令和3年3月22日
水産庁

令和3年3月22日(月曜日)、南極海における鯨類の非致死的調査(南極海鯨類資源調査(JASS-A)(注1))が終了し、調査船が帰港しました。

1.調査の概要

  我が国は、国際捕鯨委員会(IWC(注2))脱退後も国際機関と連携しながら、科学的知見に基づく鯨類の資源管理に貢献していくこととしています。
  本調査は、これまで実施してきた南極海の鯨類資源の持続的利用を目的とした調査(非致死的調査)を継続するものであり、今次調査で得たデータ及び標本は、今後、国内外の研究機関と連携して分析・整理し、その成果をIWC科学委員会等に報告するとともに、関連学会などで発表していく予定です。
(注1)JASS-A:Japanese Abundance and Stock-structure Surveys in the Antarctic
(注2)IWC:International Whaling Commission

2.調査実施主体

  指定鯨類科学調査法人(注3)  一般財団法人  日本鯨類研究所
(注3)鯨類の持続的な利用の確保に関する法律(平成29年法律第76号)第7条第1項に基づき、農林水産大臣が鯨類科学調査を適正かつ確実に行うことができると認めた法人 

3.調査期間

  令和2年(2020年)12月4日(金曜日)から令和3年(2021年)3月22日(月曜日)まで。

4.調査海域

  南極海

5.調査目的

  (1)南極海における大型鯨類の資源量推定
  (2)南極海における大型鯨類の分布、回遊及び系群構造等の推定

6.調査内容

  大型鯨類の資源量推定に必要な目視データの収集、自然標識撮影(注4)、バイオプシー試料の採集(注5)、衛星標識の装着(注6)等を実施しました。
(注4)外見上の特徴(色、ひれの形状、傷跡等)により鯨の個体識別をするため、発見された鯨を撮影するもの
(注5)DNA等を解析するため、鯨の表皮の一部を採取するもの
(注6)鯨類の移動経路を追跡するため、鯨に衛星発信機を装着するもの

7.調査船

  第二勇新丸(747トン)

8.調査結果の概要

(1)発見された主な鯨種
  クロミンククジラ    53群  122頭
  ザトウクジラ        384群  739頭
  ナガスクジラ        153群  257頭
  シロナガスクジラ    24群    29頭
 
(2)自然標識の撮影
  ザトウクジラ41頭、シロナガスクジラ20頭、シャチ1頭について、自然標識の撮影を行いました。

(3)バイオプシー試料の採集
  クロミンククジラ14頭、ザトウクジラ16頭、ナガスクジラ15頭、シロナガスクジラ8頭、ニタリクジラ1頭について、バイオプシー試料を採集しました。

(4)衛星標識の装着
  クロミンククジラ10頭、ナガスクジラ7頭に対して衛星標識を装着しました。

(5)その他
  観測点99ヵ所で水深0m~1,850mまでの水温と塩分濃度を測定しました。

9.参考

  令和2年12月4日付けプレスリリース「令和2年度(2020年度)南極海鯨類資源調査を実施します」
  https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/201204_10.html

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資源管理部国際課

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