令和3年3月23日

 3月23日(現地時間同日)、サモア独立国の首都アピアにおいて、我が方、寺澤元一駐サモア独立国日本国特命全権大使と先方トゥイラエパ・ファティアロファ・ルペソリアイ・サイレレ・マリエレガオイ首相兼外務貿易大臣(Hon. Tuilaepa Fatialofa Lupesoliai Sailele Malielegaoi, Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and Trade of the Independent State of Samoa)との間で、供与額2億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. サモアでは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、自国民を含めて入国を全面的に停止するなどの措置が取られたため、2021年3月現在、感染者はごく少数に抑えられています。しかし、同国では2019年末に麻しんが流行するなど感染症に対して脆弱であり、狭小な国土ゆえ感染が爆発的に広がる可能性があります。これに対応するため、同国は保健・医療体制の強化に努めていますが、感染症拡大防止の隔離施設を有していない等、体制が十分に整っている状況ではなく、体制の基盤整備・強化が喫緊の課題です。
  2. この計画は、サモア政府に対し、保健・医療関連機材(陰圧隔離病室コンテナ、人工呼吸器等)を供与することにより、同国の保健・医療体制の強化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与するものです。
  3. この協力は、2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催された第8回太平洋・島サミットにおいて、我が国政府が表明した支援の柱である「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」に資する協力として実施するものです。

 サモア独立国の面積は約2,840平方キロメートル(東京都の約1.3倍)、人口は約19.7万人(2019年、世界銀行)、一人当たりの国民総所得(GNI)は4,180米ドル(2019年、世界銀行)。

  • 第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域、オーストラリア及びニュージーランドの首脳級等が出席。サモアからはトゥイラエパ・ファティアロファ・ルペソリアイ・サイレレ・マリエレガオイ首相兼外務貿易大臣首相が参加した。
  • 我が国は、PALM8において、(1)自由で開かれた持続可能な海洋、(2)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化、(3)人的交流・往来の活性化の3つを柱として、今後3年間でこれまでの実績も踏まえた、従来同様の、しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。