令和3年2月22日

 2月22日(現地時間同日)、モーリシャス共和国の首都ポートルイスにおいて、我が方、川口周一郎駐モーリシャス共和国日本国特命全権大使と先方レンガナデン・パダヤチ・モーリシャス共和国財務・経済企画・開発大臣(Dr. the Hon. Renganaden PADAYACHY, Minister of Finance, Economic Planning and Development of the Republic of Mauritius)との間で、同国における新型コロナウイルス危機対応のための緊急支援を目的とした300億円を限度とする円借款、及び海難防止能力強化のための支援を目的とした供与額6億円の無償資金協力に関する交換公文の署名が行われました。

対象案件の概要

新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援借款(円借款)【供与限度額300億円】

  • (1)モーリシャスにおいては、新型コロナウイルスの感染拡大や防止のために行われている移動制限等により、経済状況が悪化しており、経済・社会の回復が課題となっています。本円借款は、モーリシャスに対する財政支援を通じて、同国における感染拡大の抑制とともに、同国の社会・経済の回復と安定及び持続的発展に寄与することが期待されます。また、本件は、「アフリカ開発銀行との協調融資促進枠組み(ACFA)」を活用したアフリカ開発銀行との協調融資案件です。
  • (2)供与条件(新型コロナ危機対応緊急支援借款)
    • (ア)金利:0.01%
    • (イ)償還期間:15年(4年の据置期間を含む。)
    • (ウ)調達条件:アンタイド
  • (3)新型コロナウイルスの世界規模での拡大及びこれに伴う経済社会活動の停滞は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとって大きな脅威であり、国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ日本の借款を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている脆弱な国々における経済活動の維持・活性化に貢献することは、日本を含む世界経済を下支えする観点からも重要です。
  • (4)日本としては、新型コロナウイルスの一日も早い沈静化及び国際経済の回復、国際社会の安定及び持続的発展に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく途上国を支援していきます。

海難防止能力強化のための支援(無償資金協力「経済社会開発計画」)【供与額6億円】

 モーリシャスは、インド洋の要衝に位置し、世界の海上交通の大動脈に面する海洋・民主主義国家として「自由で開かれたインド太平洋」を実現する上で最も重要な国の一つですが、小島嶼国であるため、海上保安インフラの整備が課題となっています。
 本計画は、モーリシャスに対し海難防止関連機材(航海監視レーダー、制御用コンピューター、ネットワーク機器等)を供与することを通じて、同国の海難防止能力の強化及び海上保安インフラの整備に寄与するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に資するものです。
昨年8月にモーリシャス沖で発生した油流出事故を受け、茂木外務大臣からジャグナット首相に対し、9月には、モーリシャスの復旧と復興に向け、迅速かつ中長期的な視点でこれまでに無い規模で協力を進める旨伝達し、さらに12月のモーリシャス訪問時には、その進捗状況を伝えたところですが、本計画はその協力の一環として実施するものです。

 モーリシャス共和国の面積は約2,040平方キロメートル、人口は約126.6万人(2019年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)は12,740米ドル(2019年、世界銀行)。