日時 令和3年4月9日(金曜日)10時50分~11時1分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)改正種苗法に基づく海外持出し制限登録品種の公示について
  • (大臣から)2022年アルメーレ国際園芸博覧会への参加について
  • 福島第一原発のALPS処理水の処分について
  • 東京都等へのまん延防止等重点措置の適用について

 

大臣

  本日、私から2点御報告がございます。1点目は、改正種苗法に基づきまして、海外持出しを制限する登録品種の公示についてであります。4月1日に施行されました、改正種苗法に基づきまして、海外持出しを制限する旨の届出があった1,975の登録品種について、本日官報に公示するとともに、農林水産省ホームページに掲載をいたしました。これらは農研機構など3つの国立研究開発法人と、42の都道府県が開発をした登録品種でありまして、今回の届出により、育成者権者の許諾なく海外に持ち出すことはできなくなります。既に登録されている品種や、出願中の品種については、今年の9月30日まで届出を受け付けております。本日公示した以外の品種についても、届出内容を確認をし、順次、今後公示をしていくこととしております。海外持出しが制限された品種については、税関とも情報共有を図ること等によりまして、我が国の強みである新品種の流出を防ぎ、地域農業の活性化につなげてまいりたいと考えております。
  2点目は、2022年アルメーレ国際園芸博覧会への参加についてであります。本日の閣議において、2022年4月14日から10月9日までの間、オランダ王国アルメーレ市で開催されます「2022年アルメーレ国際園芸博覧会」に、我が国が公式参加することが閣議了解されました。博覧会への参加によりまして、我が国の花きと花き文化のすばらしさをオランダをはじめ世界に発信するとともに、花きの輸出拡大につながることを期待しております。詳細は、この後プレスリリースをさせていただきます。私からは以上です。

記者

  福島第一原発のALPS処理水について伺います。菅総理と全漁連の岸会長の面談がですね、今週水曜日にあったと思うんですが、処理水の海洋放出に関してですね、全漁連側が「反対という考え方はいささかも変わるものではない」ということで、具体的には、漁業者・国民に対する説明責任でありますとか、あと、風評被害への対応、それから安全性の担保など、5つの点に関して全漁連側から総理に対して要望があったということでした。全漁連を所管しているのは農林水産省だと思うんですが、こうした漁業関係者の懸念に関してですね、大臣はどのように受け止めていらっしゃるのか、今回の面談の所感をお聞かせいただければと思います。

大臣

  7日にですね、菅総理と全漁連の岸会長ほかがですね、ALPS処理水に関する意見交換を行ったわけであります。会談では、菅総理からは、昨年10月に全漁連からいただいた要望書をしっかりと受け止めていることを伝えるとともに、政府が方針を決定することについての理解と、その後の対応に当たっての協力を要請されたと聞いております。これに対して岸会長からは、「反対の立場はいささかも変わらない」という立場であるものの、政府が方針を決定する場合には、漁業者・国民への責任ある説明、風評被害対策への対応、ALPS処理水の安全性の厳格な担保等を求める旨の御発言があったと聞いております。原発事故以来ですね、復興に向けて懸命に取り組まれている漁業者の方々には、大変な御労苦と御心配をおかけしているところでありまして、処理水が放出された場合の影響をですね、懸念をされるお気持ちというのは当然のことと思います。農林水産省としましては、今般の総理との会談で漁業者から求められた点も十分に配慮をしつつ、できる限り安心いただけるような処理水の処分方法や、風評被害対策を検討していくことが重要と考えております。そして今、漁業者・国民への説明、あるいは風評被害対策等を求めるとの発言があったということでありますが、ALPS処理水の取扱いについてはですね、これまで、昨年2月にALPS小委員会が報告書をまとめたことを踏まえまして、様々な方々との意見交換を重ねてまいりました。福島県の農林水産関係者をはじめ、広く国民の皆様から貴重な意見をいただきつつ、議論を積み上げてきたと考えております。また、こうした議論を踏まえまして、昨年10月にですね、廃炉・汚染水対策チームにおきまして、各省庁に対して、風評による影響を最大限抑制する処分方法やモニタリング、経済対策を含めた具体的な風評対策、国内外への丁寧な情報発信といった論点について検討を深めるよう要請がありまして、農林水産省としても、現在、従来から行っている対策の効果を見極めつつ、検討を深めているところであります。

記者

  今の処理水の関係のところなんですけれども、大臣、今、風評対策というのもしっかり考えていくというふうにおっしゃっていましたが、風評を発生させない、あるいは抑えていく上でどういうことが重要になってくるのか、大臣のお考えと決意のほど、お聞かせいただければと思います。お願いします。

大臣

  処理水のですね、処分方法についてはまだ決定しておりませんが、どのような処分方法であっても、風評の発生が懸念されるところであると思います。昨年2月に公表されました、ALPS小委員会の報告書ではですね、処理水の処分によって生じる風評被害の対策としまして、少しでも安心できるような処分方法の検討、また、周辺環境のモニタリングの強化、わかりやすい情報発信、販路開拓など経済対策の強化の必要性が取りまとめられたところであります。農林水産省としてはですね、今般の総理と漁業関係者の皆様との会談でですね、漁業者から求められた点も十分配慮しつつですね、生産・流通・消費それぞれの段階で支援策を講じていくことが重要だと考えております。

記者

  すいません、これに関連してもう1点なんですが、輸出の部分ですね、水産物の。特に韓国が今、8県に対して水産物の禁輸措置というのを講じているかと思うんですけれども、仮に海洋放出された場合、この解除というのが難しくなることが1つ想定されるかと思います。韓国に対して、どのように向き合って交渉していくのかというお考えのほど、お聞かせいただけますでしょうか。

大臣

  やはり、農林水産省としてはですね、科学的な根拠に基づかない輸入規制等によりまして、輸出に影響が出てこないようにですね、引き続き関係省庁と連携をして、輸出先国に対して、丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。

記者

  関連しまして、処理水の関係ですが、仮に海洋放出であった場合でも、福島県産品にですね、広く風評被害が出るとして、県内の農業関係者からも懸念の声が出ております。そういった農業関係者の懸念に対しては、大臣、どのようにお考えでしょうか。

大臣

  ALPS処理水の処分方法については、まだ決定していないわけでありますが、農林水産省では、農産物も対象とする風評被害対策としてですね、福島県農林水産業再生総合事業、令和3年度の予算でも措置をしておりまして、例えば、第三者認証GAPの取得促進ですとか、農林水産物の放射性物質検査の推進ですとか、あるいは流通実態調査や商談会の開催といった販売促進などですね、生産から流通・販売に至るまで、総合的な支援を行うということ、また、流通事業者や消費者に対して、福島県産の食品の安全性や魅力に関する情報をですね、幅広く発信をしていくということとしておりまして、これらの取組の成果が得られるようにですね、しっかり取り組んでまいらなければならないと考えております。

記者

  どんな処理方法になったとしても、やはり、農産物にも風評被害の影響があるとお考えでしょうか。

大臣

  ALPS処理水の処分に関してはですね、今般の総理との会談でですね、漁業者から求められた点なども十分配慮しつつですね、この処理水の処分方法ですとか、風評被害対策を検討していくということが重要だと考えております。

記者

  コロナに関するまん延防止等重点措置の適用に東京都などが追加される見通しですが、緊急事態宣言が明けてから間もなくのこういった措置ということで、農林水産業・食品産業への影響などはどのように見ていらっしゃるでしょうか。

大臣

  まん延防止等重点措置につきましては、都道府県が定める期間、区域等におきまして、飲食を伴うものなど、感染リスクが高く感染拡大の主な起点となっている場面等に効果的な対策を徹底するものと承知をいたしております。東京都におきましては、まん延防止等重点措置が実施される期間、区域、措置の概要について、現在調整中であると承知をしておりますが、いずれにしても、農林水産省としては、東京都にまん延防止等重点措置が適用された場合ですね、関係業界の状況を注視しつつ、コロナ禍の影響を受けた農林漁業者・食品関連事業者の皆様に寄り添いながらですね、適切に支援をして、経営を支えてまいりたいと考えております。

報道官

  他にございますでしょうか。よろしいですか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上