令和3年3月24日
農林水産省

農林水産省は、今般、新たに得られた食品安全に関わる科学的知見、消費者・生産者・食品事業者等の関係者の意見、コーデックス委員会や諸外国政府の動向を考慮して、「農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」を改訂し、令和3~7年度で調査を実施すべき危害要因と食品群または飼料の組合せを示した「食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画」を策定しましたのでお知らせします。

概要

  1. 安全な食品の安定供給は農林水産省の重要な任務の一つです。農林水産省は、食品中の有害化学物質の実態を調査し、人の健康に悪影響を及ぼす可能性がどの程度あるか(リスク)を推定しています。そして、その結果、悪影響がないと言い切れない場合は、あらかじめ食品の安全性を向上させる措置を策定し普及しています。

    その際、農林水産省は、科学的原則に基づくとともに、国際的に合意された枠組みに則って食品安全行政を推進するため、「農林水産省及び厚生労働省における食品の安全性に関するリスク管理の標準手順書」(平成17年8月25日公表。以下「標準手順書」という。)を作成し、この標準手順書に記載された作業手順に従ってリスク管理を実施しています。

    リスク管理を実施するに当たっては、この標準手順書に基づいて、食品中の有害化学物質の含有実態や食品由来の摂取量などの収集した食品安全に関わる科学的知見、消費者・生産者・食品事業者等の関係者の意見、コーデックス委員会や諸外国政府の動向を考慮して、有害化学物質の中から、優先的にリスク管理を行うものを選定しリスト化するとともに、当該リストに掲載した危害要因のうち、今後5年間で調査を実施すべき危害要因と食品群または飼料の組合せを示した中期計画を策定しています。

  2. 今般、新たに得られた食品安全に関わる科学的知見、消費者・生産者・食品事業者等の関係者の意見、コーデックス委員会や諸外国政府の動向を参照し、農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト(優先リスト)を改訂し(別添1 参照)、あわせて、当該リストに掲載した危害要因のうち令和3年度から令和7年度までの5年間で調査を実施すべき危害要因と食品群または飼料の組合せを明示したサーベイランス・モニタリング中期計画(別添2 参照)を策定しました。
  3. 今回の優先リストの改訂では、アザスピロ酸(海産毒素)、麦角アルカロイド類(かび毒)、パーフルオロアルキル化合物(※1)(環境中の残留性有機フッ素化合物)、ニトロソアミン類(※2)(食品の製造過程で生成する化学物質)を新たに追加しました。
  4. 一方、農薬として登録されていた有機塩素化合物については、優先度を下げました。

(※1) パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロオクタン酸等を含む
(※2) N-ニトロソジメチルアミン、N-ニトロソジエチルアミン等を含む

今後の対応

  • 優先リストに掲載した危害要因について、新たなサーベイランス・モニタリング中期計画に基づいて調査を計画的に実施します。
  • 調査によって得られたデータ等に基づいて、食品の安全性を向上させる措置の必要性やその具体的内容の検討、既に講じている食品の安全性を向上させる措置の有効性の検証・見直しを実施します。

用語の解説

  • リスク管理:すべての関係者と協議しながら、リスク低減のための政策・措置について技術的な実行可能性、費用対効果などを検討し、適切な政策・措置を決定、実施、検証、見直しを行うこと。
  • サーベイランス:問題の程度、又は実態を知るための調査のことを指す。ある有害化学物質がどのような食品にどの程度含まれているのかを把握するための調査が該当する。調査の結果は、食品中の実態把握、摂取量の推定、基準値の検討、実施したリスク管理措置の有効性の検証等に活用する。
  • モニタリング:矯正的措置をとる必要があるかどうかを決定するために、傾向を知るための調査のことを指す。例えば、飼料中に含まれる有害化学物質について、農林水産省が設定した飼料中の基準値を超過していないかを確認する検査が該当する。調査の結果は、飼料の安全対策の確認に活用する。

関連情報

<添付資料>
(別添1)農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト(PDF : 226KB)
(別添2)食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画(PDF : 367KB)

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:阪本、森
代表:03-3502-8111(内線4453)
ダイヤルイン:03-3502-8731
FAX番号:03-3597-0329

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