令和3年1月29日

 1月29日(現地時間同日)、パプアニューギニア独立国の首都ポートモレスビーにおいて、我が方中原邦之駐パプアニューギニア独立国日本国特命全権大使と先方ソロイ・マレポ・エオエ外務国際貿易大臣(H.E. Mr. Soroi Marepo Eoe, Minister for Foreign Affairs and International Trade of the Independent State of Papua New Guinea)との間で、供与額10億円の無償資金協力「地方電力供給網拡張計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. パプアニューギニアでは、人口の増加、経済の発展に伴い、国内の電力需要は今後も増大することが見込まれていますが、発電所及び送配電網の整備が不十分であるため、国内では慢性的な電力不足が生じています。このため、パプアニューギニア政府は2030年までに電力へのアクセスを人口の70%にすることを目標とし、電力事情の改善に向けた取組を加速させています。
  2. 本計画では、パプアニューギニアのモマセ地域、ハイランド地域及び西ニューブリテン地域の全27地区において、中央電力系統から裨益対象世帯への電力網(送電線等)の敷設を行うことにより、同国の電力の安定的供給及び電力へのアクセスの一層の向上を図り、もって同国の経済成長基盤の強化及び社会サービスの向上に寄与することが期待されます。
  3. この協力は、2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催された第8回太平洋・島サミットにおいて、我が国政府が表明した支援の柱である「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」に資する協力として実施するものです。また、2018年11月に我が国が米国、豪州、ニュージーランド及びパプアニューギニアとの間で発表したパプアニューギニア電化パートナーシップに基づき実施する協力です。

 パプアニューギニアは、面積46.2万平方キロメートル(日本の約1.25倍)、人口約877.6万人(2019年、世界銀行)、1人当たり国民総所得(GNI)は2,780米ドル(2019年、世界銀行)。

  • (1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域及びオーストラリア・ニュージーランドの首脳級等が出席。パプアニューギニアからはオニール首相(当時)が参加した。
  • (2)我が国は、PALM8において、(ア)自由で開かれた持続可能な海洋、(イ)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化、(ウ)人的交流・往来の活性化の3つを柱として、今後3年間でこれまでの実績も踏まえた、従来同様の、しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。