(令和3年3月16日(火曜日)15時04分 於:飯倉公館大ホール)

冒頭発言

 只今、ブリンケン米国国務長官と対面では初となります日米外相会談を行ったところであります。本日の会談では、先週金曜日の日米豪印首脳テレビ会議、この成果も踏まえて、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた協力を一層強化することを確認するとともに、中国、北朝鮮、韓国、ミャンマー、そしてイラン等の地域情勢、あるいは新型コロナや気候変動問題など幅広い問題について、忌憚なく意見交換を行うことができました。

 地域情勢で一番時間を割いたのは中国の問題です。東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試みに強く反対をするとともに、中国海警法への深刻な懸念を共有し、同志国を含め緊密に連携していくことで一致をしました。

 また、香港の選挙制度に関する全人代の決定についても共に重大な懸念を示し、新疆ウイグル自治区に関する人権状況についても共に深刻な懸念を示しました。経済安全保障でも、中国をめぐる諸課題への対応の必要性の確認をとったところであります。

 北朝鮮については、米国は政策レビュー中ですが、安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化の実現に向けて、緊密に連携していくことで一致をいたしました。また、私から拉致問題の早期解決に向けて、引き続きの理解と協力を求め、ブリンケン国務長官から力強い支持を得ました。更に日米韓の緊密な連携の重要性を改めて確認をしたところであります。

 ミャンマーについては、民間人の死傷者が増え続けている状況を強く懸念するとの認識で一致をし、民間人に対する暴力の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む関係者の解放、そして民主的な政治体制の早期回復をミャンマー国軍に対し、引き続き強く求めていく方針及び日米、更にはASEAN等関係国との連携を確認をしたところであります。

 コロナ対策、そして気候変動問題といった国際社会共通の課題や、強靱で多角化されたサプライチェーンの構築、サイバーセキュリティ及びクリーン・エネルギー等についても意見交換を行い、協力していくことで一致をいたしました。

 ブリンケン長官から、オリンピック・パラリンピック東京大会の成功に向けた日本の取組を支持するとの発言があり、引き続き日米で協力することで一致をいたしました。

 今回の会談では、日米が直面する重要な課題について、2人で突っ込んだ議論を行うことができ、もともと1時間の予定だったのですけど、結局1時間半ということになりまして、かなりですね、何回もやり取りをすると、良い形で意見が一致すると、じゃあこれからさらにどうしていこうか、こういう議論の進み方をしたところでありまして、やはり対面で議論をするということは有意義であると実感をしたところであります。次は、全体の日程等であったりと、コロナの状況等も見極める必要がありますが、私が早期に訪米してですね、外相会談を行うことで一致をいたしました。以上です。