文科省・新着情報

1.日時

令和6年2月20日(火曜日)15時~17時15分

2.場所

文部科学省内及びオンライン

3.議題

  1. 成年年齢引下げを踏まえた効果的な消費者教育実践モデル構築事業の報告
  2. 令和5年度消費者教育フェスタの報告
  3. 令和6年度取組状況調査について
  4. その他

4.議事録

議題1:成年年齢引下げを踏まえた効果的な消費者教育実践モデル構築事業の報告
 事務局より事業の説明を行った後、株式会社omochi、国立大学法人奈良国立大学機構、公益財団法人消費者教育支援センターより御報告いただいた。報告及び委員からの意見等は以下のとおり。
 
【株式会社omochi(土井様)】  事業概要は、持続可能な地域社会の実現に向けた消費者教育及び環境教育推進事業において、兵庫県神戸市を拠点にする株式会社omochiと地域の銀行大学の3者で、地域の子供たちに届ける消費者教育コンテンツの開発に取り組みながら、子供や開発に関わる大学生の消費者教育力を高めるモデルの構築に取組んだ。
 今回はフェアトレードをテーマにした消費者教育実践モデルを構築した。金融リテラシーマップにおける位置づけとしては、生活設計の分類にて小学生が習得すべきことである、産業に従事する人々は、工夫や努力をしてよりよい製品を生み出していることを理解するところを身につける、知ることや、自らの消費行動によって社会にどのような影響を与えることができるのかを知り、想像できるきっかけをつくることを目指した。
 今回連携した3者のリソースについて、株式会社omochiは消費者教育のノウハウ、地域の金融機関であるみなと銀行は金融教育のノウハウ、神戸学院大学はフェアトレードの、特にマーケティングについて研究している経営学部のゼミに協力をいただいた。
 強みと役割については、株式会社omochiが3者のコーディネートをしながら学生が教材を開発するサポートをした。みなと銀行には、金融教育に関わる部分の監修や、地元企業の紹介、連携の部分をサポートいただいた。神戸学院大学には、学識の指導や学生による企画立案の役割を担っていただいた。
 教材開発について、初めに株式会社omochiの教材開発のプロセスを学生に体験いただいた。教材の独創性や学生ならではの発想を引き出すためにKJ法や発想法をレクチャーする講義を実施し、株式会社omochiが開発した企画や教材の改善案を考えてもらうことで、教材の作り方を体験してもらった。
 次に、消費者教育の現状についてみなと銀行からレクチャーをいただいた。また、実際に今回の教材のテーマであるフェアトレードの認証を受けている兵庫県の企業へ訪問し、商品、サービスがどのようにつくられているのかを学生からインタビューしてもらった。マーケティングの部分や、どう消費者に認知してもらうかの難しさについてお話いただいた。 最後に、学生4人から5人の計5チームにそれぞれ予算を渡し、予算の中で材料を集めて、試行錯誤しながら教材を4つ試作してもらった。
 1つ目は、すごろくをテーマにしたもの。すごろくを通じて、フェアトレードの仕組みや取引について、プロセスを楽しく学ぶことができる。
 2つ目は、重さ比べゲーム。平等、公平、対等が目で見て分かるように重りをかごに載せながら、フェアトレードの基本的な考え方を知ることができる。
 3つ目は、人狼のようなだまし合いを含ませたゲーム。公平な取引とは何かを生産者の役割になったり、だまして搾取する立場になったり、様々な役割に応じてどうすれば勝てるかを試行錯誤するゲーム。
 4つ目は、数出しゲーム。自分のチームの利益のみを優先すると不利になってしまうので、社会全体で勝ちに行こうというところを体感できるゲーム。
 実施後の大学生の感想では、フェアトレードについて何となくは理解していたつもりだったが、小学生に伝えるとなると難しく理解していない部分もあったなと再認識できたという声があった。改めて自分たちが教える立場になると、全然身についていないというのを実感してもらえたようで、先生からも好評だった。
 実際に体験した児童の感想では、1つのものでもいろいろな売られ方があるということは、売手側は収入が増えるかもしれないし、買い手側は種類が増えると自分に合ったものを買うことができるから、どちらにとってもいいところがあっていいなと思った、というもので、様々な商品の売られ方や、自分が買ったときに売手側にどのように収入が届いていくのか、自分の消費行動によってどんな影響が及ぼされるのかを知ってもらえた。
 もう1つ、自分のお金の使い方次第でいろんな人、いろんなことに対して貢献できるのだったら、お金をできるだけ地球のために使っていこうと思った、という感想もあり、ほっこりうれしくなった。
 今後の展開は、ゼミの先生に大変好評いただき、2024年度の前期もゼミの先生が指導されている大学内のフェアトレードサークルとゼミが連携をして、教材の改善に引き続き取り組んでいただくことになっている。
 今年度、取り組んでくれた学生は3年生だったが、卒業までには教材を商品化したい、製品化したいという話をしており、1年かけて世に出せるものにしていきたい。
 また、経営学部1年生の必修授業の内容に今年度取り組んだテーマを組み込んでいただけることになっている。
 
【永井委員】  この事業に関わることで、銀行自体の営業方針や業務に関する文化・考え方などをめぐり、みなと銀行のほうにフェアトレードや公平さを意識したような変化が起きていることが見られたか。
 
【株式会社omochi(土井様)】  2点あり、1点目が、会社内の社員研修向けに今回の取組が紹介されること、2点目が、新卒採用に関する場面でみなと銀行はこういうことに取り組んでいると紹介をするというところで、今回の事例は取り上げていただけるようである。
 1点目の研修については、今年の1月に港島学園の小学校6年生に教材を体験してもらった際に、みなと銀行の社内広報担当の方が当日の写真や動画を撮影された。また、地元のテレビ局も撮影し、当日の様子を放送された。そのような資料等を社内向けに展開されると聞いている。
 2点目の新卒採用や大学生向けの説明についても、同じ資料を展開するということで、会社の社会貢献活動や社員研修として紹介いただける機会になったと思う。
 
【柿野委員】  ここからほかの地域や団体の参考になるような、何か新たな知見があるとしたら何か。
 
【株式会社omochi(土井様)】  消費者教育フェスタで出展した際に、学校の先生方から大変興味を持っていただけた。この教材って私も使えるのかと質問をいただき、後日メールでデータを送らせていただいた。その後、どんなふうに使ってもらったかはまだ聞けていないが、特に先生方から関心を持っていただけたので、今まで株式会社omochiが取り組んできた、大阪、兵庫、京都などのエリアを中心に、教育委員会や学校の先生方向けにデータを共有することで活用いただけると考える。
 
【柿野委員】  銀行と大学とがつながっていくときに、omochiが中間支援機関として間をつなぐ役割を果たしていたということが、今回のプロジェクトを成功させた重要な要因だったと思う。そういう役割はなかなか光が当たりにくいが、こういう方々が入って効果的にサポートしていくと地域の連携協働が進んでいくのだということを、1つの提言というか知見として残していくことが重要ではないかと感じた。
 
【株式会社omochi(土井様)】  教材の展開はもちろん、このモデル自体がどう展開されていくかについても、最後の成果報告の部分でまとめて御報告できるようにしたい。
 
【上村委員長】  今回、食と金融をつながれたというところが、omochiが、金融機関や大学と連携したモデルを構築する中で面白い点である。1点、金融教育などで一般的に使われているリスク・リターンという言葉について、今回のモデルでは単にお金を儲けられるという意味でのリターンではなく、社会全体で勝ちに行くというようなリターンが得られることを目指しているのがフェアトレードということ、ESG投資に近いような文脈であるということは、少し強調していただきたい。
 
【株式会社omochi(土井様)】  みなと銀行からもリスク・リターンについては今回の取組はストレートに合致しないというディスカッションもあった。
 ただ、食を結びつけているところは、新しく金融教育・消費者教育に興味を持ってもらえることの裾野を広げられたと思っており、食べ物をきっかけにちょっと金融教育・消費者教育をやってみようかなって思う教育関係者の方々が増えたらいいなと思う。
 
【杉浦委員】  この教材開発の教材の中には、指導書というようなものは存在するのか。
 
【株式会社omochi(土井様)】  指導書はまだ作れていないのが現状。ただ、遊ぶ際にプレーヤーがゲームを理解するためのマニュアル、説明書のようなものは作っている。指導者がどこを押さえてこのゲームで遊んでもらえばいいのかをまとめているものはまだできていない。
 
【杉浦委員】  作る予定はあるか。
 
【株式会社omochi(土井様)】  教材を使ってもらう人は教育関係者を想定しているので、次年度商品化して公に出すタイミングで作っていこうと考えている。
 
【須黒委員】  実際に体験した小学生の感想などを反映して、今後改善する方向性もあるか。
【株式会社omochi(土井様)】  今回は定性的なデータが中心になっていて、体験してもらったばかりなので、すごくポジティブな声が多かった。
 実際に身につけられたかどうかは、期間を開けてアンケート調査を図っていく必要があると思っている。タイミングをいろいろずらしながら、どの程度知識を身につけたかというのはしっかりと測って教材の改善に取り組んでいきたい。
 
【白上委員】  教材を開発した後、今後はどのように展開をしていくのか。大学が中心にやっていくのか、その辺りをお聞かせいただきたい。
 
【株式会社omochi(土井様)】  次年度以降の展開としては、大学が2者を引っ張って進めていくような形になる。商品開発やクラウドファンディングなどの取組は非常に慣れているので、必要な企業やリソースを求められたときに、株式会社omochiがつなぐ体制で続けていく。
 
【白上委員】  2000年代以降は、企業がCSR的にお金を出して、自社の広報宣伝も含めた形で行っていくことが広がってきたが、今回は大学が引っ張っていく教材開発を、株式会社omochiと金融機関がやられたことは1つのユニークさだと思う。つくっておしまいではなく、一緒にパートナーとして組んでいた金融機関自身が、さらによりSDGs的な観点でよりよい企業経営がなされ、最終的に地域社会自体がどう変わっていくかという観点を含めて取り組まれると、さらによくなると思う。
 
【萩原委員】  せっかく銀行と連携しているので金融商品の開発ができないか。災害支援などどこかを応援するときに、よく全国の信用金庫と金融商品をつくり、その預金額の1%が支援にいくということもやっていた。そこに住んでいる地域の方たちも消費者教育に巻き込んでいくようなこともぜひ提案してほしい。
 
【国立大学法人奈良国立大学(大塚様)】  11月に吉野郡下市町で、地域住民に呼びかけて、地域の拠点になっている下市観光文化センターで消費生活に関する勉強会を実施した。
 内容としては、事業コンセプトである共に学び合うことが可能になるものとして、作成したすごろく型ゲームの実施と、過去に下市町で地域のケーブルテレビ局と市民、学生が協働して作った啓発ビデオを上映した。
  学び合う上で交流する時間を重視したいと考え、すごろくによる消費者啓発ゲームやビデオの感想のほか、消費者問題に限定せずに下市町での暮らし、歴史的な変化について話し合い、地域についても学んだ。
 参加者は数名で、高齢者の方々には、学ぶ機会や若者との交流する機会は大変ありがたいという意見をいただいた。
 消費者啓発のイベントは、一見して楽しそうには受け取られない傾向が高いので、集客が難しい。
 後で、このときに参加した比較的若い移住者の方などに改めてオンラインで意見を聞いた際に、下市町には民間企業が運営する地域のIT普及を目指した交流施設があるので、連携してみてはどうかという意見をいただいた。やはり地域についてよく知った上でないと、効果的なイベントを打ち難いと実感した。
 また、電子決済やバーコード決済などについて、よく分からないまま使っている非常に危険な状態にある高齢の方が地域では多い。スマホやPCの基本的な使い方から始めて、インターネットの世界の消費者問題の学習につなげていくような情報教育ともっと連携していくこと、奈良女子大学に情報経営の学科があるが、そこと深く連携していく重要性の高さを知見として得られた。
 12月8日と15日に、大和郡山市で消費生活センター等と連携して講座を実施する予定だったが、8日は参加予定の学生が体調不良などで誰も参加できず、私と、当機構企画課の係長2人で行った。15日は、大和郡山市南部公民館で大和郡山市の消費生活センターが実施した消費生活講座に参加させてもらい、前回作っていたクイズ付きのすごろく型ゲームを大体70代の女性、15人ぐらいに取り組んでいただき、その後、消費者問題について語り合う交流会を設けた。
 学生とも交流できたし、楽しかったという意見もあり、既に地域に存在しているいろいろな学びの講座と連携していくことの必要性を感じた。
 公民館側からも若い人たちと交流するイベントがこれまでなかったので、今回新鮮だったし、楽しんだという意見があった。
 学び合いということに関していえば、このときも参加者にお話をいただき、学生が直接目の前にいる人から実際に社会の中で生じている消費者問題を身近に感じ、自分たちの活動の社会的意義についても実感できたと言える。
 これのネックは、参加学生の確保が非常に難しいこと。授業とバッティングしてしまうことが課題になるが、このときは大体単位が取れている高学年の学生が参加し、場を盛り上げた。
 1月に情報系の学生との懇談会を設定し、消費者啓発ゲームをやってもらって意見を聞いた。2月に小学生向けに啓発講座を実施することが決まっていたので、小学生向けにやっていく場合の注意点について、小学生もオンラインゲームをよくやるが、リスクに思いが至らないままにアカウント交換などをよくやっているんじゃないかなどのアドバイスをもらった。
 このときは、それほど情報プロパーのアドバイス、知見を提供してくれるところまでは行かなかったので、今後どのような形で情報の視点を取り込んだ消費者教育を構築できるかを情報系の学生や教員と考えていく必要がある。
 2月9日には、東吉野小学校で、五年生1人、六年生7人を対象に講座を実施した。全ての世代を包摂するインクルーシブ消費者教育を考えているので、できるだけ汎用性の高いモデルを構築という発想で小学生も対象にする講座を計画した。
 すごろく型のゲームは、クイズの中身を変えると比較的小学生もなじめるものになっている。途中で「好きなお菓子は何ですか」など和むようなマスを作り、小学生の集中力がもつようにした。
 クイズの難度を下げて、子供が直面する可能性があるネットトラブル、お金の取引に関するクイズ、何か問題が起こったときに親や学校などに相談することが重要だということが自然に分かる形で問題も用意した。
 小学生は大変積極的だった。100%は理解していないと思われるが、分からないなりに楽しんでくれたと思う。
 このときには担任の教員の方だけではなく、教頭や東吉野の教育長が来てくださり、終わった後に意見交換し、家庭科の授業と関連づけながら実施できそうだというコメントをいただいた。一方で、結局、学校側でこういう消費者教育を実施するには人手とノウハウが決定的に不足していて、教員が1人で賄うことは事実上不可能で、中高以降でももちろん難しく教員が非常に多忙化しているので、教科横断的に学んでいく必要性のあるタイプのコンテンツに関してはまとまった時間を取って準備もできない、というお話があった。そうすると、学校に対しての支援も今後は重視していく必要があると感じた。大学生と大学教員が協働して学校に出向き、学び合いという形で楽しみながら消費者問題について触れていくことによって、学校の先生方に対する一定のサポートにもなっていくと思った。
 交流をして学んだことについて語り合うというのは、大変好評でニーズがある。子供たちの教育や、高齢者のリカレントのような意味でSDGsにも関連していくし、みんなが学ばなければいけないことだけれどもなかなか学ぶ機会がないことでいうと、特にデジタルの世界に関して子供と高齢者はノウハウが決定的に不足しているということがある。デジタルに依存するけれども、デジタルから排除される立場にある人々をインクルージョンしていく意味でのインクルーシブな消費者教育のモデルとして展開していく可能性が出てきたと考えている。
 汎用的な形でモデル構築したいと考えており、クイズ部分を入れ替えれば汎用的に実施可能なものを手持ちで作ることができた。ただ、アイテムをもっとたくさん作るつもりだったが、そこまでは手を広げられなかった。今よりも学生に協力していただき、組織的にコンテンツを作成していく体制が取れればよかったが、それができなかったのは反省点だ。
 モデル化に向けて行政と連携していくということも、今後は非常に重要だと考えている。消費者教育を主に担ってきたのは、地域においては行政の役割なので、行政とさらに連携しながら、効果的、効率的な消費者教育の方法を考えていく必要がある。予定していることは、奈良県の消費生活安全課と、我々の作ったゲームの検討をする会とを設けて、今回のプロジェクトについて、御意見・アドバイスをいただきながら、今後も行政との連携を深めていくならどういう方向性がいいのかを協議していきたい。
 また、行政以外のセクターとの連携も重要で、今月、適格消費者団体の認証を受けた「なら消費者ネット」と連携し、ゲームをやって内容について御意見をいただくという会を既に1度設けている。私もこのNPOのメンバーなので、もう少し回数を増やしてさらにいろんな方から御意見をいただき、今後は大学とどのような連携があり得るかについて具体的なプランを協議していきたい。
 この数か月の取組の中から、デジタル、インターネットを通じた消費者問題というものが、どの世代にとっても非常に大きな問題で、高齢者もスマホを使うしSNSを見るが、根本的なリスクの部分についての感覚が若年層とはかなり違っていることが分かった。
 端末、デバイスの使い方から始めて、安全にインターネットの世界とつながりそれが安全な消費生活につながっていくことを自然に、楽しく、お互いに学び合いながら、賢い消費者になっていけるものを今後は構想していきたい。
 
【島田委員】  学生と市民との学び合いをテーマに掲げて取り組んでいただいたが、学生側の学びとしてどんなものがあったか御紹介いただきたい。
 
【国立大学法人奈良国立大学(大塚様)】  奈良という自分たちが住んでいる地域の産業や歴史について知ることができた。この点に関しては、消費者問題について、例えば、高齢者の方だったらどういうことを経験してきたかをもっと引き出していくプログラム内容を考えていかないといけない。
 
【島田委員】  今後は、ここで学んだ学生たちが継続していろんな取組を広げるときに、学生にとっての学び、喜びというものが非常に大きなエネルギーになってくるので、そこも大事にしていっていただければと思う。
 
【永井委員】  若い大学生が子供を対象に活動することによって、大人としての自分に気づき、さらに経済主体としての自分や、自分の後に続く世代のことについてまで思いが及ぶような、そういった大人意識が芽生えたり、育まれたりといったことが見られたか。
 
【国立大学法人奈良国立大学(大塚様)】  驚きということでいえば、自分たちが思っていたよりは、子供たちがしっかりしているというような感想であった。自分が大人であるというふうに認識するというよりは、子供たちが思っていたよりもしっかりしていると。
 とすると、難度が高めのクイズでもよいかもしれないし、あるいは、しっかりしているように見えるけれども表面的なことであって、実際には根本的な部分で知識の欠落があるのかもしれないということを探るような形での学習内容づくりに向かっていくとよいのかなと思う。
 
【神山委員】  大学生と市民の学び合いというのが、非常に意義あるところだと思う。自主的な活動で集まった学生だと思うが、学生が忙しいとか、地域と学生が連携するときの課題、こういうふうにしたらうまくいくのではないかという提言をお聞かせいただきたい。
 
【国立大学法人奈良国立大学(大塚様)】  タイトなつながりの集団にするということは効率性の面では望ましい方向性だが、多くの学生に参加してもらう点からいくと、必ずしもいい方向ではないかもしれないと感じている。
 BEACSに入ってくれないかと誘う際に、皆さんの時間を制約するわけじゃなくて、自分が参加できるときに参加できるやり方で参加してくれればよいという形で呼びかけている。何とか維持できているが、なかなか人が集まらず、特定の人に負担が集中することもある。
 
【神山委員】  学生の集まりについて、これからさらに工夫していくことは考えているか。
 
【国立大学法人奈良国立大学(大塚様)】  楽しく学ぶということを重視していきたい。
 楽しく活動できた経験をほかの学生に伝えてもらって、やってみようかなという人が増えてくればいいと思う。
 あとは、公益的な活動に従事した経験は今後のキャリアに資するということをアピールしていこうと思う。
 
【消費者教育支援センター(小林様)】  近江八幡市で8年間消費者教育に取り組んできた中で、地方の消費者教育を推進するに当たって課題になっている、多様な主体の連携協働が進んできたことから、この近江八幡市を践モデルに連携協働の実践モデルをつくろうというのが今回の趣旨である。
 近江八幡市では、学校と市民教育に当たる体験プログラムと見守りという3つの事業を行っている。この3つの事業は消、費者教育の担い手によるあり方検討会のワークショップで出てきた意見を、事業として展開したものである。
 あり方検討で出されたものの1つ目が学校教育であり、家庭学習のツールの提案だった。消費者教育を理解していただくことを目的に、2017年にあらゆる場で研修を行った。そして2018年から、学校の先生方をメンバーとするワークショップを立ち上げ、消費者教育を実践いただきリーフレットにまとめ、市内の教員委向け発信をした。そこで先生たちの中から出てきたのが「やっと気づいた、これも消費者教育」というキーワードだったことから、これをスローガンにしている。
 毎年少しメンバーを入れ替えながら継続してワークショップを立ち上げ、消費者教育の実践を集めてリーフレットを作成している。
 2022年にモデル校を設置し、今年が2年任期の2年目になる。
 学校の連携、体制については、消費生活センターの担当者と、教育委員会の消費者教育の担当指導主事が密に情報共有しており、市と当センターとで検討した企画内容を教育委員会に提案し、合意の上で実施していく流れになっている。都度校長会で取組や成果を発信している。フェスタの翌週の校長会でも、教育長から、これから横に展開していくというのが、大事である旨のお話があったようだ。
続いて市民教育については、あり方検討で、消費者教育において生産者と消費者のコミュニケーションの場が大事だということで、体験プログラムを提案いただいた。 実行委員会を立ち上げ、毎年企画をしている。参加対象は親子で、親子ともにこの場で学ことで、家庭の中でもコミュニケーションがうまれ、そこからさらに波及することも狙っている。
 この連携については、消費生活センターの担当の下、私たちがサポートしながら、実行委員会形式で市民の方に集まっていただいている。メンバーは一般公募ではなかなか集まらなかったので、体験プログクラムに参加した保護者で興味関心がある方や実行委員の知り合いに声をかけてもらっている。
 企画によっては、八幡商業高校の先生から当センターの機関紙を見て御連絡をいただき、高校生も主体として関わってもらったこともある。この時は、日程調整に苦労した。
 また、若い世代を巻き込むために、中学生や高校生のリーダーを一般公募で集めて、プログラムに関わってもらったこともある。
この体験プログラムは、毎年協力事業者を少しずつ増やして取組を発信している。
 続いて見守りは、最初のあり方検討会では、高齢者・障害者というグループで話し合い、高齢者・障害者に情報を届けるためには見守りネットワークが必要という意見から、モデル地区を設置した。
 ここの課題は、若い世代を巻き込みたいということで「SDGsこども見守り隊」を企画した。2018年の教員ワークショップのメンバーであった老蘇小学校の校長先生がこの取組に共感してくださり、学校の授業で実施できることになった。老蘇小学校はコミュニティ・スクールだったこともあり、地域連携にも積極的だったのでスムーズに実施できた。また、2019年には地域の高齢者が集まる福祉の集いで、子供たち自身が高齢者に向けて発信する機会ももてた。
コロナ禍の2020年、2021年は中止をしていたが、2022年に市社会福祉協議会と連携協働が進み、市社協の共同募金の基金を活用した福祉教育のメニューに位置づいてリスタートし、2年目を迎えている。現在、消費生活センターと市社協の役割は、福祉教育のメニューを市社協が広く発信し、学校から依頼が来たら、消費生活センターが学区内で高齢者の見守りを担っている地域の人を招集し、学校との調整等を行うようになっている。この市社協の現在の課長は、初年度の見守り実行委員会のメンバーで、学校での出前講座にもかかわってくださっていた経緯があり、このような連携、協働になった。
 こういったヒアリング結果を基にこれまで連携ができてきた継続の要因を考えると学校については、継続的な体制を毎年強引にでもつくってきたことが非常に大きかった。その体制立ち上げる際は、教育委員会や校長会の合意が必要で情報交換を持たさざるを得ず、強引に連携ができた。その成果を毎年発信することで、じわじわと色々な人の理解を生んだ。
 消費者教育を実践した先生からは、消費者教育への取組は実生活や地域とつながるという発見があり、手ごたえを感じたことでさらに取組んでくださる好循環が見えてきた。消費者教育の担当指導主事からも、新たなことをやるのではなく普段の授業の中で消費者の視点を持てばできるということに気がついたからき負担なくやれた、というお話があった。
 市民教育については、SDGsこども特派員としてやっているが、企画の魅力がすごく大きいと思った。企画する中で地域のいろんな人とつながることができ、プログラム自体が主体的に活動する形になっていることも大きかった。市が主催の事業に市民が関われることが名誉なことで、喜びを感じていた。そして、参加者の満足が達成感につながっていた。
 見守りに関しては、子供が関わり学校とつながる取組であることが、継続して連携ができている大きな要因。また、地域の高齢者被害をなくしたいという責任感で関わっている人もいた。
 全ての取組を見たときに、鍵は子供。将来を担う子供たちの学びに関わりたいという思いが、継続の大きな要因になっているのではないかと思う。
  最後に、研修などを機に、自分の取組と消費者教育の取組を重ねて考えたことがきっかけになっているとも感じた。そして取組みながら楽しんでもらうというのが、大きかったと思う。
 ヒアリングの際、文部科学省が実施している消費者教育のアンケートについて、指導主事の人が消費生活センターへ消費者教育の取組について聞きに来てくれたという話があり、都度様々な場所でアピールをしておくことで、関係が生まれることも分かった。
 コミュニケーションができていることと、企画力が、これまで取組を広めて深めていけた要因として大きい。それを継続してきたことで、関わった人と別の場で出会うことがあった。そして、消費生活センターの担当が消費者教育を推進する際の企画から調整、実施までのさまざまな場面で、当センターが伴走的サポートをしてきた。さらに今後の継続を図るため、消費者教育に関わってくれていた校長先生に今年から消費者教育コーディネーターを担っていただき、教育委員会との連携のアドバイスをもらっている。
 モデル構築事業のワークショップでは、他の取組を初めて知ったという方が多かった。さらに連携協働して広め深めていくためには、このような消費者教育の担い手が意見交換できる場が必要だというご意見が多く寄せられた。また、見守りの連携図に入っている地域学校協働活動推進員は、学校と地域をつなぐ地域コーディネーターの役割を担っており、このような地域コーディネーターのシステムや人材育成が必要ではないかと考えている。
最後に、近江八幡市を見ていて、指導主事の先生が消費者合教育への理解があることが大事である。例えば、文部科学省が自治体の消費者教育の担当指導主事に、消費者教育についての研修などをしていただけると、消費者行政の方が教育委員会にアプローチしやすくなる。
明日、上村先生と東先生に第三者評価をいただくとともに、広く発信するためのリーフレットを作成する。
 
【柿野委員】  この事業に8年間関わらせてもらってきて、8年間関わらなければ見えなかった世界があった。どうしても教育委員会とうまくつながれないという、どこの自治体も抱えているスタートから、どうやったらつながれるかをいろいろアプローチしていった。教育委員会は、2016年3月に告示された学習指導要領に向けて体制を整えていかなければいけない中で、重要事項として示された消費者教育だが、それどころじゃないと言われ、学習指導要領がスタートして少し落ち着いてきたときに、今ならモデル校をやってもいいという感じだった。
 やっぱりタイミングがあるので、改めて今、いろんな社会環境が変化する中で、教科横断的に進めていく消費者教育のような現代社会で生きていく上で重要な項目を取り上げてやるようにということを、メッセージとして発信していくいいチャンスだと思う。
 みんな消費者教育ってすごくいいものだよね、これからやっていくべきだよねと、言ってくださるが、実際は制約がある中でどうやって全国的に広げていくかという課題もたくさんあるので、そこを最終的なアウトプットとして皆さんに何かが届けられたらいい。また、教育委員会の担当指導主事の先生方が消費者教育を分かっていないというのが、全国の消費者行政と教育委員会がつながれない一番大きな理由だと思う。教育委員会の指導主事の先生が、消費者教育は重要だよね、学校に入れていきましょうとなると、すっと入っていく。リーフレットを作って、先生方の顔写真を前面に入れて、躊躇なくさせてもらったのも、指導主事の先生がそう言ってくださったからというのもあるので、消費者教育担当指導主事の先生に向けて、消費者教育や連携の大切さについてもっと理解を深めてもらうようなアプローチが今後必要だと思う。
 
 【島田委員】  今後、教育全体の在り方として、学校教育、社会教育の垣根を越えて、各自治体が自分たちの地域をどうするのかということを真剣に考えなきゃいけない時期に来ている。その中で消費者教育というのは、今のSDGsの流れであったり、地域経済の弱体化の問題であったり、いろんな課題がある中で、私たちにできることがあることが非常に見えやすくなってきている。そこがすごく生かされて、これだけの取組ができたのだということが本当によく分かる内容ですばらしい。
 今後、地域全体のいろんな課題とのつながりを、もっと幅広く捉えられてつなげていければ、すごく広がるのではないか。それを誰がやるというのは非常に難しいが、そんな夢が膨らむような内容だった。
 
【須黒委員】  シンポジウムを含めて8年間続いてきたからこそ見えたことがあるという言葉はとても耳にした。
 フェスタのパネルディスカッションで一番頭に残っているのが、今、新たな活動をするのではなくて、やっている活動に少し足すということ。子供を中心にすることで、地域・家庭が巻き込めるということ。楽しいをキーワードにしたこと。最初のあり方検討会を継続的にやってきて、そこのメンバーが8年間継続していく中で、いろんなところで人脈がつながってきたこと。強引にでもいいから、とにかくできる検証を山ほどやったということ。これらのことが理解につながったということを伺って感動するとともに、他の地域ですぐというのは、なかなか難しいと思いつつも、これらをキーワードにして広がっていったらいいと思った。
 
【上村委員長】  ここの特色でよかったなと思うのが、見守り隊ですね。子供が、高齢者を見守るセッティングが最初に入れてあったのはすごい。子供たちも主体的に地域を見るという目を育てて、それを8年間続けるのは、その地域だけではなく支援センターのサポートが入ったからだと思う。島田先生が言われたように、今が変わり時とするならば、ここでの8年間の知恵をうまく発信をして、各地域によって違う取組を指導主事の方に考えていただくきっかけになるといいと思った。
 
議題2:令和5年度消費者教育フェスタの報告
 事務局より事業の説明を行った後、公益財団法人消費者教育支援センター、NPO法人無花果より御報告いただいた。報告は以下のとおり。
 
【消費者教育支援センター(小林様)】  2月1日に近江八幡市で行った、消費者教育フェスタ「地域連携による消費者教育 ここまでできる!これからも広げる!~近江八幡8年の軌跡と未来~」では、モデル構築で紹介した内容を参加者と共有し、さらにここから自分たちができることのヒントを見つけてほしいということで開催した。
 会場の参加者は、合計128名、オンラインの申込者は133名になっており、現在、アーカイブ配信をしている。
 非認知能力に関する基調講演の後、市の池田様とモデル校である武佐小学校の犬丸先生から事例報告をしていただき、全国の消費者教育の団体の方と参加者の交流タイム、パネルディスカッション、上村先生のご講評の流れで実施した。
 アンケートを見ると、基調講演については、非認知能力の大切さや、消費者教育との関わりについて理解していただけたようである。事例報告については、消費者教育と聞くとすごく難しいと感じていたが、ふだんの生活に基づくものだと気がつくことができたということや、小さい頃から消費者教育をするのが大切であること、勉強はとても大事だけど、消費者教育は生きていく力、考える力を身につける1つの方法であるという感想があり、消費者教育というものを改めて考えていただける場になった。さらに、チームとして活動している点、ふだんやっていることの視点を変えるだけで消費者教育になるということも感じていただけた。
 交流タイムについては、実際に対面でいろんな方と話す場としてすごく貴重だったという意見をたくさんいただいた。また、武佐小学校の模擬授業を体験し、自分のこれからの参考にしたいという意見も寄せられていた。
 パネルディスカッションについては、本音でお話しいただけていることと、「楽しい」という言葉が印象的だったという声があった。それぞれの立場を通して無理せず連携することも、感じ取っていただいたと思う。
 カリキュラムの中で消費者教育に位置付けられるものがあるか見直したい、まず多くの人と関わって連携協働できることを考えたい、など自分事として捉えている意見もあった。
 プログラム構成としては、いろんなものが入っていたのと、一貫した内容になっていたという意見もいただいた。
 また、何でも消費者教育に結びつけることができる考え方は、SDGs時代の消費者教育を一層普及させていく上で重要だが、消費者教育としてのアイデンティティーが見えにくくなっていると感じたという意見もあり、しっかりと捉え直して、消費者教育はどこを目指していくのかを、改めて考える必要があると思った。
 今回、集客にすごく苦労した。教育委員会や市が何か面白そうなことをしているみたい、とじわじわと地域で広がり、最後市内の参加者が増えた。今まで消費者教育を知らなかった人たちも参加してくれたことで、市内の理解者を増やす機会になった。
 更なるの波及が、これからは大事だと考える。
 
【NPO法人無花果(中藤様)】  2月10日に島根県で消費者教育フェスタを開催した。
 参加申込は331名で、実際の参加者は現地が51名とオンラインが167名になっている。
 開会の挨拶では、今回のテーマである「フリースクールと通信制高校」での教育のことを考えていく中で、学校の中や外の枠組みは関係なく、消費者教育は深めていくことができるという話をさせていただき、フリースクールや通信制に携わられている方々と、そうじゃないいろんな形で消費者教育に携わられている方々にとっての、よい時間になったらうれしい、とお話させていただいた。
 その後、行政説明の後に、講演型の事例報告として、明誠高校の理事である、山本氏から、フリースクールや通信制の子たちの、実際に起きたトラブルを中心にお話しいただいた。
 本来は15分ほど予定していたが、実際は7分しか取れず、内容自体が短くなってしまった。
 アンケートで、島根県でもいろんな事例があることにびっくりしたとか、フリースクールを必要とする生徒の内面に注目した発表だったという声をいただきながらも、ここでしか聞けないような内容を聞きたかったという声もあった。
 その後、神奈川県で、オルタナティブスクールとして消費者教育をされている小田急電鉄の方に、お話をいただいた。
 特にここでは、サービスを提供する人の思いや工夫を知ることが、よい消費活動につながっていくという部分をメインにお話しいただいた。
 小田急電鉄がされているスクールだと、元から電鉄が好きな子が多い中で、車掌さんがふだんはどんなことを考えているかとか、こういった思いを持って私鉄は運営されているとか、そこがあるからこそ、子供たちの興味・関心を基にサービス提供側の思いを知れて、よい消費行動につながっていくという事例をお話しいただいた。自社の強みと、子供たちの興味関心を掛け算した形で、消費者教育が行われていることを知ることができてよかったという声を主にいただいている。
 次に、ワークショップ型の事例報告として、大手町のランダムウォーカーこと、福代氏に公演をいただいた。
 具体的な場面を提示して手数料の部分に関して興味関心を広げていきながら、どうして手数料でビジネスが成り立っているのかを、誰でも興味が持てる形で講演いただいた。
 また、ローカライズについて、例えば島根でやったので、島根銀行とセブン銀行の違いを知っていく中でより理解が深まったり、地元の企業に愛着が湧いたりというお話をいただいた。
 また、会計クイズのお話では、金融教育で連携できそうという声や、税金や手数料などのなじみがない言葉でも、クイズ形式で学びが深まると、こんなに楽しく、分かりやすく学ぶことができるのだという声をいただき、すごくうれしかった。
 次に、ユーチューバーの瀬戸内サニー氏によるワークショップ型の報告を実施した。事前に無花果で、フリースクールと通信制高校の生徒と一緒に消費者被害あるあるみたいな映像を作り、フェスタで流した。
 今回の映像作成を、消費者教育掛けるあるある動画という形で紹介し、ユーチューブ企画案のアイデアを考えていくときには、掛け算がすごく大切で、この掛け算は、かけ離れているもののほうが、面白味があり、より広く届けていけることをお話しいただいた。その上で、6人からの7人のグループでよりいろんな方に興味を持っていただける消費者教育のユーチューブ企画を考えて発表する時間をつくった。
 例えば、文化祭の中である成分が入っているものとして売ってみて、後で本当は入っていない、とネタばらしをするとか、いろんな掛け算が現れていて、すごく面白かったと思う。
 オフラインに重きを置いた内容にはなっていたので、オンラインの方からは見づらかったという声をいただいている。また、アイデアを出せる時間をもうちょっと確保しできたらよかったというフィードバックもあったので、そこは考えられた部分だと感じている。
 これらを踏まえて、会計クイズの方、ユーチューバーの方、無花果の副理事長かつ弁護士をしている山田と、山本理事に加えて、元島根県教育委員会職員で社会教育の分野で活動されている大畑氏を迎え入れ、5名プラスファシリテーターでディスカッションを実施した。ここでは何かしら提言につなげることを目的にした。
 消費者教育を考えていく中で、自分たちが伝える側だということを前提として言葉を届けてしまうことも多いが、自分も学ぶ存在として、子供たちと一緒に消費者教育について考えたり、語ったりすることがすごく大事ということを、官民連携や今後の発展にひもづけながら話せて、よい時間だった。
成果として、通信制高校の明誠高校で、消費者教育について単位認定を検討している。今回、登壇いただいた方々に協力いただけるかも含めて、可能であれば全国の通信制の学校にも横展開可能な形で検討を進めている。
 また、うちでも開催できたらうれしいという声もいただき、次年度以降もあったらいいなと思っていただけるフェスタになっていたらうれしい。
 
議題3:令和6年度取組状況調査について
 資料に基づき、事務局より以下のとおり説明を行った。
 
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】  文部科学省では消費者施策の活用を目的に、平成22年度から3年に1回消費者教育の取組状況調査を行っている。令和6年度が、調査年度になっており、来年度、この調査を行う方向。
 来年度にこの調査を行うに当たり、作業部会を設けて調査項目について御検討をいただきつつ、委員の皆様に、またその内容を共有させていただいて、御意見をいただく予定。
 作業部会については、柿野委員、須黒委員、萩原委員、樋口委員、上村委員長の5名に御協力いただき、調査項目の検討を考えている。
 また、前回の令和3年度の報告書を御覧いただき、お気づきの点があれば御意見をいただきたい。
 
議題4:その他
 全ての議題が終了した後、事務局より参考資料に基づき令和6年度予算案について、また消費者教育フェスタの後援名義について、以下のとおり報告を行った。
 
【濱部男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐】  令和6年度予算案においては、引き続き消費者教育アドバイザーの派遣や消費者教育フェスタの開催、モデル構築事業を行う形で経費を計上している。
 本日のモデル構築事業の報告を受けて、大きな成果もある一方、課題も御指摘いただいており、次年度のモデル構築事業でどう生かしていけるか、内容を組み立てていきたい。
 また、消費者教育フェスタの後援名義について、協力や応援をいただいている関係者を、後援という形で文科省のホームページやチラシに掲載し、フェスタの周知を行っていたが、後援に当たって、特段文科省に手続がなく、関与の程度や後援の内容についても決まりがないまま対応を進めていた。
 このため来年度以降は、後援団体については、事前に文科省において、後援内容が確認できるルールを設け、仕様書などにも明記し、位置づけていきたいと考えている。併せて、後援団体が、文科省のホームページに載り続ける状況が、団体の宣伝につながっていくことも考えられるため、フェスタ終了後は、後援団体の一覧は、ホームページからは削除していく方向性で進めたい。チラシは引き続き掲載させていただく形で考えている。

お問合せ先

男女共同参画共生社会学習・安全課
消費者教育推進係
電話番号:03-5253-4111(内線2260)
ファクシミリ番号:03-6734-3719
メールアドレス:consumer@mext.go.jp

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