厚労省・新着情報

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

日時

令和3年3月1日(月)17:00~19:00

場所

オンライン開催

出席者

泉並木(武蔵野赤十字病院院長)
金子周一(金沢大学大学院医学系研究科消化器内科学教授)
考藤達哉(国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長)
坪内博仁(鹿児島市立病院院長)
羽鳥裕(日本医師会常任理事)
林紀夫(関西労災病院院長)
八橋弘(国立病院機構長崎医療センター副院長)
脇田隆字( 国立感染症研究所所長)

議題

(1)肝炎研究10カ年戦略の見直しについて
(2)その他

議事

○大原室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第20回「肝炎治療戦略会議」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
私は、事務局の厚生労働省健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室の大原と申します。冒頭の議事進行を担当させていただきます。
本日の会議は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、委員の皆様におかれましては、オンラインで御出席いただくとともに、傍聴される方やメディアの方に対しては、You Tube配信という形式の開催方法で実施させていただきます。本日は、全ての委員の皆様にオンラインで御参加いただいております。接続状況により、画像や音声が乱れる場合がございますので、あらかじめ御承知おきいただきますようお願い申し上げます。
開会に当たって、健康局長の正林から御挨拶をさせていただく予定でございましたが、急遽国会に出席することになったため欠席となりました。御了承いただけますと幸いでございます。
続きまして、御参加の委員の方にお願いがございます。会議中は、基本的にビデオをオフ、マイクはミュートにしてください。また、御発言を希望される方におかれましては、ビデオをオンにしてください。その後、座長より指名されましたら、ミュートを解除して御発言をお願いいたします。御発言の際には、お名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくりお話しいただきますようお願いいたします。また、より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できる限り簡潔に御発言をいただきたいと思います。御発言を終了する際には、その旨をお知らせいただき、ビデオをオフにし、マイクをミュートにしてください。
操作などの御質問がある場合は、事務局までお問い合わせください。円滑な会議運営に御協力をお願い申し上げます。
続いて、配付資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第、配付資料一覧、委員名簿、座席表がございます。そして、
資料1 肝炎研究10カ年戦略の見直しに係る主な検討事項
資料2 肝炎研究10カ年戦略の見直しの論点
参考資料1 肝炎研究10カ年戦略
参考資料2 肝炎対策の推進に関する基本的な指針
参考資料3 肝炎関連の研究費の推移
参考資料4 肝炎研究10カ年戦略の具体的な研究課題と実際の研究課題の対応表
参考資料5 肝炎研究10カ年戦略の進捗等について
参考資料6 肝炎治療戦略会議開催要領
となっております。資料の不備等ございましたらお申しつけください。
また、この後、議事に入らせていただきますが、ここまでのところで接続状況の不具合や操作方法等で御質問がございましたら、併せてお申しつけください。
それでは、ここからの議事の進行は林座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○林座長 それでは、座長を務めさせていただきます。今日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日の議事は「肝炎研究10カ年戦略の見直しについて」でございます。この肝炎研究10カ年戦略は、令和3年度で10年目を迎えます。これまで様々な成果がございましたが、いまだ解決すべき課題が多いと考えておりますので、見直しが必要と考えております。
見直しに当たっての進め方について、後ほど事務局より御説明いただきますが、現行の肝炎研究10カ年戦略の主な事項を本日は御議論させていただきたいと考えております。本日の御議論を踏まえ、戦略の他の項目も併せて中間取りまとめ案を事務局のほうで作成していただき、私のほうで確認した上で委員の皆様に共有し、その後確認をお願いしたいと思います。御確認いただいた後の反映については、座長に一任いただければと考えておりますが、よろしゅうございますか。
それでは、御了解をいただいたものとさせていただきます。
まず、事務局より資料1の説明をお願いいたします。
○丸山肝炎対策推進室長 肝炎対策推進室長の丸山でございます。本日はよろしくお願いいたします。
私のほうから資料1につきまして御説明をいたします。この資料につきましては、座長とも御相談の上、今回の戦略の見直しの議論を行うための資料として作成したものでございます。
資料1は、本日御議論いただきたい主な事項を整理したものでございます。資料の中ほどに参考といたしまして、「現行の『肝炎研究10カ年戦略』の章立て」と書いてございますけれども、現行の肝炎研究10カ年戦略の本文自体は参考資料1におつけしておりますが、章立てといたしまして、まず「はじめに」、その後「研究の現状及び課題」「今後の研究における方向性」、これらを受けて「具体的な研究課題」「戦略目標」「上記研究を進めるための基盤整備」「戦略の評価と見直し」、このような構成になってございます。
このうち本日は、「1.研究の現状及び課題」「2.今後の研究における方向性」「4.戦略目標」について御議論をいただければと考えております。
また、資料1に主な検討事項としては掲げてございませんが、令和3年度で肝炎研究10カ年戦略が最終年を迎えますので、次の戦略のターゲットとすべき戦略期間についても御検討いただければと考えてございます。
資料1の説明は以上でございますけれども、それぞれ掲げてございます各項目につきまして資料2におきましては、左側に現行の肝炎研究10カ年戦略の項目ごとに現行の記述内容を記載させていただいておりまして、右にそれぞれの記載に対応した論点を書かせていただいておりますので、この資料に沿いまして御議論いただければと存じます。
私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○林座長 ありがとうございました。ただいま御説明いただいた形で進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、資料2を用いまして肝炎研究10カ年戦略の見直しの議論を開始したいと思います。参考資料5に肝炎研究10カ年戦略の進捗等について事務局がまとめられておりますので、御参考にしていただければと思っております。
今回、御議論いただくのは肝炎研究10カ年戦略の「研究の現状及び課題」「今後の研究における方向性」「戦略目標」でございます。
それでは、資料2を御覧ください。事務局からも説明がありましたように、左側に現行の記述内容が記載されており、右側に論点が挙げられておりますので、その論点について御議論をいただく形で進めていきたいと思っております。
まず、1ページでございます。「1.研究の現状及び課題」の(1)臨床研究。まず、B型肝炎の御議論をいただきたいと思います。4つに分けておりますが、左の現在の文章をどのように変更していくかという進行の仕方でまいります。
まず、一番上の段落でございますけれども、右側に原文の修正案が書かれてございますが、よろしゅうございますか。左の記述が、もともとのインターフェロン治療の有効率、HBs抗原陰性化率が書かれておりますけれども、現在の治療は核酸アナログ製剤を中心に行われておりますので、HBs抗原の陰性化率等についても今回少し変更を考えたほうがいいのではないかという案でございますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
現在5年後約6%、10年後約15%でございますけれども、核酸アナログ製剤になると少し陰性化率が下がってまいりますので、前回と比較して逆に成績が悪くなったのではないかととられるところもございますが、その点については事務局のほうで原案をつくるときに考慮していただけるものと思っております。
下の欄でございますけれども、そこも原文を少し修正させていただくということで右側に書かせていただいております。この修正で特に問題はございませんでしょうか。
次に3つ目の段落でございますが、ここは左の文章を原則、引き続き記載させていただければと思っております。その下の部分についても、原文を引き続いて記載させていただこうと思っておりますけれども、その点についても特に御異議はございませんでしょうか。ありがとうございます。
それでは、2ページにいきたいと思います。C型肝炎の記載でございます。一番上でございますけれども、論点に原文を修正した案を書かせていただいております。それについてはいかがでございましょうか。
金子先生どうぞ。
○金子委員 右側の論点に「special population」という言葉が出てきますけれども、ここだけ急に英語でちょっととっぴな印象を受けるので、「特別な集団」とか適当な日本語があればそのほうがいいかなと感じました。
○林座長 先生のおっしゃるとおりだと思います。突然横文字が出てまいりますので、普通の方が御覧いただくと少し違和感を覚えると思いますので、今、金子先生から御提案があった言葉に変更させていただいたほうがいいと思います。そのようにさせていただきます。
それ以外にいかがでございましょうか。
それでは、2段目でございますけれども、C型肝炎の課題はまだ多くございまして、薬剤耐性の問題や非代償性肝硬変に対する治療等いろいろございますけれども、原文を原則使わせていただこうと思っておりますが、よろしゅうございますか。
次に、3つ目でございます。これも原文の記載のままでよいかと考えておりますが、いかがでございましょうか。御意見よろしゅうございますか。
泉先生、よろしくお願いします。
○泉委員 2つ目の薬剤耐性で、括弧の中「(P32欠失など)」と記載されているのですが、これは1型についてだけのことなので、2型はP32欠失はないので、「1型については」と加えていただいたほうがいいかなと思います。
○林座長 文章自身は、上の文章の「しかし」から「現状である」なので、P32には原文には入りませんので。
○泉委員 分かりました。
○林座長 それ以外はよろしゅうございますか。
では、4段落目でございますけれども、「非代償性肝硬変に対する抗ウイルス療法前後の病態推移や長期成績等の更なる集積が必要である」と原文を修正させていただければという御提案でございますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。
それでは、3ページは肝硬変の項目でございます。ここは少し文章を変えさせていただこうと思っておりまして、左の段落は2つでございますけれども、右の一番上の論点に書かせていただいておりますが、「肝硬変における非侵襲的な線維化の診断方法として、より精度が高く、臨床応用可能な線維化の評価方法の開発が必要である」という文章を付け加えてさせていただいて、2段落目も少し原文を修正させていただくということで、「治療はなく、非代償性肝硬変の根本治療は肝移植のみである」という修正を加えさせていただこうと。元の文章には肝移植の記載がございませんが、これを入れさせていただければどうかという御提案でございますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。では、そのように進めさせていただきます。
3段落目でございますが、左の文章の修正を少しさせていただきたいと思っております。「特に、非代償性肝硬変の多くの症例で、(中略)、新たな病態や予後の改善に資する治療法の開発が求められている」という形にさせていただければと思っております。よろしゅうございますか。
それでは4ページ、肝がんに進ませていただきます。ここは修正が加わっておりますので、委員の先生の御意見をお聞きした上で議論を進めさせていただこうと思いますが、何かお気づきの点がございましたら、御指摘をいただければと思います。
特に肝がんについては、背景肝が非常に多様化してきておりますし、進行肝がんに対しては新しい分子標的薬の登場などがございます。5年生存率の数値の更新についても考えざるを得ません。「5年生存率は35~50%にとどまっている。また、進行がんに対する治療は、近年、新たな分子標的薬等が保険適用となり、治療方法の進歩や拡充に応じた治療の最適化を含めた対策が必要である」ということになります。それから、一番下にございますが、原文を修正させていただいて、これを冒頭に持っていきたいということでございます。いかがでございましょうか。
坪内先生どうぞ。
○坪内委員 鹿児島市立病院の坪内です。
進行肝がんに対する治療についてですが、“新たな分子標的薬”となっていますが、免疫チェックポイント阻害薬もある意味分子標的薬ではあるのですが、進行肝がんに、最近、免疫チェックポイント阻害薬が使われていると思います。これからますますその方向になると思いますが、“分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬”と“免疫チェックポイント阻害薬”を加えたほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。
○林座長 坪内先生のおっしゃるとおりだと思いますが、他の委員の先生方、それを付け加えてよろしいでしょうか。御異存がなければ、並列で書かせていただければと思います。では、そのようにさせていただきます。
それ以外にお気づきの点はございませんでしょうか。一番下の段落も原文を修正させていただきたいと思っております。それも加えまして御意見等がございましたら、御指摘いただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、5ページは(2)基礎研究でございます。最初の段落は、B型肝炎ウイルスでございますが、原文の記載のままでよろしゅうございますか。B型の実験系における課題等で何か付け加えたほうがよろしければ。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 感染研の脇田です。
ここは安定化したというのもあるのですけれども、「より効率がよく安定な系が必要とされる」としたほうがいいかなと思います。
○林座長 先生のおっしゃるとおりだと思います。それを文章に付け加えさせていただきたいと思います。
○金子委員 金子ですけれども、今、脇田先生が言われたとおりなのですが、非常に高額であるということや、オーダーしようと思ったらなかなか期日が合わないとかいろいろな問題があるのですけれども、こういう文章だから価格のことや安価にというのは書きづらいのであれば、今、脇田先生が言われたことに加えて、恐らく再現性がロットによって違ったりするので安定供給していないという面もあろうと思うので、もう一つ言葉を入れるとすると、「再現性に優れ」というのも入れていただきたいと思います。
○林座長 確かに、価格面のことはこういう文章なので書きづらいと思いますので、金子先生の御意見は考えさせていただきたいと思います。そのまま文章を使わせていただく可能性が高いと思いますが、そのようにさせていただきます。
それ以外にB型肝炎のところはよろしゅうございますか。
その下のレセプターの文章についても修正をさせていただきたいということですが、その点もよろしいですか。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 レセプターが一応明らかになって、さらにそれを使って感染のメカニズムも一部明らかになってきているので、「ウイルスのレセプターによる感染機構の一部が明らかになり」ということかなと思いました。
○林座長 分かりました。
ほかはいかがでございましょうか。では、それで進めさせていただきたいと思います。
3段落目でございますが、こちらはC型肝炎ウイルスでございまして、右に修正案を書かせていただいております。いかがでございましょうか。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 何度もすみません。「排除後の病態推移」というのは、多分SVR後の肝発がんがメインかなと思いますが、もしそうであれば「排除後の肝発がんなど病態の推移の解明」と。
○林座長 それを入れたほうが具体的で分かりやすいですね。それは入れさせていただくようにいたします。
それ以外にお気づきの点ございませんでしょうか。日本でも基礎研究の研究者を維持するというのはなかなか大変でございますので、いろいろな御意見がございましたらお教えいただければと思いますが、よろしゅうございますか。
羽鳥先生どうぞ。
○羽鳥委員 研究費が増える方向に向かうような仕組みをつくっていただくのが一番大事なことだと思いましたので、ぜひお願いいたしますということです。
○林座長 分かりました。ありがとうございます。よろしゅうございますか。
では、6ページの一番上は線維化のことが書いてございます。最近、研究費の応募等をすると線維化に関する応募が非常に増えてきておりますが、右のように原文を修正させていただければと思いますが、よろしゅうございますか。
それに関連いたしますが、2段落目は肝硬変治療薬の開発に向けてということで、肝硬変の根本的治療法としての抗線維化薬の開発等も重要な課題でございますので、そういうことも絡めて原文の修正をさせていただきたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。欧米では抗線維化薬の開発は盛んでございますし、他の臓器でも同様の研究がかなり行われておりますが、よろしゅうございますか。
次にその下でございますが、肝発がんでございます。原文を修正させていただく案を右側に書かせていただいておりますが、いかがでございましょうか。特に一番上のところ「壊死、再生」の後に「ゲノム等」と書かせていただいておりますが、特に違和感がなければ、このように書かせていただければと思います。
八橋先生、よろしくお願いします。
○八橋委員 長崎医療センターの八橋です。
肝硬変のところで提案なのですけれども、肝硬変の病態に絡めて、今サルコペニアが注目されています。サルコペニアのことに全く触れていないので、追加しておいたほうがいいと思ったのですが、いかがでしょうか。
○林座長 どの場所に入れればいいですか。
○八橋委員 肝硬変のところです。
○林座長 ここの肝硬変でよろしゅうございますか。
○八橋委員 サルコペニアの病態は肝硬変が一番密接に関係すると思います。委員の皆様の御意見をお聞きしたいと思ったのですが、いかがでしょうか。
○林座長 他の委員の先生方、いかがでございましょうか。学会等でも非常に話題になっておりますが。
泉先生どうぞ。
○泉委員 今、八橋先生がおっしゃったことは非常に大事なのですけれども、基礎研究に入れるよりは臨床的なものかなと。だから、肝硬変の合併症の病態とか治療に関して臨床的な、さっきの肝硬変の臨床のところに加えたほうがいいかなと思いますが。
○林座長 分かりました。付け加える場所は事務局と検討させていただくようにいたします。
○八橋委員 私も臨床のほうでいいと思います。どうもありがとうございます。
○林座長 それ以外にお気づきの点ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
続きまして、先ほど少しお話しさせていただきました3段落目でございますけれども、肝発がんのところでございます。これはよろしゅうございますか。それでは、肝がんのところはそのように修正させていただきたいと思います。
続きまして、7ページは(3)疫学研究と(4)行政研究がございますが、委員の先生方いかがでございましょうか。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 疫学研究のところですけれども、後段にも少し出てくるのですが、2030年のウイルス性肝炎排除のWHOの目標が設定されていますので、疫学研究の論点の2つ目の○に「新たな感染拡大の予防のために」とありますが、それとともにWHOが設定している2030年のウイルス性肝炎排除を目指して実態把握は引き続き必要ということかなと思いました。
○林座長 分かりました。おっしゃるとおりだと思います。
ほかにお気づきの点ございませんでしょうか。ここは今後、実は厚労省のほうで基本指針の見直しを行う予定でございますので、そこで当然これについても議論がされると思っております。その内容を踏まえた上で、また少し修正が入ってくる可能性はございますので、それだけ御了解いただければと思います。
あと、疫学研究、行政研究、他に追加できるようなことがございましたら、御指摘いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 行政研究のところでちょっと気づいていなかったのですけれども、指標のことがあまり書いていないですかね。
○林座長 指標は指標の項目があるので、そこに書かれております。
○脇田委員 考藤先生がやられている、様々な指標を設定して、どこまでやるかみたいな研究があるかと思うのですけれども、指標のことも書き加えておいたほうがいいかなと思います。
○林座長 分かりました。では、どこに入れるか検討させていただきたいと思います。
○脇田委員 後段の方向性にも行政研究があるのですけれども、指標のことが書かれていないので、それを入れていただいたほうがいいかなと思います。
○林座長 分かりました。そのようにさせていただきます。
ほかにお気づきの点ございませんでしょうか。
泉先生どうぞ。
○泉委員 行政研究の中に肝がんのことが全然書かれていないので、肝がん事業の推進や普及ということも文言で入れておいたほうがいいかなと思ったのですが。
○林座長 おっしゃるとおりだと思います。考えさせていただきます。
ほかにお気づきの点はよろしゅうございますか。
次に、8ページは「2.今後の研究における方向性」で、(1)臨床研究でございます。最初がB型肝炎でございますが、原文の記載のままでよろしゅうございますか。お気づきの点がございましたら御指摘いただければと思います。
2段落目は再活性化等も書いてございますが、この部分も原文の記載のままでよろしゅうございますか。
3段落目はC型肝炎でございます。ここも今のところ原文のままの御提案をさせていただいておりますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
また後ほど、お気づきの点がございましたら御指摘いただければと思います。
次に、9ページでございます。一番始めは肝硬変でございます。ここは原文を修正させていただいております。この領域は研究費の公募をいたしましても、最近は再生医療やいろいろ新しい応募もございます。
泉先生どうぞ。
○泉委員 さっき八橋先生がおっしゃった合併症、サルコペニアを含めて、ここに入るのかなと。
○林座長 分かりました。ここに入れるように考えていただきます。
○八橋委員 私も、そう思いました。ありがとうございます。
○林座長 あと、肝移植のことを先ほど文章を入れさせていただきましたけれども、そこは特に何か文章で追記したほうがいいものがございましたら入れさせていただこうと思いますが、よろしゅうございますか。
その下は、肝がんでございます。今のところ原文の記載のままとなってございますが、何か変えたほうがいい点がございましたら、御指摘を賜れればと思います。よろしいでしょうか。
その下が経口感染、E型等でございますが、原文の記載のまま書かせていただいております。いつも研究課題としては経口感染の課題は採択されておりますけれども、このままの記載でよろしゅうございますか。
羽鳥先生どうぞ。
○羽鳥委員 最近、ジビエ料理などが非常に盛んになっていることもあるので、A型、E型肝炎を含めて何かアクションを起こしたほうがいいのかなと。肝炎の危険性などについて、あまりにも街の中で知らなすぎる感じがありますので、ここに書くのがいいのか、別に項立てがあるのか分かりませんけれども、啓発のこと、A型肝炎、E型肝炎を知ってもらうこともとても大事だなと思いましたので、よろしくお願いします。
○林座長 分かりました。おっしゃるとおりだと思います。ここの場所に入るかどうか分かりませんが、検討させていただきたいと思います。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 今、羽鳥先生が言われたとおりだと思って、A型肝炎も最近MSMで集団感染が起きたり、E型肝炎も今言われたとおりジビエとか臓器移植のときもリスクがあったりするので、このままで確かにいいのですけれども、社会的な要因や様々なことでリスクが変わっていくところがあるので。
○林座長 この場所に入れたほうがよろしゅうございますか。
○脇田委員 どこかで入れていただければ。
○林座長 では、場所は考えてさせていただきます。
○脇田委員 あまりにあっさりしているので、少し考えていただければと思います。
○林座長 分かりました。
ほかはよろしゅうございますか。泉先生どうぞ。
○泉委員 2段落目の肝がんについてですが、再発とか病態についてですけれども、今、治療薬がたくさん出てきているので、肝がんの病態の解明と治療薬の選択といったことも含めて研究のターゲットに入れたほうがいいのではないかと思うのですが。
○林座長 分かりました。先生がおっしゃることはよく分かります。入れる場所だけ考えさせていただくかも分かりませんが、検討させていただきます。
考藤先生よろしいですか。
○考藤委員 先ほどの話題に戻りますけれども、経口感染のウイルス肝炎のことなのですが、もう少し特定できるような形で記載したほうがいいのかなと思います。A型肝炎、E型肝炎とはっきり明記してもいいと思います。
あと、研究に関しても疫学研究も重要であるというニュアンスを少し入れていただくほうがいいのかなと思いました。といいますのは、症例を集積して、診断法の開発をしたり治療法の検討をしたりするときに、恐らく経口感染ウイルスの症例を集めたレジストリー研究が必要だと思うので、そういった研究の重要性を少し伝えるような形に膨らませていただいてもいいのかなと思いました。
以上です。
○林座長 分かりました。今、進行している班でもある程度、疫学的なことをやっていただいているのですが、確かにおっしゃるように少数の症例でございますので、そういうニュアンスも検討させていただきたいと思います。
ほかはよろしゅうございますか。
それでは、一番下の段落でございます。ここは少し原文を修正させていただいております。ここは御意見がある先生方が多いのではないかと思いますが。
金子先生どうぞ。
○金子委員 ここで「(NAFLD/NASH等)の病態解明や治療等に関する」とありますけれども、病態解明や治療等の間に、例えば高危険群の層別化とか発がんの診断というのが抜けているかなと思いました。
○林座長 分かりました。その文章を付け加えさせていただけばよろしいですね。
それ以外にお気づきの点はございませんでしょうか。
羽鳥先生どうぞ。
○羽鳥委員 ウイルス肝炎のほうは、制圧にむけてかなり目処が立ってきたのだろうなと思うのですけれども、NAFLD/NASHについて脂質異常症や糖尿病を専門とされている先生方との連携も必要になってくるのかなと思います。まだNAFLDの全体像が国民の皆さんにもよく理解されていないし、ましてや開業医や医師会の先生方にも理解がないところだと思うので、もっとキャンペーンやアピールをしっかりしていただきたいなと思いました。
以上です。
○林座長 分かりました。先生のおっしゃるとおりでございまして、肝臓学会等でもいろいろ努力をされておりますので、今後必要だと我々も思っております。ただ「非ウイルス性肝疾患(NAFLD/NASH等)」と書かせていただいたのですけれども、今、御検討いただいているのが肝炎から出てきた研究の進め方なので、こういう記載のほうがいいということでこのようにさせていただいております。ただ、先生がおっしゃることは非常に重要でございまして、いろいろな応募課題にはそういう課題も多く出てきておりますので。
○羽鳥委員 よく分かりました。
○林座長 ほかにお気づきの点はございませんでしょうか。
またございましたら、後ほどおっしゃっていただければと思います。
次に10ページ、(2)基礎研究でございます。一番上の段落でございますが、今のところ原文をそのまま使わせていただこうと思っております。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 最初の課題もそうなのですけれども、免疫の記述が少ないので、ここに入れていただいてもいいかなと思っていて、「各病態発現及び病態進行に関わる機序の解明」となっていますが、「関わる」の後ろに「免疫反応など宿主因子を含め機序の解明に関する」と、宿主のことも少し入れてほしいなと。
○林座長 分かりました。先生のおっしゃるとおりだと思います。そのようにさせていただきたいと思います。
ほかにお気づきの点ございませんか。
金子先生どうぞ。
○金子委員 原文の記載なのですけれども、出だしの2行が「培養細胞系及び感染動物モデルの開発を目指した研究を行いつつ、それらを用いて」と後半にかかるんですね。いかにも培養細胞系と感染動物系の研究を基にして次をやりなさいというストーリーになっているので、必ずしも培養細胞系、感染動物系の開発だけではなくて、感染機構と複製機構も研究すると。文章が、細胞と動物を背景にして進めろみたいな流れになっているので、そこをちょっと。
○林座長 分かりました。基礎研究なので、実際の応募課題はこれが多いのでこういうつながりになっておりますけれども、先生がおっしゃることはごもっともですので、「研究を行いつつ」で文章が終わる工夫をさせていただいて、「それらを用いて」を抜いて後のところを書かせていただくほうが対象が広がりますので、そのようにさせていただきたいと思います。
ほかにお気づきの点はございませんか。よろしいでしょうか。
2段落目でございますが、C型肝炎ウイルスのワクチンの開発はもともと必要であると書かせていただいております。それを右で修正させていただいておりますが、C型肝炎ウイルスはWHOが2030年までのエリミネーションを目指しているということもございますので、「C型肝炎ウイルスに対するワクチン開発に資する研究について」という言葉を記載させていただこうと思っておりますが。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 日本は再感染が少ないので、ワクチンはそれほど必要ないのではないかみたいな意見もありますけれども、一応ウイルスの排除を考えると、やはりワクチンの開発は必要だし、今回の新型コロナウイルスの話もありましたけれども、難しい感染症に対してワクチン開発研究を続けていくことは大事なことだと思うので、このワクチン開発に資する研究を継続するということは入れていただいたほうがいいと思います。
○林座長 分かりました。
他の委員の先生方、いかがでございましょうか。
考藤先生どうぞ。
○考藤委員 脇田先生と同意見なのですけれども、日本では再感染は少ないかも分かりませんが、MSMの増加に伴って新規感染が今後増えてくる可能性があると思います。世界の動向を見ていますと、根本的にエリミネーションするためにはC型肝炎のワクチンが必須であるという考え方ですので、実際に研究者も海外にはたくさんいらっしゃいますので、ここはぜひ重要性を記述していただけたらなと思います。
以上です。
○林座長 この問題は、日本でそれをやっていただける方がいるかどうかという問題かも分かりません。
ほかはよろしゅうございますか。ワクチンの記載については、そのまま書かせていただきます。
その下項目でございますが、肝硬変の治療薬でございます。これは原文を修正させていただこうと思っておりますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
その下でございますが、「発がんに係るウイルス因子や宿主因子も含め肝発がん機構の解明について研究が必要である」という文章を追記させていただきたいと思っております。この部分はいかがでございましょうか。
金子先生どうぞ。
○金子委員 もし、この文章を追加していただけるのであれば一緒に、例えば「ウイルス因子や宿主因子も含めた肝発がん機構の解明と」にして、「発がんの予防と予測に資する研究が必要である」と。機構の解明だけではなくて、予防や予測に資する研究も基礎研究として重要だと思います。
○林座長 分かりました。そこは考えさせていただきます。
ほかにお気づきの点ございますか。
では、一番下の段落でございますが、原文の修正案を書かせていただいております。「また、ゲノムや再生医療、免疫治療等の新しい手法を活用し、肝炎、肝硬変及び肝がんの研究を推進していく」という書きぶりになります。いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。では、このまま使わせていただきます。
次に、11ページは(3)、今まで行っておりましたB型肝炎の創薬実用化研究の記載でございます。まず、最初の段落でございますが、引き続き創薬に向けた基盤研究が必要であるということでよろしゅうございますか。
それに関連いたしますが、次の段落は原文の記載のまま使わせていただこうと思っております。よろしいでしょうか。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 ここは、実用化研究が今まで10年ぐらい続いてきて、せっかく今ようやくシーズが少し出てきたところですので引き続きやっていただくということで、B型肝炎創薬研究に関しては論点に書かれているようなことでいいのではないかと思いました。
○林座長 分かりました、ありがとうございます。
ほかはよろしゅうございますか。
3段落目でございますが、一定の成果が得られていることを記載させていただいておりますが、ここに書いておりますもの以外に何か成果として記載できるものがございましたら、御意見を賜れればと思います。予算要求等で、今までの10年間の成果は当然のことながら指摘しなければなりませんので、何かございましたらお教えいただければと思います。よろしゅうございますか。
次に、4段落目も原文の修正ということで対応を取りたいと思っております。右に修正案を書かせていただいておりますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
考藤先生どうぞ。
○考藤委員 林先生のおっしゃった成果のところなのですけれども、具体的な研究成果はもちろん必要だと思うのですが、例えば、B型肝炎創薬研究事業が始まって、研究班同士の連携が進んだおかげで、恐らく研究者の底上げが進んだのではないかと思います。研究者の実数は明らかに増えたと思いますし、底上げにつながったというのは広い意味での成果と主張してもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○林座長 以前、B型肝炎の研究をされていなかった基礎研究者が、かなりこの領域にも参加していただけるようになりましたので、それは大きな成果だと思っております。ありがとうございました。
ほかはよろしゅうございますか。
続きまして、12ページを御覧いただければと思います。先ほども少し御議論をいただきましたけれども、(4)疫学研究でございます。何か追加する必要がございましたら、追加させていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 先ほどの課題のところと同じで、疫学研究は2030年の目標を入れるべきだろうと思いますし、行政研究は考藤先生の指標研究と委員から出た肝がんのことを、先ほどと同じように入れていただくということかなと思っております。
○林座長 WHOは両方に書かせていただいたほうがよろしいですか。片側だけでよろしいですか。
○脇田委員 それは事務局で考えていただいて、どちらかに入っていればいいかなと思います。どちらがいいか今すぐ分からないので。
○林座長 分かりました。
(5)行政研究でございますけれども、いかがでございましょうか。これも先ほど少し申し上げましたけれども、今後行われます基本指針の見直しを踏まえて少し文章等を変更させていただく可能性はございますが、今後も継続する必要があるということでよろしいかということでございますが、いかがでしょうか。
金子先生どうぞ。
○金子委員 ここの文章はよくできていると思うのですけれども、私はたまたま肝炎の診療連携の班をやっていて、患者数や重症度別の予後やいろいろなことがあるのですが、肝炎の場合、診療連携が非常に重要であるにもかかわらず、診療連携があまり進まないという問題点がずっとあって、そこに対する疫学や行政研究がちょっと足りないかなと。
○林座長 分かりました。先生の御指摘のとおりだと思います。考えさせていただきます。
ほかはいかがでございましょうか。
泉先生どうぞ。
○泉委員 今の金子先生がおっしゃったことと関係するのですが、C型肝炎はウイルスがうまく排除できて消えても肝がんになるし、肝機能は悪くならないけれども肝がんが進行してしまうということで、肝臓がんのウイルスが消えてからの予後やウイルス排除してからの治療方針なども新たな課題として浮かび上がってきているので、もうちょっとそこにフォーカスした文章を入れてもいいかなと思ったのですが。
○林座長 皆さんも、それは非常に重要なことだと認識されておりますので、何か対応を考えさせていただきたいと思います。
ほかにお気づきの点ございませんか。
考藤先生どうぞ。
○考藤委員 行政研究に関してですけれども、これまでウイルス肝炎検査受検率を上げることが非常に大きな課題として行政研究で考えられてきたと思うのですが、繰り返し受検の問題を考えますと、未受検者数の把握が非常に重要なのではないかと思っています。ただ、これを把握するのは全国規模で調査するのが非常に難しいですので、例えば、基本指針の改定を見ながらで結構だと思いますが、様々なウイルス肝炎検査が行われているポイント、ポイントで、未受検者の把握に努める研究が必要であるといったニュアンスの文言が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
以上です。
○林座長 ほかの委員の先生、よろしゅうございますか。どう書いたらいいかかなり難しいところなので、もう一回事務局で検討いただきます。
ほかにお気づきの点はございませんか。よろしゅうございますか。
続きまして、13ページを御覧いただければと思います。「4.戦略の目標」ということで書かせていただいております。今の案は、原案をそのまま使わせていただこうと思っておりますが、各項目でここはこう変えたほうがいいのではないかという御意見がございましたら、ぜひお聞かせいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
泉先生どうぞ。
○泉委員 肝硬変のところで線維化だけが注目されているのですが、肝硬変に伴ういろいろな合併症を防ぐと。ウイルスが消えても門脈圧亢進とかなかなか治らないので、そこも線維化だけに特化する肝硬変に伴ういろいろな合併症の改善に資する研究と入れておいたほうがいいのではないかと思いました。
○林座長 分かりました。考慮させていただきます。
ほかはよろしゅうございますか。
次に14ページですが、ここから数値目標になりますので、いろいろ御意見を賜れればと思います。前回の作成時にもかなり悩ましい領域でございまして、まず、一番上でございますが「抗ウイルス療法による5年後のB型肝炎のHBs抗原陰性化率を、現状の約6%から約8%まで改善」とあるのを少し変えさせていただこうと思っております。
1つの理由は、この6%から8%というのはインターフェロン治療による数値を使わせていただいておりますが、現状はインターフェロンではなくて核酸アナログ製剤を最初から選択する患者さんが非常に多いという状況でございますので、核酸アナログ製剤の数値に置き換えさせていただいてもいいかなということで書かせていただいております。委員の先生方の御意見はいかがでございましょうか。
実は、インターフェロンよりも核酸アナログ製剤のほうが陰性化率は低くなってまいりますので、そのまま書くと逆に治療成績が下がったような書きぶりになると困りますので、そこは工夫させていただく必要があるとは考えております。
泉先生どうぞ。
○泉委員 確かに林先生がおっしゃるとおり、もうちょっといい数字を出したいのですが、見えてきているのはまだ全然ないので、核酸アナログで書くしかないかなと思います。
○林座長 八橋先生、いかがでしょう。
○八橋委員 抗ウイルス療法という表現ですと、インターフェロンと核酸アナログが混在してしまいますので、インターフェロンならこれぐらいの率、核酸アナログではこれぐらいの率と、分けて書いたほうが明確になるのかと思っています。
○林座長 ということは、インターフェロンの記載も残すということですか。
○八橋委員 インターフェロンは、ほとんど使用されていないので核酸アナログだけでいいのかなという気もしていますが。ただ、新しい治療法が出てくると劇的に変わる可能性、期待が持てるのですが、まだ具体的な治療成績が報告されていないので、現時点では、高い陰性化率に期待はするけれども具体的な数字は出せないと思っています。
○林座長 とりあえず核酸アナログ製剤で今の数字を基にして、それからプラスアルファを書かせていただくという感じでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
ほかは委員の先生方、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。基本的にはインターフェロン治療ではなくて、現在実際に行われている核酸アナログ製剤の現状の数値を入れて、それにプラスアルファの数字をセッティングさせていただこうと思っておりますが、よろしいでしょうか。
次に、2番目の項目をご覧いただければと思います。「C型慢性肝炎、代償性肝硬変におけるSVR率を現状の約90%以上から約95~100%まで改善」ということですが、慢性肝炎と代償性肝硬変でほぼ達成された数字になりますので、新しい目標設定をしなければならないということで、今のところ事務局でお考えいただいたのは、非代償性肝硬変は保険が認められておりますけれども、まだ数字としては低いということで、その数値目標を書かせていただこうかという案でございますが、いかがでございましょうか。ここは意見が分かれるかも分からないと思っております。
泉先生どうぞ。
○泉委員 95~100%と書いてしまうと、もうこれは達成できているではないかと思われると思うので、C型肝炎ではウイルスが消えてからも発がんが起こるので、ウイルス減少後の肝発がん率を5%以下にするとか、新たな目標を1つ入れたらどうかと思うのですが。
○林座長 先生は何が一番いいと思いますか。
○泉委員 やはりウイルスが消えてからの発がんが、一番切実な問題ではないかと思います。
○林座長 他の委員の先生方、いかがでございましょうか。やはり非代償性肝硬変のパーセンテージだけでは症例数が限られますので、先生がおっしゃるように厳しいかも分からないと思っております。ただ、15ページに生存率は書いてあるのですが、発がん率は書いておりません。ここをそのように変えるという案も確かにあるのですが、八橋先生いかがですか。
○八橋委員 SVR率に関して慢性肝炎では100%に近くて、代償性肝硬変では95%、非代償性で90%というのが大体標準的な数字ではないかとは思います。非代償性については今まで全く記載がなかったので、それを追加するのはいいと思います。しかし、それだけだとインパクトが弱いので、泉先生が言われたような発がん率、ウイルス駆除すると発がん率は全体的に半分に下がると理解しています。しかし、非代償性肝硬変ではウイルス駆除した後も発がん率が依然として高いというのが問題となりそうですので、発がん率の数値目標を新たに検討してはどうかと思いました。
○林座長 では、二本立てで、非代償性肝硬変は90%でよろしいですか。
○八橋委員 非代償性で90%?
○林座長 90から目標値は5%上の95%。
○八橋委員 いや、90%だと高すぎるかもしれません。
○林座長 93%ぐらい。
○八橋委員 実際は85%とかその辺なのかなと思います。
○林座長 最初の段階はですね。
○八橋委員 9割というのは結構高い目標になると思います。
○林座長 それプラス、先ほどの泉先生と同じように、治療後の発がん率の抑制の数字を書くと。
○八橋委員 現在の発がん率を数字で表現して、今後、その数字を抑える方策を立てないといけない、そうでないとQOLの改善や寿命の延長は望めないかなと思います。
○林座長 次のページを御覧いただきますと、非代償性肝硬変における、これは50%生存期間ですが、2年生存率を書かせていただこうと思っておりますが、それとは別にここに発がん率の抑制の数字も入れるという感じでよろしいでしょうか。
○八橋委員 その前に、非代償性肝硬変が「(Child Pugh C)」という表記になっています。これは10年前に、非代償性肝硬変は、Child Cと定義してスタートしたからだと思います。しかしその後、身体障害者手帳の改定のときにChild Bも非代償性肝硬変に入れると決めました。今、日本ではChild BとCは、非代償性肝硬変と定義されていますので、Child Cの数字だけではなくてChild BとChild Cを分けて数字を出さないといけないと思っています。
○林座長 その数字は出せますか。
○八橋委員 Child Bに関しては、例えば私の研究だと3年生存率は70%にはなるのですけれども、Cの数字もBの数字も出すことはそんなに難しくないと思います。
○林座長 それか非代償性肝硬変でまとめてしまうか、やはり下にChild分類を入れたほうがいいかというのは。
○八橋委員 非代償性肝硬変の内訳として、BとCの生存率を別々に記載するやり方もあると思います。
○林座長 そこは、おっしゃるとおり抜こうと思っております。
他の先生方、御意見いかがでしょうか。
泉先生どうぞ。
○泉委員 非代償は肝がんで死亡するということはむしろ少ないので、2番のC型慢性肝炎、代償性肝硬変のSVR後の肝がんの数値目標を入れたほうが、私は今後の研究に向けてはいいのではないかと思うのですが。
○林座長 その数字をどこから引っ張ってくるのが一番いいと思いますか。
○泉委員 今、DAA(直接作用型抗ウイルス剤)でやってSVRになった後の発がん率が欧米からも日本からも多施設で出てきていますので、そこから持ってこられると思います。例えば、赤十字の共同研究などでも、3年ぐらいだったらSVR後の発がん率が出ていますので、それから持ってこられるかなと思いますが。
○林座長 具体的にどのくらいの数字を。かなりアバウトな数字をいつも入れさせていただいているので、1桁までそろえるような正確な数字は恐らく必要ないと思っていますが、調べますが、どの程度の数字を書けばよろしいですか。
○泉委員 大体、肝硬変で年間5%以下だと思うのですが。
○林座長 今現在が。それを下げると言っても、5%が3%になるぐらいですかね。
○泉委員 そうですね。赤十字の共同研究ですと、肝硬変になると3年生存の発がん率は11%ぐらいですので、そのぐらいの数字を書いていただいて、それを何とか下げることを目標値として掲げていただくと。
○林座長 他の先生方、これを付け加えさせていただくということでよろしゅうございますか。
金子先生どうぞ。
○金子委員 ここの戦略目標は、慢性肝炎があって、肝硬変があって、その後ろに肝がんがあるみたいな形で書いてあるのですけれども、今の話は泉先生、八橋先生が言われたとおり、一番重要なのは発がんのところになってきてはいるのですが、もし目標を書くのであれば、C型のところはいっそのこと代償性肝硬変は100%を目指すと。5年後か10年後かは後で研究計画の議論があるのでしょうけれども、5年後、10年後は今の「95~100%」と書いてあるのを「100%を目指す」と書いてしまう。非代償性肝硬変に関しては、さっきの議論で95%などの数字を入れるということも、抗ウイルス治療のパーセントを書くほうが財務省には分かりやすいかなと。肝がんの発症率はまた別途後ろにありましたから、そこで書くほうが見た目には分かりやすいかなと感じました。
○林座長 分かります。数字ですが、最初のC型慢性肝炎と代償性肝硬変は「95~100%を目指す」しか書きようがないですね。
○金子委員 最初から100%を目指すと。
○林座長 下を書かずに100%を目指すと。
○金子委員 5年後、10年後の計画なわけですから。
○林座長 今は「95~100%まで改善」と書いてありますので、100%を目指すのは。
○金子委員 本当は100%を目指すと。
○林座長 それは書けますね。非代償性肝硬変は具体的な数字から言うと。
○金子委員 戦略目標ですから、95%を目指すと。
○林座長 これは、実は前もかなり議論があったところで、なかなか正確な数字を出せるわけではありませんので。
○金子委員 目標ですから、そう書いてしまうのはいいのではないかと私は思います。抗ウイルス療法の効果として。肝がんについては、また別途書くと。
○林座長 肝発がんは逆に言うと、後ろの非代償性肝硬変の生存率のところに入れると。
○金子委員 先ほど見たら、後ろに肝がんの発症率のことが書いてありましたから。
○林座長 分かりました。では、とりあえず肝炎については、そうさせていただきましょうか。肝がんは一番後ろに入れさせていただくとして、C型慢性肝炎、代償性肝硬変におけるSVR率は100%改善を目指すという書き方にとりあえずさせていただくと。非代償性肝硬変については、95%を目指すという書き方にさせていただくと。
前に戻りますが、B型のところは、先ほどの核酸アナログ製剤に書き換えるとして、その注釈は入れますけれども、3%~5%を目指すというのは書きすぎでしょうか。事務局は、一応何らかの数字を御提案いただかないとなかなか決めにくいというので。核酸アナログ製剤は2.5%~4%か5%ぐらいでしょうか。八橋先生でも、泉先生でも結構ですが、いかがでしょうか。もちろん、他の資料が出てきたら、これも変わりますので。
○八橋委員 5年間の核酸アナログ製剤での成績ですか。
○林座長 中間見直しをしますので、5年を目指しているぐらいでも構わないと思います。
○八橋委員 自然経過での年間消失率が1%なので、治療を工夫することで2%まで上がれば大したものだと思うんです。例えば核酸アナログだけであれば、3年で6%というのは結構高い数字ではないかと私は思います。
○林座長 目標5%ぐらいかなと思ったのですが、5%ぐらいでよろしゅうございますか。
○八橋委員 そうだと思います。
○林座長 今後、新しい治療が出てくれば、当然のことながら中間見直しではがらっと変わってしまうことになりますが。
○八橋委員 変わると思います。核酸アナログ単独であれば、その中で薬剤選択の工夫を我々はおこなっていますが、それでも消失率は高くありません。今は、その現状を認識していただくためにも数字をはっきりさせたほうがいいと思います。
○林座長 分かりました。では、とりあえずこれで原案をつくらせていただきます。
次の15ページを御覧いただいて、先ほど少し議論をさせていただきましたが、非代償性肝硬変の元は「50%生存期間を現状の約18ヶ月から24ヶ月」と書いてあるのですが分かりにくいので、2年生存率が50%少しプラスアルファとして書かせていただこうかというくらいではないかと思っておりますが、それでよろしゅうございますか。
○八橋委員 3年生存率の評価には年数がやや長いので、2年生存率で表現するのが良いと思います。
○林座長 右に参考を書かせていただいているのですが、Child Cの2年生存率が49.6%ぐらいなので、Child Cを抜きますので非代償性肝硬変。
○八橋委員 いや、この数字は実際よりも高めだと思います。欧米の文献もいろいろ調べたところ、ここまで高くありません。数字の最初の設定は、その後の評価にものすごい影響を及ぼしますので、慎重に数字の設定をすべきかと思います。
○林座長 50%より少し低めにしたほうがいいということですね。
○八橋委員 海外ではChild Cの2年生存率は40%というのが大体のコンセンサスです。
○林座長 では、これはもう少し下げて、先生には数字を御相談するかも分かりません。2年生存率については、反対はございませんか。
○八橋委員 2年生存率に合わせていきたいと思います。
○林座長 最後、16ページの肝がんです。「肝硬変からの肝がんの発がん率を」という記載をさせていただいておりますが、御意見はいかがでしょうか。今のところ事務局と相談しているのが、指針でも肝がんの罹患率を使用するということもありまして、参考4を御覧いただきますと、年齢調整罹患率、10万人当たりでございますけれども、その記載に変えさせていただけたらというのが意見でございますが、ここはいかがでしょうか。
金子先生どうぞ。
○金子委員 ここで先ほど泉先生が言われたSVR後の発がんの目標を出すとか、そこは臨床的に一番問題になっていますので、そういうのが目標としては捉えられやすいと思います。ただ、C型肝硬変からの発がんなのか、C型慢性肝炎含めてSVRを得られた人の発がんなのかというのは、今後の数字の出しやすさも含めて考えないといけないと思いますが。
○林座長 ここも、できたらコンスタントにデータが取れる数値を使いたいというのもございます。
○金子委員 ここは、B型からの発がんをどれだけ、C型からの発がんをどれだけというのが魅力的な戦略目標になると思います。
○林座長 他の委員の先生方、いかがでございましょうか。
泉先生どうぞ。
○泉委員 今、あまり肝生検もやらないことが多いし、DAAを処方するときに肝硬変なのか、慢性肝炎なのかあまり意識されないので、きちんと慢性肝炎と肝硬変を分けた数字が出てくるかどうかというのは非常に難しいかなと。C型肝炎を慢性肝炎、肝硬変からのSVR後の発がんとまとめてしまうほうが、今後データを出しやすいのかなと思います。
○林座長 そうなんです。実は、C型肝硬変からの発がん率はおおむね達成し、B型肝硬変からの発がん率についてはほぼ横ばいの数字なのですけれども、どうしてもBとCと分けますと、肝がんのデータは肝がんとして出てまいりますので、ここはできたら肝がんの罹患率としていただくのがいいのかなと考えております。よろしゅうございますか。一つは、年齢調整罹患率を使わせていただければという事務局からの御提案でございますが。
御意見がございませんでしたら、もう一度こちらで検討させていただいて原文はつくりますので、それについてまた御意見を賜れればと思っております。数字については各委員の先生方に御相談させていただく可能性がございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、全体で何か言い残していることがございましたら、ぜひ御発言をいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
坪内先生どうぞ。
○坪内委員 これは“肝炎対策の推進に関する基本的な指針”の事項になるかもしれませんが、この10カ年戦略でC型肝炎、B型肝炎の診療、特にC型は画期的に進歩したと思います。伊藤班や田中班のデータを見せていただくと、慢性肝炎の患者数は2012年にはC型が38万人だったのに対して2018年には21万人に、C型肝がんも8万9,000人から4万4,000人に、この6年間で患者数が著しく減少しています。そういう患者数の減少はこの10カ年戦略の大きな成果だと思うので、きちんと評価されるようどこかに記載すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○林座長 他の先生方いかがでしょうか。明らかに成果を得ているわけですので、それをどこかに入れさせていただく工夫は考えてさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
他に御意見はよろしゅうございますか。
それでは、もう一度事務局と検討させていただいて、また数値等も相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、資料2については一通り御議論いただけたかと思います。ありがとうございました。また、今後の戦略期間についても検討する必要がございます。本日、多くの御意見を頂戴し、今後の課題が多く見えてまいりましたけれども、今回検討いただきました肝炎研究10カ年戦略については延長するのが妥当と考えております。問題は、今後の戦略期間をどの程度設定するかということでございますが、委員の先生方の御意見を伺いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
考藤先生どうぞ。
○考藤委員 今日、幾つかこの10カ年の成果として委員の先生方がおっしゃられたとおり、10カ年計画によりまして、ウイルス肝炎、それに起因する肝がんの患者さんが減ったことは非常に大きな成果ではないかと思います。それは成果としてはっきりと主張していただきたいと思うことに加えまして、次の対策、戦略期間ですけれども、今日、脇田先生が繰り返し強調されたように、WHOが世界的な健康課題としてウイルス肝炎のエリミネーションを掲げております。その目標の年限が2030年と明記されています。ただ、昨今のコロナ禍によりまして、世界のウイルス肝炎の政策が1年以上遅れているという状況を鑑みて、今後2030年という目標設定が変更される可能性はあると私は思っているのですけれども、いずれにしても世界の対策の状況を踏まえて、この戦略期間も日本も2030年を一つの区切りに設定するのが理にかなっているかなと思います。
以上です。
○林座長 ありがとうございました。
他の委員の先生方いかがでございましょうか。いろいろな期間の設定はできると思っておりますが、偶然今回WHOがそのような目標の設定をしておりますので。
脇田先生どうぞ。
○脇田委員 今、考藤先生が言ってくれたことに全く同意しています。やはり2030年がWHOの目標になっていますので、日本としてもそこに歩調を合わせて対策を進めていくべきと考えれば、2030年までの期間ということで。ただ、先ほどもありましたように、2030年の目標がずれる可能性もあるかなと思っているので、そこはずれたときにまた考えればいいと思いますので、2030年を目標としていただけるとよいかなと思っています。
以上です。
○林座長 ありがとうございました。
他の先生方、御意見よろしゅうございますか。それでは、今までのお話のように、一応2030年までを戦略の期間とさせていただきますが、当然のことながら、途中の段階で治療方法も大幅に変わってまいりますので、検討をさせていただくことになります。そのときに、ある程度の見直しは当然のことながら行われるということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
このほか先生方から何か御発言がなければ、少し時間に余裕はございますが、これで終わらせていただこうと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、本日は委員の皆様にはいろいろと精力的に御発言をいただき、ありがとうございました。冒頭にも申し上げましたように、事務局において今後の戦略の取りまとめ案を作成させていただき、私のほうで確認させていただいてから委員の皆様に御確認をいただきたいと思います。
また、現在、肝炎対策基本指針の見直しに係る検討もされておりますので、指針の改正が終わった段階で新たな指針と見比べてみて、正式な戦略とさせていただきたいと思っております。先ほど数値目標等、今後も委員の皆様方にはいろいろ御協力を賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。日本の今までの10カ年戦略で大きな成果を得ております。それを踏まえて、さらに日本から肝炎患者さんをなくす方向に頑張っていければと思っておりますので、御協力を賜れればと思っております。
それでは、これで検討を終わらせていただきますが、最後に事務局から連絡等ございましたら、よろしくお願いいたします。
○丸山肝炎対策推進室長 本日は、遅い時間での会議にお集まりいただきまして、また、長時間にわたり熱心な御議論をいただきまして誠にありがとうございました。
先ほど座長から御発言いただきましたとおり、取りまとめ案につきまして私どもで作成いたしまして座長に御確認いただいた上で、また各委員の先生方に御相談させていただきたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○林座長 それでは、これで閉会とさせていただきます。本日は、どうもありがとうございました。
 

照会先

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

前野、久保
代表番号:03-5253-1111(内線2948)

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