財務省・新着情報

  1. 開会
  2. 令和3年度における関税率及び関税制度の改正等
  3. 閉会

出席者
関税分科会長 森田 朗 財務省 中西財務副大臣
関税分科会長代理 根本 敏則 田島関税局長
委員 浦田 秀次郎 源新審議官
金原 壽秀 小宮審議官
河野 真理子 渡部総務課長
工藤 操 中澤関税課長
古城 佳子 河西参事官
坂元 龍三 加藤参事官
佐藤 英明 福田監視課長
清水 順子 奈良井業務課長
杉山 晶子 米山調査課長
高山 一郎 鈴木事務管理室長
田村 善之 加藤特殊関税調査室長
野原 佐和子 松田原産地規則室長
春田 雄一 鈴木税関調査室長
古谷 由紀子 井田経済連携室長
三石 誠司 石川知的財産調査室長
専門委員 阿部 克則 外務省 山川経済局国際貿易課首席事務官
大橋 弘 厚生労働省 西川マスク等物資対策班参事官
国松 麻季 農林水産省 福島大臣官房国際部国際経済課長
末冨 純子 農林水産省 前原大臣官房国際部国際経済課国際交渉官
藤岡 博 経済産業省 内田通商政策局通商機構部参事官
宮島 香澄 国土交通省 谷口港湾局港湾経済課長
村上 秀徳

 

午前10時00分開会

森田分科会長 皆様、おはようございます。時間になりましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

 委員の皆様方には、御多用中のところ御出席を頂きまして、誠にありがとうございます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。本日の議題は、お手元にお配りしております議事のとおり、これまでの御審議の内容を踏まえ、令和3年度における関税率及び関税制度の改正等に係る答申案につきまして御意見を頂きたいと存じます。令和3年度における関税率及び関税制度の改正等に関しましては、本年10月以降、本日も含めまして4回にわたり本分科会を開催いたしまして委員の皆様に御審議を頂いたところであり、御審議いただいた内容を取りまとめたものが本日事務局より御説明いたします答申案でございます。

 最初に、事務局から説明を受けたいと思います。その後、答申案につきまして御意見などございましたら御発言いただきたいと思います。それでは、御説明、よろしくお願いいたします。

中澤関税課長 関税課長の中澤でございます。それでは、答申書(案)の概要について御説明させていただきます。お手元の資料1が答申書(案)の内容をまとめた資料となっておりますので、こちらの資料を基に御説明させていただきます。

 それでは、1ページ目を御覧下さい。今回の答申案の概要でございまして、大きく3つに分かれております。1つ目は令和3年度関税改正を巡る諸情勢となっており、これは第1回分科会の事務局の説明とその後の御議論を踏まえてまとめたところでございます。また、2つ目の令和3年度関税改正についての考え方、こちらは第2回、第3回の御審議を踏まえてまとめているところでございます。3つ目は引き続き検討すべき事項で、こちらは第3回に商標法改正を巡る動きにつきましていろいろ御議論いただきました点を含めてまとめたものでございます。

 それでは、2ページ目を御覧下さい。令和3年度関税改正を巡る諸情勢として3点ございます。1つ大きな特徴としましては、最初に書いてありますが、新型コロナウイルス感染症への対応かと思っております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大という中で世界的に貿易額は減少している一方、電子商取引の活用もあり、航空貨物の輸入件数は大幅に増加しております。その中で、財務省・税関では、新型コロナウイルス感染症がもたらした変化に的確に対応し、適切な関税率の設定・関税制度の整備等を行うとともに、税関の使命を着実に果たしていく必要があるとしているところでございます。また、引き続き新型コロナウイルス感染症による需給の変化等を踏まえた関税率の検討、感染リスクを減少させるための非接触型の通関の拡大、さらにはデジタル時代の貿易実務に対応した税関関係手続の環境整備等を進めていくことが重要としているところでございます。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会への対応、これは昨年と同様でございます。

 また、経済連携協定に係る取組については、日英EPA、さらにはRCEPの署名がなされ、我が国の貿易総額に占めます経済連携協定の発効済み・署名済みの国・地域との貿易額の割合は8割となっているところでございます。その中で、貿易関係者への説明を積極的に実施するなど経済連携協定の一層の利用促進に取り組むとともに、これらの協定を前提とした関税政策の検討、さらには関税制度・執行体制の整備を進めていくことが重要としているところでございます。

 続きまして、3ページ目からは令和3年度関税改正についての考え方でございます。8項目ございますが、順次説明してまいりたいと思います。

 まず、これは第3回に御審議いただきました暫定税率等の適用期限の延長でございます。(1)、(2)と書かれておりますが、暫定税率の適用期限につきましては、416品目ございますけれども、国内生産者・消費者等に及ぼす影響、国際交渉との関係、産業政策上の必要性などを考慮しまして、その適用期限を令和4年3月31日まで延長することが適当としているところでございます。(2)の特別緊急関税制度につきましても、引き続き国内産業を保護する必要があること、また、国際交渉の状況を予断なく注視する必要があることなどから、令和3年3月31日に到来する適用期限を令和4年3月31日まで延長することが適当としているところでございます。

 4ページ目、暫定税率の中で加糖調製品に係る暫定税率につきましては、第2回、第3回に農林水産省より御報告いただきまして、また第3回に御審議いただいたものでございます。具体的には、下の四角の部分を御覧いただきたいと思いますが、加糖調製品のうち6品目、ココアの調製品などについて、調整金の拡大が可能となるよう、令和3年度のTPP11税率の設定状況などを踏まえまして暫定税率を引き下げることが適当としているところでございます。ただし、この場で御議論いただいた内容を踏まえまして、今後につきまして※印のところにまとめさせていただいております。加糖調製品に係る暫定税率の検討に当たりましては、毎年度、加糖調製品と国産砂糖の価格差、さらには需給の動向、国内産糖に係る競争力強化の取組状況、暫定税率の引下げによる政策効果などについて農林水産省に説明を求め、検証することが適当とし、また、加糖調製品と国産の砂糖に関する今後の中長期的な在り方及びその実現に向けた具体的な取組につきましても、消費者の視点を踏まえつつ、農林水産省に説明を求めることが適当としているところでございます。

 5ページ目を御覧いただきたいと思います。沖縄に係る関税制度上の特例措置の1つであります選択課税制度でございます。こちらにつきましては、沖縄振興特別措置法に基づく特例措置の一環であることを踏まえ、沖縄振興特別措置法の適用期限である令和4年3月31日まで1年延長することが適当としているところでございます。

 6ページ目を御覧いただきたいと思います。こちらは、第2回分科会の場で御審議いただいたものでございます。3品目の関税率の見直しでございまして、関税率をゼロにするものでございますが、大きく分けまして2つございます。1つがポリ塩化ビニル製使い捨て手袋でございます。こちらは介護の現場などにおいて用いられているものでございますけれども、これは3ポツのところを御覧いただきたいと思いますが、今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況、さらにはPVC手袋の国内生産の動向などを踏まえる必要があることから、暫定税率による措置が適当としているところでございます。一方、その下の2つの2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、さらにはメタ-フェニレンジアミンにつきましては、国内生産がなされていない中で最終製品の製造コスト増加を抑制するとの観点から、基本税率を無税とすることが適当としているところでございます。

 7ページ目を御覧いただきたいと思います。特恵関税制度の適用期限の延長でございます。こちらは、昭和46年の制度導入以来10年ごとに延長してきているものでございまして、今年度末に適用期限が到来するものでございます。下の四角を御覧いただきたいと思いますけれども、開発途上国へ投資をする企業の予見可能性を確保することを踏まえまして、従来の措置と同様、適用期限を令和13年3月31日まで10年間延長することが適当としておるところでございます。一方、その下で課題として小さなポツで3つほど示させていただいておるところでございます。他の先進国と比較して特恵関税制度の利用率が低調である、また、米国やEUと異なり、経済連携協定を締結した国や地域に対しても引き続き特恵関税制度を適用しており、制度が複雑化している、さらには、WTO原産地規則委員会におきまして、後発開発途上国向け特恵関税制度を中心に、原産地規則が他国に比べ厳格であり、特恵利用の阻害要因となっているという指摘を受けている、これらを課題として踏まえまして、特恵関税制度対象国からの輸入の実態、特恵関税制度の政策効果等の分析・検証を行った上で、必要に応じ、諸外国における運用などを踏まえまして、適用期限にとらわれず対応を検討し、制度改正を行うことが適当としているところでございます。

 8ページ目を御覧いただきたいと思います。HS条約の改正に応じた関税率表の改正でございまして、商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)に基づいて定められておりますHS品目表の改正に応じて関税率を改正することが適当としているところでございます。

 9ページ目を御覧いただきたいと思います。こちらは第2回に御審議いただいたものでございますが、災害による納付期限の延長制度の拡充でございます。現状コロナ禍におきまして、この納付期限につきましては、財務大臣告示により地域を指定しまして延長しているところでございます。一方、これをより迅速、よりきめ細やかにしていくという観点から、国税におきまして個別指定、さらには対象者指定というものが取り入れられていることを踏まえまして、国税と同様の措置にすることでより機動的な対応が可能になるというものでございます。下の四角部分でございますが、関税においても、国税と同様の個別指定による期限延長及び対象者指定による期限延長を可能とすることが適当、また、災害等が発生した場合の指定地外検査許可手数料等の還付、軽減または免除についても、上記の期限延長に係る措置に合わせてその適用範囲を拡大することが適当としているところでございます。

 10ページ目を御覧下さい。上段は第2回に御審議いただきました税関関係書類における押印義務の見直しでございます。こちらにつきましては、改めて押印の必要性を精査し、原則として押印義務を廃止することが適当としているところでございます。

 7点目は通関時における関税等の納付手段の多様化でございます。これは3回目に御審議いただいたもので、下の囲みを御覧いただきますと、旅客などの利便性の向上、通関のさらなる円滑化、非接触型決済による新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、クレジットカード、スマートフォンを利用した小口キャッシュレス納付を可能とし、納付手段を多様化することが適当としているところでございます。

 続きまして、改正事項の最後のものでございます。11ページ目を御覧下さい、第3回に御審議いただきました電子帳簿等保存制度の見直しでございまして、令和3年度関税改正を巡る諸情勢でも触れましたデジタル時代の貿易実務に対応したものでございます。現在、関税関係帳簿書類につきましては電子的に保存することが可能でありますが、電子帳簿の利用はかなり限定的だという点を第3回で御紹介したところでございます。一方、内国税におきましても同様の問題を抱えておりまして、今回、電子帳簿制度の見直しが図られるところでございます。関税におきましても、関税関係帳簿書類の電子的保存に係る負担の軽減を図るとともに、円滑な事後調査のための適切な保存を推進する観点から、内国税の見直しと同様の措置を取ることが適当としているところでございます。

 最後に、12ページ目を御覧いただきたいと思います。引き続き検討すべき事項でございまして、第3回の分科会におきまして商標法の改正の動きについて、いただいたご議論を踏まえた内容となっております。下の四角を御覧いただきたいと思いますが、商標法等の改正が行われた場合には、その施行と同時に、当該侵害に係る物品について税関で水際取締りを実施することが必要であるため、必要な制度改正について速やかに検討することが適当としているところでございます。

 以上でございます。ありがとうございます。

森田分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局から説明のありました答申案につきまして、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。ございませんでしょうか。

〔異議なし〕

森田分科会長 御意見はないようでございます。ありがとうございました。

 それでは、御異議がないということでございますので、令和3年度における関税率及び関税制度の改正等につきましては、本分科会として答申案どおり決定することとし、これをもって関税・外国為替等審議会としての答申といたしたいと存じます。

 それでは、間もなく中西財務副大臣がお見えになりますので、しばらくそのままお待ちください。

〔プレス入室〕

〔中西財務副大臣入室〕

森田分科会長 ただいま中西財務副大臣がお見えになりましたので、これから答申書を手交させていただきたいと存じます。

 平成31年4月8日に諮問がございました関税率及び関税制度の改正につきましては、本審議会の意見を取りまとめましたので、答申書を提出させていただきます。よろしくお願いいたします。

〔答申書手交〕

中西財務副大臣 どうもありがとうございます。

森田分科会長 それでは、中西財務副大臣から御挨拶を一言お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

中西財務副大臣 財務副大臣の中西でございます。

 森田関税分科会長をはじめ委員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。

 ただいま令和3年度における関税率及び関税制度の改正等について御答申を頂きました。委員の皆様には、改正の検討項目についてこれまで熱心に御議論、御審議を頂き、厚く御礼を申し上げます。

 本日の答申では、暫定税率等の適用期限の延長、個別品目の関税率の見直し、災害等による納期限等の延長制度の拡充等についての御提言を頂きました。私どもといたしましては、頂きました答申を十分に尊重して、令和3年度の法令改正作業を進めてまいります。

 また、この後、今日の午後でございますが、私、横浜税関にお伺いさせていただきます。今、年末特別警戒をやっている最中でございますが、そちらを視察してまいります。現場の状況もしっかり理解した上で今後の関税政策に生かしていきたいと思います。

 最後になりますけれども、委員の皆様の御尽力に重ねて感謝を申し上げますとともに、今後とも関税政策や税関行政について御指導賜りますことをお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。

 本当にどうもありがとうございました。

森田分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、プレスの方はここで退室をお願いいたします。

〔プレス退室〕

森田分科会長 それでは、中西財務副大臣もここで御退席になられます。どうもありがとうございました。

〔中西財務副大臣退室〕

森田分科会長 財務大臣から諮問を頂戴いたしました関税率及び関税制度の改正につきまして、本日、本審議会におきまして答申を取りまとめることができましたのは、ひとえに委員の皆様方の御尽力のおかげでございます。

 政府におかれましても、答申の内容を的確に令和3年度の関税改正に反映していただきますようお願い申し上げたいと思います。

 それでは、以上をもちまして、本日の議事を終了したいと思いますけれども、ほかに、ここで最後になりますけれども、御発言等ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

 他に御意見等もございませんようですので、本日の議事はこれで終了といたします。

 これまで御審議いただきました委員の皆様方の御支援、御協力に感謝いたしますとともに重ねて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

午前10時22分閉会

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