令和3年2月16日

 2月15日(現地時間同日)、エジプトの首都カイロにおいて、我が方、能化正樹駐エジプト・アラブ共和国日本国特命全権大使と先方ラニア・アル・マシャート国際協力大臣(H.E. Dr. Rania Al-Mashat, Minister of International Cooperation of the Arab Republic of Egypt)との間で、250億円を限度とする円借款に関する書簡の交換が行われました。

対象案件の概要

  • (1)エジプトにおいては、極めて廉価な電力料金設定に起因した電力公社等の財務状況の低迷や、これを補填する政府補助金の肥大化・財政の圧迫・歳出の硬直化等が長年の課題となっています。特に、昨年来新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、同国の社会経済も大きな影響を受け、そうした財政的な課題が一層浮き彫りとなっています。また、グリーン成長やエネルギー安全保障の観点による電源構成の多様化を目指すべく、電力セクター全体の効率化を推進しています。
  • (2)こうした状況のもと、本計画は、持続可能で安定的な電力供給に貢献し、経済安定及び開発努力の促進等に寄与することを目的として、財政支援を通じ、エジプト政府の電力セクターの構造改革をより一層推進させるべく支援するものです。また、本件は、アフリカ開発銀行(AfDB)とフランス開発庁(AFD)との協調融資案件であり、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の貢献策であるAfDBとの協調融資枠組み「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ」第4フェーズ(EPSA4)に貢献するものです。
  • (3)供与条件(円借款)
    • ア 金利:年0.65%
    • イ 償還期間:20年(6年の据置期間を含む。)
    • ウ 調達条件:アンタイド

我が国は、2019年8月に開催したTICAD7において、「質の高いインフラ投資に関するG20原則」に沿った、AfDBと日本の資金協力の推進を表明しており、この協力は同表明を具体化するものです。

 エジプト・アラブ共和国は、面積約100万平方キロメートル(日本の約2.6倍)、人口は約1億38万人(2019年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)は2,690米ドル(2019年、世界銀行)。