令和3年3月10日

 3月10日(現地時間同日)、スリランカ民主社会主義共和国のコロンボ市において、我が方、杉山明駐スリランカ民主社会主義共和国日本国特命全権大使と先方サラット・ダッシュ国際移住機関(IOM/International Organization for Migration)スリランカ・モルディブ事務所長(Mr. Sarat Dash, Chief of Mission, IOM Sri Lanka and Maldives)との間で、同国に対する無償資金協力「新型コロナウイルス感染症の流行により帰還したスリランカ人移民労働者の社会経済的再統合支援(IOM連携)」(供与額1.87億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. スリランカでは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響を受けて、約11万人(2020年末時点)のスリランカ人出稼ぎ労働者が失業等の理由で出稼ぎ先からスリランカに帰還していますが、これらの労働者の約半数は女性の未熟練労働者であり、帰還後も生計手段がない等脆弱な立場に置かれているため、帰還労働者の社会への再統合が喫緊の課題となっています。
  2. この協力は、IOMとの連携の下、帰還労働者が多く居住するスリランカ国内12県の帰還労働者及び帰還先のコミュニティを対象にして、職業訓練や職業訓練施設の改修を行うとともに、農業・漁業施設の改修等の生計向上につながる支援を行うものです。この協力により、帰還労働者の社会への再統合が促進され、スリランカの貧困削減及び社会の安定化に寄与することが期待されます。
  3. 我が国は、G7女性・平和・安全保障パートナーシップ・イニシアティブの下でスリランカをパートナー国としています。脆弱な立場に置かれている帰還労働者の約半数は女性であり、この協力は同イニシアティブの一環として実施するものです。

 スリランカ民主社会主義共和国は、面積約6.6万平方キロメートル(北海道の約0.8倍の大きさ)、人口約2,180万人(2019年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)4,020米ドル(2019年、世界銀行)。

  • (1)G7外相会合において立ち上げることとなった、平和・安全保障分野におけるジェンダー平等及び女性のエンパワーメント(女性・平和・安全保障アジェンダ)の推進をG7以外の国において加速させるイニシアティブ。
  • (2)G7各国が,支援を必要とする脆弱国・紛争被災国を「パートナー国」に選び、当該国の「リード国」として支援に取り組んでいくとされる。日本は、スリランカをパートナー国としている。
  • (3)G7女性・平和・安全保障パートナーシップ・イニシアティブ(PDF)別ウィンドウで開く