日時 令和3年3月5日(金曜日)10時51分~11時4分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案の閣議決定について
  • 緊急事態宣言が延長された場合の農林水産省の対応について
  • Go To Eatについて
  • みどりの食料システム戦略中間取りまとめ(案)について
  • 国家公務員倫理規程違反に関する調査について

 

大臣

  本日、私から一点御報告がございます。本日の閣議におきまして、「農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案」が決定をされました。この法律案は、金融システムの安定に係る国際的な基準に対応するため、金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあると認められる場合における農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置を定めるものであります。具体的には、農水産業協同組合貯金保険機構による農林中央金庫に対する業務遂行等の監視、資金の貸付け及び優先出資の引受け等の措置について定めるものであります。私からは以上であります。

記者

  緊急事態宣言の対応についてお伺いします。首都圏の緊急事態宣言の期間が延長される見通しになりましたけれども、改めて農林水産業への影響が懸念されていますが、何か支援などのお考えはあるのでしょうか。それと、Go To Eatの運用について、何か新しい対応についてのお考えがあれば教えてください。

大臣

  農林水産省におきましては、緊急事態宣言に伴います、一時金による支援の対象とならないことも含めまして、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた農林漁業者の皆様や、関連産業に従事される皆様の生活基盤を守るために、影響を受けた国産農林水産物を活用した販路多様化の取組支援など、1月末に第3次補正予算の成立をしておりますが、この累次にわたる補正予算等による支援策を講じておりますので、まずはこれらの支援策を活用していただきたいと考えております。販売促進ですとか販路の多様化、あるいは保管経費ですとか、在庫軽減措置への支援ですとか、経営安定対策等々ですね、様々な支援策を講じておりますので、まずは、これらの支援策の迅速かつ適切な執行に努めてですね、国民の皆様への食料の安定供給を最優先にしながら、関係業界の状況をですね、注視をしてまいりたいと考えております。あと、Go To Eatにつきましては、特に変更はございません。

記者

  本日、自民党に示された、みどりの食料システム戦略の中間取りまとめ案についてなんですけれども、まず、こちらで、化学農薬・化学肥料の削減ですとか、有機農業拡大で意欲的な目標を掲げていると思うんですが、こういった大きな目標を掲げたねらい、何故それが必要かというところと、実現のためには何が必要だと考えているか、そのために農水省として何をやっていくか、お考えをお聞かせください。

大臣

  昨年10月にですね、食料・農林水産業の生産力向上と、持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな政策方針としまして、「みどりの食料システム戦略」の検討を指示をしまして、現在、省内本部を立ち上げて、精力的に検討を進めているところであります。1月からですね、生産者や食品事業者等、幅広い関係の皆様と意見交換を行ってまいりまして、これを踏まえて、今回作成した中間取りまとめを行いました。2050年に目指す姿としましては、農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現ですとか、あるいは化学農薬の使用量の50パーセントを低減、また、化学肥料の使用量の30パーセント低減、有機農業の取組面積を25パーセントに拡大、持続可能性に配慮した輸入原料調達の実現等を掲げているところであります。例えば、有機農業の拡大のねらいとしましては、海外の肥料原料などに依存せずですね、地域の自然環境により生産を行うことで、環境負荷の低減に貢献をすること、あるいは、生物多様性の保全ですとか、地球温暖化防止といった、SDGsの達成に貢献すること、あるいは、国内外で、今、有機食品の市場が拡大しておりますので、その需要に応じた生産の拡大ですとか、輸出の拡大が可能であること、また、農業に新たに参入を検討されている方の相当数がですね、有機農業に取り組もうとしておりまして、こうした方々が取り組みやすい環境を整えていくということなどもあると思います。さらに、EUなどですね、世界各国が有機農業を拡大する戦略を打ち出している中でですね、アジアモンスーン地域に属する日本としても、有機農業の拡大について意欲的な目標を掲げて、積極的に取り組む姿勢を示していくことが必要であると考えております。今後、審議会でですね、御議論をいただきまして、3月26日の本部で中間取りまとめを決定をして、5月までに戦略を策定をしていきたいと思っております。この戦略、これまでにない新しい施策でありますので、引き続き、省一体となってですね、現場の声に耳を傾けながら、また、関係者への説明を丁寧に行ってですね、我が国の食料・農林水産業の課題に応えて、将来を担う若い方々にですね、希望を持っていただけるような、良い戦略を策定してまいりたいと考えております。

記者

  Go To Eatに関して伺いたいんですが、今回の緊急事態宣言の延長を受けても特に変更はないというお話なんですが、食事券の利用期限についてなんですけども、現状は、既存分も追加発行分に関しても6月末というふうに設定されてるかと思うんですが、この扱いについて、今どのようにお考えなのかということを、ちょっと伺えればと思います。

大臣

  御指摘のとおり、Go To Eat食事券の利用期限ですが、昨年12月に都道府県と事業者に対してですね、最長6月末とすることでお知らせをしております。この6月末の利用期限につきましては、この時点での感染状況など、不確定な要素が多いことからですね、現時点では、まだ延長するとか、しないとか、いずれかの方向性を予断することができない状況ですが、引き続き、各地域の状況を注視していきたいと考えております。食事券の販売期限につきましては、その利用期限の範囲内で、今現在、各地域と調整をしているところであります。

記者

  みどりの食料システム戦略の方に戻りまして、意欲的な目標ということでですね、この達成には、やはり農業者、また消費者等のですね、理解がなければ、なかなか進まないのかなとも思うんですけども、そのあたりはですね、どのように理解や支持を広げていくお考えでしょうか。

大臣

  今ですね、この戦略の策定におきましても、幅広い関係者の皆様の御意見をお聞きしながら意見交換を行っておりますし、今後も、消費者の方々の理解を得ていくというのも極めて重要なことでありますので、このような戦略の策定を含めてですね、しっかり発信をしていきたいと考えております。

記者

  職員の接待問題についてお尋ねをさせていただきます。先般の国会のやりとりでもですね、過去の接待の有無につきまして、追加の調査が必要かどうか検討するという答弁をされておりました。これに関連して伺いたいのですが、最初に公表された調査報告書ですね、過去5年分の調査対象者として、食肉鶏卵課だけが対象だったのですが、大臣御自身はこれで十分だったという判断をされたんでしょうか。

大臣

  今回の事案はですね、令和3年1月の報道を受けまして、職員に事事実関係の確認を行いましたところ、倫理規程違反の疑いのある事実が確認されたために、国家公務員倫理審査会に報告をして、調査を行った訳であります。調査結果は、国家公務員倫理審査会に報告をしまして、第三者からなる審査会の承認を得て処分を行ったものであり、公務員倫理の観点から必要な調査を行ったと考えております。他方、アキタフーズの関係でですね、養鶏・鶏卵行政の公正性について様々な指摘がある中で、今般、より広範囲のものを対象とする追加的な調査を実施するということに向けてですね、今、準備を進めているところであります。

記者

  今、言及があったんですが、どれぐらい広範囲なものを、現時点では想定されているんでしょうか。

大臣

  これ、今まさに、調査の範囲ですとか、設計を急がせているところであります。

記者

  範囲といいますと、より多くの部署の職員に聞くという意味と、もう一方でですね、期間についても一つ論点になると思うんです。と言いますのは、当初過去5年間ということで調べられたと思うんですけど、報道によりますと、西川元大臣についても、2014年の大臣在任中以降ですね、お金をもらってたという報道ありますので、過去5年で区切りますと、2014年が入ってきません。このあたりも、ある程度念頭に置かれてるんでしょうか。

大臣

  追加調査についてはですね。現在、アキタフーズの関係で、今、様々な指摘を受けていることも踏まえまして、その具体的な対象範囲ですとか、期間などですね、その調査の設計をですね、今、検討して、急がせているところであります。

記者

  関連して最後にもう一点なんですが、当初ですね、2月25日に発表した処分の際に、私ども報道にはですね、処分の概要というペーパーが配られて、詳細は分からないところもあったんですが、翌日の衆議院の予算委員会の理事会の求めに応じて調査報告書、一部黒塗りありますが、それを提供されてます。これ、総務省はですね、ほぼ同様のものをホームページでアップしてるんですが、農水省はそういう対応はなされないんでしょうか。

大臣

  今、現時点では、まだ、なされていないと。

記者

  今後は。

大臣

  検討してまいります。

記者

  検討されると。

大臣

  はい。

報道官

  他によろしいでしょうか。では以上で終了します。ありがとうございました。

以上