厚労省・新着情報

(令和3年1月29日(金) 10:52 ~ 11:18 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私から冒頭3件ご報告いたします。まず1点目ですが、本日公表の雇用統計についてです。令和2年12月の有効求人倍率は1.06倍と、前月と同水準となりました。完全失業率ですが、これも2.9%で前月と同水準ということです。
 共に、前月と横ばいの推移となっていますが、雇用者数が減少しておりますし、完全失業率が増加したこと等を踏まえると、現在の雇用情勢は厳しくなりつつあるのではないかと思っております。
 求人が求職を上回って推移していますが、求職者が引き続き増加傾向であると、厳しさが見られるということです。数字的には前月と同水準ですが、一方で12月は緊急事態宣言前ということでありました。1月は緊急事態宣言をしておりますので、更に厳しくなっていくことが予想されます。
 雇用調整助成金も今までよりも更に特例措置を広げたということでありますから、しっかりと対応していきたいと思います。    

 続きまして、休業支援金・給付金ですが、これに関して、10月末にシフトの方々などの方々に関して通知を出させていただきました。その結果、4月から9月に休業された方々の申請期間について、12月末までだったものを1月まで延長させていただきました。
 しかし、更にまだ十分にこのリーフレット等で周知できていないと、まだ多くの方々が請求できる資格を持っていながら十分に周知ができていないということですので、これを3月末まで延長させていただくということを決定しました。
 引き続き、丁寧に周知させていただいて、1人でも多くの方々にご申請いただけるように努力をさせていただきたいと思います。どうか、PRをよろしくお願いいたします。    

 3番目ですが、マイナンバーカードを健康保険証で利用できるということで、オンライン資格確認というものを令和3年3月からスタートということですが、これに先立ちまして、オンライン資格確認の本格稼働の前にプレ運用という形でスタートさせていただきたい。
 だいたい500程度の医療機関、薬局を目安にしておりますが、プレ運用をさせていただいて、いろいろな問題はないかということを確かめさせていただきたいと思っております。
 3月の初め頃を念頭に置いており、日付は未定ですが、3月の初旬にこれをスタートさせていただきたいと思っております。私からは以上ですので、ご質問があればお願いします。

質疑

記者:
感染症法などの改正案ですが、今日から審議入りします。先だって行われた与野党協議で罰則については刑事罰を削除することなどで合意しました。実効性の確保についての意見も含めて、受け止めをお願いします。
大臣:
昨日国会に提出させていただきました。この法案は政府提出法案、閣法ですが、今までの閣法とは異例でして、法案を提出する前から政府与野党協議会、これは私も大臣になる前に与党の責任者で出席していましたが、ここでその考え方でありますとか、罰則の考え方も含めて、法案自体は出してはいませんが、考え方というものを出させていただいて、いろいろなご意見を与野党ともに広範にいただいてきたという、ちょっと今までとは違う対応での法案です。
 そういう意味で、与野党で協議いただいているということは我々も報道等で承知しておりますが、いよいよ審議が始まる中で、与野党でご議論いただいて、結果それで落ち着くところに落ち着かれるということ、これは、我々は国会でのご判断というものを尊重させていただきたいと思っております。
 実効性に関しても、与野党の中でそういうご議論をいただいて、最終的にまとまるのであればそれが国民の代表たる国会のお考えということになろうと思いますので、我々はそれに対して従わせていただくということです。
記者:
その前に行われた感染症部会の議事録がおとといの27日に公開されましたが、読んでいると罰則について慎重な意見も多くでていることが分かりますが、与野党の協議にも少なからず影響が出たのではないかと思いますが、その辺についてお願いします。
大臣:
それが与野党の協議の中でどういう影響があったのか我々はわかりませんが、15日の議論の中身ということで、我々もなるべく早くご本人が言われたご意見の確認をさせていただきながら、提出させていただくということでこの時期になったということです。
 むしろ、予算委員会はまだやっている最中でしたので、なんとか予算委員会にも間に合わせていただき、昨日も実は参議院の予算委員会でこのご議論をいただいたわけですが、少しでも参考にしていただきたいという思いもありました。
 中身に関しては、もう公開されておりますので、皆さんご一読されておられると思いますが、やはりそれぞれ実効性という問題と、それから私権を制限するという問題の中で、それぞれの委員の方々がお悩みになられているということは我々も分かるわけです。
 中には、ご自身のご意見では反対ではあるけれども、しかしながら、これは国会に委ねるべきものである、委ねるしかないというご意見で、提出自体にはご理解いただいているというようなご意見もございました。
 全体的に見ると、反対が多いというよりは、運用でしっかりと対応していただきたいというご意見ですとか、国会に提出すること自体、国会の議論に供すること自体は反対ではないというようなご意見の方が若干多かったのかなという印象を私は受けています。
 是非とも、ご一読いただいてこれから国会の審議、まだ国会の審議はこれからで、今日の本会議、そして委員会がありますので、衆参ともに他にもいろいろなご意見ございますから、いろいろな国民の皆さまのご意見、また有識者のご意見を参考にしていただきながら、しっかりとご審議いただければありがたいと思います。
記者:
冒頭発言であった雇用統計について伺います。有効求人倍率ですが、2020年平均で見ると、前年からの下げ幅がリーマンショック後の2009年の下げ幅を超えていますが、改めて今年1年の雇用情勢、コロナ禍の影響などを踏まえた受け止めをお願いします。
大臣:
そういう意味では決して良い状況ではないということですが、前年と比べれば、新型コロナウイルス感染症禍の中で、緊急事態宣言も4月からやりましたし、また、時短要請というものは夏場もやっているわけです。また、年末に11月の後半くらいから感染が拡大してきていたということもありまして、非常に厳しいということです。
 低下幅という意味からすると、たしかにリーマンショックの時は0.41ポイント、それと比べると0.42ポイントですので、厳しい状況に見えますが、しかし実際の数字は、リーマンの時にはもともと0.88倍だった有効求人倍率が、0.47倍まで落ち込んだということです。
 それに対し、今回は0.42ポイント低下したとはいえ、まだ有効求人倍率は平均1.18倍ということでありますから、リーマンの時のように雇用が一斉に消えたというような状況ではない。何を言いたいかというと、非常に厳しい業種もありますが、一方で求人をされている業種もあります。
 そういう中において、ミスマッチが生まれているということもあると思いますので、うまくマッチングしていかなければならないということで、何回か予算委員会でも申し上げていますが、トライアル雇用というもの、今までは就職に困難な方々が対象でしたが、今回コロナ禍で失業された方々に関しても、いっぺんに飲食業だとか、旅行業、観光業というものの需要が消えているものですから、そういうところから他に業種転換いただくときにはトライアル雇用を使っていただきながらということも含めて、とにかく雇用を守っていきたいという思いですので、決して良い状況ではありませんので、厚生労働省としてもしっかり対応していきたいと思います。    
記者:
関連して、総務省の発表だと非正規労働者が2014年以降初めて減りまして、一方休業者数が過去最多となっていて、これは雇調金の活用などの影響もあると思いますが、こちらも受け止めをお願いします。
大臣:
休業者が増えているということですか。
記者:
休業者が増えて、非正規労働者が減ったという状況です。
大臣:
非正規労働者が減るということは、先ほど申し上げたような業種は非正規労働者の方々が、他の産業と比べて比較すると多い業種ですので、そういうところがやはりニーズというか、休業要請もしていますから、そういうことも含めてやはり雇用の場が減っているということだと思います。
 一方で、休業者が増えているというのは、まさに雇用調整助成金ですとか、また休業支援金・給付金というものを制度として、特例という形で作っておりますので、そういうものの効果というものがあるのだろうと思います。
 ですから、決して良い状況ではないということにはそれも含まれておりまして、失業はしていないけれども実際問題、平時のように、それぞれ職場で働いておられるという状況ではないと、いついつまでもこういう状況が続くわけではありませんので、一方で経済をしっかり回復させながら、また時短要請等が収まればそういうところの需要が戻ってくるわけですから、早く感染を押さえ込みながら、経済の方もしっかりと回していくと。
 一方で、業種の転換等、在籍転職みたいな話もありますが、本当に立ちゆかなくなった場合には、新たな職場というものをしっかりと作っていく中において、雇用を安定させていただきたいということで、しっかり政策を進めてまいりたいと思っております。
記者:
新型コロナウイルスの緊急事態宣言の関連で伺います。今日で宣言から3週間が経ちますが、この間の感染状況のご認識についてということと、来月7日に期限が迫る中で、延長や解除をどのように考えますでしょうか。
 また地域によっては、依然病床が逼迫しているところも残っていますが、医療提供体制の確保などどのように進めていかれるかお願いします。
大臣:
感染状況ですが、昨日が全国で4,123名ということです。1週間の移動平均を見ると4,029名ということで、一番移動平均が多かったのが1月11日で6,441名でありますから、移動平均だけ見ると2,400名くらい移動平均は減っているということは、数字としては上がってきています。
 しかし、この後どうなっていくかはまだ予断を許さないわけでして、だいたい足下の感染状況で見ると、これはだいたい遠くから2週間くらい前の数字、感染状況を表しているということですので、これは2月7日までどう考えるかは、この後どういう数字が更に、特に週末、昨日、今日、土曜日辺りがだいたい毎週一番多いというような傾向もございますから、この数字も見ながら、また我々もいろいろと政府として考えていかなければならないと思います。
 今のところは、感染状況をしっかり注視しながら、緊急事態宣言を延長するのかしないのかということは、政府の中で判断していくことになると思います。
 一方で、病床、それから重症化病床は更に遅効性がありますので、今足下はある程度数が減ってきているからといって、これからもまだ予断は許さないわけですので、病床は更に我々としては足下の推移だけを見るのではなくて、しっかりと確保いただきたい。例の政策パッケージでお示しさせていただいているもの、更にその他にも、新たに450万円の加算というようなことも新たな病床確保の中で申し上げているわけです。
 そういうものをお使いいただきながら、また各都道府県におかれては、それぞれの役割分担というもの、それは何かというと病床の役割分担です。重症化病床、中等症、中等症も場合によっては2種類あるのかも分かりません。それから、その後の受け皿で、回復された後、回復されたというか、新型コロナウイルス感染症自体の疾病は回復されたが、十分に体が元に戻られていない方々の後方支援病院、こういうものの確保、在宅に対する対応、こういうことも含めて、更にしっかりと整備をお願いしているところです。
 状況をしっかり見ながら、我々としても最善の対応をしていきたいと思います。     
記者:
ワクチンについて伺います。先日川崎市で訓練がありまして、予想よりも接種にかかる時間が長かったという課題が明らかになってきましたが、訓練を踏まえて大臣はどのようなところに課題があるとお考えかということと、河野大臣が中心になると思いますが、厚労省としても円滑な接種に向けてどのように準備を進めて行かれるのでしょうか。
大臣:
川崎ですが、おおむね問題点等も分かって、非常に参考になる今回のトライアルであったと我々も思っております。実態としては、予診の時の対応として、予診票を持ってきて予診をする時に、時間がかかって、それはなぜかというと、高齢者の方々の体調が優れない、優れないというかいろいろなところに問題がある。
 ワクチンを打っていい状況なのかだとか、それぞれいろいろな疑問があり、そういうものに対してお答えすることに時間がかかったとか、待機する場所で若干の混雑、滞留があったとかいろいろな課題も分かっています。
 これはもちろんそういう課題を見つけるためにやっているものなので、課題が分かれば分かるほど本格的な接種に向かっての問題点が解消できますので、こういうことを進めて、今回非常に参考になったなというのが感想です。
 併せて、厚生労働省として全体のコーディネートは河野大臣の下でやっていただきますので、それに主体的に協力をさせていただきながら、厚生労働省も多くの部分で関わっていくと思いますので、コロナ禍でしっかりと協力をさせていただきたいと。
 協力というか我々が主導権を握るくらいのつもりで、河野大臣にご迷惑をかけない程度ですが、しっかりと頑張ってまいりたいと思います。
記者:
新型コロナウイルスの変異株についてお伺いします。昨日も埼玉県で新たに3名感染が確認されました。大臣のご所見とこれから強化していくべき対策などあればお聞かせください。
大臣:
昨日の事例は、既に分かっておられた方と同じ職場ということは、もうこちらから公表させていただいたと思います。そういう意味では、見つかった方の関係で広がりが分かったということでございますので、今回のお三方は孤発例というよりかはそこから広がっているということでありますので、面的広がりという意味では、どこかしこでこの3人が新たにということではないということはご理解いただきたいと思います。
 その上で、埼玉県の方には静岡県と同じように、検体をより多く感染研の方にお出しをいただくようにというお願いをさせていただきながら、しっかりと埼玉で面的な広がりがあるのかないのか、こういうことを我々も確かめたいわけでありますので、今までのところ検体、全部ではありませんよ、一部でありますけれども、埼玉県から国立感染症研究所の方に送られてきておりますが、1月の初めぐらいまでのものを見る限り、変異株は見つかっておりません。
 遺伝子解析、ゲノム解析のもとで見つかっておりませんが、その後のことでございますので、しっかりとここに関しては確認をさせていただきたいということで、今まで以上に埼玉県からいただいた検体、これは静岡県と同じでありますけれども、優先して国立感染症研究所の方で、ゲノム解析をして、しっかりと情報を開示させていただきたいと、つまりどういう状況にあるのかということをお示しさせていただきたいと思っております。
記者:
アストラゼネカ製のワクチンについて、ドイツ当局が推奨対象から高齢者を除外するという報道がありました。このことのお受け止めと日本での承認手続きや接種計画に与える影響についてご所見をお願いします。
大臣:
ドイツ政府がアストラゼネカ社のワクチンを18歳から64歳に限定すると勧告があったというのは報道で我々も承知しております。まだ、我が国に薬事承認の申請が来ておりませんので、申請が来ていない状況でありますから何とも言えないのですが、出てくればしっかり我々としてもそこで審査して、有効性・安全性というものを確認させていただきたいと思っております。
 そういう報道があったということは我々もよく注視をさせていただきたいと思っております。
 いずれにしても、河野大臣の方から4月以降に、高齢者の場合は接種が見込まれるというご発言があったということでございますので、高齢者のワクチン接種ということを考えた場合に、今回のドイツ政府の勧告というものを、どういう意味合いとして我々受け止めるか検討してまいりたいと思います。     
記者:
変異株の関係で、PCRスクリーニング検査について伺います。感染研が22日に全国の地衛研にマニュアルを送って、全国でスクリーニングが行われるように動いているとのことですが、スクリーニングは早期発見に重要だと思いますが、現在行われているのが東京と大阪で、準備中が静岡県ということで実施が広がっていない状況だと思いますが、現状の認識と広げていくための対策、見通しについてお願いします。
大臣:
仰るとおり、手順書というものを全国にお配りさせていただいて、PCRのスクリーニングをしっかりやっていただきたいというのが我々の思いです。
 一方で、基本的に、いろいろなところで検体のPCR検査をやっているという実態があります。ですから、自治体が関与している地衛研などが中心になると思いますが、その地方衛生研究所も、要は日々感染拡大の中で、PCR検査等に追われているという現状があります。
 もう1回PCRをやらなければならない、合わせて2回やらなければならないということですので、そういう余力は検査機器もそうかも分かりませんが、人的余力もありますので、そういう余力がどうしても見つからないということも踏まえて、例えば民間のそういう検査所自体を2回目には使っていただくみたいな形も想定して、我々も民間の検査機関にもそういうノウハウ、手順書みたいなものをしっかりと、技術移転していかなければならないと思っております。
 やはり全国的な広がりを我々も調査しないと、国民の皆さまも安心いただけないと思いますので、安心という言い方が良いのか分かりませんが、今一定程度はやっておりますが、即座には分からないという状況ですので、そういう意味では各自治体、都道府県でこういうスクリーニングをやっていただければある程度、可能性のあるものは比較的早いタイミングで分かってくるわけですので、そういう意味では全国で民間も利用していただきながら、是非ともスクリーニング検査をやっていただきたいという思いですので、そのために厚生労働省もしっかりとお手伝いをさせていただきたいと思っております。
記者:
それは厚労省から民間の検査機関に手順書を送るということでしょうか。
大臣:
手順書というか技術支援です。やるのは自治体という話になるのか、これはどういうオペレーションになるかは考えないといけませんが、いずれにしてもそれができるような支援をしっかりやっていく必要があると思います。
 とにかく、これをやっていただきたいという思いが、特に私にはありますので、是非とも全国に広げていただくために、厚生労働省としてもお手伝いをさせていただきたいと思っております。
記者:
近々ということですか。
大臣:
なるべく早くですが、早くといってもこれはもちろん都道府県と連携しなければできませんので、厚生労働省が勝手に民間にといっても、そこに検体を持って行っていただくのは都道府県ですので、そういう意味では厚生労働省も都道府県と協力しながら対応してまいりたいと思います。  

(了)

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