2021年2月5日

「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」が閣議決定されました。現在開会中である、第204回通常国会に提出される予定です。

1.本法律案の趣旨

新型コロナウイルス感染症の影響、急激な人口の減少等の短期及び中長期の経済社会情勢の変化に適切に対応して、「新たな日常」に向けた取組を先取りし、長期視点に立った企業の変革を後押しするため、ポストコロナにおける成長の源泉となる①「グリーン社会」への転換、②「デジタル化」への対応、③「新たな日常」に向けた事業再構築、④中小企業の足腰強化等を促進するための措置を講じます。

2.本法律案の概要

(1)産業競争力強化法

  1. 「グリーン社会」への転換
    カーボンニュートラル実現に向けた事業者の計画を主務大臣が認定し、①脱炭素化効果が高い製品の生産設備・生産工程等の脱炭素化を進める設備に対する設備投資税制、②利子補給等の金融支援を措置します。

  2. 「デジタル化」への対応
    デジタル技術を活用した全社レベルのビジネスモデルの変革の計画を主務大臣が認定し、①DX投資促進税制、②財政投融資を原資とした低利融資を措置します。

  3. 「新たな日常」に向けた事業再構築
    「新たな日常」に向けた事業再構築の計画を主務大臣が認定し、①赤字であってもカーボンニュートラル、DX、事業再構築等に取り組む企業に対する繰越欠損金の控除上限の引上げ、②財政投融資を原資とした低利融資を措置します。

  4. バーチャルオンリー株主総会の実現のための特例
    上場会社のバーチャルオンリー株主総会の開催を特例的に可能とします。

  5. ベンチャー企業の成長支援
    大型ベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度を措置します。

  6. 事業再生の円滑化
    大型ベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度を措置します。

  7. 規制のサンドボックスの恒久化
    規制のサンドボックス制度を、生産性向上特別措置法から移管し、産業競争力強化法において恒久化します。

(2)中小企業等経営強化法

  1. 中小企業の事業・規模の拡大を促進するため、経営革新計画・経営力向上計画について、中小企業から中堅企業への成長途上にある企業群を支援施策の対象に追加します。

  2. 事業承継に先立ち実施するデューデリジェンス等を経営力向上計画の対象とし、中小企業経営資源集約化(M&A)税制(M&A後のリスクに備える準備金・設備投資・雇用確保の促進)を措置します。

  3. 中小企業者とともに事業継続力強化に取り組む中堅企業に対し、連携事業継続力強化に必要な資金について金融支援を措置します。

  4. 先端設備等導入計画を生産性向上特別措置法から移管し、恒久化します。

(3)地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律

中小企業の事業・規模の拡大を促進するため、地域経済牽引事業計画に係る金融支援について、中小企業から中堅企業への成長途上にある企業群を支援施策の対象に追加します。

(4)中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律

一部株主が所在不明であるため事業承継が困難となっている旨の認定を受けた中小企業者について、所在不明株主からの株式買取り等の手続きに必要な期間を5年から1年に短縮します。

(5)下請中小企業振興法

  1. これまで下請振興法の対象としていなかった取引類型を対象に追加します。

  2. 国による調査の規定を創設するとともに、発注書面の交付を促進します。

  3. 発注者と中小企業との間に入り、中小企業の強みを活かした取引機会等を創出する事業者の認定制度を創設するとともに、金融支援等を措置します。

(6)独立行政法人中小企業基盤整備機構法

中小機構の業務に、経営の革新を行う事業者等に対する助成を追加します。

関連資料

担当

  • 経済産業政策局 産業創造課長 金指
    担当者:平松、廣山、野瀬、太田、小林

    電話:03-3501-1511(内線 2691~2693)
    03-3501-1560(直通)
    03-3501-0229(FAX)

  • 中小企業庁 事業環境部 企画課長 神崎
    担当者:和久津、行廣、前野、小松、齊藤、北川

    電話:03-3501-1511(内線 5231)
    03-3501-1765(直通)
    03-3501-7791(FAX)