厚生労働省は、本日、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」(以下「本アプリ」という。)の修正版(iOS版、Android版)の配布を開始しましたので、アップデートをお願いいたします。スマートフォン端末のアプリの自動アップデート機能がオンになっている場合は、ダウンロードが可能な通信環境にて自動的に更新されます。自動アップデート機能がオフになっている場合は、App Store又はGoogle Playから「接触確認アプリ」と検索し、アップデートをお願いします。

1. 今回の修正版による修正内容
 今回の修正版では、主に以下の修正を行っています。
 ●Android端末で本アプリをご利用の場合に、陽性者との接触について通知を受けることができなかった問題について解消を図りました。
 ※Android端末で本アプリをご利用の場合に、1メートル以内15分以上の条件に該当する陽性者との接触があった場合、本来通知すべきより  も多い接触件数が表示される可能性がありましたがこの問題もあわせて解消しました。
 ●本アプリの利用開始後しばらく経った後に、本アプリが初期化される(利用規約等への同意画面が再度表示される、又は継続使用日数が0日に戻る)問題が一部の端末で発生していましたので、これについて改善を図りました。
 なお、上記のほか、現時点で把握している不具合や指摘されている問題については3.及び4.をご確認ください。引き続き、順次調査を行い、機能等の改善に努めてまいります。

2. 動作検証
 今回の修正版による修正の内容については、それぞれ実機を用いて必要なテストを実施していますが、特に陽性者との接触の検知・通知のメカニズムについては複数のOSバージョン及び機種の端末を用いて接触が適切に検知・通知されるかどうか、以下のとおり動作検証を行いました。
 ・アプリバージョン:1.2.2
 ・検証方法:様々なOS及び機種の組み合わせ、合計36ケースを1メートルの距離で20分間近接(接触に関する情報の交換時間を考慮)させ、一方の端末から本アプリに陽性者としての登録を行う。テスト環境を経由して、もう一方の端末において接触が検知・通知されることを確認。また、1メートルを大きく超える距離や15分に満たない接触について通知がなされないことを確認。
 ・対象Android端末:Android10又は11を搭載した端末を使用。メーカー独自仕様による差異を考慮する必要があるため、本アプリ利用端末の上位3メーカーを含む73.9%のメーカーカバー率となる端末を使用。
 ・対象iOS端末: iOS13シリーズ及び14シリーズを使用。
検証の結果、Android端末において陽性者との接触を検知・通知できない不具合は、バージョン1.2.2において解消されていることが確認できました。
ただし、Android端末で本アプリに陽性となった旨の登録を行った場合、iOS13.5を搭載した端末では、陽性者との接触があっても通知を受け取ることができない事例が見つかりました。下記3.に記載のとおりOSをアップデートしていただきますようお願いいたします。

また、本来であれば、本アプリはGoogle社が提供する接触通知機能と連動し、陽性者が通知サーバーに登録した接触に関する情報を1日に1回程度各端末にダウンロードし、各端末内の記録と照合・通知を行う仕組みとなっています。Android端末13台/13ケースを用いて36時間後の状態を確認した限定的な検証の結果、本アプリがバックグラウンドから強制終了されてしまうことにより当該処理が実行されないケース、あるいはバックグラウンドで起動している状態であっても当該処理を定期的に実行していないケースが7ケース見つかりました。いずれのケースについても、本アプリを再起動(アプリを立ち上げ、アマビエのイラストと「STOP感染拡大」の文字の画面が表示されることを確認)することで当該処理が実行され、陽性者との接触があれば通知を受け取ることができることが確認できました。Google社の協力を得ながら改善策の調査を進めて参りますが、当面は4.に記載のとおりご対応いただきますようお願いいたします。

3. iOS端末で本アプリをご利用の方へ
 「2.動作検証」の結果として、iOS13.5搭載端末で接触についての通知を受け取ることができないケースがあることがわかりました。iOS14シリーズでは通知を受け取ることができることが確認できていますのでOSを最新版にアップデートした上で本アプリをご利用いただくようお願いします。
また、この度、Android端末において陽性者との接触を通知することができない不具合の解消を図りましたが、これとは異なる原因によりiOS端末で接触を通知できないケースがあるのではないか、との指摘がGitHub(※)においてなされています。順次、調査を行い、不具合の解消に努めてまいります。
  ※本アプリのソースコードを掲載しているプラットフォーム。

4. Android端末で本アプリをご利用の方へ
 Android端末で本アプリ(1.2.1以前のバージョン)をご利用の方におかれましては、1メートル以内15分以上の条件に該当する陽性者との接触があった場合、本来通知すべきよりも多い接触件数が表示されることがあります。この障害を解消するため、速やかに本アプリをアップデートしていただきますようお願いします。
また、本アプリを再起動(アプリを立ち上げ、アマビエのイラストと「STOP感染拡大」の文字の画面が表示されることを確認)することで接触に関する情報を各端末にダウンロードし、各端末内の記録と照合・通知を行うことができることがわかっています。当面は、陽性者との接触について正確に通知を受け取ることができるよう、定期的に(※)本アプリを再起動していただきますようお願いいたします。(アプリを立ち上げてもアマビエのイラストと「STOP感染拡大」の文字の画面を挟まずにアプリホーム画面が表示された場合は、アプリを強制終了してから再度アプリを立ち上げてください。)
  ※速やかに通知を受け取るためには1日に1回程度

5. 今後の対応について
 本アプリについては、今後も不具合が発生した場合には速やかに解消し、機能の改善を図っていく必要があることから、専門家などの意見を幅広く聴きながら、対応していく必要があります。
 これを踏まえ、今後のCOCOAの運営(開発・運用)にあたるため、以下のとおり、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室と厚生労働省の連携チームを発足させます。

連携チーム
統括責任者  向井 内閣審議官(IT室)
メンバー    東  政府CIO補佐官(IT室)
          楠  政府CIO補佐官(IT室)
           関  政府CIO補佐官(IT室)
            内山 内閣審議官(IT室)
                         宮崎 審議官(厚生労働省)
                         平井 参事官(IT室)
                         古元 課長(厚生労働省)
                         中田 企画官(IT室)
                         吉田 企画官(IT室)
                         補佐・主査クラス 数名

【参考】

以上