厚労省・新着情報

日時

令和3年1月15日(金) 10:00~12:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター12D会議室(オンライン会議会場) 
同 12C会議室(傍聴会場)
(東京都千代田区内幸町1丁目3-1 幸ビルディング)

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻を若干過ぎましたけれども、全員の先生方がつながっているようでございますので、令和2年度第10回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開会いたします。
先生方、お忙しいところ、いつもありがとうございます。
本日の調査会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般傍聴は制限させていただき、報道関係者の皆様に限り傍聴可としております。カメラ撮りは冒頭から禁止とさせていただきます。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、審議の方法につきましても、対面でなく、ウェブ開催としており、委員及び参考人の先生方は外部より審議に御参加いただくこととなります。そのため、対面での進行と一部異なる部分がございますので、これまでのウェブ開催と同様でありますけれども、議事に先立ちまして、審議の進行方法について事務局より説明をさせていただきます。
○事務局 それでは、御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めに御自身のお名前をお知らせください。発言のタイミングが重なったり、音声のみでの判別が難しいほど混雑したりした場合には、一度発言を控えていただき、調査会長から順に御発言者を御指名いただきます。
その他、システムの動作不良等ございましたら、会議の途中でも結構でございますので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡申し上げますので、御確認をお願いいたします。御不便等をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長の五十嵐委員にお願いいたします。
○五十嵐座長 皆さん、おはようございます。本日、座長を務めさせていただきます。御協力、どうぞよろしくお願いいたします。
今回もウェブ開催ですので、トラブルがあるかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
これまでの事務局からの説明に関しまして、何か御意見、御質問ありますか。よろしいですか。
では、議事に入る前に委員の出欠状況等につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 本日の委員の出欠状況でございますが、6名中6名、全員の委員に御出席いただいております。薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
続きまして、参考人の先生を紹介申し上げます。
議題1「シルデナフィルクエン酸塩(肺動脈性肺高血圧症を効能・効果とするものに限る)及びアミオダロン塩酸塩(経口剤に限る)の併用時の安全性について」の関係で、日本小児循環器学会より東京都立小児総合医療センターの三浦大先生に御出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
続きまして、審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いいたします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の方々につきまして、議題1の対象品目・競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を報告いたします。
対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業につきましては、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認をいただいておりますが、五十嵐委員より、ヤンセンファーマ株式会社より50万円以下のお受け取り、柿崎委員より、サノフィ株式会社より50万円以下のお受け取り、望月委員及び三浦参考人より、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取りとの御申告をいただいております。御申告は以上でございます。
よって、全ての委員におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わることが可能でございます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しておるところでございます。
なお、これらの御申告につきましては、追ってホームページにて公表させていただきます。
続きまして、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果につきまして、御報告申し上げます。
薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定してございます。
今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告申し上げます。
報告は以上でございます。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの御説明にありました審議参加に関する遵守事項について、よろしいでしょうか。何か補足等ございますか。
特にないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含めて御了解をいただけたといたします。
それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料につきましては、あらかじめお送りさせていただいております。議題1に関しまして資料1-1から1-4、4つの資料がございます。このほか、議事次第、資料一覧、委員・参考人一覧、及び競合品目・競合企業リストをお送りしているところでございます。資料は以上でございます。
不足等ございましたら、お知らせください。
○五十嵐座長 皆さん、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、議題1の「シルデナフィルクエン酸塩(肺動脈性肺高血圧症を効能・効果とするものに限る)及びアミオダロン塩酸塩(経口剤に限る)の併用時の安全性について」の審議を行います。
事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局より御説明させていただきます。資料1-1を御覧ください。
まず、1の経緯について御説明いたします。シルデナフィルクエン酸塩は、「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」または「勃起不全」を効能・効果とする医薬品であり、アミオダロン塩酸塩(経口剤)は、生命に危険のある心室細動等の再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効か、または使用できない場合を効能・効果とする医薬品です。
両剤は、現在「併用禁忌」に設定されております。
「併用禁忌」とされた根拠につきましては、3つ目の丸を御覧ください。シルデナフィルと同様の作用機序を有するバルデナフィル塩酸塩水和物の製造販売承認審査におきまして、臨床試験にて軽度のQT間隔延長作用が認められたことから、強いQT間隔延長作用を有するクラスⅢ抗不整脈薬であるアミオダロンとバルデナフィルの併用が禁忌とされました。
当該臨床試験におきましては、シルデナフィルについても同様に軽度のQT間隔延長作用が認められたことから、シルデナフィルについても同様にアミオダロンとの併用が禁忌とされております。
両剤につきまして、日本循環器学会及び日本小児循環器学会より、PAHを効能・効果とするシルデナフィルとアミオダロンの併用禁忌の見直しを求める要望書が提出されております。内容といたしましては、主にPAHで合併することのある頻拍性不整脈の治療にアミオダロンが選択されることがしばしばあり、頻拍停止後の発作の再発予防で経口剤が必要とされること。臨床上、シルデナフィルは、小児PAHの保険適応もあり、当該患者で重篤な副作用が発生した場合に、アミオダロンの併用が必要になること等が要望理由として挙げられております。
次に、2の調査結果を御覧ください。併用の必要性について、海外の診療ガイドラインや公表文献等を調査いたしました。
米国とEUの関連する診療ガイドラインによりますと、PAHと不整脈を併発した患者でアミオダロン投与を考慮すべき場合がございまして、急性期以降は注射剤だけでなく経口剤のアミオダロンの投与が必要となることや、シルデナフィルは、ホスホジエステラーゼ5阻害薬の中で唯一小児PAHへの適応を有しており、代替がないことから、両剤の併用に医療上の必要性が認められると考えられます。
また、リスクにつきましては、さきに御説明しました臨床試験におきまして、シルデナフィルに軽度なQT間隔延長が認められているものの、シルデナフィルの国内外の症例等からはQT間隔延長リスクを明確に示すものはないこと。国内外でシルデナフィルとアミオダロンの併用によるQT間隔延長の症例や、新たに注意喚起が必要な事象が認められておらず、米国やEU等の海外添付文書において、両剤は併用禁忌とされていないことから、QT間隔延長リスクを完全に否定できないものの、臨床上、明らかなリスクは確認されておりません。
以上を踏まえまして、3の対応方針ですが、PAHを効能・効果とするシルデナフィルにつきましては、アミオダロン経口剤との併用投与によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、両剤の「併用禁忌」を解除し、「併用注意」として差し支えないと判断いたしました。
添付文書の改訂方針としましては、こちらに記載のとおりです。
改訂案は、資料1-2「調査結果報告書」の28ページ以降にお示ししております。
事務局からの御説明は以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
本日は、日本小児循環器学会から三浦先生に参考人としておいでいただいております。三浦先生、御意見をいただけますしょうか。
○三浦参考人 適切にまとめられておりまして、特に追加する発言はございません。どうぞ御審議、よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
それでは、委員の先生方、本件につきまして御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。どうぞお願いします。
○舟越委員 委員の舟越です。よろしくお願いします。
今までも禁忌を解除したものが幾つかあると思うのですが、併用禁忌だったもので副作用報告等、特に使用がほとんどされていなかったと思うのですけれども、禁忌解除後、逆に使われるようになったときの副作用等の安全対策関係のフォローというのは、どこでフォロー等を行っていくものなのでしょうか。
○事務局 事務局です。御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり、併用禁忌が解除されて併用されるケースが増えることが想定されますので、学会とも協力しながら、「気をつけて使ってください、何かあったら報告してください」といったことを周知していくことを考えています。また、併用禁忌を解除された際には、企業からもお知らせの文書などで周知を行うと思いますので、そちらでも同じような注意喚起を行っていただくことを考えております。
以上になります。
○舟越委員 ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうぞ。
○柿崎委員 参考人の先生にお伺いしたいのですが、両剤を併用するのは、循環器専門の先生もしくは小児循環器専門の先生で、それ以外の一般の医師が使用することはほとんどないというふうに考えてよろしいでしょうか。
○五十嵐座長 三浦先生、お願いします。
○三浦参考人 小児循環器学会の三浦です。
今の御質問ですけれども、御指摘のとおりでございまして、これは循環器の専門医、あるいは小児循環器の専門医しか併用することはないと考えていいと思います。
その前の使用頻度が高まったときの懸念ということに関しては、もし禁忌解除ができたときには、学会のほうから注意して使ってください、あるいは何かありましたら御報告くださいということを学会員に周知していきたいと思います。小児循環器学会は私が責任を持ってやりますし、日本循環器学会のほうにもお願いをするつもりでおります。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうもありがとうございます。
かなり専門性の高い疾患に対する治療薬ですので、一般の先生方、小児科医や内科の先生たちが広く突然使うというようなことは恐らくないとは思いますけれども。どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。お願いします。
○望月委員 シルデナフィルのほうですが、肺高血圧のほうでないほうの勃起不全の適応のほうの禁忌というのは、どういう形になるのでしょうか。
○事務局 事務局です。御質問、ありがとうございます。
今回対象として考えているのは、シルデナフィルのうちあくまでPAHを効能とするものでして、勃起不全を効能とするシルデナフィルについては、今回併用禁忌を解除することは考えておりません。
○望月委員 禁忌は解除にならないということですね。
○事務局 はい。
○望月委員 それを確認したかったので。ありがとうございます。
○五十嵐座長 そのほか、いかがでしょうか。特にございませんか。
それでは、この件につきまして議決を採りたいと思います。特に反対意見はなかったと思います。シルデナフィルクエン酸塩(肺動脈性肺高血圧症を効能・効果とするものに限る)及びアミオダロン塩酸塩(経口剤に限る)の添付文書については、事務局の提案どおり、「使用上の注意」を改訂するということでよろしいでしょうか。
特に反対意見はないということですので、御異議なしとさせていただきます。
それでは、この案件に関する今後の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
御議論いただきありがとうございました。
それでは、ただいまの議決を踏まえまして、PAHを効能・効果とするシルデナフィルクエン酸塩及びアミオダロン塩酸塩(経口剤)の製造販売業者に対して、「使用上の注意」を改訂するよう指示をさせていただきます。
また、本調査会での御議論につきましては、安全対策部会にも御報告させていただきます。
以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
ここまでのところで委員の先生方、何か御意見ございますか。よろしいですか。
それでは、この議題につきましては終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。
本日予定している議題はこれで終了ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は御審議を賜りまして誠にありがとうございました。
さて、薬事・食品衛生審議会の委員の任期は2年間と定められているところでございます。今月末に改選となる都合上、このメンバーでの調査会は本日が最後ということになります。
五十嵐委員、望月委員におかれましては、l0年もの長期にわたり多大なる御尽力をいただきました。事務局としては大変残念ではございますが、再任につきましては、10年が上限ということでございますので、規程上、これ以上の再任はかなわないということでございます。先生方のこれまでの一方ならぬ御支援に心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
それでは、先生方から一言ずつ御挨拶を賜りたいと存じます。
まず、五十嵐委員にお願いできますでしょうか。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
伊藤先生、柿崎先生、佐藤先生、舟越先生、望月先生、事務局の皆様には長い間、大変お世話になりました。
10年は、終わってしまうとあっという間ですけれども、いろんなことがありました。特に予防接種の案件では苦労した記憶が強く残っています。 安全対策調査会は、薬事行政の根幹を担う大変大事な会です。今回新型コロナのために会議がオンラインになりましたが、会議の運営の点で良い点もあったと思います。一堂に会することが出来ないために、会議の空気が読めないとか、出席者の顔が見えないとか、制限はあるのですが、これらは機器やソフトの改良により今後改善するものと思います。オンラインを上手に使うことで、審議も行政も進むと期待しています。委員を続けられる先生方、大変ですがこれからもぜひ薬事行政のために御尽力いただきたいと思います。
長い間、どうもありがとうございました。
○事務局 どうもありがとうございました。
続きまして、望月委員からも御挨拶をお願いできますでしょうか。
○望月委員 事務局の皆様、委員の先生方、長い間いろいろお世話になりました。ありがとうございました。
私もとても印象に残っているのはワクチンの安全性の問題で、いろんな議論を重ねたということが非常に記憶にありますが、ワクチンの問題もそうですけれども、私、今回薬事分科会も卒業でしたので、そのときの御挨拶でも申し上げたのですが、最近の新薬というのは、国際共同治験でしたり、あるいは希少疾患用薬が多いこともあって、日本人あるいは日本の医療環境の中での使用経験が少ない中で承認されていくものが多うございます。薬物間相互作用もそれぞれの国で売られている製品で影響されるところもあると思いますし、市販後にきちんとウオッチしていくということ、市販後の安全対策の重要性がますます増していくと思っております。
日本は副作用・感染症報告制度ですとか、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度ですとか、そういったものが整備はされておりますけれども、分母の情報がない形での議論というのが、科学的に不安のある議論になってしまうというところもありまして、これからしっかりした安全性情報に利活用できるデータベース、今、始まってはおりますが、もっとそういうものを利活用した形の安全対策を発展的にしていただけることを期待したいと思っております。
本当に皆様、ありがとうございました。これからも頑張って御活躍いただけることを期待しております。ありがとうございました。
○事務局 どうもありがとうございました。
五十嵐委員、望月委員、本当にありがとうございました。
なお、その他の先生方におかれましては、引き続き委員をお願いする予定でございます。引き続き御指導いただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
本会議の次回の開催につきましては、また改めて御連絡申し上げます。
事務局からは以上でございます。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
それでは、本日の調査会はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

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