2021年3月1日

経済産業省は、AI人材の育成を支える企業等の取組を促進するために実務上有用と思われる事項をまとめ、「AI・データサイエンス人材育成に向けたデータ提供に関する実務ガイドブック」を策定しましたので、公開します。

1.背景

「AI戦略2019」では、我が国全体としての生産性の大幅な向上が求められる中、AI技術の利活用を進めることによる、企業の生産性の抜本的改善について述べられています。企業において実際にAIを導入させることのできる人材を育成するためには、実際の企業のデータを用いた教材の活用が重要となり、企業から円滑にデータを提供してもらう環境を整えるためには、データ提供にあたって実務上課題となる論点を整理し、解決の方向性を示していくことが有効と考えられます。

2.これまでの取り組み

こうした状況を踏まえ、経済産業省は「AI人材育成のための企業間データ提供促進検討会」を開催し、AI人材の育成に資する取組のうち、三以上の関係者間でのデータの授受を伴うものについて、その際の教材の基礎となるデータの提供と受領、利用に伴う論点について整理・検討を行いました。その上で、整理・検討した内容を「AI・データサイエンス人材育成に向けたデータ提供に関する実務ガイドブック」(以下、「データ提供ガイドブック」)としてまとめました。

3.AI・データサイエンス人材育成に向けたデータ提供に関する実務ガイドブックについて

データ提供ガイドブックは、企業にとっての利益を上げ、リスクを下げる枠組を4つ整理しました。その上で、データ提供側とデータ受取側が実務面で直面する課題について、各枠組の契約雛形を基に論点を整理・解説し、考え方を示しています。

データ提供ガイドブックが想定している利用者と、それぞれの活用法は以下のとおりです。なお、必ずしも人材育成に関する事業だけでなく、一般の事業者間におけるデータの提供においても参考となる内容としてまとめています。

(1)データ提供側(民間企業を想定)における活用方法

  • 契約雛形において実務的な論点や考え方が整理されていることにより、リスクが明確化されデータ提供の後押しとなると考えられます。
  • 枠組毎のメリットを理解することで、自社にとって適切なデータ提供の手法を検討することが可能になると考えられます。

(2)データ受取側(教材作成者、ハッカソン運営者、教育機関等を想定)における活用方法

  • 指標となる契約雛形がある事で、データ提供企業との交渉を円滑に進める事が可能と考えられます。

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