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令和3年3月9日(火曜日)
教育、科学技術・学術、その他

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広報プロジェクト「専修学校 知る専」、第11期中央教育審議会、学校の津波・地震対策及び防災教育の現状、原子力発電の課題について、全日本私立幼稚園連合会において多額の使途不明金が生じているとの報道について、国家公務員倫理上問題とされた昨今の事例について、女性の大学進学率と研究者の男女比率、児童生徒の人権と学校の校則

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年3月9日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年3月9日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年3月9日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。ちょっと花粉がきついのでマスクしたまま、お許しください。
 冒頭、2件です。まず、「専修学校 知る専」について。地域の中核的人材や専門職業人の養成機関として重要な役割を果たしている専修学校の魅力を、中高生や教職員、保護者など多くの方に知っていただくため、本日、新たな広報プロジェクト、「専修学校 知る専」をスタートいたします。このプロジェクトでは、専修学校の魅力発信のための特設サイトを新たに構築し、専修学校や専修学校生にも参加いただき、様々な情報発信を強化します。このサイトでは、専修学校で学べることやその仕組みなどをわかりやすく解説するとともに、専修学校に広く呼びかけてご提供いただいた、特色ある教育活動の様子や社会で活躍している卒業生の様子といったテーマ別の動画などを掲載しています。また、専修学校を卒業し、第一線で活躍している方々に「知る専応援サポーター」としてプロジェクトにご協力いただき、この取組を盛り上げてまいります。また、今後、専修学校生がSNSでハッシュタグをつけて投稿する自分たちの活動についての記事の掲載や、本プロジェクトのロゴマークの募集も予定しておりますので、専修学校の生徒の皆さんには、ぜひ奮ってご参加いただきたいと思います。当サイトの活用を通じて、多くの中高生が、各分野で活躍する先輩の姿に未来の自分を投影させながら専修学校のことを知り、専修学校に興味を持ち、進路選択の検討につなげられるよう今後もコンテンツを充実させてまいりますので、中高生や教職員、保護者の皆さまに積極的にご活用いただきたいと思っております。
 もう1点です。本日付で、第11期の中央教育審議会の委員を任命しました。任期は令和5年3月8日までの2年間です。第10期の中央教育審議会では、今年1月に、全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びを実現する「令和の日本型学校教育」の構築について、答申を取りまとめていただきました。新たな時代の学校教育の成否は、まさに教師の資質能力にかかっています。既に、私の下に「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部」を立ち上げ、当面の取組として、35人学級を担う教師の確保や社会人等の多様な人材の活用等に関する施策を取りまとめたプランを公表したところですが、学びの在り方が変わる中では、教師の養成・採用・研修などの在り方について、基本的な在り方にまで遡って検討を進める必要があります。また、東日本大震災という未曾有の大震災から間もなく10年を経ようとしていますが、自然災害の多い我が国において、安全で安心な学校施設の整備や、主体的に行動する態度を育成する安全教育の推進は引き続き重要な課題です。そこで、今期の中教審においては、「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方、第3次学校安全の推進に関する計画の策定、この2点について、総合的・多面的にご検討いただくため、今週12日に中教審を開催し、その旨の諮問を行い、ご議論をいただきたいと考えております。また、これらの課題のみならず、第11期の各委員におかれましては、我が国の教育に関する様々な課題について、活発かつ有意義にご審議いただきたいと考えております。私からは以上です。

記者)
 東日本大震災から間もなく10年となります。津波で、宮城県石巻市の大川小学校では、児童74人、教職員10人が犠牲になりました。全国の学校現場の安全を守るための津波地震対策や防災教育の現状について大臣の認識をお聞かせください。それと1つ、すいません、福島第一原発事故で今も約36,000人の福島県民が避難生活を続けています。国内各地で原発再稼働に反対する声が強いと思います。こうした脱原発、原発ゼロを訴える多くの声に対して、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 まず、宮城県石巻市立大川小学校での事故をはじめ、東日本大震災により犠牲となられた方々に改めて哀悼の意を表するとともに、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。東日本大震災から間もなく10年となりますが、震災以降、その教訓や経験を踏まえた防災教育は、被災地のみならず全国の学校で展開されるようになっており、私としても、子供の命を守り、安全・安心を確保する上で大変重要な教育活動であると考えています。学校における防災教育は、自助・共助・公助の視点を適切に取り入れながら、地域の特性や児童生徒等の実情も踏まえつつ、各教科や学級活動、学校行事における避難訓練など安全教育につながる様々な学習の機会をとらえて教科等を横断的に指導していくこととしております。加えて、それぞれの地域ごとの特有な災害の実情に応じた危機管理マニュアルの作成を促すための手引や、防災教育を系統的・体系的に整理した教職員向けの指導参考資料等の作成や配布を行い、学校安全管理体制の強化・充実を図ってきたところです。今後は、今度整備されるオンライン教育も活用して、被災経験のある方のお話を子供たちの発達段階に応じて伝えていくなど、東日本大震災の教訓や記憶が決して忘れられることがないように、その経験を広く子供たちに共有し、防災の教育の更なる充実に努めていきたいと考えております。原子力につきましては、「エネルギー基本計画」において、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置付けられているところです。他方、原子力は多様な課題を抱えており、それらの解決に向け、原子力の安全性向上のための研究開発の推進や、原子力分野の人材を確保・育成することが重要であると考えています。このため、文科省としては、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃止措置や原子力の安全性向上等に必要な研究開発基盤の強化、また、原子力の研究開発を支える人材の育成等に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

記者)
 全日本私立幼稚園連合会の関係でお伺いしたいんですけれども。使途不明金があって会長が辞任をしているという件を受けまして、幼稚園行政を所管している文部科学省としてどのようなお考えでいらっしゃるかということと、任意団体ではあるかと思うんですけども、何か、調査であったりとか事実関係の把握をどのように考えていらっしゃるかをお伺いいたします。

大臣)
 まず、ご指摘の件は報道等を通じて承知をしております。全日本私立幼稚園連合会は任意の団体であり、文部科学省が所管している団体ではありませんが、しかし、当該団体が我が国の幼児教育を担う私立幼稚園の団体であることから、会則等に基づいて適切に団体の運営を行っていただきたいと考えております。文科省内で、特別何か、直ちに何かをということは考えてないんですけれど、報道を見る限り、なぜそんなことになったのかなということや、間違ってもそういったお金がですね、おかしな使われ方に関わることのないようにですね、注意をしながら見守っていきたいなと思っています。

記者)
 2点お伺いします。1点目は中教審の件ですけれども、諮問される内容、言及していただきましたが、ちょっともう少し具体的に、どういったことを考えてらっしゃるのかお願いしたんですが。例えば、教員免許制度の更新制の制度改革とか、あと、教員の働き方改革ですね。どういったことが課題であって、どういったことを大臣として考えているのか、諮問されるのか、もう少しよろしくお願いします。

大臣)
 まず、初等中等教育分野においては、先ほども申し上げましたけれども、「令和の日本型学校教育」を担う教員の養成・採用・研修などの在り方及び第3次学校安全の推進に関する計画の策定等についてご審議いただきたいと思います。当然のことながら、養成・採用・研修ですから、今ご指摘のあった免許制度にもつながっていくと思いますし、働き方改革についてもつながっていくと思っています。あの、常々申し上げていますけれど、今年の4月からですね、全て児童生徒に1人1台端末が配備をされて、そして、2年生から35人学級がスタートするわけですから、これを車の両輪として、教員の皆さんの働き方も変えていきたいし、したがって教える中身というものも、教え方も含めて変えていかなくてはならない大事な時期だと思いますので、そういったことを幅広に前広にしっかり議論していただきたいなと思っています。それから、高等教育分野では、第10期に引き続いて魅力ある地方大学を実現するための様々な支援方策や、特に、コロナ禍で学生から様々な意見が出ています。オンラインがいいという学生もいれば、オンラインが、大学教育、自分が目指してきたものと違うんじゃないかとか、あるいは、実技の実習が足りなくて非常に不安に思っているという声もありますので、大学教育の質保証システムの在り方等についてご審議をいただきたいなと思っています。さらに、生涯学習分野では、コロナ禍により社会のデジタル化が加速していくことを前提として、デジタル社会の「市民」にとって必要なリテラシー・スキルの向上に資する取組の在り方についてご審議いただきたいと思っています。例えばリカレント教育などここ数年力を入れてきていますけれど、学校へ通ってその講義を受けるということのみならずですね、こういったデジタルを使いながら、遠隔でいつでも学べるようなことで、仕事のキャリアアップにつながるようなですね、リカレントというものもこれからはメニューとして出てくるんじゃないかと思っていまして。こんなことを、ぜひ皆さんでお話しをしていただきたいなと思っています。

記者)
 もう1件別件で、今、総務省の接待問題が国会で追及されていますけども、文科省も、何年か前に色々ありまして改革されていると思うんですが、総務省の今回の問題を受けて、文科省で、改めて省内の接待など、何か改めて調査されるお考えはありますか。

大臣)
 3年前にあれだけの痛い思いをしてですね、文部科学省の信頼回復のために、創生期間で、今、努力をしている最中なので、この場に及んでですね、大変失礼ですけど、ああいったことが省内で行われているとは、私は、思っておりませんし、また、それをここで改めて現調的に調査をしようという気もないんですけれど、しかし、やっぱり時間とともに忘れていくこともあると思いますので、今回のことをきちんと踏まえてですね、省内での、言うならば申し送りや研修などには、強化をしていきたいなと思っています。私、実は就任以来ですね、3年前のあのことはけしからんことだったんですけれど、やや農林水産省の方と似たようなケースだったと思うんですよね。すなわち、その場に行った役人は、企業の人に誘われたんじゃなくて、議員から、お亡くなりになった議員ですけれど名前を出すのは控えたいと思いますけれども、その方から言われて、あえて言うならば、別に文科大臣とか文科政務三役の経験者じゃなかったんですけれど、皆さんのワードを使えば総理の息子という立場があったのかもしれませんが、いずれにしましても、第三者、要するに政治関係者から誘われて行って、結果として企業の人に御馳走になってしまったということなので、こういった経験も踏まえて問題のないようにしていくっていうことがすごく大事だと思いますし、だからといってですね、霞が関の皆さんだけで顔を見合わせて政策を議論するんじゃなくて、やっぱり、その現場を知っている外の皆さんとの意見交換っていうのは大事だと思いますので、別段飲み食いを伴わなくてもですね、いくらでも意見交換はできるんだと思うので。そのことで萎縮をして、外の民間の人たちと接触をしないとかいう後ろ向きな姿勢じゃなくて、きちんとルールに則ってですね、堂々と必要な意見交換をするようにということを常々申し上げてまいりましたので。私は、そういう意味では、今、文科省の職員の皆さんはきちんとルール通りやっていただいていると信じておりますので、様子をしばらく見たいと思います。

記者)
 女性の活躍に関して伺いたいなと思います。昨日、国際女性デーだということで、ジェンダーに関してですね、様々な問題提起が世界各地で行われたということなんですけれども。日本の教育においては、進学率でいうと、高等学校はほぼ男女同じくらいですが、大学となるとですね、まだ、かなり差は縮まっていますけれども、男性のほうが高いと。大臣所管の科学技術の分野ですけれども、特に理数系においてはですね、明らかに男性のほうが要職を占めていたりとか、比率においてもかなり高いという現状があると思います。この辺り、女性の力はこれから必ず必要になってくると思うんですが、この辺り、どのように取り組んでいかれるかというのをお聞かせください。

大臣)
 ご指摘の大学の進学率における男女別の割合について、女性より男性のほうが高いのは事実です。他方、この10年の進学率の上昇割合については、女性の方が大きく伸びた比率となっております。伸び率で言うと、男性が1.3ポイントに対して女性は5.7ポイント、大学進学が伸びています。高等学校の管理職が考える「男子生徒の方が大学進学率が高い理由」というのをですね、研究の報告書から確認をしますと、女子の場合は、短期大学という選択肢が数多くあります。それから、専修学校への進路を選択するということが多く見られること。女子生徒は男子生徒よりも浪人を望まない、浪人を回避しがちである傾向。それから、保護者が自宅から通うことができる近隣の進路先を勧めること。一人暮らしが心配で、親元から通える範囲で進学先をなどという親の意向などもあって、結果としてそういう傾向にあるんではないかと思っています。こうした状況を踏まえて、例えば東京大学では、女性比率向上のための施策として、高校の進路指導担当教員との座談会ですとかアンケート調査などによって、女子学生が進学しやすい環境作りについて意見交換や情報収集を実施するなど取り組んでいると聞いております。文科省としては、学校教育段階から男女共同参画意識の醸成を図ることは重要であると考えており、高校、大学で活用できるライフプランニング教育プログラムの開発や、指導的立場にある教員が自身の無意識の思い込みに気付くための教員研修プログラムの開発などについて取り組んできたところでございます。また、ご指摘のあった科学者ということ、研究者などを考えますと、今までのような文系・理系の分断ではなくてですね、文理融合の教育をすることによって、早い時期から女子学生の皆さんにも科学の道を進んでいただける機会や、また、興味を持ってもらえる学習内容をしっかり提携をしていきたいなと思っていまして、今後とも、関係府省とも連携を図りながら、男女共同参画社会の実現に向けた教育施策の推進に努めてまいりたいと思います。

記者)
 また校則の話で申し訳ないんですけれども、岐阜県立の高校で、制服と私服の選択制というのが生徒会の要望により実現されたと。長崎県などでも、校則の見直しの通知が出されるなどしています。例えば地の髪が黒色じゃないなど、生徒の髪を黒色に染めるよう指導したり、下着の色を限定して教員がその色をチェックしたりといった人権侵害の校則の事例というものが弁護士会などから相次いで明らかにされています。先日も大阪府の事例で裁判になったんですけれども、頭髪を規制することは合法であるという判決が出たと。生徒の人権を侵害するような校則に関してですね、文科省として改めて全国的な調査をするお考えがあるのかということと、こういったことがだめですよというような通知なり指導をされるかどうか、この部分についてちょっとお聞かせください。

大臣)
 大阪府立の高校生、在学中にですね、教員から髪を黒く染めることを強要されて、大阪府を訴えていた訴訟のことが先週来随分ニュースになりました。指導に違法性はないとする判決が大阪地裁で行われたと、報道については承知しております。校則については、学校や地域の実態に応じて、各学校において適切に判断されるべきものであり、必要かつ合理的な範囲内で定められるべきものだと思っています。また、校則に基づき、具体的にどのような手段を用いて指導を行うかについても、各学校において必要かつ合理的な範囲内で、適切に判断されるものというふうに考えておりまして、今回のケースを含め、文部科学省が一概にその良し悪しを言うことができるとは思いませんし、またその校則の内容について、文部科学省が全国調査をするということは考えていません。ただ、今、平松さんがご指摘になったように、下着の色までっていうのは、どういう根拠なのかなっていうのはすごく、個人的には不思議に思いました。開校当初と色々社会環境が変わってですね、色々ルールも変わってくる中で、学校の校則だけが取り残されている実態というのも、一部ではあるんじゃないかなって私も思いますので、これはやっぱり設置者とそれからそこに通う学生さん、あるいは時にはOBの皆さんの意見なんていうのも大事なんじゃないかと思うんで、民主的に皆さんが話し合って変えていくことについてはですね、いささかも異論はないというふうに思いますけれども。ここは、繰り返しになりますけど、最終的には設置者や学校長等々の判断で行うべきだと思っていますので、文科省として積極的に関与をするということは現段階では考えていません。

(了)

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