(令和3年2月2日(火) 9:33 ~ 9:47 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日、厚生労働省関係で法案が閣議決定されました。「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」であります。
 内容的には、医師の働き方改革でありますとか、各医療関係職種の専門性の活用でありますとか、地域の実情に応じた医療提供体制の確保、こういうものが改正の柱となっております。
 具体的には、長時間労働の医師に対し医療機関が講ずべき健康確保措置等の実施でありますとか、医師の負担軽減を図りつつ、医療関係職種の専門性を活かすためのタスクシフト・タスクシェア、このような推進。それから新興感染症等への対応に万全を期すための医療計画への位置づけ等の措置を講ずるものであります。
 今後、本国会で速やかにご審議をいただくよう、お願いしたいと思います。

 もう一点は、建設業に従事された元労働者等とその遺族の方が、石綿による健康被害を被ったのは、国が規制を適切に行使しなかったからであるとして、損害賠償を請求している裁判につきまして、令和3年1月28日に、最高裁は京都1陣建設アスベスト訴訟に係る国の上告受理申立てを一部受理しないとの決定をしました。
 これにより、本訴訟については、一部原告を除き、国に一部責任があると認めた大阪高裁判決が確定したということであります。
 昨年12月の東京1陣訴訟に続いて、国に責任があると認められたことについて、重く受け止めておるわけでございまして、原告の方々に対して責任を感じ深くお詫びを申し上げます。同高裁判決等を踏まえ、適切に対応したいと考えております。
 以上です。何か質問がございましたらお願いします。

質疑

記者:
昨日、アドバイザリーボードで宣言中の11都府県の感染状況や、医療提供体制が厳しいという状況の判断がされました。今日、緊急事態宣言の延長の判断があると思いますが、現状の受け止めをお願いします。
大臣:
新規感染者ですが、昨日が1,783人ということで、一週間の移動平均が3,324人となってまいりました。1月中旬以降、これも感染ベースで言うと、たぶん10日から二週間になってくると思いますが、そこら辺のところ以降減少傾向ということになりますから、そこら辺から徐々に減りつつあるというのは事実であると思います。
 全体としては、やはり東京がその中で1/4、一都三県で1/2、11都府県、これが緊急事態措置がなされているエリアでありますが、ここだけで感染者8割弱ということでございますので、更に注視をしていかなければならないと思います。アドバイザリーボードからは、確かに感染者自体は減りつつあるのですが、一方で、病床の方はまだ厳しい地域が多くあるということ、それから重症者が昨日1,000人は切ったということですが、まだ高止まりをしておりますので、遅効性、ちょっと感染者から遅れて入院患者が出て、そして重症者という話ですから、まだまだ医療提供体制が厳しいところが多々あるという話。
 それからもう一つあったのが、感染者が確かに減ってきているのですが、高齢者80代、90代となると、高齢者の方々の減り方が顕著に見られないという部分があって、そういう方々が重症化のリスクがあるので、そういうところは注視しないといけないと、こういうようなお話をいただきました。
 いずれにいたしましても、我々、医療提供体制のパッケージ、こういうもので今も病床確保やっているわけでありまして、総合的にいろいろな観点から判断しながら、政策を決定していかなければならないと考えております。
記者:
新型コロナウイルスのワクチンについてです。一部報道では12日の部会で承認の可否がなされると報道があったのですが、現状の承認申請の流れと、これから先の見通し等教えてください。
大臣:
今、審査中ですので、予断をもっていつどうだということはお答えはできないということであります。ただ、1月29日にファイザー社から国内治験データの報告書が提出されてきておりますので、国内治験データも踏まえた上で、早急に審査を進めていただいている状況であります。
記者:
一部報道でWHOがCOVAXファシリティを通じたワクチンの供給予定量について、3ヵ国に提示したということが報道されておりますが、日本分について何か提示内容とか把握されていればお願いします。
大臣:
まだ私把握していませんので、事務方からお聞きいただければと思います。
記者:
放課後等デイサービス事業で、不正請求があるということで行政処分が行われていると思いますが、これについての受け止めと全国的な調査の内容、営利目的の事業者がいるような話もありますが、このへんいかがでしょうか。
大臣:
179事業所が行政処分を受けているという話、また、17億円以上の不正総額があるという報道になっていると思いますが、実態を見ますと放課後デイ自体、実態調査を見ますと、収支差が10.7%ということでありますので、全体平均の5.2%よりも大きく上回っているという部分があります。
 そんなことも含めながら、報酬改定等いろいろと検討して決定していくわけでありますが、そういう意味からいたしますと、やはり収支差率が上がっているという実態としてあるのだと思います。
 一方で、言われる通りいろいろな問題もあるということでありますので、それに関しては指導監査等、これ自治体でやっていただいておりますから、そういうものをより効率的に対応していくということは大変重要だと思いますので、そういうようなことも検討してまいりたいと思います。
 全体として、実態を早くというのは今もやっているわけでありますので、今集計中だと思いますが、そういうものを見ながら、しっかり対応していきたいと考えております。
記者:
職場での集団的なワクチン接種というのがありますが、いわゆる65歳未満の方々、一般の方々について厚労省が検討を始めていると。今後どういうことが具体的に想定されると思われるかということと、また、基本的には自治体、居住地、住民票のあるところで、とこれまでお示ししていたかと思いますが、何か遅れとか懸念されるようなことも考えられるのでしょうか。
大臣:
ワクチン接種、職場でやられた方が、効率的にやられるんじゃないかというご提案は党の方からもいただいていると思います。
 一方で、今考えているのは基本的には住民票のある地域において、しっかりとクーポン券を発行した上で対応するということでありますから、そういう意味ではそこが上手く両立できるかどうかというのは検討していかなければならないと思います。
 いずれにいたしましても、ご提案でございますから、検討した上で、どういうやり方が一番効率的に多くの方々に短期間で接種いただけるかということをこれからも、河野大臣のもとで厚生労働省も入りながら、いろいろ検討してまいりたいと思います。
記者:
ベビーシッターの関係でお伺いしますが、先週、厚労省の専門委員会でわいせつ事件や虐待事件を起こしたベビーシッターに、事業停止命令を受けた者については名前を公表するという方針で報告書がまとめられたと思いますが、こちらの公表の狙いについてまずお願いします。
大臣:
子どもの預かりサービス専門委員会の取りまとめ案だと思いますが、まず、わいせつ事案等を起こしたベビーシッターに関しましては事業停止命令等を発令することの明確化、それから処分歴がある場合は届出事項にこれを追加すること、更には事業停止命令等に関する情報の自治体間での共有、または一般への公開も含めて示されたと承知いたしております。
 もちろんそういう方々が、更生するためにどういう対応が良いのかという論点がありますが、一方で利用される方々が安心して利用するためには一定の情報が開示されている方が、また、選択する場合にしっかりと情報が開示されている方が安心だという声、これも非常に大きいわけでありますので、そういう観点から我々として検討してまいりたいと思います。
記者:
感染症法改正による勧告に従わない場合の医療機関名の公表について、昨日の内閣委員会で大臣、北の方にある病院ではコロナ患者の受け入れ協力に従わない病院もあると仰っていて。
大臣:
そうは申し上げていないと思いますが。正確にはそうは言っていなくて、報道ベースの話なのでその真実性は分からないという中において、どこかを抜き出して申し上げたのではなくて、協力ベースで皆協力するのではないかというご質問があったわけですよね。
 ですから法改正の趣旨はどこにあるんだという話でございましたので、確か申し上げたのは、どことは言いませんが新聞報道等である話なので、内容に関しては本当かどうか分からないけれどもという前提を置いた上で、事例として医療機関が受け入れられると認めておられるのに、他の理由で受け入れないという場合に関しては、これは協力要請等していく。
 協力要請から勧告、公表ですから、まず協力要請ないとスタートしない、一般的な協力じゃなくって、協力要請という法律に則った対応をしなければいけないわけですね。
 ほとんど今まで事例がないという中で愛知県がやられているという話だったと思いますが、そういう意味からするとどういう事例かというので、体制は組めているのに何らかの理由、つまり医療機関はオッケーって言っているのにそれ以外でダメだと言われている、医療機関と言いますか医療機関の責任者と言った方が良いですかね、院長さんですね、あの時出したのは。
 ですからそこの方が良いって言っているのに、何らかの理由で受けられない場合には、そういう場合には協力を要請するということも有り得る一つの事例として。それが真実かどうかというのは私は分かりませんから、報道ベースで。
 一つの事例としてそういうのを挙げさせていただいた話でありまして、たぶん御社なので言われる意味は分かるのですが、北海道、今緊急事態宣言でておりませんし、そういう意味ではいろいろな事例に則って必要があればその時にコロナ患者を受け入れていただけるような体制が整っておられるならば、まずは協力要請、まず普通の一般協力、一般協力が認められない、受け入れられなければ協力要請させていただく、その上でそれを協力してもらえなければ、正当な理由があるのかどうなのかというのはしっかり確認した上で、その後勧告に行くかどうかということを判断する、その入り口の事例として申し上げたということでございます。
 どこかを特定したというわけではないので、そこは誤解のないようにお願いいたします。
記者:
一応確認させていただきますが、旭川医大病院のことを念頭に置かれているのでしょうか。
大臣:
それも含めて、いろいろな報道がございますので。
記者:
ワクチンの接種体制について話を戻します。先日、いわゆる「練馬モデル」というのを先行事例として国が全国の自治体に情報提供されていました。従前、集団接種が中心というふうに捉えていたのですが、個別接種への転換を意味するのか。
 日本医師会などは個別接種をうまくバランスをとるべきではないかというご意見を中川会長が以前から仰っていましたが、厚労省として集団接種と個別接種のバランスについてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
各自治体で地域事情が違いますから、それぞれの地域で考えていただくことが前提だと思います。
 ポイントとしてはですね、ディープフリーザーまでは、多分メーカーの方々が品質を確保するということで、ある程度そこは担保いただくと思うんですが、ディープフリーザーから小分けして、それぞれの医療機関に持っていく場合には、ここからの品質管理に関してはですね、メーカー側ではなくて、医療機関なのかどこなのか、他のところが多分管理するということになると思います。
 その時にちゃんと品質管理をしていただくということが前提となりますから、その点にしっかりと気を配っていただきながら、いろいろなやり方、そういう部分が非常に難しいところがあるということもご理解いただきながら、各地域で体制を整えていただくということが必要になってくるというふうに思います。
 練馬のは一つの考え方として、我々としても、こういうやり方もあるんだなということで一つの事例として受け止めさせていただいております。
記者:
先ほどのファイザーワクチンの承認の話なのですが、1月29日に国内治験のデータが揃ったということで、これで承認に必要なデータは全て揃ったということでよろしいでしょうか。
大臣:
基本的なものはこれで揃ってきているという話になると思います。ただ、承認するまでの審査は、これは何があるのか、データの中身をしっかり見てみないとわかりませんので、予断をもっていつ承認できるかということは我々としては物が申せないということはご理解いただければありがたいと思います。
記者:
現状としてデータの提出とかに予定よりも遅れているとか、遅滞はないという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
ファイザーの方にもご協力いただきながら、治験データというものを日本にもお示しをいただいておりますので、我々としては最速で対応できるように今体制を整えてやっているわけでありますが、先ほど申し上げましたとおり、安全性・有効性というものをしっかりみないと、ここがしっかり確認できないものは承認できませんので、そこをしっかりと確認するということが大前提で審査をやっているということでございます。

(了)