日時 令和3年3月30日(火曜日)9時33分~9時41分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)日本茶と暮らそうプロジェクトについて
  • 令和3年度予算について
  • 改正種苗法の施行について
  • 農協改革について

 

大臣

  本日、私から1点、「日本茶と暮らそうプロジェクト」について御報告がございます。お茶は、日本人の生活と文化になくてはならないものですが、生活様式の多様化によりまして、残念ながらその消費は減少傾向にあります。そのような中、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、観光需要や葬儀用需要などが減少しまして、生産量、売上額ともに、大きな影響を受けたところであります。その一方で、巣ごもり需要によります家庭でのリーフ茶の消費が増加しているほか、お茶の輸出額も過去最高となるなど、明るい兆しも見られているところであります。このため、日々の暮らしの中で、お茶をもっと飲んでいただけるように、これから本格化する新茶シーズンに向けまして、農林水産省は、本日から「日本茶と暮らそうプロジェクト」を開始をいたします。具体的には、茶業界が作成したロゴマークを活用しながら、茶産地による新茶イベント等の情報発信を行い、また、日本茶の消費拡大に向けた取組を進めてまいります。国民の皆様には、是非この機会に美味しい新茶を味わっていただければというふうに思います。詳細は、この後プレスリリースをさせていただきます。私からは以上です。

記者

  先週26日に令和3年度の予算が成立しました。主食用米の需給ですとか、食品の輸出拡大といった課題にどう取り組むかと併せて、予算成立についての所感をお聞かせください。お願いいたします。

大臣

  先日成立しました令和3年度予算におきましては、農林水産関係予算としまして、農林水産業・農山漁村をめぐる多岐にわたる課題を解決をし、我が国の農林水産業を次の世代へ確実に承継していくために、総額2兆3,050億円が措置をされました。具体的には、まずは新型コロナウイルスによる農林水産業・食品産業への影響を緩和するための対策を引き続き着実に実施していくとともに、食料・農業・農村基本計画を踏まえ、産業政策と地域政策を車の両輪としながら、2030年輸出5兆円といった新たな輸出目標に向けた施策の抜本的強化、あるいは農林水産業・農山漁村の維持・継承を確実なものとするための生産基盤の強化や担い手の育成確保、スマート技術の開発・実装やデジタル技術の活用の加速化、また、多様な人材や地域資源を活用した農村活性化などの新たな農村政策の展開、さらに、農業農村整備事業、治山事業、森林整備事業等による防災・減災、国土強靱化等、重点課題に応えられる充実した予算を確保することができたと考えております。今後は、これらの予算が一刻も早く現場で有効に活用されるように、現場への丁寧な情報提供を始め、執行にですね、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

記者

  改正種苗法が4月1日に一部施行されます。改めて、今回のですね、法改正の趣旨とかですね、期待する効果などありましたら教えてください。

大臣

  4月1日からですね、改正種苗法が施行されまして、これまでできなかった海外持出しや国内での栽培地域の制限が可能となります。また、4月1日から登録品種である旨や、利用制限がある場合はその旨の表示が義務化されるため、その内容につきまして、流通現場や生産現場に対して説明を行っているところであります。この改正はですね、我が国の強みであります新品種の流出を防ぎ、また、地域農業の活性化に資することをねらいとしている訳であります。生産現場には、これまでも説明会を重ねることで御理解が進んできていると承知をしておりますが、引き続き、御要望に応じてですね、法改正の趣旨やその意義等について、丁寧に説明を続けてまいりたいと考えております。

記者

  関連でもう1点。来年4月に施行となるですね、自家増殖の許諾制についてはですね、法案審議の際に野党から懸念を指摘する意見もございました。その辺については、現場の理解に向けてどういったことをしていくでしょうか。

大臣

  今、お話ありましたとおり、今まで許諾が不要であったですね、自家増殖について、1年後の令和4年4月1日から許諾が必要となる訳であります。まだ時間がございますので、この間もですね、しっかりと説明を尽くしていきたいと考えております。

記者

  従前、質問もありましたんですが、4月1日で改正農協法からですね、5年ということで、また准組合員の利用規制とか、残る積み残しの課題が議論されるのかと思うんですけれども、そこに向けた議論のポイントないし農協の自己改革への評価というのを改めてお伺いできれば。

大臣

  改正農協法では、法の施行から5年を目途にですね、農協制度ですとか准組合員の事業利用に関する規制のあり方等について検討されることとされております。JAグループはですね、農産物の有利販売ですとか生産資材の有利調達等ですね、農業者の所得向上を図る取組を実践する等の自己改革を実施をして、さらに、令和元年5月までの改革集中推進期間終了後も、自己改革に不断に取り組むことを宣言をしてまいりました。これに対して、農林水産省は、令和元年9月、JAグループの自己改革は進展と評価をしたところであります。また農林水産省としては、本年4月に、改正農協法施行5年目の節目を迎え、信用事業を始めとした農協の経営環境が厳しさを増す中で、経済事業の収益力向上などによる経営の持続性確保が課題との認識に立って、引き続き、農業者の所得向上のための自己改革の取組を促進しつつ、JAグループや規制改革推進会議等とも議論しながらですね、検討を進めてまいりたいと考えております。

報道官

  他にございませんでしょうか。では、以上で終了いたします。ありがとうございました。

以上