(令和3年2月18日(木曜日)22時38分 於:大臣接見室)

冒頭発言

【茂木外務大臣】つい今までですね、1時間半にわたりまして、日米豪印の外相の電話会談を行いました。
 新たにですね、ブリンケン米国務長官を迎えて、ペイン・オーストラリア外相、そしてジャイシャンカル・インド外相と共に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力や、地域及びグローバルな課題について突っ込んだ議論を行うことができました。とても、フランクでいい会談だった、こんな風に思っています。
 私からですね、昨年10月の東京での第二回外相会合以降ですね、日米豪印の間で実践的な議論や協力が進展していることを力強く思っていると、このようにお話をしました。その上で、様々な分野で既存の国際秩序に対する挑戦、これが続いている中、基本的価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に深くコミットしている我々が果たす役割が益々大きくなっている、このことを強調して、各国の外相からも賛同を得たところであります。
 また、4か国それぞれが、特性とか地域とのつながり、こういうものを持っているわけでありまして、そういったものを活かしながら、より多くの国々と共にこのビジョンを推進していくということが重要でありまして、ASEANであったり、太平洋島嶼国、欧州などの国々と一層連携・協力を深めていくことで一致しました。
 また、アフリカについても、私は昨年末、そして今年の初めのアフリカ歴訪の話をさせて頂きまして、ジャイシャンカル外相の方からもですね、アフリカの重要性等の話がありまして、こういったアプローチも進めていきたいと思っています。
 ミャンマー情勢についても意見交換を行いまして、私から、情勢悪化への重大な懸念を表明した上でですね、特に3点、一つは発砲など民間人に対する暴力的な対応の即時停止、そして、アウン・サン・スー・チー最高顧問始め拘束されている人々の解放、更に民主的な政治体制の早期回復をミャンマー国軍に対して強く求めている旨説明をいたしました。この問題についても、各国間、4か国で議論を行いまして、各大臣との間で早期に民主的体制を回復する必要性、これについて一致をしたところであります。
 また、私から、2月1日に制定されました中国の海警法に関する深刻な懸念を表明した上で、東シナ海、南シナ海情勢についても意見交換を行いました。力による一方的な現状変更の試み、それぞれの国が経験している問題でありまして、また直面している問題でありまして、強く反対することで一致をいたしました。
 さらに、北朝鮮を始めとする地域情勢、新型コロナ対策、気候変動問題を始めとするグローバルな課題についても、最新の情勢を踏まえ、有意義な意見交換ができたと思っています。
 今日の会談はですね、米国のバイデン政権の発足後すぐのタイミングで、ブリンケン長官のイニチアティブで開催をされたわけでありますが、「自由で開かれたインド太平洋」の実現、そして日米豪印に対するバイデン政権の強いコミットメントを示すものだと強く評価をいたしております。この点、冒頭の私の発言でもですね、ブリンケン国務長官にも申し上げたところであります。今後も毎年やろうと、去年の会合は僕の誕生日の時に前夜祭でやったんですけど、次は誰の誕生日にしようか、こんな話もでたぐらいでありまして、適切なタイミングで対面での会合を開催し、調整していきたい、電話でもこれだけいい話ができたのだから、face to faceだともっといい話ができるよね、こんな話もしたところであります。

質疑応答

【記者】今日色々なテーマ話されたと思いますけども、一番多く時間使われたテーマは何だったのかということと、アメリカの主催ということですけど、ブリンケン国務大臣はこの4カ国で何を一番確認したかったのか、話し合いたかったのか、議論を終えて感じられている部分をお伺いできますでしょうか。
 
【茂木外務大臣】時間を計っている訳ではありませんけれど、冒頭申し上げたようにですね、地域情勢の話、さらにはですね、自由で開かれたインド太平洋、そして、それも含めた日米豪印の協力のあり方、また、それをどう広げていくか、単に枠組みをもう1カ国拡大するとかそういうことよりもですね、それぞれの特性を生かしながらですね、アプローチをしていきたい、こんな話をしましたので、どのテーマについてですね、極端に言うと、このテーマについて半分時間使いましたと、こういうことではなく、バランスよく議論ができたと思っております。おそらくブリンケン長官からしてですね、自由民主主義、そして航行の自由、そういったですね、基本的な価値観、これを共有している4カ国の連携、これ今、国際社会でさらに強く求められている問題だと、こういう認識のもとで、今回の日米豪印外相会談のイニシアティブを取ったんじゃないかなとこんな風に理解を致しております。
 
【記者】2点お伺いします。1点目、少し細かい確認になるんですけれども、ミャンマー情勢について議論されたということですが、民主的体制への早期回復を求めることで一致したとご発言ありましたけれども、その前にも大臣が求められたというスー・チー最高顧問などの解放についても、これは一致したと言うことでよろしいでしょうか。
 
【茂木外務大臣】基本的に私の方からですね、ミャンマー情勢についてはかなりイニシアティブをとる感じで、議論させてもらいまして、それについて考え方の一致があったと思っております。個別に私が、特に3点が重要だという話をした上で、全体の話ということでそういうことになったと。
 
【記者】今回は外相会談ということでしたけども、今後、首脳会談の開催については、今日御議論があったのでしょうか。
 
【茂木外務大臣】日米豪印、この協力が必要であると、当然それは外相レベルはもちろんでありますが、首脳レベルの協力と、これが重要なことについては一致をしておりますが、具体的な会談等については決まっておりません。