令和3年3月1日

 2月28日(現地時間同日)、バングラデシュの首都ダッカにおいて、我が方、伊藤直樹駐バングラデシュ人民共和国日本国特命全権大使と先方柏富美子国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)バングラデシュ代表補佐(Ms. KASHIWA Fumiko, Assistant Representative (Operations), UNHCR Bangladesh)との間で、供与額9.86億円の対バングラデシュ無償資金協力「コックスバザール県テクナフ郡におけるホストコミュニティ及びミャンマーからの避難民のための水供給及び配水システム整備計画(UNHCR連携)」に関する交換公文の署名が行われました。

  1. バングラデシュ南東部コックスバザール県テクナフ郡では、地質的・地形的理由から年間を通じて安全な水の確保が難しく、長年の深刻な課題となっています。また、2017年にミャンマー・ラカイン州から多くの避難民がコックスバザール県に流入し、同郡に10万を超える避難民が流入して以降、水の需給はさらに逼迫し、避難民とホストコミュニティの生活環境が悪化、両コミュニティ間のあつれきが増していることから、地域の不安定化につながることが懸念されています。両コミュニティの生活環境改善とこの地域の安定のため、安全な飲料水の確保が喫緊の課題となっています。
  2. この計画は、UNHCRとの連携の下、コックスバザール県テクナフ郡において、深井戸や配水システムの設置等を行い、安全な水の安定的な供給を図るものです。この協力により、約6.3万人のホストコミュニティと約3.2万人の避難民への安全な水の安定的な供給が可能となることから、両コミュニティの生活環境の改善と水に由来する疾病の感染リスクの低下、そして地域の安定化に貢献し、もって同国の社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。

 バングラデシュ人民共和国は、面積約14.7万平方キロメートル(日本の約4割)、人口1.63億人(2019年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)1,940米ドル(2019年、世界銀行)。