令和3年3月10日

第2回「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」の開催(結果)1

第2回「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」の開催(結果)3

第2回「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」の開催(結果)2

3月9日、第2回「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」がオンライン形式で開催され、被爆地の関係者を含む核軍縮に関する様々な立場の国内外の民間有識者15名及び核兵器国と非核兵器国を含む11か国の政府関係者に加え、スラウビネン核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議議長候補及び中満国連事務次長・軍縮担当上級代表が出席しました。

  1. 会合の冒頭、鷲尾外務副大臣から、核軍縮をめぐる各国の立場の隔たりを埋めることが不可欠であること、また、核兵器のない世界の実現という共通のゴールに向けて実質的な貢献を行うべく我が国は今後も尽力していく旨の挨拶(日本語(PDF) / 英語(PDF))を行いました。
  2. 今回の会合では、核兵器のない世界の実現に向けた各国間の信頼醸成及び共通の基盤の形成に貢献することを目指し、本年8月に開催が見込まれるNPT運用検討会議において意義ある成果を達成するための方策について議論が行われました。
  3. 会合中、参加者からは、国際社会において核軍縮をめぐる分断を回避し対話を促進するためのNPT運用検討会議の役割、同会議の具体的な成果の在り方や各国が合意し得る具体的な措置等についての発言がなされ、特に、核兵器禁止条約をめぐる立場の分断を埋めるための努力の必要性、また、核兵器が誤って使用されるリスクを低減させるための核兵器国間の核ドクトリンに関する透明性や相互理解の向上の重要性について発言が多くなされました。さらに、先月、新戦略兵器削減条約(新START)が延長されたことを歓迎する発言が多くなされました。
  4. その他、参加者からは様々な意見や提言がなされ、活発な意見交換が行われました。

[参考1]出席者
(1)グスタヴォ・スラウビネン次期NPT運用検討会議議長候補、中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表

(2)政府関係者(11か国)

  • 核兵器国:中国、フランス、ロシア、英国及び米国
  • 非核兵器国:オーストラリア、オランダ、クウェート、マレーシア、メキシコ及び日本

(3)民間有識者(日本人有識者4名、外国人有識者11名の計15名)
(ア)日本人有識者

  • 秋山 信将 一橋大学国際・公共政策大学院教授
  • 小泉 崇 広島平和文化センター理事長
  • 朝長 万左男 日赤長崎原爆病院名誉院長
  • 樋川 和子 大阪女学院大学教授

(イ)外国人有識者

  • ジョン・ボリー 国連軍縮研究所(UNIDIR)シニアフェロー
  • アンゲラ・ケイン 元国連軍縮担当上級代表
  • マフムード・カーレム 元駐日エジプト大使・元国連軍縮諮問委員会委員
  • アントン・フロプコフ 露エネルギー安全保障研究センター長
  • オリバー・マイアー 独平和研究安全保障政策研究所上級研究員
  • ゴーカー・ムハジャノヴァ ウィーン軍縮不拡散センター・ディレクター
  • ジョージ・パーコビッチ カーネギー国際平和財団副会長
  • タリク・ラウフ 元国際原子力機関(IAEA)検証安全保障政策課長
  • マンプリート・セシ 印空軍力研究センターフェロー
  • ブルーノ・テルトレ 仏戦略研究所副所長
  • 趙通(Tong Zhao) カーネギー清華グローバルセンターシニアフェロー

[参考2]核軍縮の実質的な進展のための賢人会議
(1)経緯及び目的
国際的な安全保障環境が悪化し、核軍縮の進め方をめぐり核兵器国・非核兵器国間、更には非核兵器国間でも意見対立が顕在化する中で、各国の信頼関係を再構築し、核軍縮の実質的な進展に資する提言を得るべく、2017年5月に岸田外務大臣(当時)が「賢人会議」の立ち上げを表明。2017年11月から2019年7月にかけて全5回の会合を開催。同会合での議論を通じて、2018年3月の提言、2019年4月の「京都アピール」に続き、同年10月にはそれまでの同会議の議論を総括する報告書として「議長レポート」が外務省に提出された。
(2)委員構成
座長の白石隆・熊本県立大学理事長を含む日本人有識者7名に加え、核兵器国、中道国及び核兵器禁止条約推進国の外国人有識者10名の計17名で構成。被爆地である広島及び長崎からも有識者が参加。

[参考3]第1回「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」
(1)2020年3月、我が国は、「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」における議論の成果のフォローアップ及び更なる発展を目的として、核兵器国と非核兵器国を含む各国の政府関係者9名及び国内外の民間有識者9名(「賢人会議」委員の一部を含む)の参加を得て、「核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合」を開催。
(2)会合では、透明性、核リスク低減及び核軍縮・不拡散教育という3つの具体的な核軍縮措置の受容性に焦点を当てた議論が行われた。