令和3年2月22日

 2月22日(現地時間同日)、パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて、我が方、松田邦紀駐パキスタン・イスラム共和国日本国特命全権大使と先方吉田典古国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)パキスタン代表(Ms. Noriko Yoshida, UNHCR Representative in the Islamic Republic of Pakistan)との間で、無償資金協力「アフガン難民及びホストコミュニティに対する保護、教育及び生計支援計画(UNHCR連携)」(供与額3.84億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. パキスタンには、1970年代終り頃からアフガニスタン国内の混乱を逃れて多くのアフガン難民が流入し、現在でも140万人を超える難民が生活しています。すでに難民には第二、第三世代が誕生し、現在では約70%の難民が仕事等を求めて難民キャンプの外のホストコミュニティの中で生活しているとされています。パキスタン政府は、UNHCRを始めとする国際機関等とともに、アフガン難民の帰還に向け取り組んできており、日本もその取組を後押ししていますが、引き続き多くの難民が長期にわたりパキスタンに滞在せざるを得ない状況にあるため、難民を受け入れているホストコミュニティも裨益する、アフガン難民とホストコミュニティとの共存のための取組が必要です。
  2. この計画は、UNHCRと連携の下、アフガン難民が多く居住するバロチスタン州、ハイバル・パフトゥンハー州及びパンジャブ州において、アフガン難民及びホストコミュニティの児童が通う学校の増築・改築や女子教育促進、並びに両コミュニティのための職業訓練施設改修等の支援を行うものです。この協力により、新たに両コミュニティで年間約1,400人の児童が学校教育の機会を得るほか、職業訓練により両コミュニティの生計改善に寄与すること等が期待されます。
  3. 日本は長年、パキスタンやイランにおけるアフガン難民への支援に尽力しており、2020年7月には、UNHCRがパキスタン政府等と立ち上げた「アフガン難民解決戦略(SSAR)支援プラットフォーム」のコアグループに、米国やEU等と共に初期メンバーとして参加しました。我が国として、引き続き国際社会と緊密に連携しながら、アフガン難民問題等の人道的課題に対処していく考えです。

 パキスタン・イスラム共和国は、面積約79.6万平方キロメートル(日本の約2倍の大きさ)、人口2.17億人(2019年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)1,410米ドル(2019年、世界銀行)。