令和3年4月8日

 4月8日(現地時間同日)、ミクロネシア連邦の首都パリキールにおいて、側嶋秀展駐ミクロネシア連邦特命全権大使と先方カンディー・A・エリエイサー・ミクロネシア連邦外務大臣(Honorable Kandhi A. Elieisar, Secretary of Department of Foreign Affairs, Federated States of Micronesia)との間で、供与額4億円の無償資金協力「水産海事学校能力向上計画」に関する交換公文の署名が行われました。

  1. ミクロネシア連邦の水産海事学校は、同国唯一の海事教育機関であり、同国のみならず、ミクロネシア地域のパラオ、マーシャル諸島からも海事教育訓練の中核機関として発展していくことが期待されています。同校の教育能力向上は重要な課題ですが、現在は、機材不足のために実習訓練の実施が困難な状況にあり、国際条約に基づく船員の能力証明のうち高度なクラスの船舶職員の育成ができない状態です。
  2. この計画は、ミクロネシア連邦で唯一の水産海事学校に対して、同学校の施設(教室・宿舎)を建設し、海事訓練関係の機材(練習船・複合艇等)を供与することにより、同国の水産海事学校の教育能力向上を図り、海上の安全確保を通じたミクロネシア連邦の経済成長に貢献するものです。
  3. この協力は、平成30年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催された第8回太平洋・島サミットにおいて、我が国政府が表明した支援の柱である「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」に資する協力として実施するものです。

 ミクロネシア連邦は、面積700平方キロメートル(奄美大島とほぼ同じ)、人口約11万4,000人(2019年、世界銀行)、一人当たりの国民総所得(GNI)は3,400米ドル(2018年、世界銀行)。

  • (1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域、オーストラリア及びニュージーランドの首脳級等が出席。ミクロネシアからはクリスチャン大統領(当時)が参加した。
  • (2)我が国は、PALM8において、ア 自由で開かれた持続可能な海洋、イ 強靱かつ持続可能な発展の基盤強化、ウ 人的交流・往来の活性化の3つを柱として、今後3年間でこれまでの実績も踏まえた、従来同様のしっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。