国交省・新着情報

漁船員の資格証明に係る条約改正、さらに前進
~国際海事機関(IMO) 第7回人的因子訓練当直小委員会の結果概要~

令和3年2月22日

令和3年2月15日から2月19日にかけて、第7回人的因子訓練当直小委員会(HTW7)(※1)がWEB会議方式にて開催されました。主な審議結果は以下のとおりです。

1.漁船員の資格証明に係る条約改正
  前回会合に引き続き、STCW-F条約(※2)の包括的見直しに関する議論がなされました。
  審議の結果、我が国の提案文書に基づき、「限定水域(※3)」を基本訓練の一部免除の対象に含めることが合意されました。
  また、我が国の主張に基づき、漁船員が取得すべき健康証明書の最低年齢が国内法及び慣習に従って管轄当局から認められた場合は15歳以上とすることが原則合意されました。
  前回会合で決定された作業計画の通り、改正作業を次回会合(HTW8)にて完了することとし、未審議事項を次回会合(HTW8)までの間、通信作業部会(※4)にて引き続き審議することとなりました。
  我が国は前回に引き続き、通信作業部会のコーディネーターを務めます。

2.コロナ禍及びその終息後における船員の資格証明書等の取扱い
  新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、各国が暫定的に実施している資格証明書の更新延長等の暫定的措置の共通化を促進していくことになりました。
  具体的な内容については、関連するガイドラインを準備すべく通信作業部会(※4)にて審議するとともに、その結果を、本年10月開催予定の第104回海上安全委員会(MSC104)に報告することとなりました。

3.その他
  ・ 資格証明書の電子化に係るSTCW条約(※5)改正案等が審議されました。具体的な内容については、次回会合(HTW8)までの間、通信作業部(※4)で引き続き議論することとなりました。
  ・ STCW条約の遵守状況に関する各国からIMOへの報告手続き(※6)の問題点について議論が行われ、ガイダンスの策定等に向けたアクションプランが合意されました。
   具体的な内容については、次回会合(HTW8)までの間、通信作業部会(※4)で議論することとなりました。

(※1)人的因子訓練当直小委員会(HTW)は、海上の安全全般に影響のある事項を審議し、関連する国際条約の採択、各国への通報等を実施する海上安全委員会(MSC)のもとにある、
    船員の訓練・資格証明・当直の基準及びガイドライン等について議論する小委員会です。
(※2) STCW-F条約は、漁船員に求められる最小限の国際基準として、教育訓練や資格証明の要件等を定めることで、漁船員の質の向上を図るとともに漁船員の安全を確保、
     ひいては海上の人命安全、海洋環境保護等が促進されることを目的とする国際条約です。(発効は2012年。我が国は未批准。)
(※3)各国が自国のEEZの範囲内において指定する海域
(※4)各国担当者により電子メールで行われる作業グループ
(※5)1978年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約
(※6)STCW条約は、締約国に対し,5年を超えない間隔で自国の条約遵守状況を評価し、結果をIMO事務局長に報告することを義務づけています。
    IMO事務局長は、有識者からなるパネルによる報告書に対する見解を基に、条約遵守を確認のうえ、海上安全委員会(MSC)に報告し、MSCが承認することとなっています。

添付資料

添付資料(PDF形式)


お問い合わせ先

国土交通省海事局船員政策課 吉田、山岸
TEL:(03)5253-8111
(内線45-103、45-135) 直通 03-5253-8651 FAX:03-5253-1643
国土交通省海事局海技課 長谷川
TEL:(03)5253-8111
(内線45-336) 直通 03-5253-8649 FAX:03-5253-1646

発信元サイトへ