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令和3年3月23日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

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第93回選抜高等学校野球大会及び大阪大学への出張,自殺予防啓発動画の公開,緊急事態宣言の解除と新型コロナウイルス変異株の感染拡大,日本学生支援機構の寄附金による「新型コロナウイルス感染症対策助成事業」,マテリアル革新力強化戦略案,前文部科学副大臣、事務次官が学校法人から接待を受けていたとの報道について,高輪築堤の遺構の保存,GIGAスクール構想

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年3月23日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年3月23日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年3月23日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私からは2件です。先週19日(金曜日)、甲子園球場において、選抜高校野球大会の開会式に出席し、祝辞を申し上げるとともに、始球式を行いました。高校球児にとっての夢の舞台で、選手の明るい希望に満ちた姿が印象的でした。また、第一試合をしばらく観戦をさせてもらいましたけれども、その間、大会における感染症対策の概要を高野連の方から伺いました。2年ぶりの選抜大会の開催のために、様々な工夫を凝らしながら、きめ細かな感染症対策が講じられていると感じました。今月は、高校野球に限らず、様々な競技で春の全国大会が行われます。高校生が活躍する貴重な場である大会が無事開催されるよう、主催者において、感染症対策を万全に講じていただくとともに、文科省としても、関係団体と連携協力を図ってまいりたいと思います。また、その後に、大阪大学にお邪魔をしまして、本大学におけるワクチン開発の状況と課題についてお伺いをし、意見交換をいたしました。今般のような困難にあっては、我が国の大学が誇る知の力を活用していくことが重要です。そのためには、感染症関連研究の「平時」の備えの充実と、緊急時の機動的な仕組みの在り方の検討が必要だと認識しており、引き続き、関係府省と連携し、検討を加速してまいりたいと思います。
 もう1点ですが、厚生労働省の公表情報によると、令和2年の児童生徒の自殺者数は前年と比較して大きく増加しており、特に女子中高生の自殺者数が増加をしております。このため、文科省では、今般のコロナ禍における児童生徒の自殺者数の増加を踏まえ、児童生徒向けの自殺予防啓発動画「君は君のままでいい」を制作しました。制作にあたっては、10代・20代の女性を支援するNPO法人「BONDプロジェクト」にご協力をいただくとともに、厚生労働省とも連携し、様々な悩みを抱える児童生徒、特に女子中高生が共感でき、周囲や相談窓口への相談を後押しすることができるようなアニメーション動画にいたしました。動画は、本日の公開を予定しており、YouTubeの文科省公式チャンネルやYouTube広告においてご覧いただくことができます。「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を実現するためには、国民一人ひとりが身近な人の様子を気遣い、支えていくことが不可欠です。文科省としても、児童生徒の命を守り通せるよう、引き続き、自殺予防の取組に全力を尽くしてまいりたいと思います。

記者)
 1点お伺いいたします。緊急事態宣言の解除と変異ウイルスについてです。1都3県の緊急事態宣言が21日に解除されましたが、感染力が強いとされる変異ウイルスが全国で広がっています。変異型では、10歳未満や10代の感染例が多く確認されていて、浜松市では、放課後児童会で児童を含むクラスターも発生しています。宣言解除の受止めと、入学式や新年度を控えた学校現場の変異ウイルス対策について、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 新型コロナウイルス感染症の変異株について、国内において感染者の確認が続いていることは承知をしております。変異株であっても、3つの密の回避やマスクの着用、手洗いなど基本的な感染症対策が奨励されておりますので、各学校においては、これらの基本的な対策を改めて徹底いただきたいと考えております。学校においては、衛星管理マニュアルや通知により、地域の感染状況に応じて感染症対策を講じてもなおリスクの高い教育活動は一時的に制限していただくようお示ししております。学校の設置者においては、引き続き、保健所と連携を密にしていただくとともに、各学校では、新年度を迎え教育活動を行っていくに当たり、改めて、感染症対策を徹底していくことが必要です。文部科学省としては、変異株について必要な対応が明らかになった場合には、速やかに厚生労働省等と連携をし、学校の設置者等への情報提供や注意喚起などの対応を行ってまいりたいと思っております。

記者)
 先週ですね、日本学生支援機構が、新型コロナウイルス対策として大学生へ食料ですとか住居費を直接支援する大学への助成事業を打ち出していました。大臣も以前に言及されていて、文科省としてもこれを後押ししているんだと思いますけれども、なぜ食料と住居の直接の支援なのか、その狙いを改めて教えていただければと思います。特に、コロナ対策として住居費を支援するというのは結構珍しいことなんではないかなと思いますので、そのオリジナリティの意味合いといいますか、どんなイメージをされているのかというのを教えていただければと思います。

大臣)
 先日5日の会見の際にもご報告しましたが、コロナ禍における学生の修学状況について、昨年12月時点では中退者数や休学者数が前年度より増加している状況にはありませんが、年度末に向けて増加する可能性もあり、また、中退等に至らないまでも、困難を抱える学生等がいることも想定されています。そのため、この度、日本学生支援機構の寄附金を活用し、コロナ禍において経済的困難を抱える学生に対して支援を実施することとし、17日には機構からその内容についてプレスリリースを行いました。その支援内容は、各大学等において学生生活を送るための食費について、現物支給も含めて学生に支援を行う場合や、自宅外での生活を再開する学生に対し、家賃や契約時の費用などを支援する場合に必要な経費について、1校あたり100万円を上限に大学等に助成するものです。特に、「家賃や契約時の費用等」の支援については、例えば、昨年春にですね、一度アパートなどを借りて、礼金、敷金、手数料を払って大学生活を始めたものの、新型コロナの影響によって、夏以降、部屋を引き払って実家の方にですね、帰省をしてオンライン授業に参加をされている、特に1年生の皆さんが数多くいらっしゃいます。その後、4月以降の対面授業が再開される場合には、再び契約をしなくてはならないということが想定されます。そのような状況にある困窮した学生に対して、きめ細かく支援をしたいという思いがあり提案をさせていただきました。なお、今回の支援に当たり、文科省から国交省を通じて、賃貸住宅・不動産関連団体に対して、困窮する学生の状況に十分配慮し、丁寧に対応いただくよう要請をしたところです。具体的には、礼金・敷金は大家さんの判断になると思いますけれども、仲介手数料などを、減額あるいは減免していただくことができないかということを期待をしておりまして、特に、1年前にですね、同じ不動産屋さんで部屋の斡旋をされれば記録が残っているわけですから、それは、そこに係る事情を考えていただければですね、わずか1年間の内に2回、部屋の契約・解約というのは普通の人は行わないわけですから、ちょっとそこはですね、業界の皆さんにも応援をしてもらえないかということをお願いさせてもらいました。文科省としては、その他の様々な支援策と合わせて、学生が新型コロナウイルス感染症の影響により修学を諦めることがないように、引き続き、しっかりと支えてまいりたいと思っています。

記者)
 先週ですね、内閣府の方からマテリアル戦略の案が出されています。その中にはですね、概要としても、データ駆動型研究の推進などが盛り込まれています。こうした新しい、量子、バイオ、AIなどの戦略に続いて、新しい政府戦略として、関して、この受止めと、文科省としてマテリアル分野での21年度以降の取組についてお聞かせください。

大臣)
 マテリアル分野は、輸出産業の要であり、社会を大きく変革する研究成果を創出するなど、我が国が強みを有する分野ですが、近年その強みが失われつつあります。このため、昨年6月に文科省と経産省において取りまとめた報告書を踏まえ、この度、「マテリアル革新力強化戦略案」が、AI・バイオ・量子技術・環境に続く、政府全体の重要戦略の1つとして有識者会議において取りまとめられたことは大変意義深いと受け止めています。本戦略案では、革新的なマテリアル開発と迅速な社会実装、また、データ駆動型の研究開発の促進、国際競争力の持続的強化に取り組むこととしており、具体的な取組を実施することが重要だと考えています。文科省としては、このうち、特に、データ駆動型研究開発に注力したいと考えており、大学等の先端共用設備から創出されるデータを共有・活用する仕組み作りや、データを活用して革新的な材料開発を目指す研究開発プロジェクトを開始することとしております。こうした取組を通じて、本分野における我が国の国際競争力を強化してまいります。

記者)
 「しんぶん赤旗」が報じた藤原次官と亀岡、前の文科副大臣の接待の関連でお伺いします。文科省として把握されている事実関係で、今後、どういうふうに対応されていくかについて教えてください。

大臣)
 昨日の報道の件について、私から大臣官房に対して、事実関係を確認するように指示を行っているところです。現時点において確認できている範囲をお伝えするとすれば、藤原次官ですが、数年前の夜、亀岡衆議院議員に呼ばれ、赤坂で行われていた会合に途中から参加したことがあった。会場に伺い、同席していた方と名刺交換したところ、その相手が報道にある学校法人の理事長であった。費用負担については、亀岡議員から「自分が招待しているのだから自分が払う」と言われたため、亀岡議員が負担したものと認識である、という報告を受けております。国民の皆さんから見て、行政の公平さに疑念を抱かれないようにするのは当然であり、引き続き、国家公務員倫理法の趣旨の徹底を行っていくとともに、本件の事実関係の確認を進めてまいりたいと考えています。

記者)
 追加でお伺いします。件の豊栄学園は、利害関係者に当たるというふうに認識していらっしゃいますか。

大臣)
 私立の学校法人で、様々なやりとりがありますから、そうですね、その利害関係者に

事務方)
 担当官、担当者においては、利害関係。

大臣)
 そうだね。

事務方)
 現在、確認しておりますので、詳細がまとまりましたらまたご報告させていただきます。

記者)
 一般的に言って、補助金を受けている学校法人ということになると、当然、利害関係者になるという図式というか、そういうふうになると思うんですけれども、そこも含めて確認するということでしょうか。

大臣)
 そうすると、日本中の私立学校法人は全て、文部科学省の利害関係者ということになっちゃうので。意見交換などの機会を萎縮することになりますので。今、申し上げたように、例えば藤原次官は、当時官房長で、直接の所管じゃなかったと思いますので。それをあえて利害関係者じゃないと、私がここで申し上げるのは控えたいと思うのですけれど、ケースケースだと思います。

記者)
 高輪築堤についてお伺いします。昨日、佐賀県知事が萩生田大臣と面会され、その後の知事のぶら下がりで、大臣の方から佐賀県庁の職員を文化庁に派遣してほしいというお話もあったということがありました。こちらの狙い、それとあと、今後、佐賀県とどのように協働されていくのかなど教えてください。

大臣)
 昨日、高輪築堤に関して、佐賀県の山口知事と面会し、佐賀県出身の大隈重信と高輪築堤との関わりや遺構の保存について意見交換をいたしました。「日本国有鉄道百年史」によると、明治政府で初めに鉄道の導入を提案されたのは、佐賀藩士の大木喬任であるとされており、彼は、その後、明治4年に文部省が設置された際に、初代の文部卿となっています。その後、明治政府内では、佐賀藩出身の大隈重信や長州藩出身の伊藤博文が、日本の近代化のために鉄道導入の必要性をしばしば論じていたとのことです。さらに、高輪築堤については、陸地に線路を通すことができない事情から、大隈重信の英断により、海面を埋めて線路を通過させたとの記録が残っています。また、明治5年のですね、「新橋-横浜」間の鉄道開通の第一号列車には、明治天皇のほか、佐賀出身者としては、当時、参議だった大隈重信、また、文部卿の大木喬任、外務卿の副島種臣といった佐賀藩出身者が乗車をしていたそうです。そのほかの人たちも乗っていたのですけれど、山口知事はですね、大隈重信をはじめ佐賀出身者が鉄道に関わっていたことを背景として、高輪築堤の保存に思いがあることが分かりましたので、今後の高輪築堤の調査や情報発信のためにも、私の方から、文化庁に人材派遣をしたらいかがという提案をしたので。してくれないかと言ったかというと、これ、すごい大事なことで、そこまでですね、派遣をしてくれっていうのではなくて、せっかくそこまで熱心に考えていて、もうこれは佐賀の皆さんの思いが150年ぶりに出てきたんだと、知事はその熱い思いをおっしゃっていたので、これからJRや港区との様々な交渉ですとか、仮に保存ができるとしたらどういう保存方法がいいのかっていうプロセスを、佐賀県の職員の方もご一緒に文化庁に来て取り組んだらいかがですかということを提案をしたので。そこは、ややニュアンスが違うかなというふうに思います。佐賀県には文科省からも教育委員会に出向している事実もありますので。副知事だ。ごめんなさい。副知事が、文科省から行っておりますので。そういう関係もありますので、この際、一緒に、このプロセスをですね、しっかり取組を、一緒にしていただいたらどうかなという提案をさせていただいたところでございます。

記者)
 先日、「GIGAスクール構想」の1人1台端末の整備状況を公表されましたが、大半は、年度内に整備されると言いつつ、43の自治体が未完了ということで、中には、名古屋市といった大都市でも、2学期にずれこむということが分かりました。こうした自治体間の格差についての大臣の受止めと、こうした整備が遅れている自治体へのサポートについて、お考えがありましたらお聞かせください。

大臣)
 「GIGAスクール構想」に基づく1人1台端末の最新の整備状況を調査したところ、本年度末までに全体の97.6%にあたる1,769自治体で端末整備を完了する一方で、43の自治体では、本年4月以降に整備完了が遅れるとのことが判明しました。文科省としては、当初4年間で整備する計画を大幅に前倒しして取組を進め、概ね、小学校・中学校において、本年度内での整備完了の目途がついたことは、学校設置者はもちろん民間企業も含め、関係者が一丸となって取り組んだご努力の結果と受け止めております。まずは、その尽力に改めて御礼を申し上げたいと思います。なお、残る43自治体の整備完了に向けた支援が必要と考えており、文科省としては、43自治体の担当部署と個別に連絡をとって状況把握などを行うとともに、必要に応じて、学校ICT環境整備等に関する知見を持って助言等が行える「ICT活用教育アドバイザー」を派遣するなど取組を通じ、引き続き、早期の整備完了に向けて支援を行ってまいります。あの、これはもう、夏ぐらいからこういうことがあってはいけないなということで、かなりプッシュ型で色んなご提案をしてきたつもりでございます。事情を確認すると、それぞれちょっと状況が違って、例えば小さな町や村などでは、入札が不調に終わってしまって、結果として自治体の物品参加に参加ができる業者の登録数がなくてですね、今改めて外の業者との契約ができるかという手続きをしているところもあるやに聞いています。それから、遅れていることは十分承知しているのだけれども、ここは、慌てて4月に間に合わせるよりも、環境をきちんと整えてからスタートしたいということを首長自らが考えた上で、若干遅れることを前提に準備をしているという自治体もあることも分かりました。他方、どうしてこうなったのか分からない自治体もたくさんありますので、ここは、しっかり、国全体で義務教育、令和3年4月からGIGAをスタートするっていうことは突然発表したわけではございません、もう、1年も前からずっと申し上げてきたわけですから。私、誤解を恐れず申し上げますと、これはもう首長の能力が問われると思います。あるいは、議会の皆さんの姿勢っていうのも、当然、住民の皆さんから問われるものだと思いますので、できる限り、3月末までに整備をしていただきたいと思います。色んな細かいレアな事情があることは承知していますので、一概に遅れていることだけをもって批判するつもりはないのですけれど、色んな知恵があると思うので、縮こまらずに、文科省にも、あるいは民間のアドバイザーにもぜひ相談をしていただいてですね、突破口を開いていただいて、4月、皆さんと一緒にGIGAをスタートしていただければありがたいな、そう思っています。

(了)

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