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令和3年3月30日(火曜日)
教育、科学技術・学術

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創発的研究支援事業の公募開始、星出宇宙飛行士が搭乗する米国民間宇宙船クルードラゴンの打上げ、教科書発行者による教科書採択に係る不公正な行為の隠蔽・虚偽報告について、高等学校教育におけるデジタル化の推進及び新たな学科の設置について、教職大学院等修了者の処遇の在り方について、「教師のバトン」プロジェクト、カーボン・ニュートラルの達成について

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年3月30日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年3月30日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年3月30日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私から3件ございます。まず、若手を中心とした多様な研究者による自由で挑戦的な研究を、最長10年間にわたり支援する「創発的研究支援事業」について、2回目の公募となる令和3年度の公募が明後日4月1日より始まります。私としては、本事業を通じて、支援を受ける研究者が、互いに切磋琢磨しながら、リスクを恐れず、壮大な構想に挑戦し続けること、また、採択された研究者の所属機関が、研究に専念できる環境の整備に努めることなどを期待しています。2月に公表された初回の採択者は、事業の主旨に沿った多様な顔ぶれとなっているほか、所属機関からも、研究に専念するための研究時間やスペースの確保などのきめ細かな支援が積極的に実施されていると承知しています。今回の公募においても、研究者としての大きな夢の実現に向けて果敢に挑戦する皆様からの積極的な提案をお待ちしております。文部科学省としては、本事業等を通じて、研究者が持てる能力を思う存分発揮して研究に打ち込める環境作りに、引き続き、取り組んでまいりたいと思います。
 2点目ですが、国際宇宙ステーションに滞在予定の星出彰彦宇宙飛行士が搭乗する米国のクルードラゴン宇宙船2号機の打上げ目標日時が、日本時間の4月22日(木曜日)19時11分以降に、また、現在ISSに滞在中の野口聡一宇宙飛行士が搭乗するクルードラゴン宇宙船初号機の帰還目標日時が、4月29日の1時35分頃に設定されましたのでお知らせをいたします。星出宇宙飛行士は、長期滞在中にISS船長を務める予定であり、また、搭乗するクルードラゴン宇宙船2号機が予定通り打ち上がれば、現在ISS長期滞在中の野口宇宙飛行士とともに、日本人宇宙飛行士2人が初めてISSに同時に滞在(注1)することになります。これらは、「きぼう」や「こうのとり」の着実な運用を通じて、我が国が国際的な信頼を築き、プレゼンスを発揮していることの表れと考えております。両宇宙飛行士には、引き続き、打上げや帰還に向けた準備を着実に進めていただきたいと思います。
 最後ですが、平成28年文科省が高等学校用の教科書を発行する教科書発行者に対して、教科書採択の公正確保のための調査を行っておりますが、この調査において、株式会社第一学習社が隠蔽・虚偽の報告をしていたことが、この度発覚いたしました。平成28年当時の第一学習社からの報告では、同社から高等学校に対して教師用教材を無償で提供していた事案は41校57件であったところ、これら以外に、現時点までに把握できた隠蔽・虚偽報告の件数が、少なくとも28校46件あることが判明しております。このほか、現時点においては、事実関係が不明瞭ながらも不公正な行為が行われた可能性があるものが1,328件報告されております。このような第一学習社の隠蔽・虚偽報告は、極めて悪質かつ不誠実な行為であり、誠に遺憾であるとともに大変失望しております。文科省としては、関係する教育委員会等に対して、本件に関する事実関係や教科書採択に与えた影響の有無について確認するなど、必要な調査を行い、その結果も踏まえて適切に対応してまいりたいと思います。詳細につきましては、この後、担当部局から詳しく説明をしたいと思います。私からは以上です。

記者)
 1点、昨日、河野大臣と共同で会見されたオンライン教育の方針の中から1点伺います。高等学校設置基準の見直しについても令和3年度中に結論を得るとされていますが、これは、デジタル化との関係で具体的にどんな見直しを想定されているんでしょうか。普通科改革で、例えばデジタルとかAIといった名称の学科が設置されることも想定されているんでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 昨日の取りまとめは、菅政権が掲げる社会全体のデジタル化を推進する中で、学校教育においても、GIGAスクール構想によりICT環境整備を一気に推し進め、各学校における創意工夫によって新しい時代の学校教育を作っていくことを後押しするものです。高等学校教育に関しては、中央教育審議会の答申を踏まえて、高校生の約7割が在籍する普通科の在り方を弾力化し、普通科に加えて、Society5.0における学際的な学びに重点的に取り組む新たな学科を各設置者の判断により設置可能とするなどの制度改正を進めているところです。こうした制度改正を通じて、特色・魅力ある学びを実現するために、今ご指摘のあったデジタル学科ですとかAI学科などについてもですね、各設置者や学校の創意工夫により設置することも可能になるものと考えています。文科省としては、まずはこうした制度改正を速やかに進めてまいります。その上で、各設置者や学校における新学科の設置に向けた検討に資するよう、各設置者や学校の声をしっかりとお聞きしながら、令和4年度から実施することを念頭に、令和3年度中に、各学校における創意工夫を後押しできるような必要な方策を検討してまいりたいと思います。

記者)
 ちょっと2点伺いたいんですが、1点目が、教職大学院の活性化に関してなんですけれども、先日、大臣の方が中教審に諮問された中で、教職大学院、魅力あるところで、教員が学ぶ場になるようにというような諮問をされたと思うんですけれども。諮問に書かれている通り、大学院に入ってもですね、報酬面であるとかキャリアパスとかが見えなければ、入るためのその動機付けにならないと思うんですけど、この諮問の中にも、インセンティブという表現が出てきますけれども、大臣、この辺りはどういったものをイメージされておられますでしょうか。

大臣)
 本年3月、中教審に対して、「令和の日本型学校教育」を支え、多様化した教職員集団の中核となる教師を養成する教員養成大学・学部、教職大学院の在り方について、その教育内容・方法や組織の在り方を大胆に見直し、教師の養成機能を抜本的に強化をして、その高度化に取り組むことが必要であることから、具体的な方策について検討いただくことを諮問したところであり、まさに、審議といいますか、これからだと思います。従いまして、機能が強化された教職大学院を修了した者がどのような専門性を有し、どのような役割を担っていくのかについては、まさにこれから検討し具体化されていくものであるため、その修了者の処遇の在り方について、それらが明らかになった上で、現場での評価などを踏まえながら考えていく必要があるものと認識しております。私としては、例えば、大学院生4年じゃなくてプラス2年学んで現場に立っていただくわけですから、将来、副校長や校長を目指すようなですね、そういった心構えっていうのもこの2年間でしっかり身に着けてもらいたいと思いますし、現場で様々なニーズもあります。例えば、機会あるごとに私申し上げていますけれど、スクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーとか、こういう専門性を持った方って必要なのですけれど、今のように非常勤で学校ぐるぐる回るんじゃなくて、学校の中の先生がどなたかがこういう資格を持っていた方が、児童や生徒にとってはいつでも相談できる心強さもあるんじゃないかと。大学院の2年間を上手に使えば、こういった方向性も担保できるんじゃないかと思いますし、あるいは、図書館司書を求める声も多いのですけれど、これも、4プラス2の中では図書館司書の資格を取ることは十分可能だと思うので、一般の教職員としてスタートすると同時にですね、図書館司書の資格を持っている先生として現場で働いていただいたら、まあ言うならばプラス1の仕事ができるんじゃないかなと思っていまして、そんなことを、私個人は期待をしながら、今、諮問にお願いしているところでございます。初任給では、2号俸ほど上の給与体系から始まるので、収入面でのインセンティブっていうのは、今、少しずつあるんですけれど、全体的な教師の処遇の在り方を見直している最中ですから、この修士課程(注2)を終えた人たちの対応をどうするか、まさに、この場でしっかり深堀をしてもらいたいなと思っているところです。

記者)
 もう1点なんですけど、教師のバトンプロジェクトなんですけれども、前向きな意見もSNSの方ではかなりあるんですけれども、一方で、かなり現場ではかなり厳しいんだと、バトンがつなげないんじゃないかというような意見もかなり寄せられております。この点、大臣としてどう受け止めておられるか。それから、施策にどう活かしていきたいかというのを、お考えを伺いたいなと思います。

大臣)
 前回会見でも報告したとおり、先週26日に「教師のバトン」プロジェクトを立ち上げて、学校現場で進行中の様々な取組について発信を呼びかけたところですが、この呼びかけを受け、学校現場の先生方からは、長時間勤務の実態ですとか部活動指導の重い負担を訴えるなど、厳しい勤務の実態を訴える情報が多く寄せられていると承知をしております。今回、こうした投稿内容を拝見して、改めて学校現場の先生方が置かれている厳しい勤務環境を社会一般に明らかにしていただいたと受け止めており、また、ますます学校における働き方改革を進めていかなければならないとの意を強くしているところです。あの、私、就任以来、一貫して現場第一主義を旨に文科行政に当たってまいりました。今回、投稿いただいた多くの先生方の思いっていうのをしっかり受け止めてですね、働き方改革を前に進めてまいりたいなと考えております。あの、もうちょっと、例えばですね、最初にポジティブな意見をどんどん書き込んだ上で、はいどうぞってやるともっと違った意見が出たのかもしれないんですが、ここは、もう本当にフラットにですね、先生方の声を聞こうっていうことでやってみました。ですから、前向きな意見もあるし、もう本当に明日にも辞めたい、あるいはこんな職場に若い学生たちは来ない方がいいみたいなですね、ちょっとネガティブな意見もあって、戸惑いも感じていますけれど、他方、この機会に、教員の働き方を変えて、処遇改善も含めて見直すんだという我々の思いっていうか胎動はですね、教育現場の皆さんは、感じていただいているからこそこういう発信をしていただけるんだと思います。一つだけ、願わくは学校の先生ですから、もう少し品のいい書き方をしてほしいなというのは私個人としてはございますので。今後も、どうぞご意見があったら寄せていただいて、それが、まさに現場の声だと思います。直ちに改善できるものもあるし、なるほどこれは、新しい形の中で変えていかないとですね、先生方が疲弊がどんどん進んでしまうなっていうものもありますので、先生方の声を無駄にせずにですね、しっかり受け止めて、有効に活用していきたいなと思っています。

記者)
 現政権でカーボンニュートラルの取組、重点化するというような方針、打ち出されています。端的に4月から新しい期が始まると思うんですけれども、2021年度からのカーボンニュートラルに関して文科省の取組を教えてください。

大臣)
 2050年のカーボンニュートラルの達成は、我が国が総力を挙げて取り組まなければならない喫緊の課題であり、第6期の科学技術・イノベーション基本計画においても、革新的環境イノベーション技術の研究開発の促進等が掲げられています。文科省としては、環境エネルギー分野における技術革新を支えるため、従来の延長線上にはない技術の創出など、基礎・基盤的研究に取り組んでいます。具体的には、次世代蓄電池や大幅な省エネを可能とする革新的なパワーエレクトロニクス技術、また、水素製造をはじめとした多様な熱利用につながる高温ガス炉、核融合エネルギー技術の研究開発、人工光合成をはじめとするカーボンリサイクル技術などの革新的なイノベーションを創出する技術シーズの創出、気候変動に関する予測情報の創出、地域の脱炭素化に向けた分野横断的研究などに取り組んでいます。また、先日、カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリションの本年夏頃の立上げに向けて、120の大学や研究機関のトップの方々と意見交換をしてまいりました。地域の知の拠点として、脱炭素技術の開発や人材育成など、自治体や企業と連携した大学の多様な貢献を期待しており、文科省としてもその取組を支援してまいりたいと思います。今後とも、関係省庁等と連携しつつ、カーボンニュートラルの達成に向けて、本分野の研究開発等に推進してまいりたいと思います。

(注1)「日本人宇宙飛行士2人が初めてISSに同時に滞在」と発言しましたが、正確には、ISSに長期滞在する日本人宇宙飛行士の滞在期間が2名重なることは初めてとなります。
(注2)「修士課程」と発言しましたが、正確には「修士段階」です。

(了)

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