(令和3年1月26日(火曜日)17時20分 於:本省会見室)

バイデン新政権の対中政策

【日本経済新聞 加藤記者】米国のバイデン新政権の対中政策についてお伺いさせていただきます。25日の大統領報道官の記者会見で、中国への対応について、過去数か月と同じだとご発言をされまして、一方で、戦略的忍耐を持ちながら臨みたいとも発言されています。その「戦略的忍耐」という言葉は過去にオバマ政権時代に北朝鮮政策で使った言葉で、北朝鮮の核ミサイル技術の進展を許したというような指摘もあると思います。この一連の中国に対する報道官の発言について、どのように分析されていますでしょうか。

【茂木外務大臣】まず米中の関係、おそらくオバマ政権時代と現在というのは、かなり違っているんじゃないかなと。当時、通商問題も先端技術を巡る競争もなかったわけですし、現在それが早急に解消すると、こういう見方、これもないわけであります。
ただ、米中両国の影響力からしても、これは国際社会全体に関わる問題でありまして、今後も両国間で建設的な議論が進むことを期待したいと思っております。
サキ報道官の使っている言葉、多分米国側も、中国へのアプローチ、これは変わらない。戦略的競争、変わらない。また、同盟国とも議論したいと述べていると、理解をいたしておりまして、我が国としても米新政権との間で地域の諸課題について、戦略的な観点から議論を深めていきたいと思っているところであります。

ロシア反体制派指導者の拘束

【テレビ朝日 佐藤記者】ロシアについてお伺いします。ナヴァリヌィ氏の釈放を求めるデモで多くの人が拘束され、米国政府は非難するとの声明を発表するなどの動きがあります。昨日の官房長官会見では、日本政府としても懸念を持って注視しているとの発言がありましたが、改めて外務大臣のご見解と今後の対応について教えてください。

【茂木外務大臣】昨年8月に発生しました、毒物使用事案の被害者でありますナヴァリヌィ氏、ロシア当局によって拘束をされたこと、そして同氏の釈放を求めて、ロシア各地で行われたデモ参加者が多数、ロシア当局によって拘束されたことについて、日本政府として懸念を持って注視をしているところであります。
 ナヴァリヌィ氏、そしてまた、平和的な抗議活動の中で恣意的に拘束された人々の釈放を求めていきたいと思っております。
 また、ナヴァリヌィ氏に対する毒物使用事案についても、改めてロシア政府に対して、透明性の確保と犯人の処罰を求めたいと思います。