(令和3年2月24日(水曜日)10時32分 於:本省会見室)

冒頭発言

在日米軍駐留経費負担に係る特別協定改正議定書署名

【茂木外務大臣】それでは私(大臣)の方から1件。先般、日米両政府間で合意に至りました、在日米軍駐留経費負担にかかります特別協定改正議定書につきまして、この会見に先立ちまして、私(大臣)とヤング駐日米国臨時代理大使との間で署名を行いました。
 今後、年度末までの発効を目指して国会でのご審議をお願いすることになります。
 政府としては、日米同盟の抑止力・対処力を高め、強固な日米同盟を一層強化していくために、引き続き米側と緊密に連携してまいりたいと考えております。

中国海警局船舶による尖閣諸島周辺の領海侵入(米国による停止要求)

【産経新聞 石鍋記者】尖閣諸島周辺の状況についてお伺いいたします。
 中国海警局の船が領海侵入を繰り返していることについて、米国防総省のカービー報道官は23日の記者会見で、「誤算や物理的な損害にもつながるおそれがある」と指摘して、中国にやめるように要求しました。日本を支持するとの考えも示しています。
 米側のこうした発信に対する大臣のお考えをお願いいたします。

【茂木外務大臣】ご指摘の報道官の発言は、もちろん承知いたしております。日米間では、首脳間で日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用を含みます日本の防衛に対する米側の揺るぎないコミットメントが表明されているほか、先般行われました日米外相電話会談や日米豪印4か国外相会談においても、中国海警法を含め、東シナ海における一方的な現状変更の試みについての懸念を共有し、引き続き連携していくことで一致をしております。今般の発言もこうした方向、また、一致した考え方と軌を一にするものでありまして、歓迎いたします。
 中国海警船が、累次にわたり、尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、日本漁船に接近しようとする動きを見せていることは誠に遺憾であり、断じて容認できません。
 尖閣諸島周辺の我が国海域で独自の主張をする海警船舶の活動は、国際法違反であり、これまで中国側に厳重に抗議をしてきております。
 今後とも我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くとの決意の下、米国を含みます関係諸国とも連携して、主張すべきは主張し、冷静かつ毅然と対応していきたいと思っております。

ミャンマー情勢

【テレビ東京 加藤記者】ミャンマーに関してお伺いします。先週末、ミャンマーの丸山大使が、一般のミャンマー人の方々の求めに応じて直接日本政府への要望を現地で聞いたということで、一部ミャンマー人からも、その対応を称賛する声も上がっておりますが、この行為とミャンマーの方々からの要望に対する受け止めと、それとミャンマーに関する知識と経験を豊富にお持ちの丸山大使に、今、大使としてどのような役割を期待しているかということを、改めてお願いいたします。

【茂木外務大臣】丸山大使、治安情勢が本当に悪化といいますか、緊張が続く中で、現地でよく頑張っていると思います。各国の大使館とも連絡を取ったりとか、連携でも中心になって動いていると、そういうふうに聞いているところであります。
 デモ隊から丸山在ミャンマー大使が受け取った陳情書、この中には、軍事クーデターに反対する人々への支援の要請、また国軍の暴力行為からの保護及び拘束された人々の解放といった事項が記載されていると承知をいたしております。
 これは、私(大臣)がこれまで申し上げてきたこと、またG7の外相声明で発表していること、これと基本的に同じ内容というか、同じ方向性のことだと思っております。
 今回の陳情書から、クーデターに対するミャンマー国民の強い不満・反発、更には民主的な政治体制の早期回復に対する切実な思い、これが伝わってくるところであります。丸山大使は、現地情勢が流動的な中で、ミャンマー側の関係者と意思疎通を行いつつ、邦人の保護、この陣頭指揮をとっておりまして、クーデター発生後に、私(大臣)の方にも現地の情勢について、直接丸山大使の方から報告があったところであります。
 引き続き、丸山大使がその経験・人脈を活かしつつ、日本独自の役割を果たしていくことを期待しております。もちろん外務省を挙げてそういった動きは、支援をしていきたい、また連携をとっていきたいと思っています。
 私(大臣)も、昨年ミャンマーを訪問したときに大使と同行して、アウン・サン・スー・チー最高顧問であったり、更にはまたフライン司令官等々もお会いしておりますけれど、本当に現地においてもそれぞれのグループにとらわれず、様々な人脈を持っているということは、直接その現場でも実感をしたところであります。そういった人脈も生かしながら、なかなか今後の状況、好転させる、そんな簡単なことではないと思っておりますが、精一杯努力してくれると、こんなふうに期待をいたしております。

日米関係(米大統領・国務長官訪日及び茂木大臣訪米の見通し)

【テレビ朝日 佐藤記者】ブリンケン国務長官が先日、バイデン大統領との早期訪日に意欲を示しました。また、一部報道では、ブリンケン長官が大統領に先立ち、早ければ来月にも日本を訪問する方向で調整中という話もあります。こうした時期の見通しについてお伺いします。また、大臣ご自身の訪米の調整状況についても教えてください。

【茂木外務大臣】ごめんなさい。ちょっと、質問は正確には、前半の二つあった部分が正確にちょっと聞きとれていないというか…。

【テレビ朝日 佐藤記者】まず、ブリンケン国務長官が天皇陛下の誕生日の祝意の中で、バイデン大統領と共に早期訪日に関して意欲を示したと。

【茂木外務大臣】それは多分違うのではないですか、「早期」とありましたか。

【テレビ朝日 佐藤記者】できるだけ早くという。

【茂木外務大臣】いや、表現はなかったと思いますけれど。

【テレビ朝日 佐藤記者】いずれということですかね。

【茂木外務大臣】日本を訪問したいという意向をもっていると書いてあったと思いますけれど。

【テレビ朝日 佐藤記者】はい。日本を訪問するということの意欲を示したことについて、見通しについて伺えますでしょうか。

【茂木外務大臣】見通しは分かりません。ただそういう気持ちをお持ちなのだという、そのように受けとめております。
 それは日米関係で、様々連携をしていかなければならない、これまでも電話会談等々を行ってきているところでありまして、この中で意思疎通の仕方、いろいろ工夫しなければなりませんが、今、face to faceで会って、じっくり話をするということが重要だと思っておりますので、コロナの状況等々を見ながら、適切なタイミング、こういったものを考えていきたいと思っています。

【テレビ朝日 佐藤記者】大臣ご自身の訪米についてはいかがでしょうか。

【茂木外務大臣】ブリンケン長官とも、できるだけ早期のタイミングで実現したいということで一致をしておりますので、そういったコロナの状況等も見ながら、調整をしていきたいと思っております。