令和3年3月31日
農林水産省

農林水産省は、令和2年11月に全国の市町村を対象に実施した「食料品アクセス問題」に関する全国市町村アンケートの調査の結果を取りまとめましたので、公表します。

背景

近年、高齢化の進展や食料品小売店数の減少等の社会・経済構造の変化によって、中山間地はもとより都市部においても、食料品の購入に不便や困難を感じる「食料品アクセス問題」が顕在化しつつあります。また、新型コロナウィルス感染症が拡大する中においては、外出自粛により食料品の購入に影響が出たことが、いわゆる「買い物困難者」の増加及び顕在化に繋がっております。

これらの問題は、単に商店街の衰退や地域公共交通の機能低下といった側面を有するだけでなく、食料の安定供給の確保という食料安全保障の観点からも、効果的かつ持続的な対策が求められています。 このため、農林水産省としては、平成23年度より、この問題の現状分析の一環として、全国の市町村(東京都特別区を含む。)を対象に、食料品の購入に不便や困難を感じている住民への対策に関するアンケート調査を実施してきました。

この度、令和2年11月に全国の市町村を対象に実施した「食料品アクセス問題」に関する全国市町村アンケート調査の結果を取りまとめましたので公表します。

概要

<調査対象> 全国の市町村1,741市町村(東京都特別区を含む)
有効回答数:1,244市町村(回答率71.5%)
調査期間:令和2年11月13日~12月25日

<結果概要>
対策の必要性と背景
1.回答市町村のうち、1,069(85.9%)市町村が何らかの対策が必要と回答
2.対策を必要とする背景として、規模にかかわらず「住民の高齢化」、「地元小売業の廃業」を挙げる市町村の割合が高く、「単身世帯の増加」を要因とする回答が増加傾向。小都市部においては「公共交通機関の廃止等のアクセス条件の低下」が大都市部と比較して高く、大都市部においては「助け合いなどの地域の支援機能の低下」が小規模都市と比較して高い
3.市町村または民間事業者のいずれかで対策が実施されている割合は92.0%と前年より4.8ポイント上昇し、調査開始以降初めて90%以上となった

行政による対策の実施状況
1.対策を必要とする市町村のうち、73.2%の市町村で何らかの対策を実施しており前年より4.6ポイント増加
2.対策の内容は、中都市・小都市では「コミュニティバス・乗合タクシーの運行等に対する支援」が最も多く、大都市では「宅配、御用聞き・買い物代行サービス等に対する支援」が最も多い
3.対策の実施手法は、「民間事業者等への費用補助や助成等の支援」、「民間事業者への業務運営委託」が多い
4.対策によりカバーできている割合は「30~60%程度」と答えた市町村が36.7%と最も多い

民間事業者による対策の実施状況
1.対策を必要とする市町村のうち、民間事業者が参入している市町村は 69.4%
2.「移動販売車の導入・運営」が増加傾向で、「宅配、御用聞き・買い物代行サービス等」が減少傾向
3.実施主体の民間事業者の組織は、「株式会社などの営利団体」、「生協や協同組合など」の割合が高い

公表HP

食料品アクセス(買い物弱者・買い物難民等)問題ポータルサイト
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/access_genjo.html

お問合せ先

食料産業局食品流通課

担当者:井上、吉原
代表:03-3502-8111(内線4324)
ダイヤルイン:03-3502-5741
FAX番号:03-3502-0614