というよりも「必要である」という記述にしていただいて、皆さんにこの問題について強い思いを持っていただけるようになることを期待しております。
20ページ、赤いところなのですけれども、「また、過労死等を発生させた事業場に対しては監督指導等を実施し、当該疾病の原因究明、再発防止対策の徹底を指導するとともに」とありますが、指導はもちろんしていただきたいのとともに、過労死が出たことを周知させていただきたいという希望があります。私の夫も過労死したのですけれども、夫の同じ部署で働いていた人たちでさえ、私が労災申請をしてそれが認定されたことを御存じありませんでした。企業では、亡くなったことは隠しようがないので皆さんにも分かるのですけれども、それが過労死かどうかというところを同じ職場の人にも知らせないという実態もあります。過労死が出る職場は問題がある職場です。同じ職場で働いている人たち、上司、もちろん会社側にもそういう認識を持っていただいて、改善をして、二度と過労死を出さないという強い思いを持っていただきたいと思いますので、「周知」という言葉も入れていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
26ページ、「(1)過労死等事案の分析」の一番下になるのですけれども、「労災請求等を行ったものの労災又は公務災害として認定されなかった事案については、分析の方法や、どのように活用できるのか等について検討を行った上で、必要な分析を行う」とあります。私たちの家族の会では、労災だと思って申請を行っても認定されないという方が非常に多くいらっしゃいます。これは過労死ではないということではなくて、認定される証拠が集まらなかった、会社側が隠したという実態を私たちは見聞きしておりますので、認定される、イコール、過労死ではなく、請求しても認定されなかった事案は非常に多くのことを示唆していると思います。これをぜひ取り上げて分析していただきたい。過労死をなくしていただく一つの大きな鍵になると思っておりますので、「必要な分析」をもうちょっと具体的に書くなり、今後どういうふうに利用していったらいいかというところをもう少し書いていただき、本当に亡くなった人は命をかけておかしい職場だということを訴えておりますので、そういうところを生かしていっていただけたらと思います。
39ページ、「ウ.障害者である労働者や傷病を抱える労働者への取組」で、障害者や休職中の方も職場復帰の施策を講じてほしいというところで、意見書には退職者ということで私は出させていただいたのですけれども、私たちの会員の中で、ハラスメントや長時間労働で、本人は御存命なのですけれども、休みがちになって、休職・復職を繰り返す中で退職に追い込まれていく方も大勢いらっしゃいます。休職者は、会社として職場復帰のプログラムがあるところもあって、それにのっとってまた職場に戻れるような仕組みあるのですけれども、退職してしまった方は、再雇用というところで、メンタル疾患を抱えていようがいまいが普通の労働市場の中で職を探さなければならないという非常に厳しい思いをしていまして、特に今のコロナの状況ではなかなか職が見つからない中で皆さんは御苦労されております。会社のハラスメントや長時間労働で退職を余儀なくされてしまった方たちのメンタルヘルスも含めての職場復帰のプログラムも御考慮いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
42ページ、(2)の最後のほうで、「過労死遺児交流会を毎年開催するとともに、取組状況を」と書いてあるのですけれども、この過労死遺児交流会のほかに、21ページにも相談体制も対応してくださるということを書いていただいておりますので、ここにも遺児交流会のほかに遺児についての相談体制も対応していることを入れていただけたらと思います。
44ページ、「(2)産業保健スタッフ等の活用」で、意見書でも書かせていただきました。産業保健の産業医の方に面接を受けて、その産業医にこのままだと退職だということを言われて追い詰められて自死した方の御家族が、私たちの会員にいらっしゃいます。産業医の研修、産業保健スタッフの研修、遺族の話を聞くとか、そういう取組もやっていただけたらと思います。
以上、細かいことでしたけれども、本当に苦しんでいる御遺族の方の意見や実態のお話をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○中窪会長 どうもありがとうございました。
宮本委員、お願いいたします。
○宮本委員 ありがとうございます。
今回の資料は大変よくできていると思いまして、内容について大きなところはないのですけれども、2点ほどマイナーなところの修正意見と検討いただきたいことがございます。
21ページになりますが、今お話があったような少数の産業医の悪しき例ばかりが目立ってしまって、普通は一生懸命やっていると何事も起こらないというのが産業医の業務だと思うのですけれども、それを踏まえますと、21ページの上から5行目、「産業医等の産業保健スタッフ等につなぐことができる」のどこかに「速やかに」という言葉を入れていただければと思います。これは20ページの一番下の行から始まっている長い文章で、短期間で自殺につながった事案が多いということを受けての文章になっています。前段は確実に見つけるという内容になっていますので、産業医につなぐことを「速やかに」と言っていただければと思います。確実に産業医が面談を通しているところは概ね何も起こっておらず、恐らく過労死事例の中では産業医が絡んでいないケースが多いと思うのですけれども、絡むことができれば防ぐことができる、と考えられます。先ほどの渡辺委員の悪しき事例のお話と逆になりますけれども、普通のまともな産業医の活動を想定して、そういうところを入れていただきたい。
もう一つ、マイナーですけれども、33ページになりますが、(9)のタイトルが「ウィズコロナ・ポストコロナ」になっていますので、下から2行目の「加えて」の文章に「ポストコロナ」とだけ書いてあるので、ここを「ウィズコロナ・ポストコロナ」にしていただいたらタイトルと合うのではないかと思いました。
ご検討いただきたい点としては、全体に、今回、英語の略語が大変多く出てきておりまして、本当に意味が通じているのかという点を危惧しております。前回にあったのは、ITという言葉、Information Technologyと、SNS、Social Networking Serviceというぐらいで、35ページ、ICTが教員のところに出てきてはいたのですけれども、今回、そちらは変わりまして、医療従事者のほうにICTと入っています。ICTは、Information and Communication Technologyでデジタル情報を介して人と人をつなぐ技術といえ、ここら辺まではぎりぎり通じるかもしれません。しかし、15ページに今回新しく載った1行に大量に略語が書かれておりまして、上から4行目、「あわせて、DX、IoT、AI」となっております。DXは、Digital Transformation、ITの浸透が人々の生活のあらゆる面をよい方向に変化させるという概念での変化だと思うのですけれども、これが通じるのか。IoTですと、Internet of Thingsで、物がいろいろとインターネットにつながって遠隔操作等ができてという話、AIは大分通じるようになってきたと思いますが、Artificial Intelligence、人工知能ということで、この手の略語をどうするのか。いきなり出てくるのですけれども、国民に見ていただくのだったら、これは何の意味か少し注釈を入れるとか、読み手の国民一般に通じるようにしていただけるとありがたいと思うところです。この辺は御検討いただければと思います。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
仁平委員、お願いいたします。
○仁平委員 どうもありがとうございます。
意見が2点ございます。
1つは、16ページの基本的な考え方の部分です。そのベースとなる基本認識も含めての意見となります。大綱の策定から6年が経過し、この間様々な取組が行われてきたわけでございますが、過労死等の認定件数は横ばい、精神疾患の申請数はむしろ増加しています。事態が改善しているというには程遠い状況であると考えておりまして、ほかの委員の皆様と共通の思いを持っております。そうした状況を変えていくためにも、この大綱が目指すところに向けて、関係する目標や政策、評価に関する取組を行う上で密接な連携を図って、対策の実効性を高めていくことが重要であることは言うまでもありません。本日提示していただいた大綱の案では、そうした表現は様々な場所にちりばめられて記載されています。しかし、過労死をなくしていくのだという我々の強い思いが、大綱を読む人にこうした表現で伝わるのかといえば、さらに工夫したほうが良いのではないかというのが意見でございます。具体的には、基本的な考え方の冒頭に、過労死等の数は高止まりが続いているのだという現状認識をしっかり書き込むこと。そして、その現状認識の上に立って、過労死等ゼロに向けて、関係省庁、地方公共団体、事業主、その他関係する者が一体となって取り組んでいく必要があるということを明記する、そのことで社会へのメッセージを明確に表現していくべきなのではないかと考えております。
45ページの新たな数値目標について、週労働時間40時間以上の雇用者のうち60時間以上労働した者の割合を減らしていくという目標の見直しが提起されておりますが、これは妥当なものではないかと考えております。過労死等の防止に向けて対策の実効性を高めていくためには、この協議会でこうした目標に対する業種あるいは職種ごとの実態、実績値をきめ細かに見ていく必要がありますし、業界の特性に応じた効果的な対策を検討することも重要だと考えております。大綱をつくるだけではなくて、過労死等ゼロに向けて実態を変えていくために、取組の一層の強化を求めていきたいと考えております。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
木下委員、お願いいたします。
○木下委員 木下でございます。
今回の大綱の改正に当たっては、企業側の労働実務にいろいろな立場で関わっている関係から、この過労死の問題が大企業の正社員だけの問題ではなくて中小の規模の企業でも起きていますし、企業の規模だけではなく、いわゆる非正規と言われる働き方の方にも起きていることを踏まえた取組をぜひお願いしたいということを考えておりました。今回、フリーランスも含めて兼業・副業の問題なども入りまして、働き方の多様化といいますか、正社員以外の働き方にも目が向いていることは細かくあちらこちらにちりばめられているのですが、中小企業を含めた企業の規模の問題については、例えば、16ページの第1の最後のところに「企業の規模にかかわらず」とか、23ページ、第3の冒頭のところに「中小企業の事業場についても取組を向上させる」という非常に包括的な表現では入っているのですが、残念ながら、具体的な各項目において中小企業の場合どういう点をより対策として注視すべきなのかという点については、必ずしも十分に入っているとは言えないのではないかと思います。大企業は、今、企業価値の向上や世界的な競争の中で、先ほど先生がおっしゃった英語で申し訳ないのですけれども、SDGsやESGということで企業の取組自体の中で健康経営を考える大企業が増えてまいりましたけれども、中小企業の場合はさすがにそこまでは取り組めていないのが実態ですから、企業側にもむしろこの過労死の取組がかえって企業にとっては効率的でなおかつ生産性を向上させて企業価値が上がる取組になるのだということを自覚していただけるような積極的な記述を各場所に本来は入れていただきたいと思っております。ただ、内容があまり多くなって散漫になるということであればそれはそれで考えなければいけないと思うのですが、その中でも、国以外の主体の取組ということで、先ほどから何人かがおっしゃっていましたけれども、いわゆる事業主の取組、事業主そのものが取り組むところには、もう少し中小企業のことも踏まえた記述を増やしていただいてもよろしいのではないかと思っております。
43ページから始まる事業主の取組のところは、今回、ハラスメントに関する法制が、大体、セクハラ、マタハラに加えてパワハラまで整ったことから、いわゆる雇用管理上の必要な措置の条文が記述として追加されたのですが、ハラスメント防止については、もう一つ、国、事業主、労働者、それぞれの責務という条文が、例えば、労働政策総合推進法ですと30条の3、均等法ですと11条の2と11条の4という形で加えられておりまして、そこには事業主がそれぞれどんなことを自らの責務として取り組まなければいけないかという企業としての体制の整備と事業主自身のハラスメント言動の防止というところで入っております。この雇用管理上の必要な措置を講ずることを書くのであれば、本来でしたらセットになる法律の条文のことも触れるべきだと思います。それは、先ほどどなたかのお話にもありました経営幹部の取組にも関係してまいります。例えば、企業がこの大綱を「会社は何をしなければいけないのだろうか」と思って見たとすると、これを書いてあるだけだと何をしたらいいのだろうかということが抽象的なので、中小企業の方に取り組んでいただけるような内容を特にこの43ページと44ページのところに加えていただけたらと思っています。
過労死対策が、コストだけではなくて、人材の確保、あるいは、長時間労働による残業代という労働賃金のゆがんだ配分の抑制につながって、労働者の満足にもつながるということを、中小企業の方にも知っていただきたいと思っておりますので、その点は御検討いただきたいと思っております。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
黒田委員、お願いいたします。
○黒田委員 黒田です。
これまでの委員の発言で重複するところもあるので、そこは簡単に済ませたいと思います。
発言の中身は、3点ありまして、勤務間インターバルの問題、次に、ここはどなたも触れていなかったのですが、デジタル化問題、3点目は職場の関係者への啓発問題です。
最初のインターバルについては、既に何人かの委員が発言されておりますので簡単にしたいと思います。以前の大綱と現在これからつくろうとしている大綱策定の背景において、一番の違いは、新しい法律ができて、法律上、このインターバルの導入について企業に努力義務を課したという点にあります。30ページに書かれている「(5)導入促進」についてですが、書かれてはいるのですけれども、先ほど委員のどなたかからも発言がありましたようにいかにも控えめな文章になっています。残念ながら3年前策定した大綱とほぼ同じであり、新しい法律ができた中での「導入促進」という意気込みが伝わらないのではないでしょうか。制度導入に向けて「努力」をしなければならないということが分かるような書き方が本当は必要なのではないかと思います。これまでのものを生かしながら新たなものを加えているという書き方になっているために、文章が錯綜している部分があるような感じもしますので、文章の検討も含めて考えてほしいと思います。いずれにしましても、勤務間インターバルについては、働き過ぎを抑制するという点では大変有効かつ最低限の防止策になるものの一つだと考えますので、ここのところは文章も含めて検討いただきたいと思います。さらに46ページに制度導入目標数値が15%と書かれていますが、これも努力義務を課している割には非常に控えめな数値ではないかという感じがします。この点も検討を願えればと思います。せめて3割とか、その程度になるのではないかと思うのですけれども、数字は書けばそれでいいというわけでもありませんので、法律が施行された中での目標数値と考えてみますと、もう少し検討の余地があるのではないかと思います。
2つ目は、デジタル化問題です。今、デジタル化について国はデジタル庁をつくるなど非常に積極的な姿勢ですが、本日の資料の17ページに「行政のデジタル化」について言及があります。新型コロナの影響下において「業務のオンラインで利便性と効率化」に資するとともに、「長時間労働削減という観点からも強力に推し進める必要がある」という表現があるのですが、同時に、その反面で、先ほどの勤務間インターバルとは裏腹に、仕事に境目がなくなってしまい、長時間労働への潜在的な危険性もあります。つまり、長時間労働の削減という側面の効果も一面ではありながら、長時間労働を促進してしまう側面もあるという面に気をつけなければいけないのではないかと思います。そういう面から考えますと、利便性と同時に、働く側にとっての逆の負の影響も出てくる。そういう意味では、まさにインターバルなしに働いてしまう危険性も併せ持った技術です。その辺りへの配慮が必要なのではないかと思いますので、ここでの文章の書き方についても、もう少しその負の影響に考慮しながら書き変えていく必要があるのではないかと思います。
3点目は、何人かの委員からも出されておりますが、職場の関係者への啓発問題です。
大綱の中では何ヵ所かに分かれて書かれておりますけれども、主には43ページ以降、「第4 国以外の主体が取り組む重点対策」の部分の「事業主等」の取組、「労働組合等」の取組についてです。この事業主のところの「経営幹部」については、現行の大綱以上のことは何も書かれていない形になっております。過労死・過労自殺が起こるのは職場なのです。過労死をなくすためには事業主の取組が何よりも重要です。職場で事業主として何をしたらいいのかということがもう少し具体的に書かれる必要があるのではないかと思います。また、過労死・過労自殺を起こしてしまった企業はどうしたらいいのかということ、「再発防止」という言葉が出ていますけれども、再発防止をするために何をしたらいいのかということがもう少し具体的に書かれる必要があるのではないでしょうか。時間管理や労務管理の見直しや点検、全社的な研修機会を設ける、外部で開かれる研修会へ幹部や現場の長に参加を義務づけるなど、そうした形で実際に起こしてしまった企業での具体的な取組内容を幾つか網羅した形で示す必要があるのではないかと思います。同時に、それらの取組の実施内容を公表することを奨励すべきではないでしょうか。
また、過労死防止という面から考えると、過労死を起こしていない企業ももちろんそうした企業内での研修制度や人事・労務の見直しや時間管理制度の見直しなどを含めた点検が必要です。なぜなら過労死・過労自殺は職場・現場の諸問題が引き起こすのですから、防止のためには現場の管理や状況がどうなっているのかを点検することが不可欠だからです。その点検項目の具体的なものを示し、同じように、その実施内容を公表することを奨励する既述が必要です。
同じく、この問題については、外部の団体が取り組むべきものとしては、先ほど今日のお話の冒頭で八野委員がお話しされていましたけれども、労働組合も同じように、自分の会社あるいは自分の事業所の中の研修、組合員としての研修会への参加、あるいは、自分の会社のところの時間管理や健康管理やハラスメントについての点検を労働組合としてもやっていく必要があるのではないでしょうか。その意味では、労働組合の取組の一つとして、「働く側として自社の実態についての点検活動を実施していく必要がある」というような文言を付け加えていただけるといいのではないかと思います。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
則松委員、お願いいたします。
○則松委員 ありがとうございます。
労働側、日本教職員組合の則松です。
他の委員からお話があった点に重なる部分はありますが、職場での取り組みと、当人へのアプローチが重要であるという視点で、2点、加筆してはどうかという意見を述べさせていただきます。
まず、大前提として、精神障害発症から自死に至るまでの期間が短いという衝撃的な結果を踏まえれば、相談体制の強化が益々重要になるということで、資料2、20ページから21ページにあります「3 相談体制の整備等の基本的考え方」に関して意見を述べます。
実際に精神的に参ってしまっている人たちは相談自体もハードルが高く、様々な角度から相談体制が整備されていても、本人に届かなければ、なかなか相談窓口へ本人がアプローチできない。例えば、職場で不利な状況に置かれるのではないか、という不安を抱える人たちもいますので、そういった方たちへ如何に対応していくのかということです。次の「4 民間団体の活動に対する支援の基本的考え方」には、民間団体の相談活動を国や地方公共団体が支援していくということが記載されており、また、行政が運営している相談窓口などもあることから、労働者がアクセスできる事業場外の相談窓口についても周知を行うことが必要なのではないかと考えております。ついては、なかなか相談することが難しい個人への対策として、3の部分に、様々な相談窓口があることを周知徹底するなど、相談先の選択肢を増やしていくことが必要だという旨を明記することを提案したいと思います。
もう一つは、職場を変えていくという視点から、31ページにあります「(7)メンタルヘルス対策に関する周知・啓発の実施」の部分に対して意見を申し上げます。ここでストレスチェック制度の実施の徹底等については記載されていますが、ここに集団分析を行って明らかになった課題について職場で適切に対策を講じていくことが重要だという旨を記載してはどうかと考えます。私自身、学校教育の中で集団分析の実施を県の安全衛生委員会等でもかなり強く求めてきました。ストレスチェックの結果を集約したデータを集団分析し、職場に返すことは有効なものの、管理職側の抵抗感があったようですが、これはかなり有効な手段だと思っておりますので、具体的に集団分析を行って課題解決につなげるという趣旨が、この箇所に加えられないかという意見です。
以上、2点です。
○中窪会長 ありがとうございました。
川人委員、お願いいたします。
○川人委員 川人と申します。
3点です。
1つは、資料の冒頭、1ページの一番初めの記載に関して、この中で、新型コロナウイルスの感染拡大によって「医療従事者等の一部で過重労働が明らかになっている」という表現になっているのですが、これはやや誤解を招く可能性があるので、表現を工夫していただきたいと思います。先日も、あるジャーナリストの方から質問がありまして、端的には、この間はコロナによる失業問題や雇い止めの問題が労働問題の主要なテーマで、今、長時間労働や過労死や病気の問題は重要なのでしょうかという質問がありました。もちろん言うまでもなく雇用の問題は現在の大変重要なテーマでありますが、しかしながら、それと並行して、長時間労働、ハラスメント、過労死の問題は、コロナ禍にあっても減ることなく、むしろ職場によっては増加する傾向にあることを実感しております。例えば、医療・介護等のエッセンシャルワーカーのことがよく問題になりますが、あまり問題になされないですけれども、今、清掃業の方々はとても忙しい。長時間労働になっています。そういう中で、管理職の人などの過労死の相談なども来ております。テレワークその他の影響もあるのかもしれませんが、住宅産業あるいは不動産関係の営業職等の長時間労働も相談が増えています。その中での過労死の相談も幾つも寄せられております。今、エッセンシャルワーカーはごく一部の問題で、そこでは過重労働ではあるけれども全体としてはそうではないという誤解がもしあるとすれば、それは私どもの相談活動の実感から言うと違うのではないだろうかと思っています。歴史的に言えば、バブル崩壊のときとよく似ているのですか、それまで時短ということを随分言われたのに、バブル崩壊の後は専ら雇用の問題だということに絞られて、その結果、過労死や過労疾病の問題があまり議論されなくなった。実際には、その後、脳・心臓疾患のみならず自殺等が増えていったのが1990年代後半以降の日本の状況で、現在まで続いているわけです。今日における労働問題として、改めて、今回の過労死防止大綱の改正に当たって、いかに引き続き日本において過労死・過労疾病の問題が重要な問題なのかということを明確にする大綱であってほしいと思いますので、特に冒頭の記載については表現を再考していただきたいと思っております。
2点目の問題で、これは監督課ないしは労災の補償課の方に対する質問も兼ねて、今回の大綱の中でも労働時間の問題が繰り返し出ております。労働時間を削減することによって過労ストレスをなくすというこの過労死防止対策の肝になるところです。何をもって労働時間とするかという認定方法いかんで、当然、労働時間が何時間だったかということの統計にも影響しますし、過労死の認定にも影響するという現状があります。この点に関しまして、先月の22日に官房審議官から通知が出されておりまして、労働時間や休憩時間の客観的な把握が重要であるという通知が出されております。これには私もとても同感でありますが、その中で、より詳細な点については別途通知を出すと書かれております。この点については、通知は既に出されているのか、あるいは、出す予定はいつ頃になっているのか、その辺について後で教えていただければと思います。特に休憩時間に関しては、例えば、就業規則では1時間しかないにもかかわらず2時間や3時間の休憩時間が認定されるという事案なども最近は生まれている。客観的に正確な把握が監督行政にとっても労災行政にとっても大事だと思っておりますので、よろしくお願いします。
最後に、国家公務員について一言述べたいと思います。この間、コロナ対策室の長時間労働、さらに厚生労働省の職員の方の長時間労働が大きく報道されました。これらの省庁だけでなく、全体として極めて深刻な状況にあるというのは、この間、議論されているとおりであります。そこで、今日いらっしゃっている人事院ないしは内閣人事局に対する質問なのですが、現在の国家公務員に関する勤務時間に関する統計があるのかないのか、もう一つは、勤務時間をこういう方向にするという目標の数値が現在はあるのかないのか、それらについて後でお答えいただければと思います。もしそういうものが存在しているのであれば、それらを含めてこの大綱の改正案の中に組み込んでいただきたいと思います。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
質問については、ほかにもあるかもしれませんので、後で答えていただくことにいたします。
鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
過労死ゼロに向けた取組が道半ばであることに思いを致すとともに、今回の大綱の見直しをてこに、一層の取組を行っていく必要があると感じたところであります。
その上で、細かい点でございますが、3点ほど申し述べさせていただきます。
1点目は、15ページの4行目でございます。先ほど横文字に関する御指摘もありました、「DX、IoT、AI等の先端技術の進展に伴う影響にも目を向ける必要がある」という点でございます。先端技術の導入に対応するための作業が過密になるといったマイナスの影響についてのご指摘と理解しており、大変重要かと思います。一例として、教育現場ではGIGAスクール構想が進んでおりますが、コンテンツの準備のため教員に過度な負担がかからないよう十分な体制整備も必要ではないかと感じたところでございます。他方、経費精算の電子化によって作業量が減ったケースや、運送会社と荷受会社とのシステム連携を通じて運転手の待機時間が減ったケースなど、長時間労働の是正に先端技術が効果を発揮した事例も承知しております。こうしたプラスの影響につきましても、簡単で結構ですので、併せて触れていただけるとありがたいと思っております。
2点目でございます。33ページの「(10)商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進」の中に、行政機関との取引を通じた民間企業の長時間労働、いわゆるG to Bに関する記述を追記いただきました。中小・零細企業への過重労働防止対策は今回の大綱の見直しの大きなポイントの一つですので、この記述は具現化する施策として重要ではないかと思っております。ただ、先ほど八野委員からも御指摘がありましたように、私ども経団連傘下の大企業におきましても、建設やシステム開発の分野を中心に公共調達の取引がございまして、長時間労働につながる慣行が少なからず見られるという声が寄せられております。そのため、厚生労働省から関係省庁や地方公共団体に対して企業規模を問わない形で慣行の是正を強力に働きかけることを盛り込んでいただけるとありがたいと思っております。
3点目でございます。32ページのカスタマーハラスメントについては、UAゼンセンさんをはじめ、組合の方が対策のための資料を作るなどの取組をされていると承知しており、この場を借りて、敬意を表したいと思います。ただ、その具体的な対応の判断基準の検討という点につきましては、ハラスメント防止のための法改正の過程でも相当時間をかけて議論をしてまいりましたが、なかなか基準設定は難しいという印象を持っております。むしろ、悪質なクレーマーへの対応は上長の管理職に早くバトンタッチするとか、組織的な対応をするといった、中小企業にも参考になるような対策の事例を集めて横展開していくことが重要ではないかと思っている次第です。
私からは、以上でございます。
ありがとうございました。
○中窪会長 ありがとうございました。
そのほかの委員はいかがでしょうか。
湊元委員、お願いいたします。
○湊元委員 日本商工会議所の湊元でございます。
意見を申し上げます。
企業としましても、資料1の大綱見直し案の骨子で示されております「現状と課題」及び「見直しのポイント」の内容は非常に重要であると思っております。前回の協議会でも申し上げておりますが、企業が円滑な事業活動を行うためには、時間外労働の抑制や有給休暇の取得促進等を通じて、労働者が健康で意欲的に働く環境を整備していくことが必要不可欠と認識しております。人材、資金等の面で経営資源が限られた中小企業が、働き方改革の推進、事業の存続・成長を両立するためには、労働生産性をいかに高めていくかが重要であると思っております。資料1で提示されている数値目標のうち、令和7年までに「週労働時間40時間以上の雇用者のうち週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」及び「勤務間インターバル制度を導入している企業割合を15%以上」とする目標については、現行の達成状況に鑑みると高めの目標値が設定されたものと受け止めております。政府におかれましては、各都道府県に設置されている働き方改革推進支援センターを通じて、働き方改革に取り組む、より多くの中小企業にきめ細かな支援が行き渡るよう、引き続き御支援のほどよろしくお願いいたします。
併せて、大企業と中小企業の取引関係の適正化も重要です。発注側の大企業が、働き方改革を進める中で、下請中小企業に対して適正なコスト負担を伴わない短納期発注や急な仕様変更等のしわ寄せを生じさせることによって、下請中小企業の業務時間が増大しているという声が多く聞かれております。したがいまして、大企業と下請中小企業の間の取引関係の実態把握及び取引条件の改善を図ることにより、下請中小企業に対するしわ寄せ防止対策をより強力に推進していただきますようお願い申し上げます。
加えて、官民協力の下で、大企業と中小企業の共存共栄を図り、サプライチェーン全体で付加価値向上や取引価格の適正化を図る「パートナーシップ構築宣言」のさらなる普及・促進を通じた取引適正化支援の強化が必要であると思っております。
商工会議所としましても、引き続き、厚生労働省と連携しながら、中小企業の働き方改革支援に取り組むとともに、パートナーシップ構築宣言企業のさらなる拡大に向けて呼びかけを進めてまいりたいと存じます。
最後に、大綱の取りまとめに当たっては、コロナ禍で政府の各種支援策を活用しながら、「事業の継続」と「雇用の維持」に懸命に取り組んでいる中小企業の実態を最大限考慮していただきますようお願い申し上げます。
以上であります。
○中窪会長 ありがとうございました。
佐久間委員、お願いいたします。
○佐久間委員 ありがとうございます。
まず、大綱全般につきましては、第2の「基本的考え方」で理念を入れていただいており、詳細にわたって過労死等の状況が記載されていると思います。それを受けて、現状の分析、前回は中段に来ておりましたけれども、最後に数値目標を持ってくるという形で整っているのではないかと考えております。
全体の考え方はそういうことなのですけれども、まず、17ページ、「1 調査研究等の基本的考え方」があります。ここの5行目からなのですけれども、「労働者の属性や睡眠・家事も含めた生活時間等の」とあるのですけれども、過労死の問題は、先ほどから家族会の方々からもお話が出ているとおり、もちろん経営者としては見ていかなければいけないということなのですが、組織が大きくなれば大きくなるほど、チーム制になったり、課がいくつかできたり、そこには、経営者(取締役)や理事、役員クラスの上層の全体経営管理者と、部長クラスの中間経営管理者、係長クラスの下層の経営管理者があると思います。チーム制になると、係長やチームリーダー、課長といった中間的、あるいは下層の管理者と接する機会がどうしても一番多くなってくると思うのですけれども、職場の労働者間の人間関係は、過労死に当てはまるかどうかは分かりませんけれども、同じクラスや少し上の関係での「いじめの問題」があったり、業務の押しつけなどさまざまなものが含まれてくると思いますので、この「労働者の属性や」の間に、例えば、「職場の労働者間の人間関係」とか、そういう文面を入れていただいたほうがよいのではないかと思います。
2点目は、18ページ、これも先ほどから出ております。経営側から言うのもおかしいのかもしれませんけれども、過労死を起こしたところの上層の全般経営管理者には、3年に一遍とか、本当は1年に一遍がいいかもしれませんが、なかなか時間が取れないといっても、過労死防止につながるセミナーやシンポジウムには参加させることも必要かと考えております。意識を持たせることは必要かと思います。
23ページの「第3 国が取り組む重点対策」で追加しております「特に、中小規模の事業場の取組を向上させるため、必要な支援等を実施する」と記載されているのですが、中小企業といっても、私どもの調査ですけれども、毎年1万9000ぐらいの社から回答があります「中小企業労働事情実態調査」では、中小規模の事業者の平均的な超過勤務時間が10.5時間だったのですね。これは昨年7月1日現在を調査時点としたものなのですけれども、大体毎年12時間ぐらいでした。隠れている残業がもしかしたらあるかもしれませんけれども、基本的にはずっと12時間前後で来ているのですね。ですから、中小企業の全てで残業が多いというわけではない。ある程度の業種に特化しているということもあるので、中小規模全体が取組を向上させることも必要になるかもしれませんけれども、特化した業種などを見ていただくということを入れていただきたい。具体的に必要な支援等を実施するという支援の内容がどういうものになるのか分からないものですから、具体的に何をするのか触れていただくといいのではないかと思います。
24ページ、特に一般職の国家公務員の文面を入れていただいたと思います。これは非常にいい内容、文面ではないかと思います。
25ページになります。ここも追加で入れていただいたところでございます。5行目のところで「継続的な助言を行う」という表現になっています。これは、前後の文章から見ていくと、実際に誰が助言を行うのか。人事院のことなのか、各省庁なのか、医師が助言を行うのか、主語がはっきりしないものですから、誰が行うのかということを明確に出したほうがいいのではないかと思います。
27ページの真ん中から後半部分、「(4)過労死等防止対策支援ツールの開発等」とあります。ツールの開発とありますので、IoT、AIも考慮したツールの開発ということだと思うのですけれども、ハードを入れるのか、ソフト的なものを入れるのか、どのような種類の開発していくのかを明確にしていただければと思っています。
最後、2点なのですけれども、目標と勤務間インターバルについてです。
インターバルは、30ページに書かれております。勤務間インターバルは非常に重要なことだと思うのですけれども、先ほど湊元委員も言われていましたけれども、現状は4.2%で、次の目標が15%以上となっています。先ほど黒田先生からは30%ぐらいというお話もあったのですけれども、この文面ですと、どうして進まなかったのかという分析がされていない中で、現状からの目標数値だけを整え、一挙に15%となっており、非常に高い数値なのではないかという印象を受けます。うたっているだけだったらいいのですけれども、目標ですから、達成しなければいけないということもあると思いますので、現在の10%とか、実現不可能な数値とせずに、妥当な数値としていったほうがいいのではないかと思います。もちろん導入される要因があれば15%ということでもよいとは思うのですけれども、現状、この数字の推移を見ると、なかなか達成は難しいのではないかと思います。
インターバルでも触れましたけれども、最後に、目標のところでは、公務員の方々が、今、コロナの影響もあって、特に厚生労働省を中心にして非常に超過勤務などが多いとお伺いしています。私のところにも夜間にメールが資料で送られてくることも少なくないものですから、皆様方の健康、過労が非常に大変だなと思います。公務員の数値目標についても、例えば、インターバルとか、そういうものも数値として入れていただくのがよろしいのではないかと考えます。
長くなりまして、すみません。以上でございます。
○中窪会長 ありがとうございました。
山鼻委員、お願いいたします。
○山鼻委員 今回のこちらの大綱案を拝見したのですけれども、非常によくまとまっていて、本当にありがたいと思っております。
この中で、1つ、27ページ、先ほど佐久間委員からも言及がありました「(4)過労死等防止対策ツールの開発等」という項目を設けていただいたこと、非常に感謝をしております。前回の資料で、私の見たところでも、どのぐらいの間で休憩を取ったら体への負荷が少なくなるか等々、貴重なものもありますので、ぜひこちらを推進していただいて、実際に過労死ゼロを目指す形にしていただければと思います。
13ページ、過労死の現状のところで、医療業においては女性の件数が7割を超える、また、介護では6割ということで、女性で一つ別出しであるのですけれども、この後のところを見ていきますと、特に女性に対する言及がありません。このような状況があるのでしたら、女性がどのような形でこのように非常に多い件数を占めているかどこかで分かるようにしていただくというか、受けるような形でやっていただけると、過労死大綱の中でなくても結構なので、何らかの形でこちらの分析をしていただけると非常にありがたいなと思っております。
もう一点、先ほど鈴木委員からもあったように、15ページ、DX、IoTの点です。新技術の導入初期や過渡期における過度の負荷への懸念はよく理解できますが、現在、私どもの関係している企業さんでも、今後の労働人口の減少を見据えると、DX、IoT、AIに頼らざるを得ないという状況がありますので、こちらの推進に水を差さないような形の書きぶりにしていただければと存じます。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
戎野委員、お願いいたします。
○戎野委員 大綱の取りまとめをありがとうございました。
多くの委員にすでにいろいろとおっしゃっていただいているので、時間も迫っていますので、重複したところは割愛しまして、私からは1点だけ申し上げたいと思います。
このような長時間労働が起きないために、また、悲劇を生まないために、不調に早く気づくことがとても大事だということが21ページ辺りに書かれているかと思います。そのときに、上司、企業、組合、家族、友人のチェックが重要であることは書かれてあり、その重要性については、これまでに多くの委員もおっしゃっていました。それに加えて職場の大切さということから、上司にかかわらず、職場の仲間として、先輩であったり、後輩であったり、同期であったり、いわゆる同僚といったそういう人たちが、不調に陥る前に実態を把握する、すなわち、互いの働き方にもう少し理解を深めていく、労働時間にかかわらずお互いの働き方に関心を持っていく、そこにおいて相互チェックを図っていくことも重要なのではなのではないかと思います。そのことも、どこかに少し書かれるといいかと思いました。職場では、忙しいほど、自分のことに精いっぱいになって、他の人にどうしても関心が向けられなくなって、どれだけ働いているのか、どれだけ仕事を抱えているのかが分からない。さらに、このコロナ禍でテレワーク等が進むと、一層顔が見えなくなって、あそこにいた何々さんが今どのような状況にあるか分からないということがありますので、お互いの働き方に相互理解を深めていく必要性をどこかに書いていただけるといいかと思いました。自分が見えなくなっているときにほかの人から見てもらうという職場の重要性を、もう一言、書いていただけるとありがたいと思いました。
以上です。
○中窪会長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
よろしければ、時間も参りましたので、先ほどの川人委員の御質問に回答をお願いいたします。
○石垣総務課長 基準局総務課長でございます。
本日は、委員の皆様から、私どもが皆様の御意見を踏まえて作成した素案につきまして、いろいろと御意見をいただきました。お時間の都合もありますので、また個別のところはいろいろと検討した上で御相談させていただきたいと考えております。
また、対策に関わる部分の御意見も多々いただいたところでございます。この過労死大綱に反映させるべき部分もあれば、政策の立案・法律の制定などに関わるようなものになりますと、またそれにふさわしい場もございますので、そういったところも整理しながら御相談させていただければと思っております。取りあえず、個々にお答えをする形にはなりませんが、以上でございます。
もう一つは、川人委員から御質問のあった点について、担当課から答えさせていただきます。
○西村補償課長 補償課長の西村でございます。
川人委員から御質問いただいた点でございますけれども、委員の御指摘のとおり、過労死等の労災認定につきましては労働基準監督署で行っているわけですけれども、その認定の上では労働時間の把握・特定は非常に重要でございます。これを、全国でより適切に、また、より斉一的にやることを考えておりまして、このために、現在、労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集というものをつくろうとしております。これを全国の労働局に示して、より適切・斉一的に労働時間の認定をしたいと考えているところでございます。
いつ発出するのかということなのですけれども、現在、最終的な調整を進めているところでございまして、できる限り早期に労働局に示したいと思っております。
以上でございます。
○中窪会長 公務員についても質問があった気がするのですけれども、そちらについては整理をした上で、次回までにということでございます。
それでは、時間になりましたので、本日はここまでとさせていただきます。
委員の皆様におかれましては、活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
次回の協議会に向けましては、事務局である厚生労働省が中心となって、関係省庁と連携を図りながら、本日の御意見を踏まえて修正した大綱見直し案を準備していただくようにお願いいたします。その過程で、各委員からも御意見を伺いながら、作業を進めていくようにお願いいたします。
最後になりますが、次回の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
○小島企画官 委員の皆様には既に調整させていただいておりますが、次回は、5月25日、火曜日、10時からの予定としております。詳細は追って御連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。
○中窪会長 ありがとうございました。
それでは、本日の協議会はこれで閉会といたします。
お忙しいところ、どうもありがとうございました。
 

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