令和3年2月15日

 2月15日(現地時間同日)、バヌアツ共和国のサント島ルーガンビルにおいて、我が方、千葉広久駐バヌアツ共和国日本国特命全権大使と先方マーク・アティ外務・国際協力・貿易大臣(Honorable. Mr.Marc Ati, Minister of Foreign Affairs, International Cooperation and External Trade)との間で、0.63億円を限度とする無償資金協力「サント島における水力発電施設建設計画(詳細設計)」に関する交換公文の署名が行われました。

  1. サント島は、バヌアツ共和国第2の都市ルーガンビルのある、同国最大面積の島です(人口約47,900人、2016年時点)。同島の発電は主に水力発電によるものですが、乾季及び日中の電力ピーク時は、水力発電だけでは供給が追い付かず、ディーゼル発電も運用しています。さらに、同島の実績ピーク電力は1994年~2016年にかけて年率4.5%で増加しており、今後も需要の増加が見込まれています。また、バヌアツ政府は、「改訂国家エネルギーロードマップ2016-2030」に基づき、2015年時点での再生可能エネルギー導入比率実績29%(供給量ベース)を2030年には100%とする目標を掲げています。このため、電力需要の増加に対応するとともに、水力発電の発電能力を高めることで、電力の低炭素化を促進する必要があります。
  2. この計画は、サント島サラカタ川において、新規流込み式小水力発電施設等を建設することにより、増大する電力需要に対応するとともに、クリーンかつ安定的な電力供給を実現し輸入化石燃料への依存軽減を図り、もって産業活動・市民生活レベルの向上及び気候変動対策(緩和)を通じた同国の経済インフラの脆弱性の克服に寄与するものです。
  3. この協力は、2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催された第8回太平洋・島サミットにおいて、我が国政府が表明した支援の柱である「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」に資する協力として実施するものです。

バヌアツ共和国の面積は約1万2,190平方キロメートル(新潟県とほぼ同じ大きさ)、人口は約30万人(2019年、世界銀行)、一人当たりの国民総所得(GNI)は3,170米ドル(2019年、世界銀行)。

  • 第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域、オーストラリア及びニュージーランドの首脳級等が出席。バヌアツからはシャーロット・サルワイ・タビマスマス首相(当時)が参加した。
  • 我が国は、PALM8において、(1)自由で開かれた持続可能な海洋、(2)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化、(3)人的交流・往来の活性化の3つを柱として、今後3年間でこれまでの実績も踏まえた、従来同様の、しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。